職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

61号 2011

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  61号 11.6.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/   
___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.アルコール検知器Q&A
    5.山さんコラム No.59
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *NEKOのつぶやき*

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  被災地で増える飲酒運転
    震災ストレスで飲酒の頻度や量が増えている?  

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 飲酒運転防止インストラクター養成講座の第4期生。
 多数の応募をいただき、定員の400名を超え、募集を締め切りました。
   ↓    ↓    ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html
 東日本大震災の影響で、応募状況など心配しましたが、東北地方も含め
 全国各地からお申し込みをいただきました。
  
 第4期生の通信スクールは、まだ始まったばかりですが、すでに確認テスト
 や実践ワークの回答シートが届き始めています。
 9月からのスクーリングに向けて準備も開始しました。

 事務局では、同時に、第3期の報告書もまとめています。
 特筆すべきなのは、認定されたインストラクターへのアンケートで、7割
 以上が、節酒または断酒していたこと。2年続けて7割を超える結果が出て
 います。
 具体的に見てみると、飲酒頻度は「毎日飲酒者」が激減。1回の酒量も3単位
 以上が激減し、「1単位」が大幅に増えています。
 学んだことをちゃんと実践してるのです。

 この講座を受講することによって、知識の習得をするとともに、自身の飲酒
 を見直すきっかけにもなっていることを強く感じます。

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  2.ASKからのお知らせ
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 ★大好評! 飲酒運転防止トイレットペーパー 

 先月から、飲酒運転防止トイレットペーパーの販売をはじめました。
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_paper.html
 活用された方々から、こんな反響をいただいています。

 中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋では、名古屋市内で行われたイベント
 の際、自社の活動などを紹介するブースで、このトイレットペーパーを無料
 配布。インパクトがあり、お客様にも喜んでいただけたとのことです。

 ペルノ・リカール・ジャパンでは、社内のCSR活動の一環として、全社を
 上げて飲酒運転撲滅イベントを実施。その1週間前に、社内のトイレにこの
 トイレットペーパーを設置するというサプライズを仕掛けたところ……
 「トイレの中でゆっくり読んでしまった」「1ストーリー分、持って帰って
 しまった」など社員の反響を呼んだとのこと。

 沖縄県うるま地区交通安全協会では、7月1日に行われる飲酒運転根絶運動の
 日に、信号待ちをしているドライバーに対して、このトイレットペーパーと
 チラシを配布し、飲酒運転防止を呼びかける予定だそうです。

 トイレットペーパーには、飲酒運転によくある「7つの落とし穴」と「予防
 の豆知識」をマンガでプリントしてあります。
 カラーの包装もインパクトがありますので、並べるだけで視覚的効果大。
 地域や企業など、様々な場所で使用し、飲酒運転防止活動に役立ててみては
 いかがでしょうか?

 【販売価格】
 100個入り 9,870円(9,400円+税) 送料無料
 24個入り 3,780円(3,600円+税) 送料無料

 こちらのフォームから、ご注文ください。 
 → https://m1.mail-do.com/sv10/s10a9456/ddd_paper_form.html
 以下の啓発教材・パンフレットもご活用ください。

 ★ハンドブック&DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」
  ↓   ↓   ↓
 http://a-h-c.jp/eshopdo/refer/vid1213001.html
 ★<啓発パンフレット>飲酒運転 あなたは大丈夫?
  タイプ別リスクとアドバイス
  ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_pamph.html

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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 東日本を襲った大震災から、3ヵ月が経過しました。
 被災地は復興からは程遠く、原発事故は終息せず、直接被災していない人に
 とっても、未だに先の見えない日々を過ごしているのが現状です。

 被災地では、飲酒によるさまざまな問題が起きていることが報じられています。
 お酒と人の心の問題が密接に関わっているのだということを思い知らされます。 
 
 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)「アルコール影響調査委」の元メンバーが……
 2)飲酒運転違反講習に効果―75%が酒量減
 3)絶えない教師の飲酒運転
 4)被災地で飲酒事故急増
 5)酒の提供はイエローカード

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 1)「アルコール影響調査委」の元メンバーが……
 
◎酒気帯び:「アルコール影響調査委」元メンバー逮捕(5月22日 毎日新聞)

 ???頭の中が疑問符でいっぱいになったニュースでした。
 誰よりも、飲酒運転の危険性についてわかっているであろう人がなぜ???

 5月21日午後5時ごろ、酒を飲んだ状態で乗用車を運転し、スーパーの駐車場で
 物損事故を起こすという事件があったのです。呼気0.65mg/lのアルコールが検出。

 驚いたのは、事故を起こしたのが「国際交通安全学会」に属する大学教授(63)で、
 「事故と安全の心理学」編著者、さらに警察庁所管の交通事故総合分析センター
 「アルコールが運転に与える影響の調査研究委員会」の元委員という経歴の
 持ち主だったこと。
 飲酒運転の危険性についての認識は誰よりもあったはず、です。

 「自宅で酒を飲んだあと、スーパーに買い物に来た」と供述しているとか。

 夕方に呼気0.65mg/lということは、土曜の昼間に自宅で飲んでいたのでしょうね。
 モラル云々というより、このパターン、どうも「依存症」が疑われる……ような。


 2)飲酒運転違反講習に効果―75%が酒量減
 
 ◎飲酒運転者への新講習 75%が期間中の飲酒量「減少」(5月19日 産経新聞)

 警察庁が、昨年9月から4都道府県で実施していた、飲酒運転による免許取り消し
 処分者に対する新しい講習(モデル事業)の実施結果を発表しました。
  
 運転適性検査や実車講習などに加え、アルコール問題のスクリーニングテスト
 やカウンセリング、約1ヵ月間の飲酒日誌などが入った新しいカリキュラムを
 導入したところ、受講者454人のうち約75%の340人が1ヵ月の受講期間中で
 飲酒量が「減少した」と回答したのです。
 警察庁は一定の効果が確認できたとして、2013年度から全国で導入することを
 決定しました!

 飲酒運転を繰り返す人の中には、飲みすぎの問題を抱えている人も多く、罰則
 を厳しくしただけでは、飲酒運転を減らすことは難しいといわれてきました。
 このプログラムの導入は、再犯防止の大きな切り札になるでしょう。


 3)絶えない教師の飲酒運転

 飲酒運転防止インストラクター養成講座の受講者は、運輸業界はもちろん、
 警察・消防・自衛隊・刑務所など、さまざまです。
 けれども、教育機関からの申し込みはほとんどありません。
 現場の先生方は多忙を極め、そのような活動をする時間がない、という声も
 よく聞かれます。その一方で、飲む時間はある……いや、忙しいからこそ
 飲まずにおられないのでしょうか。
 教師による飲酒運転が後を絶ちません。
 どんなふうに飲酒運転に至ったのか、最近の事例から抜き出してみます。

 ――車内で「仮眠を取った」から大丈夫と思った

 ●高知県 中学教諭(24)(6月3日 毎日新聞)
 5月27日夜、友人と飲食店で生ビール中ジョッキ3杯半と焼酎を飲み、車内
 で7時間ほど休んだ。5月28日午前7時50分ごろ、交差点で軽乗用車と衝突。
 呼気0.15mg/l以上を検出。午前8時からの部活動の指導に向かう途中だった。 
 「酒気帯び運転になるという自覚がなかった」と話している。

 ●静岡県 中学教諭(30歳代)(6月10日 読売新聞)
 6月6日夜、居酒屋で1人でビールを飲んだ後、近くの駐車場に止めてあった
 自分の車の中で仮眠。7日午前3時半頃、自宅へ帰ろうとして運転中、市道交
 差点で道路脇の看板の支柱に衝突。呼気0.15mg/l以上が検出。
 「仮眠を取ったので大丈夫だと思った」と話しているという。

 →生ビール中ジョッキ1杯の分解に、およそ4時間がかかります。
  しかも睡眠中は、アルコールの分解がぐっと遅れます。
  正しい知識さえ持っていれば、飲酒事故を起こすことはなかったでしょう。

 ――代行運転を使って帰宅後に

 ●山口県 高校教諭(27)(6月11日 読売新聞)
 5月4日未明、居酒屋2店で友人3人と飲酒。午前3時頃、代行運転で実家に
 戻ったが、午前3時50分頃、国道で乗用車を運転し、信号機に衝突。
 基準値を超えるアルコール分が検出された。
 「少なくともビールを中ジョッキ5杯とグラス2杯飲んだ」と話している。
 昨年10月に同校の別の教諭が酒気帯び運転容疑で逮捕されており、その後
 全教員を対象に飲酒運転防止の研修会を5回開いていた。

 →飲酒運転防止の研修会って、どんな内容だったのでしょうか。
  せっかく代行を使って帰っても、また車に乗ってしまえば飲酒運転。
  「代行の落とし穴」にはまっています。
 
 ASKの調査を参考にしてください。
 〈飲酒運転〉運転代行の落とし穴 
  ↓  ↓  ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_case2.html

 4)被災地で飲酒事故急増

 東日本大震災の被災地で、飲酒に関連する問題が増えています。
 その1つが飲酒運転です。

 ◎震災で美里赴任の中学教諭が酒気帯び容疑(6月10日 福島民友新聞)

 会津若松市山鹿町で、6月8日午後11時ごろ、剣道の指導仲間と酒を飲んだ中学
 教諭(24)が、自宅に戻る途中に乗用車と衝突、2人に怪我をさせました。
 この教師は震災による兼務辞令を受け、学校を掛け持ちしていたようです。

 ◎震災ストレス?飲酒運転事故倍増 半数が被災地周辺在住(6月3日 河北新報)

 宮城県警によると、3月11日の大震災発生後から5月末までに起きた飲酒運転に
 よる事故数が、ほぼ倍増していることがわかりました。
 石巻市や仙台市若林区などの津波被災地や、その近くに住んでいた人が事故を
 起こしていることが多く、大震災のストレスで飲酒の頻度や量が増えているの
 ではないかとみられています。

 震災後に飲酒問題が増えることはよく知られています。
 ASKのサイトに、被災ストレスとアルコールに関わる情報を掲載しています。
 ぜひご覧ください。
  ↓    ↓    ↓
 http://www.ask.or.jp/disaster.html

 5)酒の提供はイエローカード

 改正道路交通法では、飲酒運転をすることを知りながら酒類を提供した場合、
 提供した店も、厳しく罰せられます。
 しかし「運転するとは知らなかった」「代行で帰ると言われ気づかなかった」
 などと釈明されると、店側を立件するのは難しくなります。
 そこで……

 ◎酒提供店にイエローカード 福岡県警が「指導書」(5月20日 毎日新聞)

 飲酒事故件数ワースト1の福岡県では、踏み込んだ対策をとることにしました。
 立件できない場合でも、店に「飲酒運転防止に関する指導書」(イエローカード)
 を手渡し「飲酒運転撲滅宣言書」を提出させることにしたのです。
 店側からは反省の弁とともに、「酒の提供を断りやすくなった」と歓迎する
 声もあるといいます。

 5月25日の読売新聞によると、福岡県警がこの取り組みを始めて1ヵ月、
 すでに25店に指導書を交付し注意を促しました。


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  4.アルコール検知器Q&A
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 運輸・運送業向け事故防止コンサルタント
 ASK認定飲酒運転防止上級インストラクター

                       高木 宏昌
 
 【Q6】義務化に伴い、アルコール検知器を使い始めたら、思ったより反応
     する乗務員が多くてびっくりしました。
     でも、もう一度測定をすると、ほとんどが0.00になります。
     一度、0.50mg/lが出たことがありましたが、すぐに0.00になったた
     め、乗務員は「こんな器械は信用できない」と言い始めています。
     なぜ、すぐに数値が下がるのでしょうか?

 【A6】血中(呼気中) のアルコール濃度が短時間に下がったのではなく、
     初回の測定結果は、飲酒以外のアルコール反応であった可能性が
     高いです。

 アルコール検知器は文字通り「アルコールを検知する器械」です。決して、
 飲酒状態判定器ではありません。
 肺から呼気が流れ出てくるようすをちょっとイメージしてみてください。
 「肺→のど→口→検知器」…という流れで呼気が通ってきますね。
 検知器を使用したときに、通り道である「のどや口」にアルコール成分がある
 と、呼気が流れる途中でアルコールを「拾って」きてしまいます。
 具体的に言うと、測定直前に極微量でもアルコールが含まれているものを口に
 すると、思った以上に高い数値反応が出てしまう場合があるのです。
 食後の歯磨き、栄養ドリンク、醤油や味噌、パン、清涼飲料などに含まれる
 「成分表示義務以下」のアルコール分でも反応したケースがありますので、
 注意が必要です。
 アルコール検知器はそもそも「肺から出てきた呼気に含まれる極微量のアル
 コール」を感知して数値で結果を出すように設計されているため、皆さんが
 考えている以上に極微量のアルコール分に反応するのです。
 ただし、こういった「のどや口」から拾ってきたアルコールの場合、ほとんど
 は1分もしない間に飲み込まれたり流れて行ってしまいますので、測定し直す
 と0.00mg/lになるのは、十分考えられることです。

 また半導体センサーを使った検知器は、程度に差はあるのですが、アルコール
 以外の成分に反応する場合があります。アルコール成分がないからといって、
 直前にタバコやガム、飴など、飲食物を口にすると、不可解な動作の原因に
 なります。

 こういった検知器の特性を踏まえ、測定の15分前は飲食喫煙をせず、可能で
 あれば真水でうがいをした後に測定してください。
 定期的なメンテナンスも大事なポイントですので、お忘れなく。


 ★質問を募集中です。
 検知器にまつわる質問や悩みがありましたら、メールをお寄せください。
 運用を始めてから気づいた問題点や疑問などもどうぞ!
 → ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 高木宏昌プロフィール
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuu_kanntou.html#takagi

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   5.山さんコラム No.59
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆禁じる側の心構え

 「不許葷酒入山門」
 禅寺の門前の石碑に刻まれた文句を見たことがあるだろう。
 ネギ・ニラなど臭いの強い野菜や、酒を、寺へ持ち込むなとの意味だ。
 訪問者への注意であるが、自戒をこめた宣言ともうけとれる。
 古来、ネギ、ニラ・ニンニク・タマネギなどは強壮作用があり、精力を盛んに
 するといわれてきた。煩悩を払い、心を静め、仏道を行じる日常には不適切、
 いや、邪魔な野菜だ。
 酒も理性をマヒさせ、欲望を解放し、礼節を失なわせ、心を乱すから、仏道
 修行の妨げになること大である。

 訪問者や修行者に飲酒を禁じた石碑は、苔むすまで何百年も禁酒を訴えて
 きている。
 が、山門内では「般若湯」と称し、多くの修行僧が飲んできた。
 山さん、この石碑を見るたびに、辛い修行を覚悟した人間ですら酒の魔力に
 負けるのかと何か虚しさを感じる。
 悟りを開こうと精進する人間でも、禁酒しない、できないのは何故だろう。

 第1は、神道では酒が神酒として儀式にもちいられてきたこと。神仏混合の
 時代は、同一の境内に寺と神社が共存した。そこの僧侶は当然酒の儀式に
 かかわったし、寺によっては自ら醸造していた所もある。つまり、禁じられて
 いない寺も多かった。

 第2は、酒が農業の収穫と密接に結びつき、農村では大切な儀式につきも
 のであったこと。寺が農村に依存すれば酒とは無縁でいられない。冠婚葬
 祭にかかわれば、酒が必ずついてくる。

 第3は、中国文化の中の老荘思想や脱俗を主導する者、例えば竹林の賢
 人たちが、酒を讃え、酩酊を許容する詩文を書き、飲酒文化が高級と評価
 されていたこと。寺は中国文化を広める場でもあった。五山文化が良い例
 だ。

 不許……と掲げた禅寺でも、初めはこの看板が守られただろうが、厳格な
 住職が代替わりしたり、有力な弟子の気がゆるんだりすれば、寺を取り巻
 く俗世間の習俗に、寺全体が押し流されていったのは容易に想像できる。
 節酒・禁酒・断酒の難しさは、酒が儀式、習俗、文化と深く結びついて、
 それを「禁じる立場の人たちも守れない」ことにある。

 さて、今年5月からすべての運輸業者にアルコール検知器の使用が義務付
 けられた。
 各事業者は、検知器にひっかからないようにと、社員へ繰り返し指導してい
 るだろう。
 「前夜、飲みすぎるな」というゆるい言い方から「勤務前日は飲むな」まで。
 アルコール検知器を必ず使用し、正確にチェックすれば、飲酒運転は発生
 しない。これは正しい。
 検知でひっかかった者は、車両に乗せない。これも当然。
 業務につかなかったら、きちんと処分する。処分が甘ければ、効果がないの
 で段々重くする。これも必然。
 その結果、札付きの酒飲みが企業から排除され、ひっかかる者が少なくな
 る。誰でも、ここまでは想定する。

 だが、そのあとが問題。
 しばらく何もなかったのに、新たに検知にひっかかるケース発生。
 真面目な、信望のある人間だ。
 処分の公平さを維持するには、泣いて馬しょくを斬る、ことを決断しなくては
 ならない。しかしこんなことが続けば中堅運転手の相当数を失いかねない。
 そこで現場は智恵を出す。
 危ない場合は病欠にする。
 飲みすぎが予想される会合の翌日は、あらかじめ年休にする。
 怪しいときは朝の乗務を午後の乗務に変更する。
 軽い数値ならごまかすことまで考える……。
 これが検知器導入の先進企業で、実際にしばしば起きたこと。

 本社や監督官庁が、「検知器にひっかかる人数が統計的に減ったから、飲酒
 運転の危険が去った」と誤解したら大間違い。
 基本的な飲酒習慣が改善されていなかったら、検知器記録が0でも、いつ
 か破綻、大きな飲酒事故発生の危険がある。

 酒を飲む機会は、正月、寒梅、花見、暑気払い、月見、忘年会などの年中
 行事、冠婚葬祭という人生の大きな行事、歓送迎会、仕事の打ち上げ、交
 流会、学校行事、旅行、レクレーション、趣味の会、日常生活まで、世に満
 ちみちている。
 我慢をしたり、休みをふりかえたり、「飲まない日」を作っていても、多量
 飲酒習慣が変わっていなければ、いつかは、飲みすぎて化けの皮がはがれる。
 たとえば、飲まないと決めていた日に、たまたま旧友と出会う。
 少量のつもりが、つい過ぎる。意識は少量。記憶も少量。
 翌朝の目覚めがスッキリしていれば油断する。
 普通に出勤。これで長年の検知器クリア対策がパー。
 こんな事例がたくさんある。

 いわゆる酒飲みは、会合で3合や4合は普通だ。話がはずめば5合はあっ
 という間。
 この飲酒習慣を変えていなければ、いずれ検知器にひっかかるのは当然
 だ。検知器プラス処分だけでは、対策はまったく不十分。
 検知器導入に先立ち「正しいアルコール教育と節酒の実践」が絶対必要な
 のだ。酒飲みに正しいアルコール知識と節酒の方法をきちんと教育し、長年
 の飲酒習慣を改善する必要がある。さらに酒飲みが「周囲の者へ飲ませす
 ぎる」危険も、理解させておかねばならない。

 使用が義務付けられたのだから、検知器記録のチェックは重要だ。
 同時に、アルコールの知識をきちんと全員に教育したかのチェックも大切だ。
 お役所は、各企業がどんな教育指導をしているか、検知器記録チェックと平
 行して調査してほしい。
 検知器導入が、飲酒習慣改善のきっかけになれば、抜本的な飲酒運転対
 策としてすばらしい成果となる。

 監督官庁、本社、運転手を指導する立場の人、処分に関わる人は、正確な
 アルコールの知識を学び、自らも節度ある適度の飲酒を実行してほしい。
 検知器の導入を掲げて、ただ「守れ」だけでは、禅寺の石碑の二の舞になる。


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  6.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 梅雨の雨音を聞きながら、読書に耽る季節です。
 湿気が多く不快指数も高いですが、梅雨ならではの醍醐味を探すチャンス
 でもあります。少しでも不快を愉快にすごしたいものです。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】61号 11.6.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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