職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

58号 2011

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  58号 11.3.16
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.アルコール検知器Q&A
    5.山さんコラム No.56
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *NEKOのつぶやき*

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 3月11日、東日本で未曾有の大震災が起きました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に
心よりお見舞い申し上げます。

 ASK事務局のある東京も震災の影響を受けており、計画停電の実施に
 より通勤困難な状態が生じるなど業務に支障が出ております。
 事態が落ち着くまで、さまざまな対応が遅れる可能性がありますことを
 ご理解ください。

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 <飲酒運転防止インストラクター1000名達成しました>
 3年間で1000名のインストラクター養成という目標を掲げて始まった、本講
 座ですが、3月11日に1024人と当初の目標を達成することができました。
 まだ、実践報告シートを提出していない方も受付をしていますので、どうぞ
 ご安心ください。 

 <飲酒運転防止インストラクター養成講座の第4期の募集開始!>
 今年度の募集人数は400名です。
 大人気の講座ですので、どうぞお早めにお申し込みください。
   ↓   ↓   ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html
 ―――――――――――――――――――――――――――――――
 
 上級インストラクターについては15日が締切りでしたが、震災の影響を考え
 3月25日まで募集いたします。
 応募資格があるのは、認定インストラクターとしてすでに活動している方です。
 詳しくはホームページをご覧ください。
   ↓     ↓     ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuukibou.html
 上級インストラクターは、認定後にアシスタント経験を積んで、養成講座の
 スクーリング講師を目指していただきます。
 また、ASKのサイトにプロフィールが掲載され、依頼を受けて講演や研修を
 行なうことができます。 

 すでに認定された上級インストラクターの紹介ページはこちら。
   ↓     ↓     ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuu.html (地域をクリックすると、上級インストラクターのプロフィールが見られます) 

 助成の枠に漏れてしまった場合でも、実費で受講が可能です。
 ASK事務局まで、お問い合わせください。

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  2.ASKからのお知らせ
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 ASKの季刊誌『Be!』や、その前身『アルコール・シンドローム』の記事の
 うち、ご要望の多いものをPDFで販売しています。
 たとえば――
 (下記のリンクは、ダウンロード販売のDL-MARKETに飛びます)

 アルコール予防教育のネタ集になります!
 『ウソ?ホント?お酒の「常識」クイズ』
 → http://goo.gl/48WrK
 いわゆる「うつ病」と、飲酒には、見逃せない関係が。
 『アルコール×うつ 知っておきたい9の「常識」』
 → http://goo.gl/c3oJI
 関連疾患の知識を、わかりやすく集大成!
 『アルコールで痛めた肝臓・すい臓・脳・骨…体内ハラハラ探検ツアー』
 → http://goo.gl/ePWsj
 最新の科学をじっくり解説します。
 『脳に刻まれるトラウマ 脳に侵入するドラッグ・アルコール』
 → http://goo.gl/4BseD
 上記はいずれも300円です。
 全商品をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
 → http://goo.gl/MhnW2

  ↓こちらはDVD/冊子です↓
 「知って得する!アルコールの基礎知識」
  http://www.ask.or.jp/ddd_dvd.html#book
  ハンドブック50冊以上のご注文はお電話で(03-3249-2551)


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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 今月に入って、寒さも一段落ついたと思ったら、朝から雪がちらつく。
 なんとも不安定な空模様、……なんて言っていたら、あの日が。
 
 ASKの事務所は7階のためかなりの揺れで、機器が落下したり、倉庫の棚が
 ゆがんだりしました。
 スタッフは全員無事でしたが、都内の交通機関がすべてストップしたため、
 近くの小学校で一夜を明かし、翌日帰宅した者が多数。
 私は、実家まで7時間歩いて帰りました。

 今なお、救援を待っている方、避難所にいらっしゃる方、家族の安否を気遣って
 いる方、ライフラインの復旧を待っている方、原発の行方に気をもんでいる方が
 たくさんいらっしゃることと思います。
 皆様のご無事と、一刻も早い生活再建を心から願っています。

 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)アルコール検知器導入加速
 2)教師による飲酒運転
 3)依存症が疑われる事例
 4)若者の飲酒運転 
 5)福岡2高校生死亡事故 両親と同級生が訴える
 6)ノンアルコール飲料の誤飲に注意!

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 1)アルコール検知器導入加速
 
 いよいよ、来月から運輸関連業者にアルコール検知器の設置が義務付けられます。
 検知器がない場合、初めての違反で最大60日間の車両使用停止が科されます。
 運輸局は「検知器を備えてもらうのは当然だが、記録保管の徹底も」と呼び掛け
 ています。
 
 ↓アルコール検知器に“特需”運輸業界の酒気帯びチェック義務化で(3月6日 産経新聞)↓
 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110306/biz11030620510005-n1.htm
 ↓飲酒検知器4月義務化 県内運輸業導入を加速(2月20日 中日新聞)↓
 http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2011022002000169.html
 検知器さえ手に入れればいいということではありません。
 活用上の注意点について、当メルマガの『アルコール検知器Q&A』で取上げ
 ていますので、ご覧ください。

 バックナンバーはこちら→ http://dontdrivedrunk.blog74.fc2.com/ 56号【Q1】酒くさくないのに0.35ってあり?
 57号【Q2】アルコール検知器を使うと、点呼に時間をとられないか心配です
 今号【Q3】検知器を常時有効に保持する義務って、何をすればいい?


 2)教師による飲酒運転
 
 教師による飲酒運転が続出しています。
 
 ●高校教諭(57)(3月9日 岩手日報)
 2月19日午後9時15分ごろ、花巻市の交差点で一時停止中の乗用車に接触。
 事故後、呼気0.15mg/l以上が検出。午後7時ごろ、自宅で水割り3杯を飲み、
 買い物に行く途中だった。この教諭は、2月23日付で退職。

 ●中学校教諭(56)(3月1日 毎日新聞)
 2月28日午前7時半ごろ、和歌山県の国道で酒気を帯びて軽乗用車を運転し、
 追突。自宅で夜中に目が覚め、焼酎をコップに何杯か飲んだと供述。

 ●教育委員会指導主事(50)(2月27日 神戸新聞)
 2月27日午前2時25分ごろ、神戸市内の市道で、教育委員会の指導主事が運転
 する車が、民家のブロック塀に衝突。呼気0.65mg/lを検出した。
 2月26日午後8時ごろから、同窓会などで飲酒。一緒に参加した教頭と自宅に
 寄った後、JRの駅まで教頭を送る途中だった。
 「ビールと日本酒を計4杯飲んだ」と話している。

 文部科学省から、教育職員の飲酒運転についてこんなデータも出ています。

 交通事故(人身事故等を伴わない交通違反も含む)により当事者責任として
 懲戒処分を受けた教育職員の数は378人(前年度比44人減)。
 そのうち、飲酒運転を原因とする者は59人で15.6%。
 飲酒運転については、各県市とも厳しい態度で臨んでおり、懲戒処分について
 はすべて停職以上の処分となっているとのことです。

 平成21年度 教育職員に係る懲戒処分等の状況について(文部科学省)
  ↓ ↓ ↓
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1300256.htm

 3)依存症が疑われる事例
 
 「自宅で夜中に目覚め、焼酎をコップに何杯か飲んだ」といった、前述の中学
 教師のように、依存症と思われる事例が多く見られます。
 
 ●市役所主任主事(55)(3月2日 中日新聞)
 2月18日夕方、公務中にコンビニの駐車場で缶酎ハイ2本を飲酒。公用車を運転
 して市役所に戻った。勤務時間終了後の5時30分ごろ、飲酒を目撃した市民から
 の通報を受けた署から取り調べを受けた。主事は飲酒の事実を認め、呼気検査
 に従ったが、基準値以上のアルコールは検出されなかった。「仕事で行き詰まり、
 めいっていた。魔が差した」と説明。
 この問題を受けて、市では、公用車を運転する全職員に乗車前後のアルコール
 検知を義務付けた。

 ●自称造園作業員(68)(2月19日 産経新聞)
 2月18日午後10時25分ごろ、信号待ちで停車中の軽乗用車に追突。呼気0.45mg/l
 を検出。「コンビニで酒を買って、駐車場で飲んだ」と供述。

 ●警部補(47)(3月1日 産経新聞)
 2月12日、午前10時から午後3時ごろまでの間、県営総合運動場で行われた息子の
 テニスの試合中、駐車場に止めた車内で日本酒を1人で飲み、その後に酒気帯び
 の状態で車を運転。ひき逃げ事故を起こし妻を身代わり出頭させた。
 
 背景にある「アルコール依存症」という病気(ASKのサイト)
 → http://www.ask.or.jp/ddd_alcoholism.html

 4)若者の飲酒運転

 19歳、20歳の飲酒運転が続きました。

 19歳の少女が、福岡県久留米市で、2月22日の午前5時ごろ酒を飲んで車を運転し
 たとして、現行犯逮捕されました。
 別の事件の処理に当たっていた警察官が、異常な音をさせながら走行している軽
 ワゴン車に気付き停車させましたところ、少女は顔に軽傷を負っていて、「焼酎を
 飲んで運転し、電柱にぶつかった」と供述しているとのことです。(2月22日 RKB)

 19歳の土木作業員が、愛媛県新居浜市で、2月21日午前0時40分ごろ、巡査部長の
 運転するパトカーと出会い頭に衝突しました。後部座席にいた巡査が強く頭を打ち
 重体。少年から呼気0.4mg/lのアルコールが検出されたため、道交法違反(酒気帯
 び運転)と自動車運転過失傷害の容疑で逮捕しました。同乗の少年2人も道交法
 違反(酒気帯び運転同乗)の容疑で逮捕されています。   
 少年3人は「居酒屋でビールやワインなどを飲んだ」と話しています。
 (2月22日 読売新聞)

 県立高校3年(20)を、横浜市で、2月17日午前8時5分ごろ逮捕した。無免許の
 うえ酒気帯び状態でオートバイを運転。道路を横断していた女子高生に接触し、
 膝に軽傷を負わせました。容疑者は友人の少女(16)と2人乗りで運転し、転倒、
 した際顔に軽傷を負いました。(2月17日 神奈川新聞)


 5)福岡2高校生死亡事故 両親と同級生が訴える
 
 福岡市で男子高校生2人が飲酒運転の車にはねられ死亡した事故を受け亡く
 なった私立博多高校1年、山本寛大(かんた)さん(16)の両親と同級生が、
 福岡市の市長を訪れ「飲酒運転撲滅を実現できるよう協力してほしい」と
 要望しました。
 
 ↓飲酒運転撲滅を 両親と同級生、福岡市長に訴える(3月12日毎日新聞)↓
 http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20110312ddlk40040314000c.html
 母親は、3つのハートが重なった特製ステッカーを紹介しながら「自分の周り
 では飲酒運転をさせないという思いやりの気持ちを1人でも多くの人に広げ
 られれば、絶対にゼロにできる」と話しました。
 同級生たちも「自分たちはまだ高校生で力も無いが、寛大の死を無駄にした
 くない」と訴えました。
 高島市長は「飲酒運転撲滅に市としても真正面からと取り組んでいく」と
 約束しました。

 
 6)ノンアルコール飲料の誤飲に注意!

 飲酒運転撲滅に一役買っている、ノンアルコール飲料。
 しかし、注意してください。
 ビール、発泡酒、新ジャンルでも、糖質「ゼロ」「OFF」「フリー」といった
 表示が並んでいるため、ノンアルコールのアルコール「ゼロ」「OFF」「フリー」
 と非常に間違えやすいのです。
 しかも、ビールと発泡酒には「酒マーク」がついていません。

 1月11日の読売新聞に、「アルコール0飲料の誤飲防ぐ表示必要」という投書
 が寄せられました。
 年末年始の挨拶で、妻の実家を訪れた際に、義理母が、ノンアルコールビー
 ルと勘違いして、糖質ゼロの発泡酒を出した、という内容です。
 
 飲酒運転を防止するために、ノンアルコールビールを飲んだつもりが、うっかり
 飲酒運転になってしまった、ということがないように気をつけたいものです。

 ASKでは、すべてのアルコール飲料に「酒マーク」を義務づけることを求める
 要望書を酒類関連団体と国税庁に提出しました。
  ↓    ↓    ↓    ↓
 http://www.ask.or.jp/images/ask110209.pdf
 なお、ノンアルコール飲料はビール以外にも広がっています。

 ↓焼酎初のアルコール0 小正醸造が4月発売(3月10日南日本新聞)
 http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=30916
 ↓酔わないウメッシュ チョーヤ梅酒(3月10日共同通信)↓
 http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011031001000560.html
 車を運転しなくてはならない時、これらの商品を飲んでいる分には、飲酒運転
 にならないし、便利なものかも知れません。
 しかし、あまりにもたくさんのノンアルコール飲料が登場したことにより、新た
 な問題が生まれています。


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  4.アルコール検知器Q&A
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 運輸・運送業向け事故防止コンサルタント
 ASK認定飲酒運転防止上級インストラクター
                       高木 宏昌
 
 【Q3】「検知器を常時有効に保持する義務」って、何をすればいい?
 
 私の所属する運送会社では2年前からアルコール検知器を使って飲酒運転防止
 に取り組んでいます。
 今度の義務化にあたり「運行管理者がアルコール検知器を常時有効に保持する
 義務」があらたに生じると聞きましたが、具体的にどう対応すればいいので
 しょうか?

 【A3】守るべきポイントは2つあります

 1)検知器メーカーの取扱い説明に従い、適切な管理と維持をすること

 アルコール検知器は「測定器」ですので、メーカーの指定する正しい方法で
 検知をする必要があります。
 たとえば他の一般的な測定器、計量器などでも、平らの位置に置くとか、ここ
 の部位で測る…などの「前提条件」があって、初めて正確な測定になります。
 それを正しく守らなければ、正確な数値が出なくて当然です。
 また維持管理のためにメーカーの推奨する「メンテナンス」をすることです。
 アルコール検知器のセンサーは程度の差こそあれ、必ず劣化します。そのため、
 メーカーの推奨するメンテナンスを必ず定期的に受けて、校正(ズレをなおす
 こと)もしくは交換してください。

 2)定期的に故障確認をすること
 
 アルコール検知器が故障確認しているかどうか、定期的に確認しなければいけ
 ません。確認の方法は2種類あり、最低でも週1回、出来れば毎日が推奨されて
 います。

 ◎「電源が入ること」と「損傷がないこと」の確認
  目視して壊れがなく、また電源が入って測定したとき「測定が完了である状態」
  であることを確認してください。これは毎日の始業前にやらなくてはいけません。
 ◎「アルコールを吹いたときに反応するか(アルコールを検知するか)」の確認
  これは、「エタノールを含んだマウススプレーなどを使って確認すること」が
  推奨されています。コンビニエンスストアやドラッグストア、量販店などで
  「マウススプレー」と言えばわかるかと思います。成分にエタノールを含んで
  いるということを確認してください。
 ◎「人の呼気で反応しないか」の確認
  「48時間飲酒していない」「20分以上口腔内何も入れていない」方が実施する
  ことをお勧めします。「口腔内に何も入れていない」というのは、飲食物だけ
  でなく、タバコや歯磨き、入れ歯安定剤なども含まれます。
 
 念のために「確認した内容」「確認した日時」「確認した運行管理者(もしくは
 補助者)」を点呼記録簿に記入しておくことをお勧めします。

 また、上記だけで「アルコール検知器は100%正確に検知している」と確信する
 のは早計です。あくまでも目安としての動作確認であることを認識しましょう。
 メーカーによって「検知器はセンサーの寿命が縮まるので、故意にアルコールを
 吹きかけないでください」としているところもありますが、その場合、義務化の
 対応をどうすればいいか、念のためにメーカーに確認をとることをお勧めします。


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   5.山さんコラム No.56
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆ノマナイケーションの大切さ

 「実は、若い頃、酒を一滴もやりませんでした。付き合いで飲んでいるうち
 に、少しは飲めるようになりましたが、家では飲んでいません。あの、仕事
 の話ですが……」
 日頃、あまりしゃべらないとの印象だった人が、とうとうと語りだした。
 山さんがある立席パーティで
 「今、断酒中です。いつものように注がないでください」
 と挨拶した時のことである。
 その日は、次々に、今まで会話をしたことのない人が話しかけてくる。
 「なんでだろう?」
 はじめは気づかなかった。
 そのうち、どの人もウーロン茶やジュースなどをもっているので、やっと原
 因がわかった。

 山さんは、それまで酒豪で通っていた。
 いつも宴席では、酒飲み達が山さんを取り巻き、酒を注ぎ合い、大声でしゃ
 べり、酒談義に花を咲かせていた。
 飲まない連中は、ちょっとした隙をみつけて、酒を注ぎ「よろしく」といって、
 話もせず去るのが普通だった。これでは、多くの者とコミュニケーションが
 とれる訳がない。

 大酒呑みや、付き合いのために酒を練習した人たちは、「ノミニケーション」
 を大切にする。
 酒が入ると、日頃、無口な人が雄弁になる。控えめな人も大胆な発言をす
 る。お固い人がやわらかい話をしだす。初対面でもうちとけられる。酒類が
 礼節やつつしみを緩和し、会話を促進する……。
 確かにおしゃべりが活発になるのは間違いない。気詰まりな雰囲気もなく
 なり、「本音」が出されていると考える人が多い。
 ただし、それは「少しアルコールが入ったほろ酔い状態の、酒好き同士の
 場合」と限定がつく。
 飲酒時間が経過するとともに、上等な会話が崩れ、乱暴になったりくどくな
 ったり、酔いの悪い面もあらわれる。
 飲まないでそばにいると、同じ話の繰り返し、おべっか、愚痴、陰口などが、
 はっきり聞こえてくる。

 これを「本音」とみるのは、人間を卑しく見下げすぎている。理性や礼節を
 司る大脳新皮質がアルコールによってマヒした異常行動と解釈すべきであ
 る。
 
 酒が入らない状態で、つまり平常時に、無口の人が語り、控えめな人も発
 言し、冗談も言える状況になってこそ、「コミュニケーションが成立した」とい
 える。
 酒抜きで「本音」を語りあい、「本心」が聴ける状況を作るスキルと努力が必
 要で、お手軽なノミニケーションには、落とし穴がある。

 世には、体質的に飲めない人、酒を控えめにしたほうが良い人、車で来た
 人、翌日出勤が早い人、医師から飲酒を止められている人など、酒類を避
 けなければいけない人が多い。
 これらの人たちは、酒の場では小さくなっている。
 相手に注ぐことで存在を示すのが精一杯。「本音」を語る余地がない。

 その人たちから「本音」を引き出すには、山さんのごとき酒呑みは「断酒宣
 言」が一番である。
 もちろん「節酒」でも効果はある。

 春と秋、酒を酌み交すのを恒例にしていたHさんと会った折、山さんは
 「今日は、これで2杯しか飲みません」
 と1合枡をとりだした。
 「なんだ、前もって言ってくださいよ。私は飲めない体質なので、酒豪の山
 村さんと飲む時は、3日前から肝臓薬を飲み準備するんです」
 とHさんは言った。
 その日はいつもの酒談義は少なく、仕事上の悩みなど、いろいろ語ってくれ
 た。

 「飲まない」「○○だけにする」と宴席で発言すると、雰囲気をこわす、良い
 コミュニケーションがとれない……と心配するむきもあるが、けして、そんな
 ことはない。
 確かに飲んべえたちは嫌な顔をする。日頃、家人や医師から酒を控えるよ
 う言われているから、節酒する人間が寝の前にいるのは、自分の飲酒行動
 を批判されているように感じるだろう。
 でも普通の酒好きならば、節酒する人を気にしないはずだ。

 料理自慢の店も、酒ぬきで大丈夫。老舗、上等なレストランほど、飲まない
 で料理を楽しむ人、センスの良い飲み方をする人を大事にする。
 酒の利益をあてにするような店は、酒も料理もたいしたことはない。

 ただパーフォーマンスに一工夫がいる。まず、出だしが大事。
 「今日は、残念だけど飲まないデーだから、お茶を」
 「今日は、アルコール完全0ビールでお付き合いします」
 「酒は1合に決めています。我がまま言ってすいませんが、この枡に1杯お
 願い」
 「この枡2杯、ゆっくりやります。燗酒は燗冷ましになるので、いい酒を冷で」
 などと、席についたら明るく宣言するのがコツ。

 各種宴席をはじめ「馴染みの店」「お初の店」「うるさい親父の店」「有名レス
 トラン」すべてOK。
 山さんは何十回も実践したが、1度も嫌な顔をされたことがない。
 馴染みの店では「今日はマイ枡ないの」と声がかかる。数年ぶりに、そう言 
 われて感激も。
 「節度ある飲酒」「ノマナイケーション」の大切さ。おわかりですね。
 ノミニケーションでは見えない世界があることもわかるはず。
 歓送迎会、お花見の季節、是非、参考に。


=============================================================★
  6.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================
 
 地震関連のニュースを見ながら、今自分にできることはなんだろうと
 考え続けています。
 せめてもと、節電をしながら、少しでも、多くの人の命が助かり、少し
 でも早く、日常の生活が取り戻せることを願っています。 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】58号 11.3.16
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えて下さい)a-h-c.jp

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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