職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

77号2012

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  77号 12.10.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.75
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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 「罰酒」「ワンショット」「サバル酒」
 
   ――???という方は、ニュースCLIP!をどうぞ

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ★スクーリング、折り返し地点!
 スクーリングもいよいよ後半戦に突入です。
 受講者から、実践報告も届きはじめています。
 取材のご依頼はASKまでどうぞ。電話03-3249-2551

 10月17日 大阪
 10月25日 仙台
 10月31日 札幌
 11月7日 神戸
 11月8日 広島
 11月14日 大宮
 11月21日 福岡
 11月28日 東京
 11月29日 東京
 12月5日 沖縄
 
 ★スクーリング受講者からはこんな声が!

 ・持ち帰って職場で実践するにあたり、ヒントをたくさんいただきました。
  (バス)
 ・山村先生が、実際の出来事を取り入れて解説くださったので、わかりや
  すかった。(バス)
 ・これから実際に実施(職場内外ともに)していく上で、まずは自分自身が
  正しいアルコールに対する知識が身についたことに感謝します。(教習所) 
 ・具体例と教える際のポイントをおさえていただいたのでわかりやすかった
  です。(運輸)

 ★スキルアップ研修も好評開催中!

 10月16日 大阪
 10月24日 仙台
 10月30日 札幌
 11月6日 神戸
 11月13日 大宮
 11月20日 福岡
 11月27日 東京
 12月4日 沖縄
 
 インストラクターに認定されている方で、スキルアップ研修に参加を
 ご希望の方は、ASK(03-3249-2551)までお問い合わせください。

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  2.ASKからのお知らせ
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 さまざまな機会が、ちょっとした啓発のチャンスになります。
 
 今回は、ジェルパッチと飲酒運転防止の啓発パンフを組み合わせた例を
 ご紹介します。
 
 福島県の運輸会社のお話――

 年に数回、社内のドライバーが集まる会議の中で、飲酒運転の防止の
 ための講習会を行ないます。
 その中で、啓発パンフレットとジェルパッチを配布しました。
 パッチテストはその場で実際にやってもらいました。
 人によって肌が赤くなったり、ならなかったり。
 実際に出た反応を見て、「自分の体質がわかった」「参考になった」と
 いう感想が出ていました。

 日頃の飲酒について、自分のこととしてふりかえる機会になったようです。


 ●体質ごとの飲酒リスクがわかる!
  ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
   ↓ ↓ ↓
  http://goo.gl/vAF73

 ●啓発パンフレット
  飲酒運転 あなたは大丈夫?――タイプ別リスクとアドバイス
   ↓ ↓ ↓
  http://goo.gl/xdqmt


 ★その他、職場の飲酒運転防止対策に最適の教材・予防ツール

 ●DVD&ハンドブック
 「知って得する!アルコールの基礎知識」
  ――飲酒運転防止研修のためにつくられた教材
  http://goo.gl/lIcTt

 ●ここでなら、じっくり読んでもらえるから……
 トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  ――イベントの景品/職員に配布/職場のトイレに
  http://goo.gl/afrpC

 ●アルコール依存症への対応を学ぶ通信講座
  ――6回の通信添削(援助者コースと家族コースがあります)
  http://goo.gl/tE35C

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  3.ニュースCLIP!
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 すっかり秋めいてきました。
 空にはいわし雲。
 朝晩はぐっと冷え込む日も……。
 
 鍋料理がおいしくなる季節ですね。
 でも、翌朝のことを考えて、どうぞ飲みすぎないように。

 さて、担当は今成です。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)1ヵ月に警察官4人が!
 2)広島で中学校長が、市議が……
 3)三重県議会が条例制定へ
 4)何も覚えていないから!?
 5)韓国・サムスンが飲酒文化改善キャンペーン

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 1)1ヵ月に警察官4人が!

 秋の全国交通安全運動が実施された9月、警察官の飲酒運転が続々と出て
 しまいました。
 愛知県警ではなんと2人も!
 仕事帰りにひとりで飲んだ、休みに自宅で焼酎を飲んだ、職場の送別会
 で飲んだ、休みに外で飲んだ……。あらゆるパターンで起きています。
 アルコール依存症の疑いが濃厚な例もあります。

 ●愛知県警巡査部長(30代)9月15日 読売新聞
 9月11日、仕事を終え名古屋市内の飲食店で1人で酒を飲んだ後、自家用
 車を運転して信号待ちしていた会社員の車に追突。会社員と巡査部長
 はそれぞれ軽傷。巡査部長の呼気から0.2㎎/lのアルコールが検出。
 「これまでにも何度か車で酒を飲みに出かけた。ストレス発散のために
 酒を飲んだ」と供述。

 ●愛知県警部補(53) 9月22日 朝日新聞
 9月19日午前、酒を飲んだ後にバイクを運転し、交差点で止まっていた
 ミニパトカーに追突。「自宅で焼酎を飲んでいた。バイクで買い物に行く
 途中だった」と話しているという。この日は仕事が休みだった。

 ●秋田県警警部補(41) 9月23日 秋田魁新報
 9月21日午後7時から、居酒屋で開かれた別課の上司の送別会に出席し、
 10時頃まで飲酒。さらに同僚ら数人と近くのスナックに立ち寄り、11時
 頃に一人で店を出た。その後、署に止めていた妻名義の軽乗用車を運転
 し、22日午前1時25分頃、電柱に衝突。胸の骨を折り入院した。
 電柱のそばに立てられていた交通安全ののぼりが数本なぎ倒されたり、
 折れたりしていた。

 ●警視庁警部補(56) 9月27日 産経新聞
 9月26日午後5時25分頃、自宅近くの路上で酒に酔って乗用車を運転。住宅
 のブロック塀に衝突し、さらに道路を挟んだ向かいの住宅のブロック塀に
 衝突して停止した。110番した通行人が車内を確認すると、泥酔して眠って
 いた。呼気0.8㎎/lのアルコールが検出。仕事が休みで帰宅途中だった。


 ★警察職員による飲酒運転 事例の分析(ASKのサイト)
 http://www.ask.or.jp/ddd_case4.html


 2)広島で中学校長が、市議が……

 広島県がたいへんなことになっています。
 8月の県警の2人に続き、9月には市立中学校校長と広島市議です。
 しかも、2人とも飲酒運転防止に熱心にとりくんでいたのです。

 ◎中学校長、車内に置いた焼酎飲み運転(9月17日 読売新聞)

 「学校からの帰宅途中、車に置いてあったペットボトルの焼酎を飲んだ」
 「ペットボトルには別の日に買った焼酎を入れていた」
 とは現行犯逮捕された校長(54)の供述。9月13日、帰宅途中にラーメン
 店前に車を止め、ペットボトルの焼酎を飲んで運転。午後9時30分頃、駐車
 中のトラックと衝突しました。常習的に飲酒運転をしていた可能性もある
 とみられています。
 勤務先の中学では、7月に「飲酒運転防止」をテーマにした教職員向けの
 服務研修を実施。夏休み中の飲酒運転を防ごうと、校長自身が発案した
 そうです。
 教頭は「土日も学校に出てくるような真面目な人。仕事のプレッシャーが
 あったのかもしれない」と話しているとのことです。

 ――この飲み方、依存症の可能性も考慮したほうがよさそうです。

 ◎飲酒運転撲滅条例を建議した市議、酒気帯び運転(9月21日 読売新聞)

 広島市議(38)は、9月20日午前2時20分頃、巡回中のパトカーを見て方向
 を急転換しました。不審に思った警察官が職務質問。基準値の2倍に当たる
 呼気0.3㎎/lのアルコール分が検出されました。
 「19日午後10時頃から広島市内で数人の知人とビールやワイン、日本酒
 などを飲んで帰宅した後、バイクで外出した」と供述しています。

 ――市議は6月、飲酒運転撲滅のための県条例制定を求める意見書案を提出
 したメンバーの1人だったということです。


 ◎過去にも飲酒運転25%…逮捕などの人意識調査 広島県警
  (9月28日 読売新聞)

 この緊急事態の中、広島県警は、昨年9月~今年8月に飲酒運転で逮捕され
 たり、交通違反切符を交付されたりした559人の意識調査を発表しました。
 調査は男性514人、女性45人に聞き取り方式で実施。年齢別では30歳代~
 60歳代が計422人。20歳代は85人、70歳代以上は36人、10歳代は16人。
 飲酒運転をした理由は「捕まらないと思った」が358人で1番多く、「近く
 だから大丈夫と思った」が92人。「翌日車が必要だった」は29人でした。
 目的別では「帰宅」が268人。「買い物」64人、「娯楽」46人。
 過去にも飲酒運転をしたことがあると回答したのは139人。回数は「1回」
 が96人と最多でしたが、「10回以上」と言う人も13人いました。

 ――4人に1人は、過去に意識的に飲酒運転をしているということ。
   常習者への対策が必要なことは明らかです。


 中国新聞は9月24日の社説で、違反者に依存症診断を義務づけた福岡県の
 「飲酒運転撲滅条例」を、広島でも制定しようと呼びかけています。

 
 3)三重県議会が条例制定へ

 三重県議会会派代表者会議が、「飲酒運転の撲滅に関する条例(仮称)」
 制定を決めました。10月15日の本会議で条例検討会の設置を議決し、条例
 の内容などについて協議するとのことです。
 
 ◎飲酒運転:撲滅条例制定へ 三重県議会、15日に検討会設置議決
 (10月13日 毎日新聞)

 飲酒運転防止の条例はすでに、福岡、大分、宮城、山形、沖縄の5県が制定
 しています。
 9月21日に全面施行された福岡県の条例では、5年以内の再犯にアルコール
 依存症の診断義務を規定、罰則も設けられています。

 ★福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例
 http://www.gikai.pref.fukuoka.lg.jp/insyu-jyorei.pdf

 ★沖縄県飲酒運転根絶条例
 http://www.pref.okinawa.lg.jp/reiki/42190101003800000000/42190101003800000000/42190101003800000000.html

 ★山形県飲酒運転をしない、させない、許さない条例
 http://www.pref.yamagata.jp/Reiki/42090101001600000000/42090101001600000000/42090101001600000000.html

 ★宮城県飲酒運転根絶に関する条例
 http://www.police.pref.miyagi.jp/hp/kikaku/insyu_kisoku/insyu_jyourei.pdf

 ★大分県飲酒運転根絶に関する条例
 http://www.pref.oita.jp/10400/advice/bosyu/h19/insyu/jyourei.pdf


 4)何も覚えていないから!?

 東松山市で1月1日、飲酒運転をして初詣途中の親子3人をはねて死傷させ
 たとして、危険運転致死傷の罪に問われた被告(52)の裁判員裁判の初
 公判が、10月10日、さいたま地裁でありました。

 ◎東松山の初詣親子3人死傷:裁判員裁判初公判 被告「何も覚えてない」
 (10月11日 毎日新聞)

 検察側は冒頭陳述で、被告が日本酒を飲み過ぎたことを自覚し、事故後も
 生年月日などを正確に答えたと主張しています。
 しかし被告側は、飲酒運転で事故を起こした事実は認めましたが、危険運転
 致死傷の成立を否定しました。
 その理由は、「飲酒の途中から記憶がなくなり、運転したことや運転理由
 など一切記憶がない」からだそうです。

 つまり、記憶をなくすほどの量を飲んでいた、ということですね。


 5)韓国・サムスンが飲酒文化改善キャンペーン

 サムスングループは9月19日、健全な飲酒文化と役職員の健康増進のために、
 全職員を対象に大々的な飲酒文化改善キャンペーンを実施すると明らかに
 しました。

 ◎サムスン、罰酒・一気飲みなど飲酒の悪習をなくす(9月20日 中央日報)

 この日は、酒を飲めない人を苦しめる「罰酒」、暴飲につながる「ワンシ
 ョット(一気飲み)」「サバル酒(大きな器に入れた酒)」の強要を「3大
 飲酒悪習」と規定し、禁忌事項として宣布しました。
 すでに8月28日には、社内電子掲示板に「119指針」を出し飲酒節制を督励
 しています。 119は「1種類の酒で、1次で終えて、午後9時前に帰宅する」 
 という意味だそうです。

 また来年1月からは、グループ主管の各種教育課程で「節酒講義」を必修科
 目とするとのこと。 飲酒関連事故事例、飲酒が健康に及ぼす弊害などを
 教育内容に含め、飲酒習慣の改善を誘導する方針です。

 教育によって職場の飲酒文化を変える――
 職員の飲酒運転に悩む日本でも、参考になるのではないでしょうか。


 ★ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座
   ↓ ↓ ↓
  http://goo.gl/VxG9E

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  4.山さんコラム No.75
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆歩く効用

 今回のテーマ、アルコールの話は最後の最後になるまで出てこない。
 ご了承のうえ、山さんの語りにしばしおつきあいいただきたい。

 失敗や嫌なことがあったら、必ず歩くことにしている。
 元国鉄本社は東京駅の駅前にあった。
 仕事上で失敗があれば、丸之内中央通りを歩く。
 早めの昼休みにして、11時過ぎに本社ビルを飛び出す。
 「あーすればよかった、こうすべきだった」と、悔やみの念が次々に浮か
 んでくる。
 「それにしても誰かが気づいてくれても良いのに」と恨みがましい気持ち
 も起こる。
 そしてまた、「あそこで気づくべきだった」と反省。
 心にうかぶ感情をそのまま抱きながら、中央通りを進んで行く。
 やがて晴海通りにぶつかる。
 「そうだ、昼飯だ」
 普段なら、本社ビルを出る前に何を食べるか決めて歩き出すのだが、気持
 ちが動揺していると、ただ歩くだけになる。
 晴海通りの横断歩道を前に、ここを渡れば中華、戻れば日本蕎麦かラーメン。
 左折すれば銀座で洋食屋。洋食なら右折して日比谷公園の中でもよい。
 すこし悩んで決定。いざ昼食へ。
 12時前だから、どこでも空いている。気持良くスムースに食事がすむ。
 お腹がふくれるとイラだった感情も治まってくる。
 「終わってしまったことはしかたがない。それより事態の修復だ」
 帰り道、少し遠回りしながら策を考える。
 それで午後の仕事は、まずまずうまく行く。
 30分ほどの歩行効果。

 思わぬ左遷人事の内命を受けた場合は、こう簡単にはいかない。
 「何故だ。何がいけなかったのか」
 まず、疑心の念がうかぶ。
 「そうか、あの失敗がこの結果をまねいたのか。アレも影響したかもしれ
 ない」
 後悔の念。
 しかし「上司の命令を実行しただけではないか。あの施策に反対する者
 たちの仕業か」
 恨みの気持が強くなる。
 「あいつらはろくでもない。我々が正しい。この人事は何事だ」
 憎しみも起きる。
 そして、ついには怒り。
 「こんな馬鹿な人事はない。抵抗してやろう。内命だから拒否もできる。
 正義のためには、例外的だが拒否もよかろう。もっとひどいことになって
 も筋を通すべきだ。皆もわかってくれる。男ならやってみろ」
 疑い、悔やみ、恨み、憎しみ、怒り、いろいろな感情が湧き起こり、渦を
 巻く。
 こんな場合も、まず歩く。方向などどこでも良い。
 まず足のむいた方向へ、ずんずん歩く。感情のまま歩く。早足で行く。
 「馬鹿だった」「畜生」「なんていうヤツラだ」「残念」「やれ」「断固」
 ぶつぶつ独り言を云いながら、歩道を猛スピードで歩く。それでも未だ
 かって、人とぶつかったことはない。多分、行き交う人は、ぶつぶつ云い
 ながら、すごい勢いで歩いてくる山さんを見て、(近寄らない方がよさそ
 うだ)と道を空けてくれたのだろう。

 40~50分も歩くと疲れも出るし汗もかく。
 大きな通りで信号待ちの人を見て、ふと気づく。どこに来たのだろう。
 そうか虎の門まで来たのか。
 赤坂に出るか、新橋へ行こうか。
 確か赤坂の氷川神社下にうまい蕎麦屋があったな。
 そこは、日本橋室町にある老舗の唯一の支店。そば粉の芯のさらしな粉で
 打った「ざるそば」は、上品な香りと味わいがある。量は大変少ない。
 日本一少ない。
 それを一枚だけ食べる。あとはそば湯で仕上げ。
 これで昼食終了など、平常なら考えられない。左遷人事の打撃はかなり
 重傷だ。
 で、帰りも歩く。納得のいかない気持ちを、繰り返し繰り返し思いながら
 歩く。
 午後の仕事もあまり手につかない。
 やがて夕方。飲み友だちを誘う気にもならない。愚痴をいいだしかねない
 から。そこで、また歩く。
 家まで小1時間なのがありがたい。人通りの少ない道を選んで歩く。
 もうぶつぶつの独り言は出ない。強い感情はおさまって、なんとなくもの
 悲しい気分になる。夜で周囲が暗いのと、さんざん強い感情が出てしまっ
 たためであろう。
 そして、歩きながら、ふと過去の人事を振り返ってみる。

 地方から本社へ戻って一年、長女が生まれたまさにその日、また門司へ
 転勤との発令。
 本心とは別だったが「必要とされるなら、喜んで行きます」と格好よく
 答えた。
 そんな思い出もあれば、本当はやりたい仕事だったのに、上司から
 「今さら地方課長でもあるまい。断わったよ」とあっさり言われたこと
 もある。
 口には出さなかったが内心
 「それはないですよ。一言相談してほしかった」と強く思った。
 しかし復活はありえない。後の祭り。
 ……こうしてあれやこれやを思い返し、気づいた。
 「わが人事、思い返せば、自分の期待どおりになったためしはない」
 「結果的には、どのポストでも楽しく仕事ができた。勉強にもなった」
 「現在の自分に役立つ知識や経験も得られた。良い友人もできた」
 歩きながら、そんな想いが次々に浮かんでは消えていく。

 上り坂にかかり、息をきらし、深呼吸したら、今回、気の毒そうに内命
 を伝えた上司の最後の言葉が思い出された。
 「大変だが、明るい君にしかできない仕事なんだから・・・」
 この言葉をかみしめてみる。
 「そうだ。私を待ってくれる人たちがいるんだ。やるべき仕事は山ほど
 ある」
 「希望どおりの人事など一つもなかった。出世だ、左遷だなど考える
 のはおかしい。人生、塞翁が馬。何が幸いするかわからない」
 相当、歩いたのに心なしか足が軽くなる。どんどん歩き続けたい気分。
 わが家は近い。

 700万年前、人類の祖先は直立2足歩行を始めた。
 草原での食料確保のためには、遠くまで歩き続けねばならない。飢えと
 いう最大ストレスをかかえながら歩く。このストレスを解消するには、
 ひたすら歩み、食物を確保するしかない。
 歩いた結果、食にありつき、ストレスが解消されるというのは、人間活動
 の本質なのだ。
 猿人⇒原人⇒新人と姿・形は徐々に変化し、文明が進化しても、人間の
 本質は変わらない。

 アルコール依存症の回復のために歩くプログラムがある。
 悩みを酒で紛らす習慣のある患者へ、「歩きの効用」を教えるという面
 も大きいのだろう。
 節酒、禁酒、断酒をめざす方々。朝の散歩を始めよう。
 大気が澄み、草木が耀く早朝、家から飛び出すだけでも爽やかだ。
 胸をはり大またでずんずん歩く。できれば大声で挨拶したい。
 毎朝歩いて、徐々に時間を増やし、最低30分は歩きたい。途中に階段や
 急な坂を入れると良い。
 飲まなかった翌日と、多量飲酒の翌日とでは、足の軽さがはっきり違う。
 酒がなければ呼吸が楽になるのも、はっきり感じられる。
 気持よい体験が「禁酒・節酒のよさ」をしっかり教えてくれる。
 そして悩んだ際にも、日頃から歩くことに慣れていればこれで対応できる。
 「ストレスを感じたら、まず歩く」習慣をつければ、酒の力を頼む必要
 はない。

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  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

=====================編集後記 *つぶやき*========================

 8月末に、福岡NHKに出演したとき、VTRで、職場の取り組みを見ました。
 飲みに行ったら、まず第一声。
 「車で来てる人!」と呼びかけて、手を挙げてもらいます。
 「○○さん、○○さん、○○さん、○○さんが車で来てますので、お酒を勧め
 ないでくださいね」
 
 手を挙げてもらう→名前を言う→勧めないように言う
 ちょっとしたことですが、意識を喚起するために大事なことだと思いました。
 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】77号 12.10.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
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Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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