職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

38号 2009

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  38号 09. 7.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページhttp://www.ask.or.jp/からご登録いただいた方
 に、月1回、無料で配信します。
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   注目したいのは――
     それでも飲酒運転を繰り返してしまうのは、なぜか?  
       
━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.NEKOのニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.36
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *NEKOのつぶやき*
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 第2期の報告です──

 第2期生442名の職種と地域別内訳、応募の声をUPしました。
    ↓ ↓ ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_inst_uchiwake02.html#uchiwake

 第1期と比べると、職種ではトラックと警察が増え、地域では東海・近畿・
 九州・沖縄と、西日本が増えています。

 応募の動機を、現場の実感をこめて書いてくださった方々がいます。

 ●始業点呼等で仕事前日の飲酒の仕方を考えなさいと言っても、乗務前
 のアルコール検知で基準を超えるドライバーが年に数人います。この
 人達に処罰を与える前に予防教育ができないかを模索していた折に、
 ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座募集要項を見て、まず自分
 から勉強する事だと思い、応募致しました。(バス 安全運転管理者)

 ●精度の高いアルコール検査機器を導入し、残念ながら半年で2人程、
 自主退職を願いました。また仮眠を取るためにアルコールが必需品など
 と誤った考え方をするドライバーが複数名いることに憤りを覚えています。
 いまだ職業ドライバーの自覚が足りないことは残念に思います。この
 職場に在職する限りには、アルコール検査機器に反応を示すドライバー
 を撲滅し、ドライバーのモラル向上に役立ちたく、今回応募を致しま
 した。(トラック 管理職)

 ●昨年所属工場の仲間から飲酒運転事故加害者が出てしまったので、
 二度と職場の仲間が飲酒運転をしないように「飲酒運転防止インストラ
 クター養成講座」を受講して、得られた知識を教育したい。(工場)

 ●救急医療に携わっていると、まだまだ飲酒運転による事故、それに
 起因するトラブルは少なくありません。法律の改正で飲酒運転は減少
 したものの、根絶には至っておりません。本講座の受講を通じて飲酒
 運転の根絶を広く地域社会に訴えていきたいと考えています。救急や
 防災関係の勉強会、講習、講演会で実施します。(救急救命士)

 ●二日酔いでの自動車運転も見受けられることから、何とかしたいと
 思っておりました。職場も忙しく教育に割く時間が取れませんでしたが、
 幸い生産調整で時間が取れる今がチャンスです。追加型方式でDVDや
 活用マニュアルまでいただけるなら、私の勉強になりますし、資料作成
 の手間も省けて助かる…と思い申し込みました。(企業の健康管理職)

 ●ストレスやメンタルヘルス不調で問題飲酒をしている人が増加して
 います。飲酒運転により解雇された労働者もいます。このような実態
 の中、アルコールについての教育を実施し、アルコールに逃げるのでは
 なく、趣味などでストレスの解消ができるよう指導していきたいと思い
 応募します。(心理カウンセラー)

 ●飲酒運転で逮捕された教職員を何名か見かけ、周りへの大きな影響
 を強く感じた。予防の大切さを強く感じました。県内の公立中学校で
 実施する。(臨床心理士)

 ●精神科で依存症担当を続けていて残念に思うのは、病気を放置したり、
 治療や回復に関心や出会いが無かったばかりに多くの損失が起こって
 くるということ。家族、職場、社会の中で依存症の理解、対策がとら
 れてくる事がとても大切と考えています。当院でのアルコール教室と、
 地域への保健活動に役立て行きたいと考え、応募しました。
 (ソーシャルワーカー)

 【ステップ1】の通信スクールを実施しており、修了者がすでに77名!
 事務局では、9月からのスクーリングに向けて準備中。受講生にはもうすぐ
 ご案内をお届けましす。

 第1期のほうは、インストラクターと認定された方が、1名増えて273名に。
 インストラクターの数は、サイトのトップに地区ごとに表示しています。
    ↓ ↓ ↓
  http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html
            
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 なお、養成講座とは別に、会社ぐるみで管理職研修を行ないたい、社員向け
 にニーズに合わせた研修を、地域住民向けの講演会に講師派遣を、という
 ご要望が寄せられています。
 お問い合わせは、03-3249-2551まで。お気軽にどうぞ。

 取材のご希望も、上記の電話にご連絡ください。

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  2.NEKOのニュースCLIP!
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 こんにちは、ニュースCLIP担当のNEKOです。
 
 天気予報をふと見ると、30度を越える日も珍しくありません。
 寝苦しい夜、エアコンに頼る日も増えました。
 お腹の調子が狂う、この季節。
 たまには外に出て、たっぷり汗をかこうかと思いきや、
 あまりの暑さにエアコンの効いた部屋に逆戻り。
 
 くれぐれも、体調を崩さぬように……  
 
 今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、お付き合いください。

 ※ニュースのリンクは「ウェブ魚拓http://megalodon.jp/
 を利用しています。リンクが切れて記事が読めなくなるのを防ぐためです。
 まず、記事の日付をクリックしてください。すると、
 「宜しければ上記のリンクをクリックしてください」という表示が出ます
 ので、クリックをお願いします。

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 1)事故増加?<上半期の交通事故発生件数>
 2)山形県知事が「非常事態宣言」
 3)飲酒運転の両極パターン
 4)「苦しい言い訳」通りません
 5)自転車乗車時のルール
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 1)事故増加?<上半期の交通事故発生件数> 

 各地で統計が発表されています。
 飲酒運転による事故が「減った」という報道がある一方で、「事故が減ら
 ない」だけではなく「増えている」という報道が目につきました。

 ●茨城 (7月9日 読売新聞) ↑増加
 交通事故死者数は103人と全国ワースト3位で、期間内の死者数が3年ぶりに
 100人を超えた。減少傾向にあった飲酒運転による死者も9人と前年比で倍
 以上増えた。
 
 ●静岡 (7月8日 中日新聞) ↑増加 
 事故件数は1万7307件(昨年同期比322件減)、死者は80人(同23人減)だが、
 飲酒運転が原因の死者は12人で、昨年1年間の死者数を既に上回っている。
 同課によると、昨年1年間に亡くなった飲酒運転の当事者や被害者は9人、
 一昨年は8人だった。道交法が改正され、飲酒運転に対する行政処分が強化
 された今年6月も、顕著な減少傾向は出ていない。

 ●栃木 (7月8日 毎日新聞) ↓事故減少 →死者横ばい
 交通事故死者数は、昨年同期比1人増の62人で、1959年以降、過去2番目に
 少ないことが県警交通企画課のまとめで分かった。
 飲酒がからむ事故件数は79件と、前年同期比9件減。しかし死者7人(前年同期
 と同じ)、負傷者99人といまだに飲酒運転根絶にはほど遠い。県警は、飲酒
 運転周辺者3罪にあたる「車の同乗」「車両提供」「酒類提供」を含めた飲酒
 運転の取り締まりを強化し酒を提供する店などと連携して飲酒運転根絶を呼び
 掛けていく方針。

 ●沖縄 (7月6日 琉球新報) ↑増加
 県内の交通死亡事故が急増傾向にあり、飲酒絡みの事故が増えている。
 今年上半期の死亡事故は23件。24人が犠牲になった。うち7件が飲酒絡み。
 比率は約30%。昨年は20%超で、14年連続の全国ワースト。

 6月1日に、道路交通法施行令も一部改正になり、飲酒運転に対する罰則が
 また一段と厳しくなりました。
   ↓ ↓ ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_topicks.html#20090601(ASKのサイト)

 しかし、厳罰に次ぐ厳罰で、もう慣れっこになってしまったのでしょうか。
 事故の増加が何を物語っているのか。
 人間の緊張感は一定期間しかもたないのか。
 不況下で飲酒問題が増加しているのか。
 詳しい背景分析が必要です。

 2) 山形県知事が「非常事態宣言」

 この1ヵ月の間に、山形県で公職の飲酒運転が5件相次ぎました。
 知事が非常事態意を宣言し、県は対策に追われています。
 でも、これは山形県にかぎったことなのでしょうか?
 もしかしたら、どこで起きてもおかしくないかもしれません。
 原因は何なのか? どうしたら、飲酒運転の再発を防ぐことができるのか?
 報道からわかることを整理してみます。

 <山形県の対策>
 山形県では、昨年4月に、県警警部補が飲酒運転で逮捕されています。
 そのため、県警では以下の対策をとっていました。(08年5月31日 山形新聞)

 ・緊急の警察署長会議を開いて業務管理の徹底などを指示
 ・県内各警察署で対話会を重ね、県警本部長らと署員が不祥事防止の取り
  組みなどを意見交換
 ・職員から募集した職務倫理標語を掲載した「ポリスマインドカード」を
  全職員に配布。それぞれが家族の写真を張ったり、座右の銘を書いたり
  して携行し、倫理観の醸成に努める

 しかし今年の5月30日、別の警部補が酒気帯び運転で逮捕されます。
 県警は以下の対策を文書で通達し、即日実施。(6月19日 読売新聞)

 ・飲酒を伴う懇親会などの会合が予定されている場合は車で出勤しない
 ・やむを得ず車で出勤し、車を職場に停めたまま会合に出席する際は、
  翌日まで鍵を当直などに預ける
 ・本部長や警務部長らが各課で直接、飲酒運転などの不祥事防止を
  日常的に呼びかける

 本部長が県議会で述べた対策の経緯は以下です。(7月9日 河北新報)

 ・職員へのアルコール検知器の配布
 ・4時間以上の飲酒自粛などガイドラインの策定
 ・山形署の特別監査を近日中に実施

 他にも、公務員による飲酒運転が多発。
 県は臨時部長会議を開き、以下の方針を決めます。(7月12日 朝日新聞)

 ・不祥事防止の具体策を記した「行動計画」を策定する
  「車で飲み会に行く場合、幹事に鍵を預け、幹事は代行車が来るまで
  鍵を渡さない」など具体的な事例を盛り込む

 報道から見るかぎり、モラルと飲酒時の運転を止める対策が主になって
 いるようです。

 <飲酒運転事例の分析>

 今度は、山形県で起きた事例を見てみます。
 さかのぼって、昨年の警部補から。

 ●警部補(54)08年4月11日 河北新報/4月22日 河北新報
 08年4月11日午前7時55分ごろ、信号待ちで止まっていた軽乗用車に追突する
 事故を起こし逮捕。「前夜午後6時ごろから午後9時ごろまで、自宅で焼酎を
 飲んだ」。事故を起こしたのは出勤の途中で、逮捕時点ではふらふらして
 真っすぐに歩けない状態だった。
 後の調べで、9時ごろまで自宅で缶ビール(500ml)2本と焼酎数杯、その後、
 近くの飲食店でビール1本を飲んだと供述。「(翌朝)車を運転する前、まだ
 酒が残っているという認識はあったが、出勤しなければならないと思い、
 運転してしまった」と話した。
 →翌朝勤務があるのに、明らかに飲みすぎ。

 ●警部補(40)5月31日 山形新聞/6月20日 読売新聞
 5月30日午前1時37分ごろ、酒気帯び状態で運転し道路脇の橋の欄干に衝突
 する自損事故を起こした。前夜午後7時から約3時間、市内の飲食店で同僚
 3人と酒を飲み、10時ごろ別れた。逮捕当初は、酒を飲んだ店は1軒と供述
 していたが、その後の捜査で3軒の店で約5時間半飲酒していたことが判明。
 また、事故直後に、携帯電話で家族を呼び出した上、家族が運転してきた
 乗用車を飲酒運転して自宅に戻り、事故車を引っ張るためのロープを持って
 戻ってきたこともわかった。ロープで事故車を動かそうとしたが、ロープ
 が切れてしまったため、再度、家族の運転で自宅に戻り、新しいロープを
 持って現場に戻ったところ、通報で駆けつけた山形署員に発見された。
 その際の飲酒検知で呼気0.41mg/lのアルコールが検出。
 →はしご酒、明らかに飲みすぎ。

 ●米沢市教育委員会職員(52)6月23日 山形新聞
 6月8日午前6時55分ごろ、職務質問を受け、酒気帯びが発覚。
 呼気0.71mg/lが検出。「7日午後4時~10時ごろまで、自宅で500ml入り
 缶ビール1本と、焼酎900ミリリットルを水割りにして飲んで寝た。
 8日は午前6時ごろに起きた。8時間寝たので大丈夫だと思った」
 当日は、勤務先の学校が振り替え休日で、車でゴルフに出掛ける途中、
 摘発された。
 →これも8時間で抜ける量ではない。大量飲酒です。

 ●県臨時職員(29)6月21日 毎日新聞
 6月19日勤務終了後、午後7時~11時半ごろ、市内の飲食店で友人と飲酒。
 駐車場に止めた自家用車で約6時間半仮眠を取った。
 20日午前6時ごろ、駐車場を出たところで職務質問を受け、呼気0.15mg/l
 以上を検出。「ビールのジョッキと酎ハイ、それぞれ3杯程度飲んだ。
 酔いがさめたと思っていた」と話している。
 →これも6時間半で抜ける量ではない。飲みすぎです。

 ●スクールバス委託運転手(48)7月3日 山形新聞
 7月2日午後1時ごろ、小学校のスクールバスを運転していた男性が自損事故を
 起こした。バスには児童は乗っていなかった。
 町教育委員会によると、男性運転手は児童を送迎するため、ワゴン車タイプの
 スクールバスを運転し、自宅を出発。同校に向かう途中、車道左側の縁石と
 歩道を乗り越え、路肩の斜面に横転した。
 事故発生から約1時間後に飲酒検知をした際、酒気帯びに該当する数値を検出。
 1日午後11時半ごろまで自宅で焼酎の水割りを飲み、「深酒をした」。
 当日朝は二日酔いなどの自覚がなく児童を送迎していた。
 →翌朝どころか昼に飲酒運転。相当飲んだのでしょう。

 ●巡査長(41)7月9日 山形新聞/7月10日 読売新聞 
 7月8日午前0時25分ごろ、停止中の車に接触したため、後ろの車が追跡して
 停止させ、飲酒に気づいて通報した。巡査長は非番だった7日午後7時ごろから
 約5時間、市内の飲食店に1人で車で出掛け、焼酎の水割りを飲んだ。2軒の
 飲食店で酒を飲んでいたが、このうち1軒では、焼酎のボトルの7割程度を一人
 で飲酒したという。呼気0.25mg/l以上のアルコールを検知。
 「最初は代行で帰ろうと思っていたが、飲んでいるうちについつい乗ってし
 まった」と供述。
 →はしご酒。この量では理性が働かないでしょう。

 ●県職員(56)7月10日 時事通信/7月11日 毎日新聞
 7月10日午前10時50分ごろ対向車線にはみ出し、大型トラックに接触。
 足元がふらついていたために呼気検査をしたところ、酒酔い運転が発覚。
 その後、「朝から海辺で酎ハイを数本飲んだ後に車を運転した」と供述。
 宿泊先のホテルを朝出た後にコンビニに立ち寄り缶酎ハイを数本購入し、
 海辺で飲酒。その後、事故を起こしたという。真っすぐ歩けず、ろれつ
 が回らないなど、かなりの泥酔状態だったという。
 →この飲み方は、アルコール依存症と考えるしかありません。

 どの人も、飲んでいる量がむちゃくちゃ多すぎるのです。
 たぶん、日ごろから多量飲酒(日本酒3合以上/ビールなら中ビン3本以上)
 の習慣がある人々なのでしょう。本人の気づかぬうちに依存症に踏み込ん
 でいる可能性も十分あります。
 このような多量飲酒者は、日本に860万人いるといわれています。
 ですから、対策に「アルコール教育と飲酒習慣の見直し」「依存症への介入」
 を含める必要があるのです。
 福岡市のように、山形県が地元のアルコール医療と連携されるといいのですが。

 <ASKのサイトから参考になる対策>
 教職員の飲酒運転の背景にある多量飲酒・アルコール依存症への介入
 に関する要望書 → http://www.ask.or.jp/ask081205.html

 3)飲酒運転の両極パターン

 飲酒運転に関わるニュース中に、よく目にする2つのパターンがあります。
 飲酒運転に対する罰則が厳しくなるにつれ、目立ってくる両極パターンです。

 1つめは、検知した時点で呼気0.5mg/l以上の数値が出ていて、酩酊度の
 高いもの。アルコール依存症で飲酒に対するコントロール障害を起こして
 いるか、あるいは酔いによる脳のマヒで、理性も判断力もなくして起こし
 てしまったか。(車で行っているのにそこまで飲むこと自体が、コントロー
 ル障害=依存症を疑いますが)

 2つめは、本人は、時間を置いたからアルコールが抜けていると思い込ん
 でいるもの。

 まず、1つめに当てはまるものを挙げます。

 ●自称ホスト(24) 6月19日 産経新聞
 6月16日午前10時50分ごろ信号待ちで停車していた軽トラックに追突。
 呼気0.85mg/lが検出。事故当時、泥酔状態だった。

 ●会社員男性(53) 6月16日 産経新聞
 6月15日午後5時55分ごろ、信号待ちで停車していた車2台に次々衝突。
 呼気0.7mg/lが検出。

 ●無職女性(28) 7月4日 産経新聞
 7月4日午前9時半ごろ対向からきた車と衝突。そのまま逃走した疑い。
 約1時間後、歩道で座っているところを発見。呼気0.5mg/lを検出。
 「友人宅で缶チューハイを飲んで帰る途中だった」。逃げた理由は、
 「ジュースを買いに行こうと思った」と供述。

 ●住職男性(78) 7月5日 産経新聞
 7月5日午後7時ごろ、対向車線へはみ出し、乗用車に正面衝突をした。
 呼気0.55mg/lを検出。取調べに受け答えできないくらい泥酔。

 ●無職(74) 7月8日 産経新聞
 7月7日午前11:40ごろ、県道で追突事故があり、捜査していたところ、
 約1k離れた市道で呼気0.65mg/lが検出され、逮捕。「7日午前1時
 ごろまで、飲食店でブランデーを飲んでいた」と供述。

 ●無職男性(30) 7月11日 産経新聞
 7月10日午後2時半ごろ、市道で、バイクに追突。呼気0.9mg/lが検出。

 どれも、相当酔っています。
 次に、2つめの事例を挙げます。

 ●消防士男性(40代) 7月10日 読売新聞
 7月2日午前、友人宅を訪ね、昼食時缶ビール2本を飲んだ。酒が抜けたと
 思い、夜、車で自宅に帰る途中、午後7時半ごろ摘発され、呼気0.2mg/l
 を検出。

 ●県職員男性(40) 7月4日 産経新聞
 7月3日午前8時ごろ、ガードレールに衝突。「昨晩、自宅で晩酌した」
 と供述。市内の職場に向かう途中だった。

 共通する点として、事故を起こしたのが、飲酒してすぐではなく、
 ある程度時間を空けていることが挙げられます。

 どちらのパターンも、飲酒運転には変わりなく、危険な行為です。
 しかし、背景は明らかに異なります。
 飲酒運転をなくしていくためには、それぞれに違った対応が必要です。

 アルコール依存症について学びたい方に(本・DVD・通信講座)
  ↓ ↓ ↓
 http://www.a-h-c.jp/addiction-01-s.html

 4)「苦しい言い訳」通りません

 飲酒運転をなくそうという動きが全国各地で見られる中、
 捕まって、苦しい言い訳や逃げをうつ人が後を絶ちません。

 ●事故後に飲んだんだ!という言い訳(7月5日 産経新聞)
 7月5日午前1時40分ごろ、コンビニの駐車場へ入ろうと右折した際に、
 バイクと衝突。男性に怪我を負わせました。
 「事故後にコンビニで缶ビール1本を買って飲んだ」
 と容疑の一部を否認しました。呼気0.4mg/lを検出。  
   ↓  ↓  ↓
 事故後にアルコールをわざわざ購入して飲む……ありえないでしょう。 

 ●飲んだ量を少なく申告?(6月29日 レスポンス)
 6月24日未明、タクシーが中央分離帯に衝突しました。
 運転手の男性から高濃度のアルコール呼気0.5mg/l以上を検出。
 このタクシー、事故直前まで営業していたそうです。
 調べに対して、
 「前日の昼に酒を飲み、午後4時から11時まで営業していた」
 「飲んだ」と申告しているのは500ml容量の缶ビール2本と日本酒1合。
  ↓  ↓  ↓
 この男の申告が正しいとすると、前日の昼から36時間が経過して
 いることになるので、このぐらいのアルコールは抜けているはず。
 つまり、この申告は、限りなく怪しい。
 警察でも、検出されたアルコール濃度が高かったことから、
 夕食時にも酒を飲んでいた可能性が高いとみているようです。

 ●呼気検査を逃れたけれど有罪(6月30日 岐阜新聞)
 岐阜地裁で6月29日に行なわれた道交法違反罪の判決公判から。
 被告の男(36)は、飲酒検知の呼気検査を拒否したため、翌日の採血
 によるデータが証拠に採用されました。
 言い渡されたのは懲役8月、執行猶予3年(求刑懲役8月)の有罪判決。
  ↓  ↓  ↓
 被告は4月、居酒屋2件を車ではしごし、飲酒。帰宅途中午後10時ごろ
 に警察が停止を求め、酒臭かったために呼気検査を求めましたが、拒否。
 警察は、令状請求などを経て、約12時間後の翌日午前10時ごろ、採血を
 実施しました。
 採血後、「ウイドマーク式」という数式に当てはめ、当時の酔いの程度
 を逆算。前日の酒気帯び運転を立証したのです。

 ウィドマーク方式とは?
 http://noudosantei.qecka.com/

 5)自転車乗車時のルール

 7月1日より、道路交通規則が一部改正されました。
 安全基準を満たした幼児2人同乗用自転車に限って、運転者+幼児2人の
 "3人乗り"が解禁されたことは、ニュースでご存知の方も多いと思います。
 この機会に、飲酒運転にかぎらず、自転車乗車時のルールを再確認して
 おきませんか。
   ↓  ↓  ↓
 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/roadplan/bicycle/anzen.htm
 (警視庁)

 自転車の飲酒運転は、車と同じく道路交通法違反となります。
 「酒酔い運転」については、罰則として、5年以下の懲役又は100万円以下
 の罰金が課せられる、ということを忘れてはなりません。

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   3.山さんコラム No.36
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆ギリギリ多量飲酒は危ない

 東北の酒どころのバス運転手、Aさんは、飲酒終了後、16時間も経って
 いたのに、出勤点呼でアルコールが0.12mgも検知された。
 本人は「前日の昼14時までに、ビール350ml缶を1本、焼酎の水割り
 3杯飲み終えた。およそ4単位だから16時間空ければ、アルコールは
 分解されるはず。わざわざ休みの昼間に飲んだのに、検知器に出るのは
 おかしい。今まで大丈夫だったんだ」と強く主張した。
 ちなみにAさんは、その前々日、帰宅後、晩酌にビール350ml缶1本と
 焼酎水割り3杯飲んでいる。

 多量飲酒者には、「ふだん、節制しているのだから、休みの前日くらい
 心いくまで飲む」と、「固め飲み」をする人も多い。
 Aさんは、職場研修で習った1単位4時間を覚えていて、時間を計って
 飲み、総量も焼酎3杯におさえている。それなりの工夫をしているのは
 事実である。
 「酒飲み仲間が次々検知器にかかるのは、不注意だから。俺はきちんと
 計算して飲む。それに、日本酒はうまいが抜けが悪く翌朝まで残ること
 もあるから、焼酎に切り替えた。だから絶対に俺は大丈夫」と後輩に
 豪語していた。
 検知器がおかしいと何回も再検査を要求したAさんのショックぶりが
 想像できる。

 山さんは、こう推測する。
 Aさんはもう54歳。4単位は、元酒豪の山さんから見ても、一人で飲む
 晩酌の量としては多い。
 (実際は3杯以上になると記憶が正確ではなく、少なめの申告をする場合も
 多く、本当に4単位かは疑問だが、仮に本人が申告している4単位だとしても、
 多い)
 多分、彼は会合や宴会などでは6単位も7単位も飲む典型的な多量飲酒者
 だろう。
 50代ともなれば今までの多量飲酒により、肝臓も痛んできている。
 いつもどおり飲んでいたのに検知器に出たとすれは、2日連続4単位以上と
 いう多量飲酒で、とうとう衰えた肝臓の分解が追いつかなくなったと推定
 される。

 飲酒運転防止の研修会では、1単位4時間、2単位8時間、3単位12時間、4単位
 16時間、5単位20時間……と計算してもらい、アルコールの分解には多くの
 時間がかかると教えている。
 しかし、時間を空ければ多量飲酒しても良いとは、絶対に教えない。
 多量飲酒は体にダメージを与えるだけでなく、生活を乱すからだ。Aさん
 の例でも、酒を飲むために、せっかくの休日を「昼間からの酒」で丸1日
 つぶしている。

 山さんは研修で、必ず「3単位=12時間」の危険ラインにマルをつけさせる。
 半日もアルコールの影響下にあるのだから、体にとても悪い。
 1日3単位を境に医療費は6割上昇、SAS(睡眠時無呼吸症候群)の危険性
 は3倍、自殺2倍、がん1.6倍など説明を加える。
 そして、「1日1単位が低リスクの飲酒」であると強調する。
 また、「固め飲み」は肝臓を傷める危険があること、翌日全日が二日酔い
 状態になり、休養にならないと注意を促している。

 検知器にかからないように分解時間を計って、自分の満足する量の酒類を
 飲むというのは、すでにアルコールに囚われている危険な兆候。検知器導入
 後5年も経っているのに、検知にひっかかるAさんのようなベテラン運転手は、
 このタイプが多い。自分なりに計算し、ぎりぎりまで多量飲酒を続けると
 いつか失敗する。

 落とし穴はたくさんある。
 *いつもの量にビール1本加えて失敗する
 *いつもと同量だが体調不良で検知器に出てしまう
 *夜中にほんの少し飲んだ寝酒が残ってしまう
 *前の晩(休日前夜であることが多い)に7単位、8単位飲んでしまい、まだ
 アルコールが残っているところに、重ねて飲む
 *日ごろの多量飲酒と加齢により、ある日突然肝機能が低下する
 *人と飲んでいて、気づかぬうちに注がれて飲みすぎる
 多量飲酒習慣を変えないまま、ふだんガマンして、計算して飲むのは実に危険だ。

 Aさんが、もし検知器導入を機会に、飲酒量を減らすことに努めていたら
 どうだろう。
 昼間から飲まず、夕方おいしい好きな日本酒1合1単位でおさめていれば、
 まったく問題はなかったはずである。酔いを求める多量飲酒習慣を変えない
 まま、時間を計りギリギリの量を飲む習慣が、検知器検出を招いたのだ。

 来年4月から、運輸業界での点呼に検知器が義務付けられる。
 それまでに多量飲酒者へアルコール教育をして、分解時間(1単位4時間)や
 多量飲酒の危険性を十分説明し、飲酒習慣改善の具体的方法を教え、実践
 しておきたい。
 酒好きの運転手に対して「多量飲酒習慣を改善し酒中心の生活を改めない
 限り、いつか失敗する」と徹底しておかなければ、検知器にかかるベテラン
 が続出して事業現場が混乱することは間違いない。
 今日から、節度ある適度な飲酒めざして特訓を開始しよう。

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  4.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 全国各地で、飲酒運転撲滅に向けて様々な活動が繰り広げられています。
 決して他人事でないんだ、加害者にも、被害者にもなりうるんだ、という
 事を常に念頭に置いてハンドルを握らなくてはなりません。 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】38号 09. 7.15
                  
   発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
       飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd@a-h-c.jp
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Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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