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職場の飲酒運転対策メルマガ                    バックナンバー

ASKが無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

53号 2010

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  53号 10.10.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    1.ASKからのお知らせ
    2.インストラクター養成講座NOW!
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.51
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *NEKOのつぶやき*
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  代行運転
    途中下車すりゃ、飲酒運転……

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  1.ASKからのお知らせ
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 <大好評!>
  ハンドブック
   「知って得する!アルコールの基礎知識
     〈飲酒運転防止〉から〈健康管理まで〉」 

 前号のメルマガでもお知らせしましたが、大好評につき、再度皆様にお知
 らせします。
 書き込みワークや自己チェック、日々の飲酒状況が記録できるシートも
 6週間分ついています。
 DVDとあわせるとより効果的。インストラクターの指導のもと、DVD
 を観ながら、各自ハンドブックに書き入れたりすることができます。
 今回のフォローアップでは、このハンドブックの使い方もプログラムに
 入っています。
 
 ●ハンドブック
  「知って得する!アルコールの基礎知識
    〈飲酒運転防止〉から〈健康管理まで〉」

 B6判 36ページ 定価315円(本体300円+税)

 ご注文はオンラインショップからが便利です。
http://a-h-c.jp/eshopdo/refer/refer.php?sid=udosv10&refpd=1&view_id=1213001
 50冊以上は割引になります。お電話でお申し込みください。電話03-3249-2551

 50冊以上  ⇒1冊263円(本体250円+税)
 100冊以上  ⇒1冊210円(本体200円+税)
 1000冊以上 ⇒1冊158円(本体150円+税)
 
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  2.インストラクター養成講座NOW!
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 山さんの全国行脚は順調に進んでいます。
 受講者の皆様の熱気に負けないように、山さんも張り切っています。

 今日までで、スクーリングは全26回中7回、フォローアップは全12回中
 4回が終了しています。
 
 全国行脚はまだまだこれから。今月は、18日から大阪、京都を回り、
 26日からは名古屋へ、11月の頭には札幌、福島、盛岡を飛び回ります。
  
 それでは、受講生のアンケートからご紹介します。

 <スクーリング>
 ●研修の内容が充実していた(医療機関)
 ●社員を大切にするためにも、今日学んだことを生かしたい(トラック)
 ●社内の人間に受け入れてもらえるかが不安(トラック)
 ●学んだことを生かして、まずは実行してみたい(医療機関) 
 ●詳しく話してもらい、全ての面で納得した(一般企業)
 ●通信教育と合わせて立体的な学習ができた(バス)
 
 <フォローアップ>
 ●今後開催する研修会の中で新しい内容を説明できる(バス)
 ●インストラクターの取組み事例、直面している問題、対処法を共有でき
  たのがよかった(バス)
 ●ケーススタディを使って話し合うことはとても勉強になる(刑務所)
 ●自分の飲酒について、改めて見直すことができた(バス) 

 さて、職場や地域で研修会を行なっているインストラクターの中から、
 「ジェルパッチを使いたいが、50枚だと多い」という声があがって
 きました。
 ご要望にお応えして、25枚入りセットの販売を開始! ご活用ください。
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 ★かんたんジェルパッチ25枚入り 3780円(税込)
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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 ようやく過ごしやすい気候になってきました。
 芋も栗も何もかもおいしい季節です。
 「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」「行楽の秋」
 想像するだけで、ワクワクします。
 せっかくなので、「節制の秋」も項目に付け加えてみようと思います。  
 
 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 ※ニュースのリンクは「ウェブ魚拓 http://megalodon.jp/
 を利用しています。
 リンクが切れて記事が読めなくなるのを防ぐためです。
 まず、記事の日付をクリックしてください。すると、
 「宜しければ上記のリンクをクリックしてください」という表示が出ま
 すので、クリックをお願いします。

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 1)飲酒運転、3割が常習者―千葉県警
 2)免許処分者への介入が始まった!
 3)運転代行、禁断の「途中下車」
 4)自転車とゴルフカート
 5)いのちのミュージアム

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 1)飲酒運転、3割が常習者―千葉県警

 千葉県警交通指導課が、6月1日~8月31日に実施した取り締まりで飲酒
 運転で逮捕されたり、飲酒運転の違反切符を交付されたりした人のうち
 の3割が、過去にも飲酒運転をしたことがある「飲酒運転常習者」
 だったと発表しました。

 ↓飲酒運転、3割が常習者(9月16日 朝日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0917-1107-15/mytown.asahi.com/areanews/ chiba/TKY201009150426.html

 千葉県警では、飲酒運転の常習者を集中的に取り締まるため、「飲酒運転
 根絶プロジェクトチーム」を編成。
 これまでの公道上の飲酒検問に加えて、車で来店する客が多い郊外の
 飲食店周辺などで、捜査員が覆面パトカーで巡回。不審車両を停車させ、
 飲酒運転をしていないかどうかの検査を積極的に行ないました。
 その結果、飲酒運転で摘発された人は、昨年同期と比べ81人も増加。
 常習者の存在があぶりだされてきたのです。
 

 2)免許処分者への介入が始まった!

 厳罰化や取締りに加えて、違反者の飲酒問題への介入という試みが
 日本でも始まりました。

 茨城県警では、飲酒運転による免許停止処分者を対象にした講習「飲酒
 学級」に、専門家によるカウンセリングを導入し、再犯防止に効果を
 あげています。 
 カウンセリングが導入されたのは、2007年11月。今年8月までにカウンセ
 リングを受けた100人のうち、追跡調査が可能だった88人はいずれも再犯者
 ではなかったそうです。

 ↓飲酒免停者にカウンセリング、再犯ゼロ(9月27日 茨城新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0927-1057-37/www.ibaraki-np.co.jp/news/ news.php?f_jun=12855094860812

 9月1日、飲酒運転で免許を取り消され再取得を目指すドライバーを
 対象にしたモデル事業を、警察庁が開始しました。
 場所は、神奈川・愛知・大阪・愛媛。
 名古屋市天白区の運転者講習センターでの講習のようすを取材した記事
 を見つけました。

 ↓過ち飲み込み飲酒日記 再免許講習、愛知で宿題(10月4日 中日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-1005-1012-06/www.chunichi.co.jp/article/ national/news/CK2010100402000183.html

 アルコール問題のスクーリングテスト、ワークブックを使ったブリーフ
 インタベンション、飲酒日記(宿題)といったプログラム。
 詳細な情報が警察庁のサイトに掲載されています。
  ↓  ↓  ↓
 H22.7.29「酒気帯び運転等の違反者に対する新しい取消処分者講習
 (モデル事業)の実施について」
 http://www.npa.go.jp/pdc/notification/index.html (警察庁の施策を示す通達⇒運転免許課)

 免許取り消し処分者については、こんな話題も。
 香川県警では、交通死亡事故や飲酒運転で運転免許取消処分を受けた
 人たちの手記を小冊子にまとめ、交通安全教室などで活用していると、
 読売新聞(10月1日)が報じています。
 その名も「取消し処分者からドライバーに贈る体験集」。
 リアルな内容に反響が大きいため、県警は個人が特定されない形で再編し、
 運転免許更新時などに配布したい考えだといいます。


 3)運転代行、禁断の途中下車

 山形市の河川敷で、運転代行のサービスが好評を博しています。
 
 ↓左党の芋煮に強い味方 山形で運転代行の利用者急増(9月25日 河北新報)↓
 http://megalodon.jp/2010-0927-1001-01/www.kahoku.co.jp/news/2010/09/ 20100925t55008.htm

 この時期、河川敷では「芋煮会」が行なわれ、大勢の人で賑わいます。
 ビールなどを飲む人も多いものの、周辺には、公共交通機関が少なく、鍋
 や材料などの荷物も多いために、車で来場する人が大半だそうです。
 そこで、河川敷近くの駐車場に代行業者専用のスペースを設け、運転代
 行のサービスをはじめたところ、1年目の利用は30件だったものの、3年目
 の昨年は300件に増加。
 飲酒運転防止に一役買っているようです。

 しかし、運転代行も、使い方を間違えては元も子もありません。

 山形県米沢市の職員が、酒気帯び運転で自損事故を起こしたとして、懲
 戒免職処分を受けました。
 運転代行を使ったのに、飲酒運転で事故を起こしてしまったのです。
 なぜでしょう?

 事故が起きたのは、8月6日午後11時10分ごろのこと。
 市職員は、同日午後5時45分ごろから、市内の祭りに参加。ビールや焼酎
 などを飲み、スナックで行なわれた二次会にも参加。
 その後、運転代行を利用して自宅に帰ろうとしました。しかし、途中で気分
 が悪くなり、駐車場に立ち寄り、そのまま助手席で眠り込んでしまいました。
 運転代行の担当者は、行き先もわからないし、いつまでも起きないお客に
 しびれをきらしたのでしょう。駐車場から引き上げてしまいました。
 市職員は、その後目を覚まし、自分の車を運転して帰宅途中に事故を起こし
 てしまったのです。

 ↓酒気帯び運転の米沢市職員を懲戒免職(10月5日 山形新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-1006-0309-19/www.yamagata-np.jp/news/201010/ 05/kj_2010100500949.php

 さらに、運転代行の「途中下車」が横行しているという福岡県のニュースが
 ありました。
 パトカーや検問が多い市街地を抜けたところで降りる客が多いとか。
 「代金が高くなるから、もうここでいい」と言って降りてしまうのです。 
 代行業者に対して聞き取りを行なった結果、回答した運転手120人のほぼ
 半数が「客が途中で降りた」と回答。3分の1ほどが「そのまま飲酒運転する
 のを目撃した」といいます。

 ↓運転代行、禁断の途中下車 節約で飲酒運転続発(9月26日 朝日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0926-2237-18/www.asahi.com/national/update/ 0926/SEB201009260011.html
 http://megalodon.jp/2010-0926-2238-02/www.asahi.com/national/update/ 0926/SEB201009260011_01.html

 運転代行は自宅まで送り届けなければいけない、という規則をつくれない
 ものなのでしょうか。


 4)自転車とゴルフカート
 
 自動車じゃないから、お酒を飲んでも大丈夫、そんなふうに思っている人は
 いませんか?
 
 <自転車>
 この3件の事例、かなりの量を飲んでいるようです。

 ●富山県 無職(59)(9月30日 読売新聞) 
 9月3日、59歳の男が酒に酔って自転車で歩道をふらついて走行し、男性に
 接触して転倒させた。居酒屋で日本酒5合や焼酎数杯を飲み、帰宅途中。

 ●北海道 自衛官(50代)(9月25日 北海道新聞)
 9月10日未明、酒に酔った状態で自転車を運転。職務質問をされ、真っすぐ
 に歩けないなど泥酔状態だったため、交通切符を切られた。

●香川県 無職(61)(10月14日 毎日新聞) 
 9月6日午前9時10分頃、自宅で飲酒後に自転車に乗り、近くの市道左側から
 中央側に大きくふらついて運転。後ろから来た軽トラック左前部に接触。

 自転車だからと侮ってはいけません。
 危険なことはもちろん、自転車は道路交通法上の取締りの対象。
 酒に酔った状態で運転した場合、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に
 処せられます。

 警視庁
 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/roadplan/bicycle/anzen.htm 
 <ゴルフカート>

 ゴルフ場で昼食時にアルコールを飲んで運転するドライバーがいるようです。

 カートには自動と手動があります。
 自動タイプ…電動やエンジン式で、通路に埋め込まれた電磁誘導線上を、
 「発進」「停止」ボタン操作で走る
 手動タイプ…車と同様にハンドルやアクセル、ブレーキを操る
 どちらも時速は8~19キロ。
 読売新聞(10月9日)によれば、自動タイプでは、停止ボタンを押すのが遅れ
 て人にぶつかる例が多く、手動タイプでは、速度超過やボールを探しながら
 のよそ見運転で通路を外れる事故が目立つとのこと。
 
 ゴルフ場の敷地内でのカートの運転は運転免許もいらず、道路交通法違反に
 はならないものの、事故を起こせば業務上過失致死傷罪などに問われます。


 5)いのちのミュージアム
 
 犯罪被害者の遺族がつづった手紙や、命をテーマにした写真や絵、舞台
 などを通し、命の大切さを発信する「いのちのミュージアム」が25日、東京
 都日野市百草にオープンしました。

 ↓芸術通し、命の大切さ発信 被害者遺族が美術館開館(9月25日 共同通信)↓
 http://megalodon.jp/2010-0927-1028-23/www.47news.jp/CN/201009/CN2010092501000297.html
 一人息子を無免許、飲酒運転の交通事故で亡くした神奈川県座間市の
 造形作家、鈴木共子さんが中心となって、「命の大切さを伝える場所を作り
 たい」とオープンにこぎつけました。
 開館は毎週金、土、日曜日の午前10 時から午後5時までで、入場は無料。
 問い合わせはミュージアム事務局(電話042-594-9810)。
 
 自分の大切な人が、防げるはずの事故によって奪われてしまう。
 そんな悲しいことを二度とおこさないこと、それこそが、被害者に対して、
 私たちができることなのではないでしょうか。
 
 
=============================================================★
   4.山さんコラム No.51
==============================================================

 ◆飲みすぎはどうして起こるか

 歩きはじめの道は、大きな石が敷き詰められている。平らな石ばかりでな
 く、丸かったり角ばったりして、ひどく歩きづらい。中には浮石もあり、
 慎重に足を運ぶ。
 両側は根曲がり竹の原。ガスが晴れれば遠望がきくはずだが、今は一面
 真っ白だ。ひたすら足元を見つめて歩く。
 やがて大きな岩が階段状になった登りになる。「エイ」と声を出し、勢い
 よく登る大きな段差もある。額から汗がしたたる。風が立つ。
 鮮やかな黄色のアキノキリンソウが一斉にゆれる。高山から里山まで初秋
 を知らせてくれる花。細かい黄色の花片が穂になった姿は可憐だ。
 さっとガスが切れる。前方の稜線が目に入る。同じバスに乗ってきたハイカ
 ーは、はるか上だ。
 われわれは熟年5名のパーティ。無理せずゆっくり登っていく。

 15分くらい経ったとき、後ろの2人がかなり遅れているのに気がついた。
 列の分裂は禁物。トリカブトの花が群落をつくっている曲がり角で、2人を
 待つ。
 やがて汗をびっしょりかいたSさんが、足取りを重く上がってきた。
 「ヤケに汗がでてね」と大儀そう。彼は大学時代から山歩きのベテラン。
 ふだんなら、おちゃのこサイサイのはず。こんな姿は珍しい。ほかの仲間
 も不思議そうに眺めていた。

 山さんはやっぱりと思った。昨晩、飲みすぎていたのに気づいていたから。
 止めようと思っていたのだが、ついつい議論に花が咲き、できなかった。
 けさ起きた時から、それが気がかりだった。

 こんな事情だ。

 午後3時に宿に着いた。ここは名だたる温泉場。我々は、分散してさっそく
 温泉へ行く。
 山さんは大の風呂好き。泉質の違った内湯を3箇所、露天風呂1箇所、車
 で10分ほど離れた別の宿へも湯めぐり。2時間あまり湯泉を楽しんだ。
 Sさんは、カラスの行水派。早々と部屋に引き上げ、折りよく戻ったAさんと
 ビールで乾杯。
 山さんが部屋へ帰ったときには、4人でビール3本、原酒の4合ビンが半分
 以上空になっていた。
 そのあと夕食。
 山さんは、例のごとく「注ぎあいはやめ。酒は2合まで」と宣言。
 Aさんは「その哲学は理解して、あとは自己責任で行こう」と先輩らしい発
 言。
 幹事は「ここには生酒と徳利にはいった純米酒があります」とお披露目。
 Sさん「ビールはいいから、その生酒とやらをいただこう」と軽く酔った調子
 でご機嫌。
 ともかく、食事場では、山さんの牽制がきき、5人で、ビール2本、生酒2本
 (600ml)、徳利1本(720ml)と、ギリギリ1人当たり2単位以下におさまった。

 部屋に帰ると議論が始まる。
 残っていた原酒に加え、昼間訪ねた酒蔵の酒が1本(四合ビン)出された。
 山さんは食事場でだされた酒をコップに半分残しておいたから、それをち
 びちび飲んだ。
 4人のうち1人はすぐ横になり居眠り。Aさんも、少しつきあってから、寝てし
 まった。
 Sさんと幹事と山さんが30年前のお互いの苦労話を始めた。
 幹事は、酒が強くない。しきりに酒をすすめる。山さんはコップの酒が終わ
 ってからと婉曲に断る。
 Sさんはすすめられるままに飲んでいる。これはヤバイなと内心思う。しか
 し議論に花が咲いているから中断できない。
 Sさんは何回も注がれていたから、食事後だけでも2合、温泉後からなら都
 合5~6単位飲むことになる。いくらなんでも多すぎる。
 本人は、翌日に備えて初めは節酒を心がけていたと思う。しかし、旧友との
 酒宴でついつい調子がでてしまったのである。そして、翌日、苦しい山登り
 になったという悲劇。

 よくある「二日酔いでの飲酒運転」と同じ。
 このような飲み方を防止するのが飲酒運転防止インストラクターの役割。
 しかし山さんは、なんと見事に失敗してしまった。
 「2合まで」と発言したものの、周囲をストップさせるほど影響力を発揮でき
 ず、発言は自分を抑制したにすぎない。もっと翌日の山行きへの影響を強
 調すべきだった。かつ、Sさんの飲みすぎる癖を良く知っていたのだから、
 ズルズルと昔の話などせず、二次会禁止にすべきだった。
 次に問題はAさんの発言。「自己責任で」というのは常識家らしい言葉で、
 一般論では悪くない。だが、つい飲みすぎてしまうSさんがいるのに、そう
 発言するのは無責任だ。
 そして酒に弱い幹事の役回りも問題。軽く酔って、すすめ上手の癖が出た。
 アルコールの怖さを知らないというより、酒に強い人の飲みすぎた状態が
 分からない。だから、注ぎたし注ぎたして飲ませすぎてしまう。

 しょせん山さんを含め、酒が入ってしまうと、お互いがけん制するのは困難
 だ。
 だが再発防止方法がないわけではない。この仲間は、「前夜の酒が要注意」
 と共有できた。Sさん本人だけでなく、「自己責任」発言のAさんや、幹事も、
 この教訓を生かすことが重要。幹事は、酒をもてなすだけでなく、全体の行
 動計画に気を配らなければいけないとしっかり認識したい。

 「飲みすぎ」防止は、本人の決意に加え、周囲の適切な支援が不可欠であ
 る。
 「飲みすぎ」の失敗が出たら、本人の再教育はもちろんだが、足を引っ張る
 者がいる状況ならば、周囲への再教育も大切だ。これが再発防止の大事
 なポイント。


=============================================================★
  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 毎日欠かさず体重を記録することで、順調に減量に成功しています。
 私の体重をチェックし、励ましてくれる仲間がいると頑張れます。
 節酒や断酒と同じだと、つくづく感じる今日この頃です。
 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】53号 10.10.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えて下さい)a-h-c.jp
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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