職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

79号2012

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  79号 12.12.14
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.77
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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  「飲酒、逃げ得許さない」
     ウィドマーク法って何?

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ★スクーリング、全日程終了!!
 
 9月から始まった、スクーリング。
 山さんの全国行脚も全日程が終了しました。
 スクーリング、スキルアップ研修を通じて、多くの皆様にご参加いた
 だくことができました。

 研修を通じて、皆様からたくさんのご意見ご感想をいただきました。
 飲酒運転防止に対して、情熱を持って取り組んでいるようすが伝わっ
 てきます。
 
 今回はスクーリングのアンケートの一部をご紹介します。

 ・講師は具体的で身近な例を挙げて説明してくれたのでよかった。
  また、スクーリングに参加することで、研究会等で従業員に説明す
  るイメージがわいた。(バス)
 ・本人に気づかせ、節酒など少しでも変化がでるように導くのはたい
  へんそうだが、まず自ら節酒をがんばってみます。(教習所)
 ・全体的にわかりやすい講義だったので、一般運転士にも伝えやすい
  と思いました。(バス)
 ・座学だけでなくグループワークもあったので満足です。また、確認
  シートなどに載っていない体験談などもまじえた講義だったので、
  わかりやすかったです。(行政)
 ・自分は全く飲酒しないが、酒・アルコールの正しい知識を得ること
  ができた。また、講師の質問形式の聞き取りの仕方が参考になった。
  (バス)
 ・実例をあげながらの説明がよかったです。上級インストラクターを
  目指したいと思いました。(トラック)
 

 ★上級インストラクターを希望する方々からお問合せがきています!
 今年度認定のインストラクターには3月ごろ案内をお送りする予定です。
 
 上級インストラクターのページはこちらです。
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuukibou.html


 ★インストラクター認定者数も随時更新しています。
   ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html

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  2.ASKからのお知らせ
=============================================================== 

 ★<e-ラーニング>来春登場!

 飲酒運転防止研修<e-ラーニング> 
 「15分で学べる必須のアルコール知識」

 集まって研修を実施する時間がとれない職場におすすめのeラーニングが、
 1月末に完成予定です。
 個々に、15分程度受講したあと修了テストを行なう流れです。
 結果は記録され、管理者が受講状況を確認できるので、研修の管理が簡単
 です。
 コンテンツ、修了テストはカスタマイズも可能。

 ANA(全日空)でもカスタマイズ版が採用されています。

 標準コンテンツ
 1.飲酒運転とは何か?
 2.体内にアルコールがあると、どうなる?
 3.アルコールの1単位
 4.お店で飲むお酒は何単位?
 5.アルコールの処理にかかる時間の目安
 6.「3単位飲酒」と飲酒運転との関係
 7.セルフチェック(1) 日ごろの飲酒(入力⇒処理時間を自動計算)
 8.セルフチェック(2) もっとも多く飲んだ時(入力⇒処理時間を自動計算)
 9.1日の平均アルコール消費量と死亡率
 10.理想的なお酒とのつき合い方
 11.1日平均3単位以上飲酒する人のリスク
 12.節酒のためのヒント(選択⇒印刷可)
 13.酒気帯びのケーススタディ【Aさんのケース】(選択⇒解答)
 14.酒気帯びのケーススタディ【Bさんのケース】(選択⇒解答)
 15.酒気帯びのケーススタディ【Cさんのケース】(選択⇒解答)

 修了テスト
  標準5問(テスト結果は職場の管理者に通知されます)  

 詳しくはこちらのサイトで(デモ動画も見られます)
  ↓ ↓ ↓
 http://goo.gl/XLc9K


 ★交通安全週間にトイレットペーパーの注文が相次ぎました!
 
 200個注文いただいた愛知県の自動車部品メーカーのお話――

 交通安全週間に合わせて、事務所や工場など全部のトイレに設置しました。
 従業員から「トイレットペーパー替わった…?」との声がチラホラあがって
 いるので、「交通安全週間だからね」と声を掛けています。
 日頃の飲酒習慣を見直すきっかけになっているようです。

 100個注文いただいた千葉県の北総自動車学校のお話――

 11月23日に所内で、地域の交通安全や活性化を目的としたイベントを主催し、
 先着100名様に配布しました。
 地域の方や教習生のご家族の方など、すでに免許を持った多くの方が来場され、
 受け取った方は「こんなのがあるんだ」ともの珍しさに喜んでくださいました。
 千葉県内でもいまだに飲酒運転事故が起きています。
 「ゼロ」になって欲しいと、教習所職員全員が思っています。
 トイレットペーパーは、マンガや文字で色々な情報が載っているので、地域の
 方に興味を持っていただけたと思います。

 ★トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
   ↓ ↓ ↓
  http://goo.gl/MjSHC


 ★その他、職場の飲酒運転防止対策に最適の教材・予防ツール

 ●DVD&ハンドブック
 「知って得する!アルコールの基礎知識」
  ――飲酒運転防止研修のためにつくられた教材です
  http://goo.gl/lIcTt

 ●体質ごとの飲酒リスクがわかる!
  ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  http://goo.gl/vAF73

 ●啓発パンフレット
  飲酒運転 あなたは大丈夫?――タイプ別リスクとアドバイス
  http://goo.gl/xdqmt

 ●アルコール依存症への対応を学ぶ通信講座
  ――6回の通信添削(援助者コースと家族コースがあります)
  http://goo.gl/tE35C

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  3.ニュースCLIP!
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 年の瀬です。
 あっという間の1年だったと感じているのは、私だけでしょうか?

 今成がお届けします。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)スクールバス運転手が飲みすぎて
 2)大学生・高校生、「仲間とカラオケ」に注意!
 3)ウィドマーク法で「逃げ得許さない」
 4)消防団員が忘年会後に死亡事故
 5)福岡県で条例の適用開始
 6)「ノンアルコール飲み会」急増!

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 1)スクールバス運転手が飲みすぎて

 スクールバス運転手による酒気帯び運転が続きました。

 ◎通学バス、酒気帯び運転で事故…中学生8人ケガ(12月3日 読売新聞)

 12月3日午前7時50分頃、北海道猿払村浜鬼志別で、スクールバスが道路外に
 逸脱して転落。通学のためにバスに乗っていた中学生8人が、病院に搬送さ
 れました。
 打撲などの軽傷だったのが、不幸中の幸いでした。バスは、高さ約2メートル
 ののり面を滑り落ち、車体が斜めに傾いたといいます。
 運転手(68)の呼気からは基準値を超えるアルコール分が検出。
 「酒は前日飲んだ。スリップした」と話しています。

 ◎酒気帯び運転:容疑で大洲市委託職員を逮捕/愛媛(11月20日 毎日新聞)

 大洲市委託のスクールバス運転手(59)が、11月18日午後3時10分頃、ライト
 バンを酒気帯び運転し、左折の際に道路右側ガードレールに衝突。
 呼気0.4㎎/mlのアルコールが検出されました。
 運転手は平日の毎朝夕、中学と小学校の生徒・児童約20人の送迎を担当して
 おり、衝突事故を起こしたのは休日でした。

 午後3時にこの呼気濃度というのは、前夜に相当飲んだか、休日の日中に飲
 んでいたか、でしょう。


 2)大学生・高校生、「仲間とカラオケ」に注意!

 若者の飲酒運転が目立ちます。前月の男子大学生(ニュースクリップ3参照)
 に引き続き、女子大学生、さらには高校生が事故を起こしました。
 3つの事故の共通点は、「仲間と一緒にカラオケ」です。

 ◎飲酒女子大生電柱に、ミニバイク無免で2人乗り(11月14日 読売新聞)

 11月13日午前2時5分頃、兵庫県淡路市志筑の市道交差点で、ミニバイクが
 信号を無視して右折。パトカーが停止を求めましたが、2人乗りのミニバイ
 クは逃走。
 約300メートル北西で電柱にぶつかり、運転していた大学4年の女子学生
 (21)と、後ろに乗っていた同じく4年の女子学生(27)が顔などに軽傷を
 負いました。
 運転していた女子学生は無免許で、呼気0.25㎎/mlのアルコール分を検出。
 2人は女子学生の自宅で飲酒して、カラオケ店に行った帰りでした。

 ◎少年運転の車横転 酒気帯び容疑、5人重軽傷 長野(12月1日 毎日新聞)

 11月29日午後9時50分頃、長野県東御市で、男子高校生(18)の乗用車が、
 前を走っていた乗用車を追い越そうとして接触し横転。少年と同乗の16~
 18歳の少年の計4人が軽傷、高校生の少女(17)1人が頭蓋内出血の重傷
 を負いました。
 少年は「店で飲酒後、カラオケ店に向かう途中だった」と話しています。
 現場は見通しの良い直線道路で、追い越し禁止区間でした。

 若者の飲酒事故は大事故につながります。
 カラオケ店に注意を呼びかける必要があります。
 教育の場としては、高校・大学・自動車学校がカギになると思います。


 3)ウィドマーク法で「逃げ得許さない」

 先月掲載の、大学生5人が仲間を見捨てて逃走した事故を覚えていますか?

 事故は、10月27日午前3時40分頃に発生しています。大学生6人が居酒屋2軒で
 飲んだ後、ワゴン車でカラオケ店に移動する途中の出来事で、車は道脇の立木
 に衝突、乗っていた男子大学生(19)が車外に放り出され死亡しました。
 あろうことか、運転していた男子大学生(21)を含む5人全員が、友人を見捨
 てて逃走。
 事故の約8時間後に出頭した男子大学生の呼気からは、基準値を下回る微量の
 アルコールしか検出されませんでした。大学生は仲間と居酒屋に行ったことは
 認めましたが「自分はジュースを飲んだ」と飲酒を否認。
 当初、千葉県警は酒気帯び容疑での逮捕を見送ったのです。

 ところが……

 ◎野田のワゴン車死亡事故「飲酒、逃げ得許さない」8時間後出頭の男、
  新手法で立件/千葉(12月9日 毎日新聞)

 同乗者の供述から、運転者も2軒の居酒屋でビールやサワーを飲んでいたこと
 が判明。
 県警は、店の伝票で注文した酒の種類や量、時間などを裏付け、ウィドマーク
 法で事故時のアルコール濃度を算出し、立件にこぎつけました。
 同乗していた男女4人も酒気帯び運転同乗容疑で書類送検されました。

 酔いをさましてから出頭し、罪を逃れようとする「逃げ得」。
 これに対抗するウィドマーク法とは?

 アルコールが体内で分解される代謝の仕組みに基づいて、事故時の体内アル
 コール濃度を推計する計算法。
 この手法では「少なくとも○㎎から○㎎までの範囲内」という幅のある数値
 でアルコール濃度が算出されるため、刑事事件として立件するには下限が基準
 値を上回る必要があるとされています。

 ウィドマーク法の計算式(シンク出版):
 http://goo.gl/CKYQ6


 4)消防団員が忘年会後に死亡事故

 忘年会後の事故が起きました。

 ◎消防団員が飲酒運転 男性2人死傷 (12月3日 山形放送)

 12月2日午後7時前、山形県金山町で、団体職員(35)が運転する乗用車が、
 道路右側の民家の車庫に突っ込みました。この事故で、助手席にいた介護士
 (40)が胸などを強く打ち、搬送先の病院で死亡、団体職員も負傷しました。
 現場はゆるい左カーブで、スピードの出し過ぎが事故原因とみられています。
 2人は町消防団に所属していて、この日は消防団の忘年会のため、昼頃から近
 くの公民館で酒を飲んでいたとのこと。2人ともシートベルトは締めていませ
 んでした。

 近いから大丈夫、と思ったのでしょうか。
 その気のゆるみを生じさせるのもアルコールの作用なのです。

 この事例は消防団でしたが、消防職員の飲酒運転も相次いでいます。

 ●消防士(20)山形(11月27日 読売新聞)
 11月23日午後8時~11時頃、居酒屋で開かれた約80人が集まった懇親会で、
 ビールを中ジョッキで1杯半、日本酒を2合飲酒。運転代行会社に連絡したが、
 時間がかかると言われたため運転、翌午前0時頃、帰宅途中に検挙された。

 ●消防局司令補(44)大阪(12月5日 産経新聞)
 12月5日午前1時10分頃、酒気を帯びた状態でミニバイクを運転。転倒して対
 向車に接触。「大阪市内の居酒屋で友人と酒を飲んだ」と供述している。

 ●消防本部係長(37)福岡(12月8日 日刊スポーツ)
 12月8日午前3時10分頃、蛇行運転していたため、県警交通機動隊が職務質問
 し飲酒検知したところ、呼気0.3㎎/mlのアルコールを検出した。

 ●消防士長(36)山形(12月9日 毎日新聞)
 12月7日午後5時~10時頃まで、居酒屋で同僚4人と飲酒。自宅に帰る途中、
 午後11時10分頃、信号待ちの軽乗用車に追突した。この日は非番だった。

 冒頭の消防団員を合わせると、山形県は3例です。
 同県では、県職員と町職員の飲酒運転も出ています。


 5)福岡県で条例の適用開始

 飲酒運転撲滅条例が施行された福岡県で、適用事例が出たと県警が発表しま
 した。その中身は――

 ◎「客が飲酒運転」直前に飲んだ店へ通知 福岡で条例適用
  (11月23日 朝日新聞)

 1.福岡県公安委員会は、飲酒運転で逮捕された女性がその前に酒を飲んでい
   た2ヵ所の飲食店側に対し、違反事実を通知。
   2店は北九州市八幡西区にある飲食店。女性は店で飲酒後、乗用車を運転
   して現行犯逮捕され、免許取り消しの処分が決定しています。
   条例では、1年以内に再び、酒を提供した客から違反者を出した場合、
   立ち入り調査を受けなければならず、飲酒運転の防止措置などの指示に
   従わなければ店名が公表されたり、過料が科されたりすることもあります。

 2.福岡県公安委員会は、9月21日~10月3日に酒気帯び運転の疑いで検挙され、
   免許取り消しか停止となった14人の住所や氏名などの情報を知事に提供。
   この人たちは5年以内に再度違反すると、アルコール依存症診断の受診が
   義務づけられます。


 6)「ノンアルコール飲み会」急増!

 「忘年会に酒抜きはありえない」というのは、古い考え。
 ノンアルコールが飲み会を変えるかもしれません。

 ◎「ノンアルコール飲み会」急増 宴会のプランにも(12月6日 産経新聞 )

 女性5人での「女子会」をノンアルコールでやるという会社員は「出費を抑え、
 カフェスタイルのお店で食事やおしゃべりを楽しみたい」と語ります。
 東京・銀座のレストランは、昼の忘年会を提案しています。米麹を使ったノン
 アルコールの食前酒から始まるフルコースを提供するそうです。
 新宿のホテルでは、最上階のラウンジに45種類のノンアルコールカクテルを
 揃えました。
 お客の要望に応え、飲み放題プランにノンアルコールを加える店も増えている
 ようです。ドライバーや飲めない人だけでなく、ノンアルコールを酒量の調整
 にも使う人もいるとか。
 「最初はノンアルコール」「途中からノンアルコール」と切り替えるのです。

 年末年始は、飲みすぎて翌日に残ったり、節酒パターンが崩れたりしがち。
 ノンアルコールを上手に使うのはいい方法です。
 ただし、アルコールへの依存傾向がある人にとっては、ノンアルコールは雰囲
 気や味で飲酒欲求を呼び覚まします。
 ウーロン茶やソーダなどふつうの清涼飲料をどうぞ。

=============================================================★
  4.山さんコラム No.77
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆簡単そうで、なかなかできない

 早寝、早起き、良い子の生活。
 夜、早く眠れば、朝は、早く目が覚める。
 自然の摂理。普通の生活、そして健康な状態。
 だから不健康になったら、日常を見直して、生活のリズムを基本にもど
 してやれば良い。
 いい加減な山さんの勝手な理論ではない。メンタルヘルスの大家、睡眠
 障害の権威、消化器や循環器の名医も、そろって説くところである。
 生活リズムを整える、すなわち食事、運動、仕事、休養、睡眠などがきち
 んとすれば、自律神経が安定、免疫力も高まり、病が治るという理屈。

 現代社会が生活リズムを乱し、病気を作り出す。
 同時に現代社会は、医療機関・技術を発達させ、新薬を生みだした。
 名医は、すでにこの矛盾した現象に気づいている。

 例えば、便秘の名医は、患者から、まず毎日の生活をよく聞きだし、薬を
 処方する前に、朝の生活改善を指示するそうだ。朝、早く起き、水を1杯
 飲み、運動をし、朝食をきちんととる。食事には、腸の活動をよくする
 発酵食品で、植物繊維の豊富な納豆など。この生活を2週間続け、それでも
 便秘が改善しなければ、はじめて薬の力を借りると語る。
 ごく普通で、当たり前の指導だと山さんは思うが、この先生の人気はすごい。
 予約が4年待ちという。患者さん、診察を受ける前に、上記の処方を試し
 てみれば?

 この話には何の不思議も新発見もない。
 健康な暮らし、早寝、早起きで生活リズムを整え、食事、運動をきちんと
 すれば、莫大な開発費用をかけて発明・実用化した薬を使用する必要がない
 ということ。
 医者も、医療費もいらない。
 こんな簡単なことが何故できないのか。

 ところで山さんは、7年前から文教大学の非常勤講師として「労働と人間」
 という科目を担当している。
 きっかけは後輩が学科主任になり、手伝ってくれといわれたこと。当時、
 監査役で暇そうに見えたこと、今までの経験で企業の採用・研修などに
 くわしかったことが理由だろう。
 こちらも、今の若者に言っておきたいことがたくさんあったから、喜んで
 引き受けた。
 はじめは100名ぐらいだったのが、毎年徐々に増加して350名にもなり、
 レポートの採点では苦労する。
 もちろん学期はじめには、アルコールの知識も教えている。
 さて、教え子の学生生活を見てみると、生活に2つのパターンがあること
 がわかる。

 まずは現代社会の矛盾を体現した2人。
 学生A「バイトが夜中1時まであり、起きられず、月曜日1時限は止む無く
 欠席です」
 学生B「寝床に入っても2時までは眠れない。家族みんなが夜遅いので」
 Aの場合、学費をかせげなければ大学にこられない。しかしバイトのため
 朝食もとれず、1時限は遅刻・欠席しがちだ。授業にでられないなら何の
 ための学費かせぎのバイトか疑問。
 Bは典型的な現代社会の被害者だ。高校時代も午前中は眠かったという。
 夜型生活に慣れ、遅寝遅起きの不健康さを感じていない。
 AもBも、もし生活が乱れたまま実社会に出て、激しいストレスにさらさ
 れれば、さまざまな病気にかかってしまうだろう。
 ちなみにAのような経済的事情がある学生に関して言えば、昔は、昼間働
 いて夜大学へ行くのが普通だった。この方が自然なのだが、今は夜学より
 昼が人気。
 しかし中には、1年間働き学費を稼いでから大学に来たという学生もいる。
 授業を受ける態度も、感想文もしっかりしている。現代人は平均寿命が延
 びた分、精神的成長は遅い。社会に出て学習意欲が高まってから受ける講義
 は身につくはず。山さんはこの方法をすすめたい。

 さて別のパターンの学生もいる。出席率100%の2人。
 学生C「通学に2時間かかる。早く起き、電車を決めているから遅刻はなし。
 居眠りは多い」
 山さんは、私語は厳禁、厳しく注意するが、居眠りは容認している。山さん
 の教えたいことは、知識でなく、単純に云うと「自分で学び考えよ」に尽きる。
 これくらいなら、繰り返し大声で述べれば、居眠りしていても、潜在意識
 (心)に刻まれるにちがいない。で、出席を重視、早起きによる居眠りは
 不問。早起きの習慣は、将来、生活に大いに役立つから。
 学生D「毎朝、近所の人に、大声で挨拶します。明るい返事がかえってきて、
 とても気持ちがいいんです」
 このように少数ながら、朝に強い学生もいる。感想文は、とても素直なほれ
 ぼれとした字だ。ご両親、小学校、中学校、高校の先生方にお会いしたくなる。
 どうしたら、こういう子どもに育つのだろう。

 文明の発展は、見方を変えれば、わざわざある種の病気を流行らせ、治す
 という「回りくどい文化」を作りあげた。
 最新の医療技術や薬は、強力な作用で一時的に病気の症状をなくす。だが、
 生活が乱れたままなら、病気は再発する。若さの力と薬で不健康状態を乗り
 越え、仕事を続ける人が多い。
 薬と治療で症状を抑え、時に入院し、名医、有名病院を訪ね歩く。情報は山
 ほどある。
 かくして医療費は増大し、財政の負担は大きく大問題。一方では、医療サー
 ビスが充実、健康産業の発展、宣伝・広告業界の繁栄がもたらされる。
 不健康が経済の発展を支えているというのは、皮肉だ。

 この見方は、酒におきかえても、同じことが言えそうである。
 酒類は酒税、消費税を増やし、酒類関連産業の発展、広告宣伝業の繁栄に
 寄与している。
 しかし多量飲酒が健康を害し医療費の増大を招き、飲酒運転をはじめ社会
 犯罪などを発生させて、社会的費用を莫大にしている。

 「早寝、早起き」「節度ある適度な飲酒」。
 簡単に見えるが、現代社会では難しい問題である。
 もう一度、白紙の状態から考えてみたい。
 山さんの原点、第二次大戦直後、東京は焼け野原。
 食料はなく、常に飢えていた。衣類は粗末、兄弟のおさがりは当然、従兄
 の洋服まで回ってきた。バラック建てに家族5人の住居、そんな時代でも、
 みんなが、実に明るく、元気だった。
 粗末な紙の粗末な色の絵日記に「早やね、早おき、良い子の生活」と印刷
 されていた。
 60年たった今でもはっきり思い出す……。

 突然ですが「節度ある適度な飲酒」をするには、一度「禁酒」を試みるの
 がよろしい。
 飲まなかった自分に戻って、自分を見つめるために。

=============================================================★
  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

=====================編集後記 *つぶやき*========================

 先日、こんなポスターをホームで見かけました。

 ●ホームでのちどり歩き…危ない! 
 ホームで起こる人身障害事故のうち、6割以上が、お酒に酔ったお客さまです。

 つい立ち止まり、近寄って読んでしまいました。
 私と同じように、読んでいる老夫婦がいました。

 ふと目が合って、無言でごあいさつしました。
 「ほんと、危ないですよね」「そうそう」
 こんな感じで。
 
 ネット検索したら、ありました。このポスターです。
 http://www.mlit.go.jp/common/000231176.pdf

 それではみなさま、どうぞご無事で、
 よい年をお迎えください。
 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】79号 12.12.14
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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