職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

48号 2010

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  48号 10.5.17
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページhttp://www.ask.or.jp/からご登録いただいた方
 に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.NEKOのニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.46
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *NEKOのつぶやき*
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  仕事も運転も、
慣れてきた頃が一番危ない――
   
==============================================================★
  1.インストラクター養成講座NOW!
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 飲酒運転防止インストラクター認定者は、第1期290名、第2期323名、
 合計613名になりました!
  ↓  ↓  ↓
http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html
 
 そして今年。第3期養成講座は、すでに118名の方から通信スクールの
 回答が届いています。
 そのうち、18名はすでに通信スクールを修了という素早さ!
 熱気に押され、事務局では9月からの全国でのスクーリング会場の
 手配に入りました。

==============================================================★
  2.ASKからのお知らせ
===============================================================
  
 「アルコール依存症という病気への対応の方法を知りたい!」という方に、
 耳寄りなキャンペーンのお知らせです。
 
 6月30日までに、オンラインショップから「ASKアルコール通信講座」
 をお申し込みいただいた方限定で、PDFのオマケがつきます。
  ↓   ↓   ↓
 http://www.a-h-c.jp/eshopdo/refer/refer.php?sid=udosv10&cid=23#sono1

 「ASKアルコール通信講座<基礎クラス>」は、アルコール依存症について
 学べる日本で唯一の通信講座です。一人でも多くの人に正しい知識を……
 という願いから1996年に開講。受講料はたったの9,870円です。
 これまでに、治療・援助者、ご家族、回復者、学生や職場関係者など述べ
3600人が受講しています。講座は6回。テキストは6冊。

 第1回 アルコール依存症という病気
 第2回 本人の心理・家族の心理
 第3回 「イネイブリング」とは何か?
 第4回 治療をすすめる
 第5回 専門治療の意味
 第6回 回復のために必要なもの

 ※飲酒運転防止については内容に含まれていません

 1回ごとに【復習テスト】でテキストの内容をおさらいし、テストの返送時
 についてくる【解答と解説】で、理解をさらに深めることができます。
 復習テストの提出は「A治療・援助者コース」「B家族コース」のどちらか
 を選べます。
詳しくは→ http://www.a-h-c.jp/tsuushin_alcohol.html
 
 さてキャンペーンに話を戻しましょう。
 <基礎クラス>受講者へのオマケは次の2つ。

 ●検証アルコール医療 抗酒剤は、飲むべきか?
  (アルコール・シンドローム23号より)

  依存症治療で非常に多く使われる「抗酒剤」。治療者側にも、
  患者側にも、賛否両論があります。抗酒剤の歴史や「副作用」の
  ナゾを含め、意外と知られていないポイントを詳細に解説。
  断酒会アンケートからは回復者の本音が伝わってきます。

 ●妻たちのホンネ座談会 甘やかすな、尻ぬぐいするなって言うけど、
  どうすりゃいいの? (アルコール・シンドローム40号より)

  「イネイブリング」=依存症者が飲み続けられるようにしてしまう
  周囲の行動。家族は病院などで「イネイブリングをやめるように」と
  必ずといってよいほど言われます。でも一緒に暮らしていると……?
  この本音を知っていると、援助はぐっと違います。マンガ入りの記事。

 さらに基礎クラス修了者を対象にした「介入技法トレーニング・クラス」
 にもオマケがつきます。
 このクラスは、「治療を拒む人にどうアプローチするか」をテーマにした
 援助者向けの内容。基礎クラスと同時受講もできます。

 <介入技法・トレーニングクラス>受講者へのオマケは次の2つ。

 ●検証アルコール医療 再飲酒は、失敗なのか?
  (アルコール・シンドローム24号より)

  実際のところ、再飲酒を体験した人は非常に多いのです。それが、
  回復の土台固めになった人もいれば、「どん底」に逆戻りした人も。
  違いはどこに? 80人以上の再飲酒体験から、原因、予防策、段階別の
  対応をまとめました。再飲酒を通して「回復」の姿が見えてくる!

 ●妻たちのホンネ座談会 どうすりゃいいのよ!? 夫の親と、夫の親戚!
  (アルコール・シンドローム41号より)

  依存症の夫を持つ妻は、姑や親せきとの関係に大いに悩み、苦労します。
  ベテラン妻たちの戦いぶりから、さまざまな家族模様と、家族としての
  「回復の知恵」が伝わってきます。依存症者をとりまく関係性を理解
  するためにも、この実感は貴重! マンガ入りの記事。

 通信講座のお申し込みはこちらです。
 
 基礎クラス
 http://www.a-h-c.jp/eshopdo/refer/refer.php?sid=udosv10&cid=12&scid
 =&mcid=&me=&vmode=3&view_id=3301001

 介入技法トレーニング・クラス
 http://www.a-h-c.jp/eshopdo/refer/refer.php?sid=udosv10&cid
 =12&scid=&vmode=&view_id=3301002

 同時受講
 http://www.a-h-c.jp/eshopdo/refer/refer.php?sid=udosv10&cid=
 12&scid=&mcid=&me=&vmode=3&view_id=3301000

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  3.NEKOのニュースCLIP!
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 ゴールデンウィークもあっという間に終わり、何だか不安定な天気が
 続いていますね。
 長期休暇が取れて車で遠くへ出かけた方、休んでなんていられない方、
 さまざまいらっしゃることと思います。
 かくいう私は、ほとんど家から出ずに寝て過ごしました。
 お陰で渋滞に巻き込まれることもなかったわけですが、
 よく考えたら、同じ場所から動かなかったことには変わりないような……
 
 さて、今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 ※ニュースのリンクは「ウェブ魚拓http://megalodon.jp/」
 を利用しています。リンクが切れて記事が読めなくなるのを防ぐためです。
 まず、記事の日付をクリックしてください。すると、
 「宜しければ上記のリンクをクリックしてください」という表示が出ます
 ので、クリックをお願いします。

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 1)アルコールチェッカー義務化
 2)警察も、消防も
 3) 「自転車」でも、飲酒運転はダメ!
 4) 再び増えている飲酒運転死亡事故
 5)これは目立つ……?? イスラエルの巨大オブジェ
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 1)アルコールチェッカー義務化
 
 国土交通省は、「事業用自動車総合安全プラン2009」に基づき、
 事業用自動車の飲酒運転ゼロの目標を達成するため、点呼時にアルコール
 検知器の使用を義務づけることを決め、4月28日、要件を発表しました。

 ↓アルコールチェッカー義務化の要件を発表-国交省(4月28日 自動車新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0428-1718-49/www.j-np.com/news/contents_00008191.shtml

 ↓国土交通省のサイト↓
 旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則の
 一部を改正する省令並びに関係通達の改正について
 http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000038.html

 アルコール検知器の導入は、飲酒運転の水際作戦としては有効です。 
 ただし、検知器を導入すればすべて解決ではありません。
 それは、長年の間に身につけた飲酒習慣は、簡単には変えられないため。

 ●運転手が乗務前検査で酒気帯び(4月20日 毎日新聞)
 佐世保市が100%出資する「させぼバス」は乗務前のアルコール検査
 で、40代男性乗務員から酒気を検知したため勤務を外したと発表した。
 乗務員は4月19日午前6時31分の乗務開始予定だったが、検査で酒気帯び
 (呼気0.15mg/l以上)が発覚。代替職員が乗務した。
 同社は乗務前10時間の飲酒禁止を指導しているが、乗務員は18日午後
 10時50分ごろまで自宅で飲酒していたという。
 
 「アルコール検知器を導入」「乗務前10時間の飲酒禁止を指導」だけ
 でなく、「アルコールに対する正しい知識」と「飲酒習慣の変え方」を
 研修する必要があります。

 2)警察も、消防も
 
 相変わらず、警察官や消防士の飲酒運転事故が目につきます。
 
 ●奈良県巡査(45)(4月15日 読売新聞)(4月30日 時事通信)
 4月15日午後0時25分ごろ、センターラインをはみ出し、対向車と衝突。
 呼気0.15mg/l以上を検出。この日は、公休日で、
 「スーパーで焼酎を買い、駐車場の車内で飲んでしまった」と供述。 
 「昨年秋ごろから休日に5回ほどやった。事故さえしなければ大丈夫
 だと思った」とも話している。

 ●消防士(39)(4月23日 産経新聞)
 4月23日午前2時ごろ、パトカーが青信号で発信しない車を見つけ、
 職務質問。酒気帯びが発覚。「飲食店で酒を飲んだあと、帰宅する
 途中だった」と供述。この日は非番だった。
 →処分は未発表

 アルコールチェッカーの導入を決めた消防署もあります。
 熱海市消防本部では、アルコール検知器を3台導入し、消防車と救急車
 の乗務員55人を対象に、午前8時半の就業前に検査。少しでも反応すれ
 ば就業させない方針です。

 ↓消防士ら 就業前にアルコール検査/熱海市(5月11日 朝日新聞)↓
 http://megalodon.jp/2010-0516-1650-21/mytown.asahi.com/shizuoka/
 news.php?k_id=23000001005110002

 というのは、歓迎会の帰りに交番の掲示板のガラス2枚を割ったとして
 消防士が器物損壊の疑いで現行犯逮捕されたため。
 「日本酒は1合まで」などとする酒の飲み方マニュアルも配る予定と
 いうことです。

 3) 「自転車」でも、飲酒運転はダメ!

 昨年12月25日午後10時20分ごろ、飲酒後に自転車に乗り、向かいから 
 歩いてきた男性会社員に衝突。重症を負わせて逃走した男性が、書類
 送検されました。

 ↓飲酒自転車衝突、歩行男性に重傷 会社員を書類送検(5月8日 毎日新聞)↓  
 http://megalodon.jp/2010-0510-1042-25/mainichi.jp/area/tokyo/news/201005
 08ddlk13040294000c.html

 普段から速度が出るスポーツタイプの自転車で通勤し、その日は会社
 の忘年会からの帰宅途中で、無灯火で乗っていたそうです。
 「驚いて逃げてしまった」と供述。現場に自転車を残していて、事故
 から約2時間後に、呼び出しを受けて呼気検査で酒気帯びが判明。
 「焼酎のロックをダブルで10杯以上飲んだ」と話したそうです。

 警視庁によれば、都内で昨年1年間に発生した自転車と歩行者の事故は
 1073件。けれど、自転車の飲酒運転によるひき逃げの摘発は珍しいと
 いいます。

 自転車は道路交通法上、バイクと同じ軽車両にあたります。
 飲酒運転は禁物。酒酔い運転には、5年以下の懲役又は100万円以下
 の罰金が適用されます。
 
 ↓「自転車の交通安全」については、こちら(警視庁) ↓ 
 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/roadplan/bicycle/anzen.htm

 4) 再び増えている飲酒運転死亡事故

 飲酒運転による死亡事故が増加しています。

 警察庁統計によると、原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による
 死亡事故は、平成21年は151件、前年より19件増加しています。
 飲酒運転根絶に対する社会的気運の高まり、取締りの強化、法改正に
よって、飲酒運転による死亡事故は、19年、20年と連続で激減しまし
たが、再び増加の傾向を示しているのです。

 ↓平成21年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について(27ページ参照)↓
 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001022409&cycode=0
 
 悲惨な死亡事故がありました。

 ↓飲酒事故の巻き添えで女性死亡 愛媛、パトカー追跡中(4月29日 共同通信)↓
 http://megalodon.jp/2010-0506-1114-57/www.47news.jp/CN/201004/CN2010042901000130.html
  
 4月29日午前4時ごろ、県警のパトカーに追跡されていた乗用車の運転
 手(20)が、前方の乗用車を追い越そうとして回転。
 反対車線側の電柱に衝突。運転手は車外に放り出され死亡しました。
 大破した乗用車から飛び出した発電機が、前方を走っていた乗用車の
 窓を突き破り、頭部に直撃を受けた女性も死亡。
 事故を起こした男性からは、血液1ml中に2.2mgと多量のアルコールが
 検出されました。
 
 死亡事故には至らなかったものの、こんな悪質な飲酒運転も。

 ●ウイスキーボトルを半分飲みドライブ(4月18日 朝日新聞)
 中学教頭(50)…4月17日午後7時45分頃、信号待ちの乗用車に追突。
 教頭は昼から2~3時間、自宅でウイスキー750mlのボトルを半分以上
 飲んだ後、ドライブに出かけた。「家族関係でストレスがあり、酒を
 飲まずにはやっていられない状況だった」と話しているという。

 ●バイクを蛇行運転(4月18日 産経新聞)
 職業不詳(45)…4月18日午前2時40分頃、自宅近くでバイクを蛇行運転。
 職務質問した署員に対して無言で応じず、呼気検査を拒否。
 逮捕後の調べて、呼気0.5mg/l以上を検出。

 ●酒を飲みながら運転(4月19日 読売新聞)
 自営業(70)…4月18日午前10時頃、ガードレールに衝突。
 車内から、飲みかけの缶ビールや焼酎が見つかっており、
 「酒を飲みながら運転していた」と供述。

 ●バーベキューをしながら朝から飲み(5月4日 産経新聞)
 会社経営者(28)…5月3日午後6時40分頃、交差点を右折しようとした
 車に衝突。乗用車は激しく炎上。衝突された女性は車から脱出できたが、
 全身に打撲を負った。
 「午前中から知人と、バーベキューをしながら飲んでいた」と供述。

 ●焼酎のウーロン茶割り6杯を飲み(5月10日 産経新聞)
 アルバイト(36)…5月10日午前3時半頃、交差点で信号待ちの車に衝突。
 「自宅で焼酎のウーロン茶割りを6杯飲んだ。買い物に行く途中だった」


 5)これは目立つ……?? イスラエルの巨大オブジェ

 イスラエルで飲酒運転撲滅をアピールするため、実際に事故を起こし
 た車を使ったインパクト絶大なオブジェクトが作られたそうです。
 事故車80台を連結させた巨大なお酒のボトル。
 1日100万人の目にさらされるとの事です。
 
↓画像はこちら(5月7日 らばQ Or Yarok/Nur Star Media)↓ 
 http://megalodon.jp/2010-0510-1036-42/labaq.com/archives/51446388.html

 それにしても、これだけ大量の車が事故を起こしているなんて、
 恐ろしい……

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  4.山さんコラム No.46
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆「女だてらに」と言うつもりはないが

 先日、夫婦で外食した折のこと。
 ガラスを釘でひっかくような声、絹をひきさくような叫び声、笑いと
 も悲鳴ともつかぬ声……。
 店に入った途端、一度に押し寄せてくる。
 先に店に着いていた古女房も、最近やや耳が遠くなってはいるが、さ
 すがに耐えられなかったのか、山さんが到着した時、丁度、席を移動
 していたところだった。
 「うるさいから席を替えてもらったの。もうすこし離れたいけど、向こ
 うは予約らしいの」
 「一言、注意しようか。うるさすぎるな」
 「よしなさい。あんなに酔っていたら、言っても無駄よ」

 6、7名の女性だけのお客が、全員、すっかり酔っ払っている。
 あまりの大騒ぎだから、個室に入っているのに、われわれの耳へガン
 ガン響いてくる。
 おしゃべりの中味はまったく不明だ。騒音以外の何ものでもない。
 あーあ、若い娘たちがあんなに酔っ払って……。

 山さんの脳裏に、いくつかの光景が浮かんできた。
 若い頃から、飲酒場面に登場してきた女性たちの思い出。

 昭和44年春、東京、原宿、表参道のイタリア料理店。
 夜8時過ぎ、生ビールを飲みながらスパゲッティを食べていた。
 黒いワンピースの女性が、脇にきて「その生ビール一杯おごってくれ
 ない?」と言う。
 当時、独身26歳、晩熟山さんもそろそろ女性に興味を持ち始めてい
 た。
 「どうぞ、どうぞ」と応じると、ビールをぐいぐい飲む。
 連れの真面目そうな眼鏡の青年が、「もう帰ろう」と促す。
 ところがくだんの女性、「中途半端じゃ、いや。飲まないなら、どう
 ぞ先に帰って」と大声で叫ぶ。
 連れの青年、山さんに向かって、「あなたが飲ませたのだから、責任
 もって送ってくださいよ」と切り口上。
 若かった山さん、胸をはって「分りました。家まで、必ず送ります。
 任せてください」と請け負った。
 それからが大変。青山で飲み、店が終わると、六本木のスナックへ。
 2時を回り、何回目かの説得。強い口調で、「もう、本当に家へ帰ろ
 う。タクシーで送っていくから」。
 しかし酔っ払った女性、呂律の回らぬ声で、「あんな、みじめな下宿
 なんかいや。ホテルへ行く。連れ込みホテルじゃダメ。赤坂プリンス
 がいい」とのたまう。そう言われても、山さん金がない。
 彼女は何人かの客に「ホテルへ行こう」と声をかけたが、さすがに相
 手にされない。
 ようやくタクシーに乗せると、すぐ眠ってしまう。ヤレヤレ。
 渋谷南平台の交差点。「止めて!」
 ……パッと飛び降りる。しゃがむ。黒いアスファルトに水が流れる。
 明け染めたうす明かりの中に、真っ白なお尻が浮かび上がる。見ては
 ならぬものを見てしまった。
 下宿まで送ったのはよいが、財布には一銭もない。
 駒場から原宿まで、トボトボ歩く……いやに明るい朝、家へ帰る。

 その夏、白馬山麓。臨床心理を学ぶ大学院生の共感性訓練合宿に参加
 した。
 「ぎゃー、助けて、助けて、地獄におちる。助けて、助けて、ぎゃー
 先生、助けて。ねえ、ねえ、落ちる、落ちる、地獄へ落ちる。先生―、
 助けて。先生ー」
 昼間、とても落ち着いていた一児の母でもある大学院生。参加者の中
 で一番しっかりしていて、さすが母親は違うと山さんはひそかに感心
 していた。3日間の合宿のあと、夜遅くまでの打ち上げコンパで、した
 たか飲んだのであろう。何か心に傷をもっていたのかもしれないが、
 アルコールによる酔いが取り乱した姿をさらけださせたに違いない。
 この騒動、夜中に30分以上も続き、先に部屋へ引き上げていた臨床心
 理の大家、某教授が呼び出され、先生に抱きかかえられた彼女が眠り
 こんで、ようやく終息。

 それから4年。
 社外での会議が終了して、板橋の駅裏で大衆酒場に入る。
 久しぶりに沖縄の泡盛を注文。隣のおじさんと会話しながら得意の蘊
 蓄を披露していたら、カウンターの片隅から酔った女性の声がした。
 赤ちゃんをおぶって、30歳ぐらいに見える。
 「兄さん、私にも、その泡盛とやらをおごってよ」
 店の主人があわてて飛んでいって、「加代ちゃん、もうおやめなよ」
 と忠告。「何言ってんの、ビール3本ばかしじゃ飲んだ気がしないの。
 兄さんいいだろ、泡盛1杯だけさ、ね。1杯だけ、おごってよ」
 山さんはすでに妻帯し、一児の父となる寸前だったから、見ていてハ
 ラハラ。

 今度は、平成の御世。
 「係長、係長、飲みに行こうよ。もっと飲みたいよう。馬鹿馬鹿、離
 してよ、離してよ。徹底して飲むんだから。ねえ、ねえー係長、いい
 だろ、いいよね、飲みに行こう。本当は仕事やめたいんだ。こんなつ
 まらない仕事なんか、やめたいんだ。係長、逃げるなよ。飲みに行こ
 うよ。やめてやる、やめてやる、きゃー、やめてやるんだから、係長、
 飲ませろ」
 不満が溜まっていたかもしれないが、普段、化粧もファッションも会
 社内ピカ一なのに、酔ってしまえば、この始末。
 
 数多い男性の酔態の中にあって、女性は目立つから、強烈に記憶に残
 っているのだろう。
 しかし近頃では、女性の酔っ払いは珍しいことではないらしい。
 お客の7割が女性、しかもほとんどは女性だけのグループ、という飲み
 屋もあると聞いた。
 山さんが出向くような場所とは幸い種類が違うようだが、冒頭に書い
 たのも、そうした女性グループとの遭遇談だ。
 会社員のグループ、友人や趣味のグループ、昼間に集まる母親グルー
 プもあるらしい。
 こうした時代の変化を牽引するかのような、あるいは追随するかのよ
 うな、テレビCMでの女性たちの派手な飲みっぷりには目をおおいた
 くなる。

 「女だてらに」といった差別をするつもりはない。
 が、科学的に言って男女で明らかに、アルコールの身体への影響が違
 う。女性は、男性の半分の量、半分の飲酒期間で、肝臓への障害が出
 る。アルコール依存症にもなりやすい。
 しかも、未成年の時期、結婚か仕事かと悩む時期、妊娠・授乳期、結
 婚生活や子育てのストレス期、男性社会の中で働くストレス期、子ど
 もが巣立つ時期、更年期……現代の女性のライフサイクル上では、ア
 ルコールがからむと危険な時期がたくさんある。
 男性では「一日一合まで」がリスクを避ける飲み方だが、女性の場合
 は一合でもリスクがある。

 酔わせて口説くという男もいるが、そんなのは、女性にも酒にも失礼
 だ。

=============================================================★
  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================
 
 最近、テレビで「新参者」というドラマをやっています。
 ASKのオフィスがある日本橋浜町が舞台です。
 そのせいか、今までよりも街に人が多くなったような…… 
 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】48号 10.5.17
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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