職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

62号 2011

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  62号 11.7.13
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.アルコール検知器Q&A
    5.山さんコラム No.60
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *NEKOのつぶやき*

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  赤信号で止まっていた車に追突、逃走
      民家に突っ込みガス管破裂! 住民800人避難
          19歳少女が起こした飲酒運転事故なんです


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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 飲酒運転防止インストラクター養成講座の第4期目。
 今年も400名を超える応募をいただきました。
 
 【ステップ1】の通信スクール(添削3回)を、40名の方が終了しています。
 締め切りは9月末。間際は混み合いますので、お早めに提出をお願いします。
 
 通信スクールの内容はこちら
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_tsushinschool.html
 【ステップ2】
 9月から12月にかけて、全国15ヵ所でスクーリングを行ないます。 
 8月初旬には、受講者の皆様に、案内を郵送します。
 スクーリングに出席しないと、インストラクターとして認定できませんので、
 必ずご参加ください。

【認定インストラクター向けスキルアップ講座】 
 スクーリングに併せて、全国11ヵ所で、認定インストラクター向けのスキル
 アップ講座を実施します。
 1期~3期の認定インストラクターには、8月にご案内をお送りします。 
 新たな情報を得たり、インストラクター同士の交流の場にもなりますので
 奮ってご参加ください。

 【助成枠外での養成講座受付】
 飲酒運転防止インストラクター養成講座、助成枠の募集は締め切りましたが、
 助成外は、随時受け付けています。職場ぐるみで、グループ企業全体で、
 団体としてなど、ご希望がございましたら、お気軽にご連絡ください。
 電話 03-3249-2551(ASK)

 【上級インストラクター】
 9人が認定されています。紹介ページをご覧ください。
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuu.html
 ●活躍してます! 上級インストラクター
 沖縄の上級インストラクター2人が、6月25日、第21回県医師会県民公開講座
 「ゆらぐ健康長寿おきなわ」で、「あなた、飲み過ぎていませんか?」を
 テーマに講演しました。
 依存症の夫を持つ豊見城断酒家族会の大田房子さんは、依存症と家族について。
 石川署の大城辰男副署長は、飲酒運転や深夜はいかい、DVなど、関連問題を
 幅広く示し、アルコール教育の必要性を訴えました。(沖縄タイムスより)


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  2.ASKからのお知らせ
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 ★飲酒運転防止トイレットペーパー好評発売中!

 6月19日の読売新聞に、飲酒運転防止トイレットペーパーが紹介され、
 多くの注文をいただいています。

 話題性が特長で、アイデアしだいで効果倍増の啓発トイレットペーパー、
 どんな使い方をし、どんな反響があったのか、私たちも興味津々です。
 今回も、購入してくださった方に電話でお聞きしてみました。

 ――島根県の運転代行業者、「オクト代行」の菊地さんのお話

 6月中旬、代行を利用してくれたお客さんに配りました。
 はじめに24個入りを購入したところ、評判がよく、すぐに追加で100個注文。
 2日ですべて配り切り、お客さんからの反応は上々でした。

 山陰地方は飲酒運転が多く、代行の利用は一般的です。
 でも、若い女性の一人暮らしなど、アパートの前まで行くのを嫌がる人もいて、
 こういう事態を何とかしたいと考えていました。
 お客様に配布するものは100円を上限にしているので、価格的にも手頃。
 今後もキャンペーンなどで使っていきたいです。

 なるほど!
 このトイレットペーパーには、飲酒運転の7つの「落とし穴」と予防の豆知識
 をマンガでプリントしてあり、その1つがこれ↓

  落とし穴4・代行運転を頼んだから、大丈夫……いえいえ!
  途中で運転を代わる例がよくあります。
  車庫入れまでやってもらいましょう。
  飲みすぎて、翌朝飲酒運転にならないように!

 トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_paper.html

 ★<啓発パンフレット>飲酒運転 あなたは大丈夫?
  タイプ別リスクとアドバイス
 
 6つのタイプでリスクを判定するパンフ。
 先日、5000枚のご注文をいただいて、あわてて増刷しました。
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_pamph.html
 ★知って得する!アルコールの基礎知識
  <飲酒運転防止>から<健康管理>まで

 本格派のハンドブックです。DVDと併せるとさらに効果的。
  ↓   ↓   ↓ 
 http://www.ask.or.jp/ddd_dvd.html#book 

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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 夏らしい季節になってきました。
 今年は例年よりも早く梅雨が明けているようです。
 暑いからといって、ビールなどアルコール類を飲んでも、
 アルコールの利尿作用で水分が体の外に排出されてしまうので、熱中症対策
 には適していません。
 アルコール以外の水分と塩分をこまめに補給して、夏を乗り切りましょう!
 
 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)未成年者による飲酒事故が続々
 2)被災地沿岸部での飲酒運転が急増
 3)飲酒運転で警察署に乗り付けた2人
 4)巡査部長がアルコールと睡眠薬を飲んで
 5)ハリー・ポッター主演のラドクリフ、アルコール依存で断酒

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 1)未成年者による飲酒事故が続々

 車を運転していた19歳の少女に、何があったのでしょうか……

 ◎飲酒運転の車がガス管破壊 中学生ら800人避難 堺市(6月16日朝日新聞)
 
 6月16日午前7時50分ごろ、堺市市道の交差点で赤信号で止まっていた乗用車
 に軽乗用車が追突。そのまま800m逃走して、午前8時5分ごろ、民家に突っ込み、
 ガス管が壊れ、周辺にガスが漏れ出しました。一時は、周囲の中学校の生徒や
 近隣の住民約800人が体育館などに避難する騒ぎに。
 車を運転していた女性(19)の呼気からは、0.15mg/l以上のアルコールが検出
 されました。 
 現場近くでは、ほぼ同じころ、登校中の中学1年の女子生徒1人が車にはね
 られて負傷しており、自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで
 再逮捕されています。
  
 福岡では、19歳の少年が飲酒運転事故を起こしています。

 ◎飲酒運転の疑いで19歳の高校生逮捕(7月4日NHK)
 
 7月3日午後10時半ごろ、原付バイクで乗用車に衝突。呼気から基準値の2倍
 以上のアルコールが検出されました。
 「自宅で焼酎の水割りを2、3杯飲んだ。知人の家に行く途中だった」
 と容疑を認めています。


 2)被災地沿岸部での飲酒運転が急増

 5月に引き続き、6月も、被災地での飲酒運転摘発が増えていました。 
 宮城県警によると、6月に沿岸部で取調べを受けた人は、前年同月の3.4倍。
 震災から5月末では前年の1.8倍でしたから、加速しています。
 県警では「震災ストレスで飲酒の量や頻度が増えているのでは」と分析。
 検問など取締りを強化しています。
 
 ◎飲酒運転摘発 沿岸部で急増 6月・宮城(7月2日河北新報)

 前回のメルマガでも触れましたが、世界的にみて、災害の後は飲酒問題が増
 えるのです。とくに、災害前から飲酒問題をもっていた人の飲酒問題が悪化
 することが知られています。
  ↓    ↓    ↓
 http://www.ask.or.jp/disaster.html
 被災ストレスとアルコールについて(ASKのサイト)
 
 職場のメンタルヘルス対策を専門にする亀田高志医師は、「復興を支えるメン
 タルヘルス講座」の中で、「ストレスが多い今の時期こそ、お酒のたしなみ方
 に十分注意することを忘れないでほしい」と、こんなアドバイスをしています。

 ・毎日、毎晩はお酒を飲まないこと。飲むのは隔日や休日だけというようにする
 ・それでも毎日、毎晩、飲まずにいられないなら、医師に相談する
 ・飲酒以外のストレス解消法を考え、実践する

 ◎復興を支えるメンタルヘルス講座 第5回
  「お酒では震災ストレスに対抗できない」(6月23日ITPRO)
  ↓    ↓    ↓
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110620/361521/

 3)飲酒運転で警察署に乗り付けた2人

 福岡と久留米で、なんともあきれた飲酒運転がありました。
 飲んで警察に車を乗り付けたのです。

 ●福岡(6月22日毎日新聞)
 6月20日夜、塗装工(30)が飲食店で飲酒。帰宅するため車を運転しようとした。
 一緒に飲んでいた友人が助手席に乗り込んで止めようとしたところ、激高。
 6月21日午前0時、友人を乗せたまま飲酒運転して警察署に乗り付け、現行犯逮捕
 された。「事件だ、事件だ」と言いながら署内に入り、呼気検査で0.2mg/lのアル
 コールが検出されたという。

 ●久留米(6月15日朝日新聞)
 6月13日、自宅で焼酎を飲んでいた無職男性(62)が、午後10時ごろから4回に
 わたって警察署に電話をかけ、「酒飲みよったい」「誰が飲んだら乗ったらいかん
 と決めたんか」「おれは事故はせん」「今からそっち行く」と話し、署に着いた
 際、「車で来たぞ」と言ったという。
 呼気から0.45mg/lのアルコールが検出され、現行犯逮捕された。

 この心理は、いったいなんなのでしょう。
 心理というより、単にアルコールによる脳のマヒ……
 それとも、止まらない自分の飲酒を強制的に止めてほしかったのでしょうか。

 
 4)巡査部長がアルコールと睡眠薬を飲んで

 7月3日夜午後7時20分、富山県の男性巡査部長(38)がマイカーを運転し、電柱
 に衝突しました。この日は休みで、午後3時ごろから自宅で焼酎の水割りを3杯
 飲み、睡眠薬を服用して1時間半睡眠をとった後、コンビニに買い物に行く途中
 だったといいます。基準値未満のアルコールが検出されています。
 巡査部長は、普段から眠れないことがあり睡眠薬を飲んでいたということ。
 「いつもより酒の量が少なく大丈夫だと思った」と話しているそうです。

 ◎富山の警官が飲酒運転で事故 アルコールは基準値未満(7月4日共同通信)

 この事例には、問題点がいくつもあります。
 ・どのぐらいの濃さかわかりませんが、焼酎の水割り3杯は1時間半では代謝
  できません
 ・睡眠中はとくに代謝が遅れます
 ・不眠にアルコールは禁物! アルコールは睡眠パターンを壊します
 ・アルコールと睡眠薬の併用はむちゃくちゃ危険です

 巡査部長は、日ごろから睡眠薬を服用していたといいます。
 「いつもより酒の量が少なく」ということは、ふだんはもっと飲んでいるという
 こと?


 5)ハリー・ポッター主演のラドクリフ、アルコール依存で断酒

 7月15日についに最後回が封切りになる「ハリー・ポッター」。
 ハリー役のダニエル・ラドクリフが、英国版GQ誌のインタビューで、シリーズ
 撮影中にアルコールに依存していたことを告白し、注目を浴びています。

 ◎ダニエル・ラドクリフ「ハリポタ撮影中はアルコールに依存していた」
 (7月5日 Movie Walker)

 最悪だったのは、09年の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の頃とか。
 「僕は、物事を楽しむために、ひどくアルコールに依存するようになっていた。
 数年間は、いわゆる有名人のライフスタイルみたいなものに夢中になっていた
 んだ。だけど、僕にはそれは合ってない」
 「このままでは自分は駄目になる」と決意、「昨年の8月以降は全くアルコール
 に口をつけていない」と語っています。
 
 静かな生活を送る方が自分には合っている、と言うラドクリフ。
 「僕は今、恋人と交際できる自分の状態をエンジョイしているよ。生き生きと
 元気で、いつも泥酔して滅茶苦茶になっていない自分をね」と語っています。

 賢い選択をしたラドクリフと、映画館で会いましょう。


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  4.アルコール検知器Q&A
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 運輸・運送業向け事故防止コンサルタント
 ASK認定飲酒運転防止上級インストラクター

                       高木 宏昌

 
 【Q7】停電対策についての質問です。
     現在使っているのは、ACアダプタを使用するアルコール検知
器で、精度もよく満足しています。
     ただ、停電の際には使用できないという問題があり、困ってい
     ます。
     3月の計画停電の時は、ずっと前に使用していた乾電池式の検知
     器を使おうと思いましたが、壊れていて使用できませんでした。
     5月1日の義務化の施行以降、もし停電が起きた際は、検知器使
     用の義務はどうなるのでしょう? 例外扱いになるのですか?

 【A7】国土交通省の見解では、停電時も例外扱いしない方針です。
     対策を講じる必要があります。
 
 アルコール検知器の義務化を定めている輸送安全規則には、自然災害等
 の不可抗力が理由で使用不能となった際も、適用除外規定がありません。
 ということは、予備の電源を確保するか、乾電池等で使用できる予備の
 検知器を用意しておくか、どちらかの対策が必要になるということです。

 あるバス会社では、停電時にバスのバッテリーを使う方法を試している
 とか。
 別の運輸会社では、乾電池式のアルコール検知器を購入したと言ってい
 ました。

 予備の検知器については、問題が2つあります。
 1つは、予備の検知器に関しても、日頃から有効動作のチェックをして
 おく義務があること。
 もう1つは、高機能な据置タイプと安価な検知器では、多くの場合セン
 サーの特性が異なり、測定結果の信頼性に大きな差があることです。
 検知器義務化のガイドラインには特に精度に関する要件はないものの、
 社内の運用上はむずかしいものがありますね。

 ★みなさまは、停電時のアルコール検知にどう備えていますか?
  ぜひ、あなたの会社の対策を教えてください。
  社名は匿名でもけっこうです。ぜひ、メールをお寄せください。
  → ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 ★質問も募集中です。
 検知器にまつわる質問や悩みがありましたら、メールをお寄せください。
 運用を始めてから気づいた問題点や疑問などもどうぞ!
 → ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 高木宏昌プロフィール
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuu_kanntou.html#takagi

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   5.山さんコラム No.60
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆震災と、クライシス管理

 3月以来、このコラムを書く際に、震災を意識した文を書きたくなるこ
 とが度々あった。
 でも、ことさらに平常心を保つべきだと自分に言いきかせてきた。
 これは、長年、事故とかかわりのある仕事をしてきたための習性だろう。

 「リスク管理=事故予防」
 「クライシス管理=事故後の対策」
 この2つは、ポイントがまったく異なる。
 リスク管理は事前のことだから、トップダウンも大切だし、より良き方
 法を求めて議論を尽くすことも必要だ。
 しかしクライシス管理は、現場中心主義が重要なポイントであって、現
 場以外のものがあれこれ口を出すのは対策を妨げることになる。
 ……なお、以下は、事故防止担当者や企業経営者に参考になればという
 気持ちで書いたもの。今回の震災や原発事故の対応について批判するつ
 もりはない。

 事故対策で一番大切なのは、事故処理をすばやく行い、被害を最少にと
 どめること。
 事故現場は、非常事態。何者にも煩わされずに、業務を遂行する必要が
 ある。
 現場では人でも資材も情報も不足するが、事故復旧体制は、通常、組織
 の中に準備してあるから、現場支援は自動的に発動する。
 ただし、あまりに大きな事故の場合、準備された支援の範囲では不足す
 る。
 すぐ現場が悲鳴をあげるから、その要請にもとづき増援を急ぐ。

 さて、ここからが問題。
 会社の中枢は、事故の状態や処理の進行具合について、少しでも早く、
 くわしい情報がほしい。
 手際よく増援を行なうためにも、適切な情報は不可欠だ。
 しかし一般に、現場からの第一情報は漠然としたものが多く、その後も
 事故処理に追われ情報は途絶えがちになる。
 会社の中枢が情報不足にあわて、焦り、やいのやいのと現場へ情報をあ
 げるよう求めたら、ただでさえ人手の足りぬ現場は混乱する。
 混乱すれば事故処理は遅れ、さらに情報も不正確になる。
 事故処理が遅れ情報が乱れれば、中枢は一層不安になりイライラする。 

 現場と中枢の相互不信。これが一番事故には禁物。
 だから現場以外の者は、平常心が必要になる。

 現場からの情報が不十分だったら、「情報をよこせ」と要求するのでは
 なく、信頼できる部下を現場に派遣すればよい。
 混乱に巻き込まれない者の冷静な状況把握の上で、大所高所にたって事
 故処理対策を策定する。
 そして、まず現場の混乱を鎮め、不足を補い、被害を最小限するように
 対処し、それから復旧対策を急ぐべきなのだ。

 想定外の事故には、まったく未検討の事態が含まれるから、事故処理は
 試行錯誤でやるしかない。
 失敗もあれば、後手に回ることもある。
 現場があわてたり、騒ぎにまきこまれたりするのは、事故が大きければ
 仕方がないことだ。
 組織内の知恵や力では手に負えないこともある。
 頭に血がのぼっている状態では、よい考えも浮かばない。
 だからこそ中枢が落ち着いた平常心を保ち、衆知を集め事態に対処せね
 ばならない。

 で、山さんは、異常事態を前にすると、まず「冷静に、普段と変わらず」
 を自分に言い聞かせ心がける癖ができたのだろう。

 世の中が大騒ぎするとき、いつも想いだすのは、福沢諭吉のエピソード。
 維新前夜、騒然とする中にあって、淡々とかつ熱心に、平常どおり塾生
 を教えていた。騒ぎに加担したり、あわてたりと、常ならぬ行動をとら
 ず、日常生活をしっかり維持する。それが、世の中が変る際、当事者以
 外の者のとる道である。
 福沢は教育者だったから有為の青年こそ新しき時代に必要と考え、今こ
 そ人材教育が重要と確信して行動していたに違いない。

 旧国鉄時代、青函連絡船の船長は、出港・入港以外は運航を指揮するブ
 リッジから引き上げ、自室に待機する。海が荒れて計器による自動航行
 ができなくなったり、異常事態が発生したりした場合、船長はブリッジ
 に出て直接指揮をとる。
 そんな時、ベテランの船長は、まず煙草を取り出し一服した。それから
 「少し荒れているな」と普段の調子で会話をはじめる。緊張していたブ
 リッジの雰囲気が少し緩む。それから、次々指示を出す。
 緊張しすぎていると、命令を受け違えたり、的確な動作ができなかった
 り、ミスがおきやすい。だからブリッジに波がかかり海水が入るような
 大荒の状況でも、「いつもよりちょっとだけ荒れている程度」という態
 度をとり、周囲の緊張を緩めるのだ。

 もうひとつ、こんな話を思い出した。
 本郷に江戸時代から続く和菓子屋がある。ご維新の際、その時の店主は、
 永らくお世話になった将軍様が退去なさったので、一緒に廃業しようと
 した。
 この店の菓子を愛好していた勝海舟は、「お前たちまで、お上に忠義立 
 てすることはない、おいしい菓子を作り続けておくれ」と廃業をとどめ
 たそうだ。
 政体が変る動乱の中でも生活に必要なものは必要、楽しみも大切。
 江戸を戦場にしなかった勝海舟らしい言い分に、素直に応じた店主も偉
 い。
 幕末から、明治維新、関東大震災、戦災にもめげず、仕事に精進し続け
 た老舗、何軒も東京に残っている。
 それと忘れてはならないのは、どんな時でも店を支えた職人たちや、そ
 して消費者がいたことだ。
 「よくぞ最中を買って食べてくれた」

 大震災後、4ヵ月たった。未だ被災地の復興は途上。被災地からたくさ
 んの問題や悩みが報道される。飲酒運転が急増とのニュースもある。
 「何かできないだろうか」と心が動く。
 だが、少し落ち着いて考えたい。遠方にいる我々が想定する支援が現地
 に適切かどうかわからない。事態も刻々と変化しているようだ。

 山さんは、ふだんの生活を維持し、節電や義捐金、東北の物産の購入に
 心がけながら、飲酒運転防止などで応援要請があれば、協力できる態勢
 を準備している。
 もともと多量飲酒していた者が、ストレスが多く、仕事もなく、大切な
 ものを震災で奪われた状況の中で、さらに飲む量を増やすことは、容易
 に想像できる。
 一方、ふだんから節度ある飲酒習慣の人、酒がなくても心身の疲れを癒
 せる人は、異常事態ではかえって飲酒量が減るのではないか。
 (阪神淡路大震災では、飲酒量の二極分化が報告されている)
 「飲酒運転防止インストラクター」が説く生活態度は、非常時にも威力
 を発揮する。


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  6.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 そうそう。冷たいものの取りすぎも、胃腸に負担をかけるので、よくな
 いそうです。
 私も「アイスの食べ過ぎに、注意!」と、自分に言い聞かせています。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】62号 11.7.13
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 ◆ 配信停止はこちらから ◆
 https://m1.mail-do.com/sv10/s10a9456/ddd_mail_cancel.html
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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