職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

66号2011

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  66号 11.11.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.64
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *NEKOのつぶやき*

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  飲酒運転事故の昼夜逆転現象
     前夜の残り酒か、アルコール依存症か……


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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ★講師の山さんが、全国各地を巡っているスクーリングも、後半戦突入
 です! 12月半ばまでに残り5ヵ所(宮城・沖縄・広島・福岡・東京)
  を巡ります。
 
 山さんは、スクーリングの合間に各地で講演もこなすスーパーぶり。
 11月10日に熊本市で行われた内閣府主催の「交通安全フォーラム」では、
 基調講演で「多量飲酒の習慣が飲酒運転を招いている。日々の実践で
 飲酒量を減らしてほしい」と強調。熊本日日新聞やテレビ熊本に取り上
 げられました。
 
 スクーリングにもマスコミから取材の依頼が来ており、明日の仙台会場
 には、NHKが来る予定です。
 
 ★スクーリングを終えた受講者から、実践報告シートが続々と届きはじ
  めています。すでに認定者は50名超に。

 提出された報告書や、添付の写真を見ると、会議室、研修室だけでなく、
 乗務員の待合室や、ソファのある休憩室など、さまざまな場所で、飲酒
 運転防止の活動が広がっているようすが伝わってきます。

 アンケートの一部をご紹介します。
 ・DVDを先に見てもらってから確認シートを実施したので、理解度が
  高かった。(一般企業)
 ・飲み仲間に話すなど、アルコールの話題を話す機会が増えた。(バス)
 ・半数以上の人が「8時間空ければ大丈夫」と言っていました。「1単位
  4時間」にビックリし、「考えて飲まないといけない」と言う人も多く
  いました。(バス)
 ・ジェルパッチを使ったことで、参加者に興味を持ってもらうことがで
  きた。(トラック)
 ・計量カップを使って、数人に(焼酎党の実験を)実施してもらったの
  ですが、皆さん興味を示していました。(教習所)

 取材のご希望は、ASKまで(電話03-3249-2551)。


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  2.ASKからのお知らせ
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 ★冬の交通安全運動に、飲酒運転防止トイレットペーパー!

 ――200個のご注文をいただいた岩手県洋野町役場・田毛さんのお話です。
 
 洋野町では、12/1~10に行われる「冬の交通事故防止県民運動」に合わ
 せて、役場や交通安全対策協議会、警察と協力しながら、町内のパトロ
 ールを行なっています。
 地元の飲食店を回り、店の利用者に対しても声をかけるのです。
 今年は、このときに飲酒運転防止トイレットペーパーの配布をすることに
 しました。「今までにない形で面白い」と、期待しています。

 この作戦は、目を引きそうですね!
  
 飲酒運転防止トイレットペーパーは、18時までにご注文をいただいたら、
 翌日に発送できます!
 今からでも間に合います。冬の交通安全運動にぜひご活用ください!

 トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  ↓   ↓   ↓
 http://goo.gl/LhpCS

 ★社内教育や研修にはこちらを!

 ●DVD&ハンドブック
 「知って得する!アルコールの基礎知識」
 http://www.ask.or.jp/ddd_dvd.html#book

 ●体質ごとの飲酒リスクがわかる!
 ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
 http://goo.gl/7qIzS

 ●アルコール依存症への対応を学ぶ通信講座
 「ASKアルコール通信講座<基礎クラス>」
  http://goo.gl/MX1pX


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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 この1ヵ月、気温もぐっと下がり、冬らしくなってきました。
 夏から秋を飛び越して冬になってしまったかのようです。
 急な冷え込みに対応できず、薄手のシャツを着て外出してしまい、震え
 あがることもしばしば。
 衣替えもせず、季節感のない生活をしていることを、実感しています。
 季節の変わり目、体調を崩しやすいので、くれぐれも気をつけてお過ご
 しください。

 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)飲酒発覚を恐れて!?ひき逃げ、相次ぐ
 2)3児死亡事故、危険運転で懲役20年確定へ
 3)「夕べの酒が残ってる」――飲酒運転事故の昼夜逆転現象
 4)アルコール依存症検診を義務化――福岡県の飲酒運転撲滅条例案
 5)線路に入れば警察に見つからないと思った
 6)警察官に一体何をつけた……?

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 1)飲酒発覚を恐れて!?ひき逃げ、相次ぐ

 目を覆いたくなるような、悲惨なひき逃げ事件が相次ぎました。

 ◎飲酒・無免許・無車検・無登録…死亡ひき逃げ(11月4日 読売新聞)

 11月1日未明、北海道江別市の交差点で起きたひき逃げ事件。
 逮捕された男(36)は仲間4人でカラオケやスナックなどをはしごし、仲間
 を乗せて運転。女性をはねて逃げました。
 男は、昨年5月にもひき逃げ事件を起こし、今年7月に出所したばかり。
 運転免許は取り消され、事故を起こした乗用車には車検証がなく、ナンバー
 は登録が抹消されているものに付け替えられていました。
 「かなり飲んだ。やばいと思って逃げた」と供述。
 
 死亡した女性には、2人の子どもがいました。
 加害者は、女性の命だけでなく、子どもたちから母親を奪い去ったのです。

 ◎飲酒運転発覚恐れ 2人死傷ひき逃げ(11月6日 読売新聞)
 
 11月6日未明には長野市で、道路脇を歩いていた17歳の少女2人がひき逃げ
 に遭いました。1人は車の底に引っかかったまま700m引きずられて死亡、
 もう1人も頭を打つなど重症でした。
 加害者は、19歳の少年。「飲酒運転がばれると思って逃げた」と容疑を
 認めています。

 被災地からも悲しいニュースが。

 ◎宮城でひき逃げ事故多発 飲酒運転発覚恐れる?(10月16日 産経新聞)
 
 宮城県警によると、震災発生から9月末までの飲酒事故は33件増の294件。
 増加した33件のうち、30件が被災した沿岸部で発生したとのこと。
 被災地では、震災によるストレスから、飲酒に関わる問題が増えていま
 す。その影響が、ひき逃げ事故の増加にもつながっているようです。
 

 2)3児死亡事故、危険運転で懲役20年確定へ

 2006年8月、福岡県「海の中道大橋」で飲酒運転の乗用車に追突され、
 幼い3人の子どもたちが亡くなった、あの事件から5年。
 
 裁判では、危険運転致死傷罪が適用されるかどうかについて、一審と
 二審で判断が分かれていましたが、最高裁が危険運転と認め、懲役20年
 が確定しました。

 事故の後、加害者は逃走。友人に電話して身代わりを依頼し、断わられる
 と大量の水を持ってくるように頼み、それを飲んでから約50分後に現場
 に戻りました。
 「逃げ得」を許さなかった最高裁の判断。
 今後の裁判に大きな影響を与えるでしょう。

 最高裁の判断はこうです。

 ◎福岡3児死亡事故、最高裁決定要旨(11月3日 読売新聞)

 刑法が危険運転致死傷罪の成立の要件としている「アルコールの影響に
 より正常な運転が困難な状態」だったか否かを判断するに当たっては、
 事故の態様のほか、事故前の飲酒量や酩酊(めいてい)状況、事故前の
 運転状況、事故後の言動、飲酒検知結果等を総合的に考慮すべきである。
 
 ・被告は事故前に、自宅や2軒の飲食店で焼酎ロックを合計8、9杯のほか、
  ブランデーやビールを飲酒している。
 ・被告が時速約100キロで高速度走行していたにもかかわらず、8秒程度、
  被害車両の存在を認識していなかった理由は、その間終始前方を見て
  いなかったか、前方を見ても被害車両を認識することができない状態
  だったかのいずれかということになる。
  被告は飲酒酩酊により、そのような状態だったと認定するのが相当。

 最高裁では激しい議論が交わされたようで、今回の決定は、5人の裁判官
 中4人の多数意見によるものでした。
 決定には反対意見と補足意見が添えられています。

 反対意見は、「危険運転致死傷罪の適用範囲を立法時の想定よりも拡張
 するもので、適切ではない」と批判。

 補足意見は、「本件における飲酒検知の結果は、事故後約50分が経過し、
 少量とはいえない水を飲んだ上でのものであることが考慮されなければ
 ならない」と指摘しています。

 
 3)「夕べの酒が残ってる」――飲酒運転事故の昼夜逆転現象

 夜酒を飲んだすぐ後は車を運転しないのに、翌朝、酒が残った状態で
 ハンドルを握り事故を起こす、「昼夜逆転現象」が起きています。
 例えば……

 ◎女性はねる「ゆうべ飲んだ酒残っている」(10月20日 産経新聞)
 
 10月20日午前9時5分頃、愛知県の小学校教諭が、横断歩道を渡って
 いた女性をはねました。呼気0.15mg/lを検出。
 教諭は「ゆうべ飲んだ酒が残っている」と容疑を認めています。
 
 福岡県警は、こんなデータを発表しました。 

 ◎福岡の飲酒事故“昼夜逆転”8、9月 アルコール依存の運転横行 
  (11月11日 産経新聞)

 福岡県内で今年起きた飲酒事故のうち、昼間(午前6時~午後6時)の
 時間帯に発生した割合が、例年に比べて高いというのです。
 2009年、2010年はそれぞれ約33%でしたが、今年は9月末現在で42%。
 県警は、「昼間に事故を起こしたドライバーの多くがアルコール依存症
 である可能性が高く、対策を強化したい」と語っています。

 福岡県が試みている対策とは――
 ・今年9月から、飲酒運転の免許取消処分者に対する講習に、1ヵ月間
  飲酒日記を書かせるカリキュラムを導入。飲酒行動への自制を促す。
 ・警察官が防犯指導などで家庭を巡回する際に、依存度を判定できる
  テスト用紙も配布。
 ・罰則規定がついた飲酒運転撲滅条例を検討中。

 さてその条例とは?


 4)アルコール依存症検診を義務化――福岡県の飲酒運転撲滅条例案

 福岡県が検討している、アルコール依存症対策を盛り込んだ全国初の
 飲酒運転撲滅条例案。骨子は以下です。

 ◎アルコール依存症検診を義務化 福岡県の飲酒運転撲滅条例案 
  (11月8日 日本経済新聞)
 
 ・飲酒運転検挙者全員に対してアルコール依存症の検診を義務化する。
 ・アルコール依存症の検診では県公安委に結果報告を求め、依存症と
  診断された者には治療を義務づける。

 ・客が飲酒運転で検挙された飲食店には、指導書(イエローカード)を
  よく見える場所に掲示するよう義務化する。
 ・再び来店客が飲酒運転で検挙された飲食店は、県公安委が店名や業者
  名を公表する。

 ・依存症検診と結果の報告、飲食店の指導書掲示については、従わなけ
  ればいずれも5万円以下の過料を科す。
 
 飲酒運転撲滅条例は、大分、沖縄、宮城、山形の4県がすでに制定して
 いますが、いずれも罰則規定はありません。
 県議会の主要4会派でつくる検討会議は、知事部局や県警と内容を調整
 したうえで、来年2月の議会での提案を目指しているとのことです。

 この条例案、依存症の検診をどこでやるのか(専門医療機関に限定?
 精神保健福祉センターなどの公的機関?)など、課題はありそうですが、
 期待しつつ見守りたいと思います。


 5)線路に入れば警察に見つからないと思った

 もし電車に衝突したら、大事故になっていました。
 
 ◎JR紀勢線、車走る 和歌山市職員「飲酒、逃げた」(11月10日 朝日新聞)
 ◎線路走行事件の和歌山市職員、98年に酒気帯びで追突(11月12日 毎日新聞) 

 11月10日午後6時10分頃、和歌山市のJR紀勢線・宮前駅近くの踏切から
 乗用車が線路内に侵入。南へ約1キロ走って立ち往生しました。
 110番通報で駆けつけた県警機動捜査隊員が、運転していた和歌山市職員
 (56)を列車往来危険容疑で逮捕。
 職員は午後5時40分頃、和歌山市の県道で軽トラックに追突して逃走中に、
 線路内に入ったとみられます。

 「酒を飲んでいたので逃げた。線路に入れば警察に見つからないと思った」
 と供述していますが、法定基準以上のアルコールは検出されませんでした。

 和歌山市によると、職員は98年12月30日夜にも酒気帯び運転で軽トラック
 に追突。翌1月に減給10分の1(3ヵ月)の懲戒処分を受けていました。
 逮捕された10日は体調が悪いとして休暇を取っていたとのこと。
 病休も多く、10月以降は取得数がこれまでより増えていたといいます。

 この経緯から見て、アルコール依存症の可能性が濃厚です。


 6)警察官に一体何をつけた……?

 しょうもない容疑者を相手にした、警察の奮闘記です。
 まず、広島県警呉署。

 ◎DNA鑑定で飲酒運転容疑者のウソ覆した警察(11月10日 読売新聞)

 10月27日午前2時15分頃、軽乗用車を運転していた男(25)が道路脇の歩道
 に乗り上げ、そばにあった分電盤に衝突。呼気から0.55mg/lのアルコール
 が検出されました。
 ところが男は、こんな見えすいた言い訳をしたのです。

 「初対面の男が運転し、自分は助手席に乗っていた。事故後、男は逃げた」

 そんなウソに騙される警察ではありません。
 ハンドルや衝突時に作動した運転席のエアバッグに付着したDNAや服の
 繊維などを採取。鑑定の結果、本人の運転だったと特定しました。
 男は「免停になるのが嫌で、うそをついた」と話しています。

 こちらは奈良県警生駒署。
 
 ◎警察官に大便つける 公務執行妨害容疑などの男送検
 (11月9日産経新聞)
  
 11月6日午後7時20分頃、信号待ちをしていた乗用車に追突した男(46)が、
 事故後に近くのコンビニで、ビールとチューハイ3本を購入して飲酒。
 男は「運転時には飲酒していない」と言い張り、アルコール検知を拒否
 しました。
 さらに!!!
 現行犯逮捕された男は、コンビニ入り口の路上で自ら服を脱いで用を足し、
 署員の制服に、両手で自らの大便をなすりつけたのです。
  
 これでは、警察官が気の毒です……。

 その後の血液検査などで、事故後にコンビニで飲酒した以上のアルコール
 濃度が確認されました。


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   4.山さんコラム No.64
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆日はまた昇る

 「ビールをもちあげようとしたブレッドの手がわなわなとふるえた。
 それに気づいて微笑し、身を少しのりだしてごくごく飲んだ。『おいし
 い』」
 「グラスに口を寄せてマティーニをすすった。最初に一口やったので、
 グラスを取り上げる手もふるえなかった」
 米国作家、ヘミングウエイの最初の長編小説『日はまた昇る』の一節だ。
 ブレッドは、この小説のヒロインで、誰からも振り向かれる、品のある
 美貌と素晴らしい肉体をもつ34歳の女性だ。作者は、この女性がアル
 コール依存症だとはっきりは書いていないが、この描写は、依存症の症
 状を明確に表現している。
 なぜこの小説がベストセラーになったのか。

 なにしろ、酒のでてくる場面がおびただしい。
 有名レストランでの食事、カフェにおける会話、旅行の列車内、バスの
 中、宿屋、遊び、祭り……どこでも浴びるように飲む。
 種類はビール、ワイン、シャンペンの醸造酒、ウイスキー、ブランデー、
 ペルノー、アブサンなどフランスの蒸留酒、スペインのフンダドレ、ア
 グアグリエンテ、ラムと各種蒸留酒も登場。なんとも多彩だ。
 そして、シャブリ、リオハと産地名やシャトー・マルゴーとブランド名
 のワインも紹介される。1811年のブランデーなどと実に魅力的なも
 のまで出てくる。
 皮袋に入ったワインを回し飲みしたり、強い酒をおごりあったり、心の
 痛みをアブサンの強烈な酔いで忘れさせようとしたり、再会後の男女が
 バーでマティーニを飲んだり、印象的な飲酒場面が詳細、克明に書かれ
 ている。

 この本が出版された1926年、アメリカは禁酒法時代である。
 アメリカ国内では、隠れて飲むしかなく、自由に酒が飲めなかった。
 第一次大戦後の退廃的な気分をもったロストジェネレーションが、この
 小説内容に強くひかれたのは無理もない。
 青年はこぞって主人公のクールな口調をまね、若き女性はヒロインのよ
 うなタイトな服を着込み、この本を片手に続々とパリに押しかけたとい
 う。
 酒が禁じられる禁欲的なアメリカ。対するはあこがれのヨーロッパ、特
 に魅力あふれるパリのカフェ、レストランを舞台の気ままな生活、闘牛
 と恋と情熱のスペインのヴァカンス、これに豊富な酒類が結びついてい
 るのだからベストセラーになり、映画化されるわけだ。

 禁酒法が廃止になってから、アメリカ人の酒の飲み方はすさまじい。
 安ウイスキーを水やソーダで割りガブガブ飲む、ビールを昼間から飲む、
 カクテルのグラスは倍になる、などと、禁欲の反動で底抜けの飲み方に
 なってしまった。このアメリカ流、酒の飲み方が、全世界に広がり、特
 に戦後の高度経済成長期後の日本に強く影響している。
 それどころか、日本では、飲み放題、酔っぱらい放題の自由が横行し、
 酒をたくさん飲むことをあたりまえのことだと思う社会になった。

 飲酒運転防止に力を入れる一方で、先進国では例を見ないほど、酒類を
 自由に販売、提供している日本。
 景気停滞で就職難、失業率もあがり、さらに災害が次々発生する日本の
 中で、酒をストレス解消の手段とする人は、つい飲みすぎてしまいがち。
 そのあげくの厳しい処分。どこかに無理があるのではないか。

 だから、山さんは、飲むな、とはいわない。
 魅力ある酒を、ストレス解消のためではなく、おいしさを味わうために
 節度をもって飲もうと提唱する。
 山さんは、家では湯のみ1杯の酒、外では輪島塗1合枡1~2杯と決め
 ている。
 人へ節度ある適度の飲酒をすすめながら多量飲酒するわけにはいかない
 との立場もあるが、正直、この習慣が身につくと、本当に酒の味が楽し
 めるのは、この量だと実感する。
 そして発見。原酒なら20度以上になる日本酒を、わざわざ宮水で割り
 15度前後にして1合(お銚子1本)飲むとの伝統は、まさに程よく酒
 を楽しむための先祖からの智恵かと。

 酒を悪者にしたくないとも願っている人は、ぜひ、山さんの言葉に耳を
 かたむけ、同調して1日1単位、多くても2単位止まりの飲酒行動を実
 践してほしい。酒を愛する人々が「節度ある飲酒」で健康を維持し、一
 生酒を楽しみ続けられることを願っている。
 (1単位とは、日本酒なら1合、ビールなら500ミリリットル缶1本に
 あたる)

 1本のビールで夕食を楽しむ。
 お銚子1本で「もどり鰹」を味わう喜び。
 グラス1杯の白ワインで鯛のポワレ、赤ワインで鴨のオレンジソースを
 賞味する贅沢さ。
 たらふく食べたあと、シングルグラスのスコッチを1滴1滴舌におとし
 香りをきく、くつろぎの時間。
 わずかなコニャックを口に含みつつ、コーヒー片手の女性の言葉に耳を
 かたむける。
 ほんの軽い酔いこそが素晴らしい会話を導く……。本当は、そういう小
 説を読みたい。

 酒談義のうまい内田百間にしても酒の魅力を語る開高健にしても依存症
 っぽい飲み方だ。
 もっと酒と上手に付き合う小説家がいないものか。

 飲酒運転防止インストラクターの活動は、単に飲酒運転の防止だけでな
 く、アルコールの正しい知識と節酒法を教えるとの側面、いわば品格の
 ある飲酒、良識ある飲酒のすすめという側面をもっている。
 なんとも酒好き山さんのライフワークにふさわしい活動だと、あらため
 て感心している。

 なお依存症になってしまった人は、すでに一生分飲んでしまった人だ。
 だから、「断酒」。絶対に飲んではいけない。
 「節度ある食事やお菓子、コーヒー、茶」を楽しんでほしい。
 老婆心ながら、付け加えておく。


=============================================================★
  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・内閣府シンポジウムで山村が講演

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html


==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 節電の夏が終わったら、節電の冬がやってきます。
 今までの快適で便利すぎる生活を見直すいい機会。
 ほんの少しの不便を楽しめるように、じっくり、丁寧に、今年の冬をす
 ごそうと思います。
 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
 【職場の飲酒運転対策メルマガ】66号 11.11.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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