職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

56号 2011

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  56号 11.1.17
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.アルコール検知器Q&A
    5.山さんコラム No.54
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *NEKOのつぶやき*

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  助手席で仮眠中の男性ごと車盗む
    酔った乗客、運転手いないすきにタクシー運転
           ――とんでもない年末年始

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 飲酒運転防止インストラクター養成講座受講者の皆さんから、実践報告シート
 が続々と届いています。

 現在の認定者は、803名になりました。(内、第3期生は178名)
   ↓     ↓     ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html
 ――――――――――――――――――――――――――――
 アルコール問題についての研鑽をさらに積み、研修の実技審査を経て認定
された「上級インストラクター」も、7名誕生しています。
   ↓     ↓     ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuu.html (地域をクリックすると、上級インストラクターのプロフィールが見られます) 

 上級インストラクターは、依頼を受けて講演や研修を行なうことができます。
 ご希望の方は、依頼したいインストラクターに直接ご連絡ください。
 講師料についても、直接お問い合わせください。

 なお、インストラクターの方で、上級インストラクターに関心をお持ちの方は、
 ASKまで、お問い合わせください。ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp


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  2.ASKからのお知らせ
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 ASKから新刊が出ました。

 ●誰にも聞けなかったドラッグの話
 [薬物依存症]回復者が答える96の相談メール  定価1470円
 http://a-h-c.jp/eshopdo/refer/vid1318001.html
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 相談者の生の声に、リハビリ施設などで豊富な相談経験を持つ回復者が答える、
 今までになかった「使える」薬物本!
 薬物使用者と家族の心理、薬物問題への具体的な対応がわかります。
 
 薬物問題の裾野は広がっています。
 司法関係者や教師をはじめ、健康管理職、人事担当者、相談業務に携わる方々に
 もお勧めです。
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 こちらも好評発売中です。

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 「知って得する!アルコールの基礎知識」
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 ●体質ごとの飲酒リスクがわかる!
 ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。
 年末年始、皆様いかがお過ごしでしたか?
 忘年会や新年会で、つい飲みすぎて体調を崩された方もいらっしゃるのでは
 ないでしょうか。
 新しい年の幕開け、くれぐれもお酒の飲みすぎにはご注意ください。
 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 ※ニュースのリンクは「ウェブ魚拓 http://megalodon.jp/
 を利用しています。
 リンクが切れて記事が読めなくなるのを防ぐためです。
 まず、記事の日付をクリックしてください。すると、
 「宜しければ上記のリンクをクリックしてください」という表示が出ま
 すので、クリックをお願いします。

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 1)代行運転の落とし穴
 2)同乗者も罪になる
 3)信じられないニュースがこんなに!!
 4)飲酒「仮眠」後の運転は危険です 
 5)アルコール検知器をめぐる問題

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 1)代行運転の落とし穴

 マイカーで通勤している場合や、公共交通機関があまりない地域の場合、
 宴会の後に運転代行を頼むことも多いかと思います。
 「今日は代行を頼んだから大丈夫!」?
 い・い・え。

 朝日新聞が力の入った記事を掲載しています。
 せっかく代行運転を利用したのに、自宅の近くで代行業者を帰らせてしまう
 例が数多くあるというのです。
 
 ↓後絶たぬ悪質飲酒運転 代行途中で降り…自らハンドル(12月27日 朝日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-1228-0012-32/mytown.asahi.com/areanews/kagawa/OSK201012260080.html
 全国運転代行協会(東京)は「そのような問題があることは認識している。
 心外だ。しかし、利用客に問いただすと喧嘩になり、商売に影響を及ぼす
 可能性がある」と言っています。
 酔っ払い相手だけに苦労はあるでしょうが、運転することがわかっていて
 帰ってしまうのはまずいでしょう。

 また、代行を頼んだことで安心して、つい飲みすぎてしまい、翌日酒が
 残ったまま運転して酒気帯び運転になる例もあります。

 代行運転は正しい使い方をしてこそ、飲酒運転防止になるのです。
 以下のサイトを参考にしてください。

 運転代行の落とし穴(ASKのサイト) 
    ↓    ↓    ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_case2.html

 2)同乗者も罪になる

 自分は運転しないから、自分は酒を飲まないから大丈夫???
 道交法は、同乗・酒類提供・車両提供も禁じていることを知っていますか?

 飲酒運転・飲酒事故の厳罰化へ さらなる法改正!(ASKのサイト)
 (同乗者の罰則について記載があります)
     ↓    ↓    ↓ 
 http://www.ask.or.jp/ddd_topicks.html#20090601
 千葉県では、2010年は摘発者のうち、同乗者34人、酒類提供者7人、車両提供
 者5人。この3行為での摘発は増加しており、07年8人、08年29人、09年26人、
 10年46人となっています。(1月08日 千葉日報)

 埼玉県でも、飲酒運転同乗の検挙件数が08年31件、09年38件、10年47件と、
 年々増加。(1月14日 産経新聞)
 
 12月25日、奈良県ではこんな事件が。
 長谷寺の修行僧が寺で僧侶と一緒に飲酒し、その後僧侶が酒気帯びで運転する
 車に同乗したのです。車は民家に突っ込みました。(12月26日 産経新聞)

 他にも、滋賀県の男性警部が12月22日夜、酒気帯び運転の車に同乗してい
 たという報道が。
 市内の路上で女性の運転する軽乗用車が急に進路を変更したのを、警戒中の
 署員が発見しました。女性からは呼気0.25mg/lを検出、その車に同乗してい
 たのが男性警部で酒に酔っていたそうです。(1月13日 朝日新聞)

 1月17日、さいたま地裁では、飲酒運転と知りながら知人が運転する車に同乗、
 「危険運転致死傷ほう助」の罪に問われた2人の裁判員裁判が始まります。
 対向車2台と衝突し9人が死傷した熊谷市の事故で、運転手はすでに危険運転
 致死傷罪で懲役16年が確定しています。
 両被告は当初、道交法違反(飲酒運転幇助)の容疑で書類送検されました。
 しかし、遺族らは「飲酒運転をとがめずに同乗していた2人も運転者と同罪
 のはず」と、より罰則の重い危険運転致死傷罪の共犯での起訴を求めて告訴。
 共犯での起訴には至りませんでしたが、同乗者の存在が運転者の危険運転
 を促進したと地検は認定、幇助罪で両被告を起訴しました。
 遺族は「同乗者の罪が認められることで、飲酒運転の無い社会になってほしい」
 と期待しています。(1月14日 産経新聞/1月14日 毎日新聞)


 3)信じられないニュースがこんなに!!

 年末年始、とんでもない事件が各地で続出しました。 
 アルコールは脳をマヒさせますが、それにしても……。

 ●福井 助手席で仮眠中の男性ごと車盗む(1月11日 サンケイスポーツ)
 1月9日夜から10日未明にかけて居酒屋で飲酒した造園業の男性が、帰宅途中
 にエンジンがかかったままのワンボックスカーを見つけ、盗んだとみられる。
 男性は車の運転席に乗り込み発進させたが、助手席のシートを倒して寝ていた
 車の持ち主には全く気がつかなかった。
 目を覚ました持ち主の男性と言い合いになり、2キロ弱走ったところで、路肩
 の雪山に突っ込んだ。呼気0.3mg/lを検出。

 ●沖縄 飲酒運転で成人式に!(1月9日 朝日新聞)
 1月9日午後1時半ごろ、派手な羽織はかま姿の5、6人が、オープンカーにのぼり
 旗を立てて走行しているところを警察官が停止。
 運転していたアルバイトの男性(20)と、その車に同乗していて警察官の襟首を
 つかんだ倉庫作業員の男性(20)を現行犯逮捕した。2人は泥酔状態で、呼気
 濃度は基準値の3倍だったという。同乗のほかの3、4人はその場を走り去った。 
 
 ●宮崎 酒気帯び事故の4時間後、また酒気帯び運転(1月3日 読売新聞)
 1月1日午後1時50分頃、軽自動車が道路脇の田んぼに横転。車内に容疑者と
 知人の男性がいたが2人は酔っており、運転者が特定できなかった。
 署員はいったん容疑者を帰宅させ、任意捜査を行なっていた。
 しかし容疑者は、わずか4時間後、同じ知人を助手席に乗せて酒気帯び運転。
 知人男性についても、道交法違反で捜査している。
 
 ●宮崎 酒気帯び男、「飲んでるだろ」と相手を警察へ(12月25日 読売新聞)
 12月23日午後7時45分頃、自宅で酒を飲んだ後、さらに飲もうと車で外出した
 男の車が市内の男性の車とぶつかりそうになった。
 男は男性に「お前、飲んでいるだろう」と言いがかりをつけ、「飲酒検知で証明
 しよう」と、男性を助手席に乗せて警察署に出向いた。
 警察が2人を検査したところ、言いがかりをつけた男性から呼気0.15mg/l以上
 が検出。連れて行かれた男性からは検出されなかった。

 ●愛知 酔った乗客、運転手いないすきにタクシー運転(12月20日 読売新聞)
 12月19日午前8時20分頃、タクシーに乗車した飲食店員の男が、運転手がコン
 ビニに釣り銭両替のために立ち寄った際に、運転席に移ってタクシーを運転。
 約3分後、運転手が110番している最中に戻ってきた。駆けつけた署員が調べ
 たところ、呼気0.5mg/lが検知。「何も覚えていない」と話しているという。


 4)飲酒「仮眠」後の運転は危険です

 1月6日付の読売新聞が、国立病院機構久里浜アルコール症センターと札幌医科
 大の共同研究を紹介しています。

 20歳代の男女計24人を対象に実験。体重60kgでビール1リットル程度を飲んだ
 直後に4時間眠った場合と4時間眠らずにいた場合を比べたところ、呼気中の
 アルコール濃度が、眠った場合は眠らない場合の約2倍だったといいます。
 同大の松本博志教授は、睡眠により、アルコールを吸収する腸の働きと分解
 する肝臓の活動が弱まった可能性が高いと分析。
 飲酒後仮眠して車を運転することの危険性を訴えています。


 5)アルコール検知器をめぐる問題
 
 個人タクシーの方からASKにこんな質問が。
 「4月からアルコールチェッカーが義務化になるがこれは法律なのか?」
 国土交通省自動車交通局に聞いてみると……

 道路運送法第27条(輸送の安全等)に、
 「一般旅客自動車運送事業者の事業用自動車の運転者及び運転の補助に
 従事する従業員は、運行の安全の確保のために必要な事項として国土交通
 省令で定めるものを遵守しなければならない」とあります。
 アルコールチェッカーの義務化はこの「国土交通省令」にあたり、違反した
 場合は行政処分を受けることになります。
 
 詳しくは、各地の運輸支局にお問い合わせください、とのことです。

 さて、2003年から検知器導入を進めてきたバス業界では、アルコール検知器を
 めぐるさまざまな問題が起きています。

 ●検知器の警報音が鳴らなかった
 東京都交通局によると、12月28日午前7時ごろ、都バスの運転手から乗務禁止
 となる基準(呼気0.07~0.15mg/l未満)のアルコールが検出されたものの、
 検知器の不具合で警報音が鳴りませんでした。
 運転手は約3時間半運転。担当者が基準超過に気づいて中止させました。
 運転手は飲酒していないと主張しており、都交通局が原因を調査しています。
 
 ↓アルコール基準超過で運転許可 都バス北営業所(12月28日 産経新聞)↓
 http://megalodon.jp/2011-0113-1856-38/sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/101228/tky1012282207006-n1.htm  
 ●誤った酒気帯び報告を隠すため、上司が文書を改変?
 飲酒検知は処分と関わるため、ときに裁判にもなります。
 12月15日、京都地裁は、飲酒運転を疑われた京阪バス運転手が解雇された件で、
 「解雇権の乱用で無効だ」とし、雇用の継続と未払い賃金の支払いなどを命じ
 ました。
 約30分後の再検査ではアルコール反応が検出されなかったことから、判決は
 「急激にアルコール濃度が減少したという検知の結果は、不合理で信用でき
 ない。上司が調査結果を改変した疑いがある」と指摘。
 運転手は昨年6月、缶ビール数本などを飲んだ約10時間後、出庫前の飲酒検査
 で酒気帯びと判断され、3回目だったため解雇されました。 

 ↓京阪バスの解雇は無効、京都地裁が判決(12月15日 京都新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-1217-1005-07/www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101215000174
 ●飲酒検査をせずに乗務
 川崎では、市営バスの運転手2名がアルコールチェックをせずに市バスを運行
 していました。運行管理者も検査の確認を怠っていました。
 いわゆる、スリ抜け・見逃しです。
 
 ↓市営バスの運転手2人がアルコールチェックせずに運行/川崎(1月6日 神奈川新聞)↓
 http://megalodon.jp/2011-0114-1058-57/news.kanaloco.jp/localnews/article/1101060024/
 アルコール検知器の使用については、今後もさまざまな問題が起こることが
 予想されます。検知器をよく知って、正しく活用する必要がありますし、
 アルコールの正しい知識の普及も合わせて行なうことが重要です。

 
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  4.アルコール検知器Q&A
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 運輸・運送業向け事故防止コンサルタント
 ASK認定飲酒運転防止上級インストラクター
                       高木 宏昌
 
 はじめまして、高木です。
 検知器メーカーに勤務した経験を生かして、このコーナーを担当させていただ
 きます。 
 さて、1回目はタクシー会社の運行管理者Kさんからの質問です。

 【Q1】酒くさくないのに0.35ってあり?

 つい先日、乗務前の検知で0.35を出した運転手がいました。
 驚いて確認しましたが、まったく酒くさくなく、目も酔っていません。
 本人も、「誓って前の晩には飲んでいない」と言います。
 とりあえずうがいをさせて15分後に測ったところ、同じく0.35。
 30分後も0.35。1時間後にはなんと0.4が出ました。
 検知器が壊れているのではないかと、私も測ってみましたが0.00でした。
 こんなことってあるのでしょうか?
 ちなみに検知器は新しくはありませんが、こんなふうになったのは初めてです。

 【A1】糖尿病やダイエット中の方からでるケトン体の可能性があります

 まずは「アルコール検知器」とは何なのか、知っていただく必要があります。
 現在、日本において、アルコール検知器という名称に対し、血圧計や体温計
 における薬事法や体重計における計量法のような法的な縛りはありません。
 ですので、アルコールに反応するとメーカーが規定したものに関し、自由に
 「アルコール検知器」と名乗って販売することが可能です。
 アルコール検知器はデジタルで数値が出ますので、常に正確なような感じが
 しますが、実はそうであるとは限らないのです。

 現在、バス・タクシー・運送会社の点呼に使われているアルコール検知器の
 センサーには、主に以下の2種類があります。
 貴社の検知器はどちらのタイプでしょうか。

 1.燃料電池(電気化学)式アルコールセンサー
 2.半導体ガスセンサー

 1.については、アルコール(エタノール)以外には反応しないものが多く、
 こういった問題はまず起きません。しかし、値段は高めです。

 2.は値段が手ごろなため、出回っている検知器の多くがこのタイプです。
 でもこのタイプは、アルコール以外に、メントールのような揮発物、発酵食品、
 タバコの煙、「糖尿病やダイエット中の方からでるケトン体」などに反応する
 ことがあります。

 口腔内に残っている飲食物に反応した場合は、
 「真水でうがいをし、15分後に再測定」することで、解決します。
 しかし、ケトン体は体内で生成され続けるので、影響を排除するのが難しいの
 です。

 見分け方として、
 ●アルコールは時間がたつにつれ分解されていくので、数値が低下していく
 ●ケトン体の場合は、数値が減少せず、ある程度一定の数値が出続ける
 という傾向を覚えていてください。

 なお、ケトン体が出ているかどうかを尿で調べる試薬もあります。
 ケトン体が出ているということは健康上問題がありますので、ちゃんと診察
 を受けたほうがいいでしょう。

 もうひとつ、大事なことがあります。
 アルコール検知器は使ってくるうちに劣化します。
 劣化というと、反応しなくなると考えがちですが、センサーによっては、
 「今まで反応しなかったものに反応するようになる」ケースも散見されます。
 ・タバコの煙で反応するようになった
 ・ケトン体で反応するようになった
 という例や、
 ・敏感になりすぎて、アルコールでの検知の場合でも数値が高く出すぎる
 ・アルコールの数値が低すぎる・反応しない
 などの場合があります。

 定期的なメンテナンスが必要です。

 以上のことから、今回のご質問では、ケトン体への反応が疑われます。
 メンテナンスも必要と思われますので、お使いの検知器メーカーに状況を
 伝えてご相談ください。

 ★質問を募集中です。
 検知器にまつわる質問や悩みがありましたら、メールをお寄せください。
 → ask-ddd★(★を@に変えて下さい)a-h-c.jp

 高木宏昌プロフィール
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_jyoukyuu_kanntou.html#takagi
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   5.山さんコラム No.54
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆酒と伝統文化

 暮れのうちから、題名とテーマは決まっていた。だが、書き出しがなかなかま
 とまらない。
 ふと、生(き)のブドウ酒を水で割らずに飲むとは乱暴だ、という意味の文を
 想い出した。
 たぶん、プラトンの対話篇にあったはずと、正月早々、プラトン全集をひもと
 いた。
 岩波版プラトン全集5巻『饗宴』をパラパラめくったが、該当する文章は見つ
 からない。
 しかし、別の場面があった。
 ご馳走を食べ終え、定められた儀式を行なったあと酒ということになったが、
 二日酔いのため気分が悪いので楽な酒の飲み方をしようという提案があり、
 酩酊は人間の体によくない、などの話がつづき、
 「飲みたいなら各人飲みたいだけ飲んで、無理強いすることはすべてやめ、と
 いうことになった……」
 との文章をみいだした。

 すでに古代ギリシャの時代にも、二日酔いの悩み、無理強いする行為、酩酊が
 体に悪いこと、節度ある飲み方、が知られていた。
 ちなみにソクラテスは、「酒があっても無くても満足できる人」と書かれてある。

 人類は、植物採集時代に果実発酵のアルコールを飲んでいたらしい。縄文時
 代の遺跡から食用には小さすぎる果実の種子が大量に残っている土器が見つ
 かり、果実酒ではないかと推定される。嗜好品というより食料の一部だろう。
 本格的な飲酒は、農業が始まり、穀物やブドウが大量に確保できてから開始
 されたのだろう。そして文明の発展とともに、酒は各分野で広く活用され、同時
 に酒害も知られ、飲み方にも注意が払われ、節度ある飲酒文化も形成された。

 酒は、農耕民族の儀式・行事に主役を演じてきた。
 酒が作れるのは、貴重な食料である穀物や果実の豊穣さの現れである。農業
 統率者が、恵みへの感謝として酒をささげる儀式は、次の豊作の願いがこめら
 れた大切な行事である。
 飲酒による集団意識醸成は、その後の農作業の原動力となる。いわば酒が農
 耕成功のシンボル。お神酒たるゆえんだ。
 集団組織の権力を独占した権力者が、酒の酔いがもたらす高揚感や多幸感を
 自ら享受するとともに、人民の支配にも利用した。つらい農耕作業の開始や収
 穫後の祝いとしての祭は、激しい労働への意欲高揚と打ち上げの行事であり、
 ふんだんに酒が振舞われた。飲み放題の原点。

 農耕民族と狩猟民族との間では、当初は農耕民族からの貢物や交換物資とし
 て、後には開拓地を広げるための有力な武器として、酒が利用された。
 和人とアイヌ、アメリカ移民とインディアンの交流史をみれば歴然としている。
 酒造技術がなく酒害を知らない狩猟民族は節度ある飲酒文化をもたないから、
 農耕民族の提供する酒におぼれて戦闘能力を弱めるばかりか、アルコールの
 害から健康を失い亡んでいった。
 山さんは、日本の八岐大蛇退治伝説もこの一つと考える。飲み放題は民族を
 亡ぼす凶器でもある。
 この武器としての使用(酒の乱用)が、味方の軍隊から国民全体に広がり、ア
 ルコール依存症をはじめとして酒害に悩まされるのは何とも皮肉な現象である。

 酒は農耕民族の文化的・社会的発展に寄与した。
 重要なのは酒の使い方である。
 武器は正しく使わなければ暴力装置。使い方を間違えれば、大変な害を及ぼす。
 伝統文化と深く結びついている「節度ある適度な飲酒」を忘れたら、被害は
 甚大だ。それが現代の飲酒関連問題なのだ。

 伝統的な飲酒の仕方を振り返ってみよう。
 お天道さまが高いうちは飲まない。
 若い女性は酒を控える。
 酔態はみせない。
 酒量も規制されていた。
 晩酌はお銚子1本1合が常識。お猪口で10杯。

 沖縄の泡盛、熊本の球磨焼酎は蒸留酒で、日本酒の倍の強さがある。この両
 地では半猪口がある。10杯で日本酒1合とほぼ同じアルコール量。
 薩摩では「焼酎を半々か6:4の水で割り燗をつける」飲み方が一番おいしい
 と教わった。これも日本酒1合。
 英国のパブで頼むのは1パイント568ml(泡入り)のビール。
 米国のバーではウイスキーダブル1杯。
 フランス料理店では白と赤ワインあわせて小グラス2杯。
 これらは概ねアルコール20g=1単位である。
 節度ある適度な飲み方、1日1単位=アルコール20gは、不思議にも世の東西
 を問わず一定である。
 英語で「適量」はSENSIBLE DRINKING。センスある、理にかなった飲み方。
 人類が何千年間も酒と付き合う中で叡智をもって伝えてきた節度ある飲み方は
 1単位。
 これを、きちんと守り、実行し、伝えていくことが、何よりも酒を愛するもの
 の努め。
 ……この正月、ちょっとオーバー飲酒した山さん。
 自戒をこめて、つくづく思った。

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  6.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 笑う門には福来る。
 私の新年の目標は、
 「笑顔で過ごすこと」
 「早食いをやめてゆっくりと食べること」
 です。
 皆さんの目標は、何ですか?

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】56号 11.1.17
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えて下さい)a-h-c.jp
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
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