職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

37号 2009

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  37号 09. 6.17
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページhttp://www.ask.or.jp/からご登録いただいた方
 に、月1回、無料で配信します。
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  小さな種が大きく花開き
       飲酒運転防止の実になる
           
━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.NEKOのニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.35
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *NEKOのつぶやき*
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 第2期の報告です──

 459名の申し込みがあり、入金⇒登録手続きが進んでいます。今日現在で
 431名が【ステップ1】の通信スクールを開始しています。
 先日、ASKの総会があったのですが、添削のための提出物を持参して
 駆けつけてくださった方もいました。
 今年は昨年より出足がいいです。
 早々と通信スクールを修了した人が30名!

 第1期の報告です──

  【ステップ3】実践報告を提出し、インストラクターと認定された方が、
         1名増えて272名になりました。
         ステップ2修了の340名については、初回講座の実践報告の
         提出をすれば認定する方針です。68名の方、お急ぎください。

  インストラクターの数は、ホームページに地区ごとに表示しています。
    ↓ ↓ ↓
  http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html
            
 この講座は、日本損害保険協会(自賠責保険運用益拠出事業)の助成を受け
 ています。昨日、第1期報告書を提出。予想を超える活動の広がりと反響を
 喜んでくださいました。

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 なお、養成講座とは別に、会社ぐるみで管理職研修を行ないたい、社員向け
 にニーズに合わせた研修を、地域住民向けの講演会に講師派遣を、という
 ご要望が寄せられています。
 お問い合わせは、03-3249-2551まで。お気軽にどうぞ。

 取材のご希望も、上記の電話にご連絡ください。

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  2.NEKOのニュースCLIP!
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 こんにちは、ニュースCLIP担当のNEKOです。

 とうとう梅雨入りです。
 ジメジメムシムシと嫌な季節です。
 とはいえ、日が伸びたおかげで、1日24時間は変わらないのに、
 何だか得した気分になるのは、私だけでしょうか。

 今号の内容はこちらです。
 お時間の許すかぎり、お付き合いください。

 ※ニュースのリンクは「ウェブ魚拓http://megalodon.jp/
 を利用しています。リンクが切れて記事が読めなくなるのを防ぐためです。
 まず、記事の日付をクリックしてください。すると、
 「宜しければ上記のリンクをクリックしてください」という表示が出ます
 ので、クリックをお願いします。

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 1)鼻が詰まっていると正しい判断ができない
 2)車中で仮眠、翌朝、飲酒運転に 
 3)取り締まる側がなぜ? 
 4)アルコール依存症が疑われるケース
 5)長野県庁の「お酌禁止令」
 6)飲酒習慣改善実践プログラム
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 1)鼻が詰まっていると正しい判断ができない

 埼玉県警が、飲酒運転の取り締まりを強化するため、県内ほぼすべての交番
 に、アルコールチェッカーを配布したというニュースがありました。

 ↓飲酒運転根絶に新兵器 すべての交番にアルコールセンサー(5月16日 産経新聞)↓  
 http://s01.megalodon.jp/2009-0518-1126-52/sankei.jp.msn.com/region/kanto/
 saitama/090516/stm0905160300000-n1.htm
 http://s02.megalodon.jp/2009-0518-1127-37/sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama
 /090516/stm0905160300000-n2.htm

 事のいきさつを、埼玉県警交通指導課に聞いてみたところ……

 飲酒運転の検問では、以下の方法がとられているそうです。
 (1)警察官が、ドライバーの状態(顔色、息の匂い)や車内の様子などから、
    飲酒運転の疑いがあるかどうかを判断する
 (2)疑いがある場合は、風船を膨らまして呼気濃度を計る(北川式検知管)
 
 問題は(1)でした。
 「警察官の顔に息を吹きかけることに抵抗がある」という女性ドライバー
 の意見や、「鼻が詰まっていると正しい判断ができない」という警察官の
 意見があったのです。
 そこで、検問がスムーズに進むようアルコールチェッカーを導入。
 しかし、ここでの数値はあくまで参考で、酒気帯びかどうかの判定は、
 あくまで(2)の北川式の数値によります。

 2)車中で仮眠、翌朝、飲酒運転に

 6月8日、教職員の飲酒運転3件について、処分が発表されました。

 ●懲戒免職処分…中学教諭(32) 日刊スポーツ
 5月9日夜から10日午前0時半まで、居酒屋で生ビールを約10杯飲んだ。その後、
 駐車場の自家用車で眠り込み、約3時間後に運転。駅前のプランターに衝突。

 ●停職6ヵ月の懲戒処分…高校教諭(48) 佐賀新聞
 4月下旬、歓送迎会で3店で飲酒。駐車場の乗用車で6時間ほど仮眠。
 呼気0.2mg/lが検出。
 
 ●停職6ヵ月の懲戒処分…教育事務局職員(47) 共同通信
 3月1日午後5時から翌午前1時まで、飲食店2店で飲酒。約9時間睡眠をとり、
 車で帰宅中に摘発。

 この3例に共通しているのは、飲酒後に車の中で仮眠を取り、翌朝、飲酒運転
 をしていること。
 酔いをさますために仮眠をとり、起きて「もう大丈夫」とハンドルを握って
 しまったのでしょう。でも、そのくらいの時間では抜けないほど飲んでいま
 した。生半可なアルコールの知識から、取り返しのつかない事態を起こして
 しまったのです。

 午前中の摘発が増えているのは、日本ばかりではありません。スェーデンでは、
 1年間に飲酒検査を行なった10万人のうち、飲酒運転者の大部分が午前9時~
 正午までの午前中に捕まっているとか。そのほとんどが二日酔いだそうです。

 ↓スウェーデンでも摘発される殆どが午前中(6月15日 Tech insight Japan)↓
 http://s04.megalodon.jp/2009-0615-1813-50/japan.techinsight.jp/2009/05
 /alchool_0905252235.html

 3)取り締まる側がなぜ?

 また警察官が飲酒運転で事故を起こしました。それも3件です。

 ●警視庁(東京都)巡査部長(42) 5月24日 産経新聞
 5月24日午後12時20分ごろ、右折しようとした際、対向車を発見したため
 後退、後方にいた軽乗用車に衝突した。呼気0.4mg/l。「昨夜、自宅で
 チューハイを何杯か飲んだ」と供述。事故当時は非番だった。

 ●山形県警警部補(40) 5月31日 山形新聞
 5月30日午前1時35分ごろ、中央線をはみ出し、反対車線脇の橋の欄干に
 衝突。呼気0.3mg/l前後だったという。同僚3人と29日午後7時ごろから
 約3時間飲酒、会計後、警部補は「車を呼んだ」「迎えが来る」などと
 話していた。同僚と別れて1人になった後、県警本部近くに駐車していた
 車を取りに行ったとみられる。自損事故はこの約3時間半後なので、
 県警は、どこかで酔いを醒ましていた可能性があるとみている。

●福岡県警警部補(56) 6月17日 毎日新聞
 16日午後4時55分ごろ、交差点で、信号待ちで停車中の乗用車に追突。
 呼気0.45mg/lが検知。警部補は午前7時半ごろ、朝食を取りながら、
 500mlの缶ビール1本と焼酎1杯を飲酒。昼寝をして午後1時半ごろ
 に起き、競艇場へ車で行った。午後4時20分ごろに競艇場を出発し、
 帰宅中に事故を起こした。県警は競艇場でも飲酒していなかったかなど
 詳しく調べる。事故当日は非番。

 ……。

 取り締まる側が、なぜこういうことになってしまったのでしょう?

 警視庁巡査部長は、(供述のとおりだとすれば)休日前夜の飲みすぎがた
 たったようです。これは、職業運転手にもありがちなパターン。ふだんは
 がまんしている分、休みの前夜に思いっきり飲んでしまい、休みは二日酔い
 で過ごします。運転すれば、残り酒で「飲酒運転」になってしまいます。
 昼に0.4mg/lですので、相当飲んだのでしょうね。
 
 山形県警警部補のケースも、非常によくあるパターンです。同僚と飲酒
 した後、タクシーや代行を呼んだと嘘をつき、自分だけ別行動をして、
 駐車していた車を取りに行ってしまいます。車を持って帰って翌日使い
 たかったのでしょうか。
 車内で仮眠をとり、酔いは醒めたと思ったとしたら、アルコールについて
 知らなさ過ぎます。

 福岡県警警部補は、非番の日の朝食時に飲んでいます。この飲み方は……
 依存症の可能性が大きいですね。夜勤明けの寝酒だったとしても、依存症に
 直結する飲み方です。

 以下のASKの調査も参考にしてください。 
 
 飲酒運転 懲戒処分事例の分析→ http://www.ask.or.jp/ddd_case1.html
 〈飲酒運転〉運転代行の落とし穴→ http://www.ask.or.jp/ddd_case2.html
 教職員による飲酒運転 懲戒処分事例の分析→ http://www.ask.or.jp/ddd_case3.html 

 4)アルコール依存症が疑われるケース

 恒例になったこのコーナー。☆の解説をつけてみました。

 ●トラック運転手(61) 6月2日 毎日新聞
 午後3時半ごろ、県道で、渋滞でとまっていた乗用車に追突。
 呼気0.4mg/lが検出。前日の午後7時ごろから自宅で焼酎やビールを飲んだ。
 ☆前夜7時に飲み始め、翌日午後3時過ぎに呼気0.4mg/lの大量飲酒

 ●機関士(49) 6月3日 神奈川新聞
 3日午前7時半ごろ、出勤途中、駐車中のワゴン車の右後部に追突し、
 そのまま逃げた。約100m先が行き止まりだったため引き返し、電柱に衝突。
 呼気0.9mg/lが検出。「自宅で朝に酒を飲んだ」などと供述。
 ☆朝酒、呼気0.9mg/lで運転

 ●救急隊長(53) 6月6日 読売新聞
 6日午後4時ごろ、市道で自転車に追突。車は追突後、約10m先の交差点を
 直進しガードレールに激突。歩道を乗り越え鉄製フェンスも破りながら
 約20m走行した。この日は非番で、呼気0.6mg/lを検出、「酒を飲んだ」と
 容疑を認めている。
 ☆午後4時に呼気0.6mg/lで運転

 ●新聞配達員(70) 6月7日 産経新聞
 6日午前8時ごろ、軽自動車で駐車中の車2台に衝突。呼気0.4mg/lが検出。
 「車にぶつかりはしたが、酒は飲んでいない」と否認。新聞配達後に自宅で
 酒を飲み、車で近くの畑に行き、農作業を終えて自宅に帰り駐車する際、
 誤って隣人の車に衝突したとみられる。
 ☆朝酒、呼気0.4mg/lで運転

 ●市役所主任主査(46) 6月9日 産経ニュース
 5月15日午後6時頃~11時頃、知人宅で500mlの缶ビールを約6本飲み、宿泊。
 16日午前8時半ごろ、車で帰宅途中にスーパーに立ち寄りビールなどを購入。
 駐車場で缶ビール1本を飲んだ後、運転して職務質問を受け、呼気0.38mg/l
 が検出。懲戒免職処分となった。
 ☆朝、スーパーでビールを買い、駐車場で飲酒

 ●無職(23) 6月10日 産経新聞
 9日午前7時半ごろ、交差点でガードレールに衝突。呼気0.65mg/lが検出。
 「酒を飲んだが、どこで飲んだかは言いたくない」などと供述。
 ☆午前7時半に呼気0.65mg/l、言いたくない場所って?

 ●無職(71) 6月10日 産経新聞
 10日午後4時45分ごろ、交差点で乗用車と出合い頭に衝突。呼気0.7mg/lが
 検出。泥酔状態で取り調べができないという。
 ☆午後4時に0.7mg/l、取調べ不能なほどの酩酊状態で運転

 ●トラック運転手(26)6月12日 読売新聞
 11日午前2時10分ごろ、交番前に車を乗りつけ、署員に対し、酒のにおいを
 させながら、「お酒を飲んで車に乗ってきました」となどと話した。
 ☆飲酒運転で警察に出頭!? 飲酒運転が止まらない自分を止めてほしかった?

 ●会社員(68) 6月14日 産経新聞
 14日午前10時45分ごろ、自宅近くで乗用車を運転中、横断歩道を渡っていた
 2台の自転車に衝突。呼気0.3mg/lが検出された。「朝、日本酒をカップで
 1杯飲んだ」と飲酒を認めている。
 ☆朝酒

 アルコール依存症について学びたい方に(本・DVD・通信講座)
  ↓ ↓ ↓
 http://www.a-h-c.jp/addiction-01-s.html

 5)長野県庁の「お酌禁止令」

 長野県の板倉敏和副知事の音頭で、県職員らの宴会が今春から、手酌になり
 ました。かねてから「お酌文化」に疑問を抱いていた板倉副知事は、年度
 替わりの県幹部の送迎会の冒頭あいさつで、「お酌禁止」を宣言。その後も
 あいさつを頼まれれば、必ず「手酌で自分のペースで飲みましょう」と呼び
 かけました。
 この提案は、「気を使わなくて済む」「自分のペースで飲め、酒を残さなく
 なった」と歓迎され、全庁的に浸透しつつあるとのことです。 

 ↓長野県職員の宴会「お酌禁止令」 副知事が音頭、大歓迎(6月6日 朝日新聞)↓
 http://s03.megalodon.jp/2009-0607-0440-42/www.asahi.com/national/update/
 0606/TKY200906060004.html
 http://s04.megalodon.jp/2009-0607-0440-52/www.asahi.com/national/update/
 0606/TKY200906060004_01.html

 さしつさされつのお酌は日本の文化であるかもしれませんが、この慣習によって、

 ・自分が飲んだ量がわからなくなる
 ・お互いについ飲みすぎてしまう
 ・飲まないでおこうと思っていても、断わりにくい
 ・アルコールハラスメント(飲酒の強要)につながる
 ・飲みたくない人、飲めない人にとってはひどく迷惑

 など、多々の弊害があります。自分のペースが守れ、量が把握できる手酌は、
 飲酒運転防止にも有効な提案です。

 同じ長野県で、飲酒運転を避けるため、こんな工夫をしたレストランも。
 「ノンアルコールでも高い満足度を」と、高級茶をワインボトルに詰めて
 華やかさを演出し、フランス料理に合わせて飲み比べるというものです。

 ↓お酒がなくても、おいしく食事を(5月31日 信濃毎日新聞)↓
 http://s04.megalodon.jp/2009-0617-0910-00/www.shinmai.co.jp/news/
 20090531/KT090530FTI090003000022.htm

 こんなふうに、アルコール以外のおしゃれな選択肢が増えるのはいいことですね。

 6)飲酒習慣改善実践プログラム

 今、「減酒」「節酒」は、飲酒運転のキーワードです。
 国立病院機構肥前精神医療センターの杠岳文副院長が考案した、飲酒習慣
 改善実践プログラムは、飲酒習慣が似た人をグループ化、「飲酒日記」を
 基に「誘惑に負けたケース」「酒量が減ってよかったこと」などの情報を
 共有して減酒につなげるというもの。
 福岡市役所の職員73人に試験的に実施したところ、約半数に「休肝日が2割
 以上増えた」などの改善がみられたとのこと。
 杠副院長は「専門家だけで啓発しても、飲酒運転撲滅には限界がある。職場
 で飲酒習慣に介入し、多くの人に正しい知識を持ってもらいたい」と語って
 います。

 ↓休肝日2割増えた人も 減酒プログラムを新考案(5月31日 佐賀新聞)↓
 http://s01.megalodon.jp/2009-0531-1112-24/www.saga-s.co.jp/news/
 saga.0.1285088.article.html

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   3.山さんコラム No.35
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆飲酒検知器使用義務付けに備えて

 国土交通省は、2010年度から、運輸事業者へ始業前に飲酒検知器による検査
 を義務付ける方針を決定した。

 既に大半の事業者が検知器を使用しているバス業界や大手のトラック会社・
 タクシー会社は、落ち着いて対応できるだろう。しかし、中小の事業者は、
 ただでさえ苦しい経営状況の中での出費に頭が痛いはずだ。
 「一部の不心得者のおかげで、収入増に結びつかない投資をしなければな
 らない」と。
 経営者のはしくれだった山さんには、この気持ちが痛いほどよく分かる。
 同じ金を使うなら、収入増に直接結びつく、宣伝やサービス向上に使いたい……。

 だが、法律が厳しくなり、社会全体で警鐘を鳴らし、企業が防止に懸命なのに、
 プロドライバーが未だに飲酒運転で検挙されているのも事実。
 法令等できちんと定め、違反した場合は「営業停止」「車両使用停止」など
 厳しい処分を行い、経営者以下従業員に経営、そして生活にかかわると心底
 からわかってもらうべきだとの意見も多い。
 この気持も、元官僚のはしくれだった山さんにはよくわかる。
 「現場では、会社内規、自主的な取り決めなどが風化しやすい。法律にもと
 づいた規定を作り、きちんと守る体制にしなければダメだ。利益にならない
 出費でも法律があれば出しやすい。まさに現場の管理者を応援するために、
 省令・通達を厳しく改定すべきだ」との考えである。

 安全輸送が前提の事業用自動車で飲酒運転事故を発生させれば、運輸業に
 とって、信頼を失う致命的な大事件。業界は大変な損失をうけ、監督官庁も
 面目丸つぶれだ。
 「検知器で酒気帯びを発見し、絶対に乗せないことが最善の防止策」と「中央」
 にいれば考えるのは当然だ。
 山さんも、その一人だった。
 しかし、失敗した。依存症対策をしなかったために。

 検知器使用には、いくつかの落とし穴がある。
 まず検知器の性能や整備の不備問題。
 正常に作動していても、確認ミス。
 酒気が残ったドライバーが検査を「すりぬける」こと。
 検知をごまかしたり乗せてしまったりの「かばいあい」。

 検知器の故障、確認ミスは、技術上の対策、機器の性能向上で対処できる。
 やっかいなのが、すりぬけ、かばいあいという人為的な問題。どちらも犯罪
 行為だ。
 企業経営者としては、そうした犯罪行為のために「営業停止」になるという
 状態を、未然に防ぐ対策を打たねばならない。
 否、それ以前に、検知器にかかる運転手を根絶しなければならない。
 運転者が検知器にひっかかったら、飲酒運転事故防止策は失敗である。
 なぜなら、その運転者は乗務させられず、業務が支障する。その段階で
 損害が発生。すでに経営的には危機の発生なのだ。

 飲酒運転、酒気帯び出勤、検知器の落とし穴、これらすべての真の原因は、
 関係者がアルコールの薬理作用やその怖さを理解せず、依存症の正体もよく
 知らないせいだ。
 だから本来は、検知器導入以前に、正しいアルコール教育を関係者へ徹底
 することが望ましい。
 現実には、それができる人材が乏しい。このギャップを埋めることが急務
 となる。

 5年前から検知器を導入しているバス事業者のうち、先進的な会社は、この
 ことにいち早く気づき、全社あげて飲酒運転防止のためのアルコール教育に
 取り組んでいる。
 昨年から始めたアスクの「飲酒運転防止インストラクター養成講座」にも
 積極的に応募いただいた。
 この講座には今年も多数の応募をいただき、枠を335名から450名に
 増やしたものの、お断わりした方も大勢でてしまった。
 受講が1社に偏らないよう、希望者の半数の方は来年に回っていただいた、
 熱心なバス会社も数社にのぼるほど。

 来年の検知器義務付けに備えて、アルコール教育ができる人材を早急に、
 全国的に、大量に養成することが必要である。
 そのためには飲酒運転防止インストラクター養成のスクーリングを各地で
 担当する「上級インストラクター」の育成が急がれる。関係者のご協力を
 得て、是非、その養成を開始したい。
 計画実現のため、最大の努力を傾注するつもりである。
 募集開始にこぎつけた際には、認定インストラクターの方の積極的な挑戦
 を期待したい。

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  4.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、
 アルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、
 2000年にNPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部
 門が(株)アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から
 予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の
 早期発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との
 認識のもと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害
 者遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から
 本格的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指
  定の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」
  を委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の
  視察、内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

==============編集後記 *NEKOのつぶやき*===================

 ニュースを集めて早3ヵ月がたちました。
 同じような事件、同じようなニュースが、
 毎月毎月繰り返されています。
 いたちごっこを繰り返さないためにも、
 根を絶つ必要を感じています。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
 【職場の飲酒運転対策メルマガ】37号  09. 6.17
                  
   発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
       飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd@a-h-c.jp
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


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ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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