職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

49号 2010

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  49号 10.6.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/   
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

================ このメールマガジンは =================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページhttp://www.ask.or.jp/からご登録いただいた方
 に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.NEKOのニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.47
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *NEKOのつぶやき*
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   その「同乗」に「同情」の余地なし

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 大盛況のうちに終わった、第2期の養成講座。
 認定者へのアンケートをまとめていたスタッフが、「これは、すごい!」
 と目を輝かせました。
 
 回答者の75%が、インストラクター養成講座を受けたことで、節酒または
 断酒をしていたのです!
 しかも、毎日飲酒者と3単位以上の飲酒者が激減。
 こんな具合です――

 ●飲酒頻度の変化 
 毎日飲酒が36人→2人に減少
 週5日が7人→22人、週1日が7人→19人に増加

 ●1回の飲酒量の変化
 4~8単位飲酒が28人→0人に、3単位が35人→10人に減少
 2単位が22人→37人に、1単位が4人→40人に増加

 インストラクターは、アルコールの知識を学びながら、自分自身の飲酒習慣
 を振り返り、改善に取り組んでいたのです。
 養成講座そのものが節酒効果をもつことを証明できました! 
 まさに「これは、すごい!」成果です。

 第2期に認定となった2期生は323名。1期生のうち第2期に認定された人が
 19名いたため、認定者の総計は613名となりました。
 地区別の認定者数は、サイトでご確認ください。(数は随時更新しています)
   ↓  ↓  ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html

 草の根効果も確認できました。
 インストラクターたちは、認定プロセスの中で初回研修を実施し、写真付き
 の報告書を提出する決まりです。第2期認定者による初回研修への参加者数
 は8,860名でした(第1期は7,108名)。
 また、第1期認定者の30%が回答したアンケート調査によると、認定後に
 実施した研修の参加者数は、約10,000名にのぼっていました。
 これらを合計すると、把握できただけで、26,000名に対して研修を実施でき
 たことになります!

 第3期は日本損害保険協会が助成額を増やしてくださり、590人でのスタート!
 今、3期生は鋭意、【ステップ1】通信スクールに取り組んでいます。
 

 当養成講座が、時事通信の官庁速報で紹介されました。

 ●《市政コーナー》 飲酒運転防止インストラクター養成=福岡県久留米市
 (6月7日 時事通信官庁速報)
 久留米市は、NPO法人の講座を活用して、職員の中から飲酒運転防止インス
 トラクターを養成する。職員が飲酒運転で検挙される例が相次いだことを踏ま
 え、職場で飲酒運転防止の旗振り役になってもらう考え。
 活用するのは、運輸事業者らを対象に実績のあるNPO法人「アルコール薬物
 問題全国市民協会」が実施する講座。3カ月通信教育とスクーリング、リポー
 トで科学的にアルコールの知識や対処方法などを習得し、修了すると同協会に
 認定される。まず、業務で車両を使用する部署などの5人が受講する。
 同市の職員は約70%が車で出勤する一方、付き合いでの飲酒の機会が多く、
 精神論や厳罰化だけでは対応できないと判断した。アルコール依存症の可能性
 のある職員は、健康診断で洗い出し、個別指導する。
 市によると、他の自治体の事例には、飲酒後、家族の送迎で帰宅し、翌日、ジ
 ョギング、シャワーの後に車で通勤中に酒気帯び運転で検挙されたというもの
 あり、アルコールに関する正確な情報が必要という。

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  2.NEKOのニュースCLIP!
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 養成講座のスクーリング会場を押さえるために出かけてきました。
 今年初めてスクーリング会場となる場所です。現場を見ると、皆さんが集
 まって講習を受ける様子が目に浮かび、わくわくしてきました。

 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 ※ニュースのリンクは「ウェブ魚拓http://megalodon.jp/」
 を利用しています。リンクが切れて記事が読めなくなるのを防ぐためです。
 まず、記事の日付をクリックしてください。すると、
 「宜しければ上記のリンクをクリックしてください」という表示が出ます
 ので、クリックをお願いします。

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 1)飲酒運転する車に同乗する警察官
 2)道路交通法改正から1年
 3) 教職員・自衛官の飲酒運転による懲戒処分比較
 4)米の飲酒運転対策~リンジー・ローハン事件から~
 5)WHO「アルコールの有害な使用を軽減するための世界戦略」
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 1)飲酒運転する車に同乗する警察官

 友人が飲酒運転する車に同乗したとして、長崎県の巡査(20)が5月17日に
 逮捕されました。
 
 ↓酒気帯び車同乗:浦上署巡査逮捕「まずい」と現場から逃走(5月19日 毎日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0520-1015-52/mainichi.jp/area/nagasaki/news/20100519dd
lk42040385000c.html

 ↓酒気帯び車同乗:浦上署巡査、過去にも2度乗車(5月21日 毎日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0614-1430-59/mainichi.jp/area/nagasaki/news/
20100521ddlk42040571000c.html

 巡査と中学時代の同級生2人は居酒屋で飲酒。友人が近くのコインパーキング
 に駐車していた車を運転して軽乗用車に衝突、約150メートル逃走しました。
 追跡した軽乗用車の男性にクラクションを鳴らされて停車しましたが、巡査
 は逃げて、タクシーで帰宅したといいます。

 3人は一緒に飲食する際に、巡査以外のどちらかが運転すると約束しており、
 今月2度、市内の飲食店で飲酒していたとか。
 さらに、友人に「一緒に飲んでいなかったことにして」と電話やメールで依頼
 していたというのです。

 ・飲酒運転をするおそれのある者に対する「車両の提供」
 ・飲酒運転をするおそれのある者に対する「酒類の提供」
 ・酒気を帯びた者が運転する車両への「同乗」(自己の運送を要求)
 これらは全て、道路交通法違反です。

 罰則についての詳細は、以下へ。

 飲酒運転・飲酒事故の厳罰化へさらなる法改正!(ASKのサイト)
  ↓   ↓   ↓ 
 http://www.ask.or.jp/ddd_topicks.html#20090601


 他にも警察官による飲酒運転がありました。

 ↓元矢板署長、容疑で逮捕 車追突し発覚(5月28日 毎日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0614-1448-33/mainichi.jp/area/tochigi
/news/20100528ddlk09040197000c.html

 5月21日午後7時半頃、軽トラックを運転、踏み切りで一時停止をしていた
 乗用車に衝突。呼気0.15mg/l以上を検出。歩行検査などの結果、酒酔い運転
 が発覚。この男性、なんと警察署長などを歴任していたのです。
 
 さらには、こんな事故まで……

 ↓二日酔いで覆面パト運転、警部補停職 本人は辞職(5月23日 毎日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0614-1457-03/mainichi.jp/area/tokyo/news/
20100523ddlk13040153000c.html
 
 4月1日午前11時頃、交通機動隊から隊の本部までの約10kmを酒気帯び運転。
 前日は休暇で、夜11時頃まで自宅で、500mlの缶ビール3本と焼酎の水割り
 を10杯飲んだと供述。
 
 これは明らかに飲みすぎ。12時間後でも相当なアルコールが残っていたで
 しょう。警部補は5月21日、停職6ヵ月の懲戒処分になり、辞職しました。 


 2)道路交通法改正から1年

 改正道路交通法が昨年6月に施行されて1年。
 免許取消処分が大幅に増えていると、各紙が報じています。
 施行後は、呼気0.25mg/l以上で一発免許取消。0.15mg/l以上0.25mg/l未満
 でも、過去に2点以上の違反があれば取消になるためです。
 
 たとえば岡山県では、前年に比べ、免許取消が209件も増加。
  09年6月~10年5月 303件(前年度の3倍以上)
 一方、免許停止処分は大幅に減っています。
  09年6月~10年5月 178件(前年度の半分以下)
 今までなら停止処分だった人が、厳罰化によって取消処分になったことが
 わかります。
 
 他県でも同じ傾向が出ています。
 <飲酒運転による免許取消の件数>
 ・徳島県 09年6月~10年5月 210件(前年度の3倍以上)
 ・鳥取県 09年6月~10年4月 138人(前年度の4倍以上)   
 ・山形県 10年1月~4月 121件(前年の4倍強)
 
 飲酒運転事故についても、横ばいか増加の傾向で、「罰則強化の効果が薄れ
 つつあるのでは」と警鐘を鳴らす報道が多く見られました。
 事故の状況分析をみてみると、ここにも似た傾向があります。

 鳥取県/飲酒運転減らず、死亡事故が激増(5月31日 朝日新聞)
 ・飲酒が絡む事故件数は前年同期より1件増の32件で、昨年はなかった死亡
  事故が4件含まれている。
 ・今年の飲酒事故の約4割は、午前6時~午後6時の日中に起きていた。前日
  深酒して翌日まで残っている人のほか、昼食時に飲酒し運転する人も多い。

 静岡県/飲酒運転厳罰化の効果薄れる?(6月1日 静岡新聞)
 ・前年は減ったが、今年になって4月末までに3人が死亡。月平均の事故件数
  も、09年の11.8件から10年は13.5件に増加。
 ・「深酒しても少し寝れば大丈夫」など、誤った認識を持っている人も多い。
  年齢別では30代が最も多く、40代、50代と続く。深夜から未明のほか、午前
  6時から10時までの午前中の事故も多い。二日酔いの運転者も目立つ。

 鍵は、ドライバーの深酒防止のようです。


 3) 教職員・自衛官の飲酒運転による懲戒処分比較
 
 教職員が飲酒運転による事故をおこした場合、停職6ヵ月以上か懲戒免職と
 いう厳しい懲戒処分が下されます。以下の事例を見て下さい。

 懲戒免職●長崎県中学校教諭(29)5月19日 産経新聞
 5月7日夜、PTA懇親会とその二次会に出席して飲酒。8日午前1時~4時半
 頃までマイカー内で仮眠後、帰宅。車がふらついていたため、追尾して
 いた警察官に自宅駐車場で、降車したところで逮捕された。呼気0.39mg/l
 を検出。「仮眠したので大丈夫だと思った」と話している。
 
 停職6ヵ月●大阪市中学校教頭(50)6月1日 産経新聞
 昨年10月6日夜、同僚と居酒屋でビール中ジョッキ2杯を飲んだのち、駅に
 止めていた原付バイクで帰宅。駅近くで署員に呼び止められ、呼気0.15mg/l
 を検出。簡裁から罰金20万円の略式命令を受け、すでに納付。
 市教委は、原則免職としていた懲戒処分指針を緩和した新指針を打ち出した
 ばかりで、「旧指針であれば免職になっていた可能性はある」としている。

 懲戒免職●京都市中学教頭(50)6月2日 時事通信
 4月17日昼から自宅でウイスキーを飲み、その後車で外出。午後7時45分頃、
 信号待ちをしていた自動車の後部に追突し検挙。
 
懲戒免職●福島県高校女性主査(57)6月14日 時事通信
 5月29日午後0時10分ごろから、自宅で焼酎を飲み始め、その後、焼酎を買う
 ために車で外出。買った焼酎を店舗駐車場内で飲み、車の中で仮眠を取った。
 同日午後5時10分ごろ、運転を誤り側溝に車を転落させた。「迷惑をかけ申し
 訳ありません。なぜ飲酒運転したのか自分でも分かりません」と答えている。
 
 一方で、自衛官の処分は?

停職15日●熊本県女性3等陸曹(20代)5月20日 産経新聞
 2月26日午後7~9時ごろ、飲食店で同僚と梅酒5、6杯を飲んだ。27日午前0時頃
 までインターネットカフェで仮眠後、車で帰宅途中に赤信号を見落とし警察官
 に停止を求められた際、0.41mg/lのアルコールが検出された。依願退職。

 停職15日●長崎県男性陸士長(23)5月29日 長崎新聞
 4月2日深夜から、飲食店計3軒で飲食し、ビール1杯と焼酎水割り11~13杯
 を飲み帰宅。3日午前5時23分ごろ、乗用車を運転。交差点で停車中の車内で
 寝込み、呼気0.54mg/lを検出。

 停職23日●香川県男性1等陸尉(44)6月1日 四国新聞
 4月16日午後10時10分ごろ、酒気帯び状態で乗用車を運転。交差点に止まって
 いた乗用車に接触。市内の飲食店で酒を飲んで帰宅後、乗用車で外出し、事故
 をおこした。依願退職。
 
 停職30日●山口県男性3等海佐(41)6月3日 産経新聞
 3月27日夜、飲食店で友人と飲酒。28日午前2時20分ごろに乗用車を運転して
 駐車中の車両に追突。「仮眠を取ったので深く考えずに運転してしまった」と
 話している。

 停職28日●山口県男性3等陸曹(27)6月8日 毎日新聞
 3月28日夜、市内の県道で酒を飲んで乗用車を運転。赤信号で停車中の軽乗用
 車に追突し逃走した。依願退職の意向。
 
 どれも停職30日以下。教職員と比べると随分軽いことがわかります。
 飲酒運転をしてはいけないのは、どちらも同じ。
 同じ公務員にもかかわらず、ここまで差があると気になります。
 

 4)米の飲酒運転対策~リンジー・ローハン事件から~

 アメリカの女優、リンジー・ローハンが、飲酒運転などの有罪判決を受けて、
 米ロサンゼルス郡地裁から足首飲酒モニターの装着を命じられたというニュ
 ースが大きく報じられました。

 ↓リンジー・ローハンに足首飲酒モニター(5月26日 朝日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0526-1106-59/www.asahi.com/showbiz/
nikkan/NIK201005260021.html

 アメリカの飲酒運転再犯防止対策は、<処罰・制裁>と<教育・治療>の2つ
 の側面で構成されています。

 ↓カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止システム(ASKのサイト)↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_california.html

 お騒がせリンジーのお陰(?)で、<教育・治療>から落ちこぼれた人に
 米カリフォルニア州の司法はどう対応するのかがわかりました。
 経緯を追ってみましょう。
  
 <リンジー・ローハンの事件の経緯>
 
 ●07年に飲酒運転やコカイン所持、麻薬運搬、無免許運転などで2度逮捕。
  禁固1日執行猶予3年の有罪判決を受け、アルコール教育プログラムへの
  参加を義務付けられていたものの、プログラムへの出席を怠った。
 ↓
 ●5月20日に予定されていた公聴会を欠席。
  執行猶予判決による出廷義務だったため、逮捕状を出される。
 ↓
 ●保釈の条件として、裁判所から以下を命じられた。 
 ・10万ドル(約900万円)の保釈金支払
 ・次回7月6日の公聴会まで飲酒を禁止
 ・ロサンゼルスから離れることを禁止
 ・週に1度のアルコール教育プログラムへの出席を義務付け
 ・遠隔地からアルコール摂取を監視できる特殊な器具「SCRAM」の装着。

 SCRAM(Secure Continuous Remote Alcohol Monitor)とは……
  飲酒運転常習者に使用される監視装置で、足首に装着。皮膚呼吸から出る
  アルコール蒸気を検知し、そのデータを各地方自治体の管理センターに送る。
  破壊したり、皮膚と装置の間に異物を差し込めば、警報信号が出る仕組み。
  ↓つけるとこうなります↓
 http://megalodon.jp/2010-0527-0804-33/www.dallasnews.com/sharedcontent/
dws/dn/latestnews/stories/072907dnnatanklebracelet.257d0cd.html
  ↓いったいどんなシステムか(図をご覧ください)↓
 http://www.tampabaycriminaldefenselawyerblog.com/2010/01/
tampa-bay-scram-monitor-usage.html

 ↓
 ●次回の公聴会で新たに飲酒の事実が発覚すると、最長で180日間の禁固刑が
 科される。
 ↓
 ●6月8日、禁酒命令に従わなかったために、逮捕状が出される。
  6日「MTVムービー・アワード」に出席した際、SCRAMのアラームが反応
  (本人は否認)

 これからどうなるのか、気がもめます。
 アルコール・薬物依存症と思われるリンジー、治療につながるといいのですが。


 5)WHO「アルコールの有害な使用を軽減するための世界戦略」

 5月20日、世界保健機関(WHO)の総会で、「アルコールの有害な使用を軽減
 するための世界戦略」が全会一致で採択されました。
 WHOは、本人の健康だけでなく、交通事故や暴力、自殺などの問題にも注目。
 「世界で250万人がアルコールに関連した原因で死亡」「アルコールの有害な
 使用は、すべての死の3.8%を占める」と、対策の強化を求めています。
 ただし、世界戦略は加盟国への法的拘束力は持たず、具体化は各国の自主性に
 委ねているのが特徴。広告規制や価格設定、飲酒運転対策など10分野それぞれ
 に対策メニューを提示しています。

 分野4の飲酒運転対策メニューを見てみると――

 (a) 血中アルコール濃度の上限を導入
   職業運転手や若者、もしくは、初心者については基準値を下げる
 (b) 飲酒検問所や無作為呼気テストを促進
 (c) 運転免許証の行政停止
 (d) 初心者に対しては飲酒許容度ゼロにし、段階的に免許証を交付
 (e) 必要に応じて、イグニッション・インターロックを利用
 (f) 強制的な教育、カウンセリングや治療プログラムを実施
 (g) 飲食店の閉店時間まで、公共輸送機関を含む代替の輸送手段を奨励
 (h) 社会の自覚や知識を高めるキャンペーンを実施
 (i) 休暇シーズンや若者向けイベントなど、特殊な状況でのマスメディア・
   キャンペーンを実施。

 飲酒運転対策は、今回示された10分野の中で唯一、日本が国をあげて対策を講じて
 きた分野で、WHOが強調している関連省庁・機関・団体による連携もかろうじて
 行なわれているのです。
 まだ手つかずの対策もありますが、かなり進んでいるもの、ようやく取り組みが
 始まろうとしているものもあります。
 問題は「アルコール関連問題対策」という総合的な視点・施策が欠けていること。

 WHOの世界戦略に関連し、共同通信が「飲酒の健康影響」というテーマで
 5回シリーズに取り組んでいます。久里浜アルコール症センターの樋口副院長と
 ASK代表・今成が取材に答えており、日本の現状がよくわかります。

 1.安売り、広告に制限を WHOが対策指針(5月11日)
 http://megalodon.jp/2010-0608-2234-48/www.47news.jp/feature/
medical/2010/05/post-326.html

 2.60以上の疾患に関係 肝臓病、がん、依存症(5月19日)
 http://megalodon.jp/2010-0518-1310-02/www.47news.jp/feature/
medical/2010/05/post-331.html

 3.女性と高齢者に広がり 社会進出、定年退職機に(5月25日)
 http://megalodon.jp/2010-0525-1015-44/www.47news.jp/feature/
medical/2010/05/post-336.html

 4.早めの対処が肝心 プレアルコホリック(6月1日)
 http://megalodon.jp/2010-0601-1123-05/www.47news.jp/feature/
medical/2010/06/post-341.html

 5.課題多い日本のCM 海外では規制進む(6月8日)
 http://megalodon.jp/2010-0608-1037-14/www.47news.jp/feature/
medical/2010/06/post-346.html

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   3.山さんコラム No.47
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆酒はストレス解消の妙薬か?

 世はストレス時代。ストレス解消に役立つものは何でも人気がある。
 酒の効用としてストレス解消を説く人も多い。

 昔から、酒は人生の憂いを払い、陽気にさせ、元気を回復する飲料とされてきた。
 確かに飲めば悩みや心配事を忘れることができる。
 酒友がいれば愚痴も聞いてもらえる。
 同僚と上司の悪口を言い放ち、日頃のうっぷんを晴らすことも可能だ。
 一時的には。

 酔いが醒めれば、憂いがもどる。
 言わずもがなの発言が悔やまれる。
 飲んだ勢いの大言壮語がはずかしい。
 要するに、反省しきりのガックリ。
 これは真のストレス。

 アルコールは脳の活動を麻痺するから、悩みや心配を一時的に忘れることが
 できる。
 でも、原因が除去されなければ、ますます悩みや心配は大きく激しくなる。
 それを忘れるには、ますます大量の酒が必要になる。
 離婚の苦しみをブランデーの牛乳割で癒そうとした江利チエミも、「悲しい酒」
 の美空ひばりも、多量飲酒で死んだ。

 古来、憂さ晴らしの酒で身を亡ぼした人材は枚挙のいとまがない。
 だから、ストレス解消に酒が役立つと説くことは大変危険であり人を惑わす行為だ。
 特に、悩み多き若人には聞かせたくない。
 もし信じてしまい、悩んだ時、酒に逃れることを憶えたら、その人生は悲惨なもの
 になる。
 悩みは若さの特権、人間的成長の母だ。
 悩みに直面し、それを乗り越えることで大人になる。
 酒や薬物は、その大切な努力をさせないで、安易に忘れさせる道を提供してしまう。

 もう残りの人生の少ない老人なら、酒へ逃げようと構わないと思うかもしれないが、
 それをマネル若者がでるから困る。
 「あんなに飲んでいても、一流の会社で仕事をこなせたのは、酒で日頃のストレス
 を解消していたからだ」などと誤解してしまう。
 仕事上の成功は、失敗から教訓を引き出しているからで、酒で失敗の苦しみを忘れ
 ていたら、成功などおぼつかない。
 寝ても覚めても考え続け、考え抜いた対策やふとひらめいた考えが、成功のもとに
 なる。
 その意味からも、酒をストレス解消に使ってはならない。

 その上、ストレス解消の場合、酔いの早さを求めるから、酒の味はどうでもよく
 なる。
 これでは、苦心して造られた良い酒に対しても、作り手に対しても失礼だ。
 酒を愛する人とは到底思えない。
 醸造メーカーは、心を込めて造る酒のおいしさを宣伝し、味わう飲み方を教える
 べきで、ストレス解消などと宣伝すべきではないのだ。酔わずに味わうには、
 せいぜい日本酒1合程度。これでは物足りない人は酔いを求めているのであり、
 警戒すべき人物、良い酒の敵である。

 さて大切なのは、健康的なストレス解消法である。これを知らないと酒に走る。
 山さんの推奨ストレス解消法は「歩くこと」。

 人類は700万年前、直立二足歩行を始めた。生きるためには歩き回り食物を探さ
 ねばならなかった。
 飢えという最大のストレス解消には、まず歩くことが重要だった。この700万年
 間の経験は大きい。DNAにしっかりとはいっているはずだ。
 ストレス⇒歩く⇒食料確保⇒ストレス解消

 失敗したり悩んだりしたら、部屋から一歩、歩きだそう。様々な思いが浮かんで
 くる。
 怒り、憤り、嫉ましさ、悲しみ、後悔、悲哀、次々に心を乱す。かまわず歩く。
 どんどん歩く。どれだけ歩いたか。
 そのうち、ふと周囲の風景が目に入る。若葉が初夏の陽に照らされ、輝いている。
 楠の大木は燃え上がるように枝葉を伸ばしているではないか。
 薫風が頬をなでる。
 気づくと昼過ぎ。腹がへっているわけだ。まず食事をしよう。それから、この
 問題をゆっくり考えよう。
 まだ何も解決してはいない。が、問題そのものに直面できる準備はできた。
 ストレスの原因を、しっかり見据えて考えること、心配や憤りを横において、
 問題そのものを考える、それが大切。

 嫌なことがあったら、歩こう。
 これが700万年間の歴史を誇るストレス解消法。
 ちなみに酒類は、農業開始後に作られた飲料。1万年の歴史しかない。
 庶民・労働者が手軽に飲めるようになったのは、産業革命後で、ここ200年の
 ことに過ぎない。
 効用よりはるかに害が多いと昔から指摘されながら、アルコールの販売が拡大
 してきたのは、国家の財政政策によるところが大きい。労働者の不満対策もある。
 狩猟民族の活動制約の道具にもなった。
 何よりも金儲けの手段になったせいである。
 「ストレス」などという言葉を使って効用を説いたり、言い訳に使ったりする
 べきではない。

 ストレス解消にアルコールではなく、「ストレス解消にアルコー」が正しい。
 ちと紛らわしいかな。

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  4.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

============編集後記 *NEKOのつぶやき*===========
 
 夏が来る。
 暑がりで汗っかきにはツライ夏が来る……

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】49号 10.6.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えて下さい)a-h-c.jp
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