職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

137号2017

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  137号 17.10.13
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.135
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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      アルコール関連問題啓発週間2017
 各地の「公開スクーリング」と東京での「啓発フォーラム」
     どちらも無料・急いでお申し込みを!
         ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
   
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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◆養成講座を受講していなくても大丈夫 無料公開スクーリングへどうぞ

前号でもお知らせしましたが、アルコール関連問題啓発週間2017に合わせ、
以下の日程で「スクーリング」の午前の部を、一般公開しています。

10/17 大阪市  エル・おおさか
10/19 神戸市  三宮コンベンションセンター
10/25 名古屋市 ウインクあいち
10/31 札幌市  北農健保会館
11/15 福岡市  福岡交通センター博多バスターミナル
11/22 新宿区  東京都トラック会館
12/06 那覇市  沖縄県警察本部

養成講座を受講していなくても、午前中は無料で参加できます。
特設サイトのメールフォームからお申し込みください。
  ↓ ↓ ↓
https://peraichi.com/landing_pages/view/askddd

【一般公開のプログラム(午前の部)】
1.これだけは知っておこう! アルコール健康障害対策基本法
2.飲酒運転防止に必要なアルコールの基礎知識
  ――飲酒運転防止インストラクターの役割とは?
3.【スクーリング講座1】 アルコールの「1単位」と体質
 (アルコールと体質/体質ごとの注意点/アルコールの1単位と処理時間/
  3単位飲酒のリスク/酒気帯びのケーススタディ/健康日本21)

◆スクーリング受講者からはこんな声が!

・グループワークで意見交換できたのがよかったし、研修の進め方の勉強に
 なりました。(企業)
・足りない知識や伝え方のコツを身につけられたと思います。(トラック)
・DVDと講義、演習、グループワークすべてが詰まったプログラムで、
 よかったです。(バス)

◆インストラクター対象の「スキルアップ研修」も好評開催中です!

【プログラム】
★インストラクターとしてのスキルをアップデートしよう!
 ◇アルコール健康障害対策推進基本計画――いよいよ国から都道府県へ!
 ◇死者も出る 本当はこわい急性カフェイン中毒!?
 ◇ギャンブル、薬物、カフェイン……意外と身近な“依存”問題
   依存とハマるの境目は? 現場ではどのような問題が起こっている?
 ◇グループワーク
   ・節酒と断酒の実践プランの実際(演技と合評)
     面接と目標設定→宣言→実行の記録と確認→支援
   ・事例討議

今後の日程は以下です。
10/18大阪市、10/24名古屋市、11/1札幌市、11/8神戸市、11/14福岡市、
11/21新宿区、11/28新宿区、12/5那覇市、12/13渋谷区、12/14東京都中央区

インストラクターに認定されている方で、スキルアップ研修に参加を
ご希望の方は、ASK(03-3249-2551)までお問い合わせください。


ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座についてはこちらを。
  ↓ ↓ ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html


★職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール
 アスク・ヒューマン・ケアのサイトで、まとめて見られます
 http://www.a-h-c.jp/items/noddd

★ASKアルコール通信講座
 飲酒運転の背景となる「依存症」への対応が学べます
 <基礎クラス>につづき、<介入技法トレーニング・クラス>があります
 http://www.a-h-c.jp/courses/alcoholcourses


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  2.ASKからのお知らせ
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★11月12日は、厚生労働省主催の啓発フォーラム(東京)へ!

国と民間団体のコラボということで、ASKが企画運営を受け持っています。

――アルコール関連問題啓発フォーラム2017 in 東京
「つながることで、解決がはじまる。」
日程:11月12日(日) 13:00?17:00(12:30受付開始)
参加費:無料  定員:210名
場所:三井住友銀行東館SMBCホール ライジング・スクエア(大手町)

主催:厚生労働省
後援:内閣府・法務省・文部科学省・警察庁・国土交通省・国税庁・東京都
後援団体:アル法ネット、他

くわしくは、特設サイトをご覧ください。
お申し込みもできます。
 ↓ ↓ ↓
https://peraichi.com/landing_pages/view/altokyo2017/

その他、全国で開催される啓発週間のイベントは、アル法ネットのサイトを
どうぞご覧ください。
 ↓ ↓ ↓
http://alhonet.jp/enlightenment.html


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  3.ニュースCLIP!
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もうすっかり秋、と思ったら、気温が上昇。
何を着るか迷う日々です。
さて、飲酒運転のニュースを見ていると、職場対策が必要な事例がたくさん
あります。
そこで、今回は対策も考えました。

友井・今成の共同作業でお届けします。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)警察官の飲酒運転――「背景ごと」の対策が肝腎です
 2)若者の「コンパ乗り」と酩酊運転
 3)またもや、バスの検知身代わり
 4)教諭の懲戒処分――寝酒と前夜の酒がたたって
 5)飲酒者の半数が飲みすぎ――全国約15万人の高齢者の分析

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1)警察官の飲酒運転――「背景ごと」の対策が肝腎です

警察官の飲酒運転3件をめぐり、背景ごとの対策を考えてみました。
他の職場でも使えると思います。

●巡査(21)同僚と朝まで飲酒⇒4時間後にパトカー運転/福岡
(9月21日 NHK)
同僚と2人で午前5時頃まで酒を飲んだあと警察署に出勤、8月2日午前9時過ぎ
から10分ほど勤務先の交番まで1人でパトカーを運転していたことが判明。
出勤時の点呼を受けていないのを不審に思った上司が、交番の他の警察官に
確認させたところ、巡査から酒の臭いが。けれど、「午前2時には飲み終えて
帰宅した」と言ったため、上司は、時間がたっているのでアルコールの検知
は必要ないと判断したといいます。
翌日、一緒にいた同僚の話から、朝まで飲んでいたことがわかりました。
巡査は停職1カ月の懲戒処分。一緒に酒を飲んでいた同僚(24)は、当日遅刻
した上、酒を飲んだ時間を正しく報告なかったとして、所属長訓戒の処分を
受け、2人とも同日依願退職しました。
アルコール検知をしなかった上司の警部補(53)も本部長訓戒の処分。

【対策1】アルコールの分解時間などの教育と飲酒習慣の見直し
     +乗務前のアルコール検知の徹底
もし午前2時に飲み終え7時間空いていたとしても、ビール中瓶2本以上飲んで
いたら、アルコールが残っている可能性は十分あります!

●警察署課長(50代)署の懇親会⇒翌朝、出勤時に酒気帯び運転/山口
(9月30日 NHK)
署長ら幹部が出席した懇親会で飲酒した翌朝の9月21日。車で出勤した際に、
酒のにおいがしたため検査したところ、基準を超えるアルコールが検出。
この日は、秋の全国交通安全運動初日でした。

【対策2】アルコールの分解時間などの教育と飲酒習慣の見直し
     +職場の懇親会は翌日の飲酒運転対策も!
そもそも、交通安全運動前夜になぜ酒席を設けたのでしょう?

●巡査長(56)過度の飲酒で指導中⇒休日自宅飲酒⇒買物、酒酔い事故/群馬
(10月5日 朝日新聞/産経新聞)
10月4日午後3時40分頃、自宅近くの交差点で左折する際、角の標識にぶつか
り、バックして切り返し電柱に衝突。ドラッグストアの駐車場に入ってバック
し、車道を突っ切ると、住宅の塀に衝突しました。
通行人が通報し、意識がもうろうとしていたため救急搬送。呼気0.5mg/l超の
アルコールが検出されました。
県警によると、巡査長は過度の飲酒を繰り返す傾向があり、投薬治療を受け
県警も指導していたといいます。その日は休みで、自宅で酒を飲み、買い物に
行く途中でした。

【対策3】アルコール依存症の専門治療
「過度の飲酒に対する投薬治療」とは何をさしているのか不明です。
通常、アルコール依存症には、心理社会的治療が用いられます。
飲酒欲求を抑える薬や、一時的に下戸の状態にする抗酒剤はありますが、
あくまで補助として用いられます。
専門治療については、以下のサイトを参考にしてください。

☆アルコール依存症治療ナビ
 http://alcoholic-navi.jp/


2)若者の「コンパ乗り」と酩酊運転

札幌で、転落事故が起きました。
10月3日午前0時頃、乗用車がガードレールに衝突し、約6メートル下の河川敷
に転落。乗車していた20代男性2人と10代女性の計3人が、首や腰を打つなどし
て病院に運ばれました。運転手とみられる男性からは基準値を上回るアルコー
ルが検出され、「酒を飲んでいた」と話しています。

◎「酒飲んでた」飲酒運転か 乗用車橋から転落 10~20代男女3人負傷 札幌市
(10月3日 北海道ニュース)

これは、若者でよく見られる、一緒に飲んだ仲間を同乗させて事故を起こす
パターンです。ASKでは「コンパ乗り」と呼び、注意を喚起しています。

一方、福岡県では10月8日、若い男女の「酩酊運転」がありました。

◎基準値の8倍を超えるアルコール検出 福岡で飲酒運転相次ぐ
(10月8日 テレビ西日本)

1件目は、午後0時20分頃、福岡市で「縁石に前輪を乗り上げた車がいる」と
通報があり、警察が駆けつけたところ、会社員(21)の呼気から基準値の6倍
を超えるアルコールが検出。「コンビニで朝まで飲んでいた」と容疑を認め
ました。
2件目は糸島市で、基準値の8倍を超えるアルコールが検出された女性(27)が
逮捕。

どちらも尋常な呼気濃度ではありません。連休でドカ飲み?
「コンビニで朝まで飲酒」という供述も、気になります。


3)またもや、バスの検知身代わり

10月4日、北海道中央バスが「高速バスの男性運転手(54)が乗務前のアルコ
ール検査を同僚に身代わりで受けさせ、自らはそのままバスに乗務していた」
と発表しました。

◎北海道中央バス 乗務前のアルコール検査、運転手が不正
 (10月4日 毎日新聞)

運転手は6月30日、乗務前検査で呼気0.061mg/lのアルコールが検知されたた
め、16分後の再検査で同僚に身代わりを依頼。札幌市内までバスを運転して
いたことがわかりました。
同社では、乗務前のアルコール検査は通常、カメラ付きタブレットとアルコー
ル検知器、データ送信用の携帯電話を組み合わせて実施しています。
しかし運転手は同僚に、タブレットのカメラの死角で予備の検知器に息を吹
き込ませ、自らは通常の通常の手順を装って検知器に息を吹き込む動画だけ
を会社に送信していました。

男性運転手は勤続21年5ヵ月のベテラン。前日の午後10時まで缶ビール2缶と
焼酎を飲んでいたとのことです。
飲酒習慣の見直しが必要です。

★ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html


4)教諭の懲戒処分――寝酒と前夜の酒がたたって

――寝酒のケース
●奈良の県立高校の男性教諭(57)停職6カ月、依願退職(9月15日 産経新聞)
車で通勤途中の7月5日午前7時半頃、コンビニに立ち寄り、振込手続きで店員
とトラブルに。駆けつけた警察官の検査で、基準値を超えるアルコールが検出。
寝つけずに焼酎の水割りを7、8杯飲んだとのこと。

――前夜の酒が残ったケース
●岩手の私立中学校の女性教諭(52)懲戒免職(9月21日 産経新聞)
8月1日4時半頃に起床し、市内の朝市に向かっていた際、検問で酒気帯び検挙。
前日、午後6時頃から飲食店で他校の教員仲間とビールをジョッキ4杯、9時す
ぎに帰宅後11時頃まで500ml入り缶チューハイ2本などを飲んだという。

寝つけずに飲酒。飲んで帰宅して飲み直し。しかも確実に翌朝に残る量……。
依存傾向を疑わせる飲み方です。
再発防止には、やはり、アルコールの基礎知識の周知と飲酒習慣の見直しが欠
かせません。依存症の初期症状、境界線についても知っていただきたいです。

★知って得する! アルコールの基礎知識
 DVD&冊子
 http://www.a-h-c.jp/items/noddd


5)飲酒者の半数が飲みすぎ――全国約15万人の高齢者の分析

あなた自身、あるいはあなたの周辺に飲みすぎの高齢者はいませんか?
お酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1が、「節度ある適度な飲酒」
の目安とされる「1日1単位」以上のアルコールを飲んでいることが、厚生労働
省研究班の分析でわかりました。
日々3単位以上飲む「多量飲酒」は、高齢男性の約5%に達していました。

◎高齢者、飲み過ぎ 男性56%、女性25%「適量」再確認を
 (10月2日 毎日新聞)

ちなみに、1単位は純アルコール約20gで、ビールなら500ml、日本酒なら1合、
25%の焼酎なら100ml、7%チューハイで350mlにあたります。
節酒を意識している人にもこの「適量」が理解されていないこと、高血圧、
脳卒中、狭心症、心筋梗塞の人の3分の1が酒を飲み、その半数以上が適量以上
であることもわかりました。

高齢者の飲酒に警鐘が鳴らされているのには理由があります。
加齢とともに、アルコールに弱くなり、害を受けやすくなるためです。
それがよくわかるインタビュー記事がありました。
回答者は、久里浜医療センターの樋口進院長です。

◎年をとると酒に弱くなるのはなぜか?(10月6日 日経Gooday)
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171006-46680050-gooday-hlth&p=1

ざっとまとめてみると――
・加齢で肝臓の機能が落ち、アルコールの分解スピードが遅くなる
 (分解速度が一番速いのは30代で、その後は徐々に処理能力が落ちていく)
・加齢で体内の水分量が低下(高齢者になると50%台)し、血中アルコール
 濃度が高くなりやすい。その上、アルコールには利尿作用があるため、脱水
 が進み、さらに血中アルコール濃度が上昇してしまう
・そのため、少ない飲酒でも酔い方がひどくなり、転倒のリスクがより高まる
・同様に、少ない酒量でもアルコール依存症になりやすい。退職して生きがい
 を失ったり、配偶者を失って、アルコールに走ってしまうこともある
・高齢者でアルコール依存症になった人は、生活の質が急激に下がる
 (生活がだらしなくなる、転んでけがをする、家族に大声を出すなど)
・ただし、高齢者のアルコール依存症は改善する確率が高いので、あきらめな
 いで治療につなげてほしい

★アルコールの1単位カード
 名刺サイズに、1単位と分解時間の目安、飲酒のリスクとガイドラインを記載
 職場で配布したり、正しい知識を伝えるミニ活動に最適です!
 http://www.a-h-c.jp/items/oneunitcard


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   4.山さんコラム No.135
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆暗闇の中をすすむ

風景が色を失い、暗く見える状態へ陥る、そんな体験をしたことはありませ
んか?
今回は、人生の暗闇を抜けることをテーマにしたい。

生きているかぎり、人は失敗をする。不運に見舞われることもある。
その中には、自分の今までの努力や経験がすべて無駄になり、実績や評価が
すべて失われたと感じるような、大失敗や大不運がある。
この事実が突きつけられた瞬間、自己の無力さがはっきりわかり、虚無感に
おそわれ、呆然自失の状態で、目の前が真っ暗になる。

そんなことがあるたび、山さんの脳裏をよぎる言葉がある。
昭和の高僧から聞かされた「暗闇の中をすすむ」という話だ。
大学時代、禅のクラブに入り、三島龍沢寺の中川宋淵老師、藤森弘禅老師の
指導を受けた。
弘禅老師が、あるとき、茶を飲みながら、こんな話をしてくれた。
「座禅をしながら『無、無、無』とやっていると、目の前が真っ暗になるこ
とがある。その時、ひるむことなく、ぐんぐん暗闇の中をすすんで行くと、
パッと開ける」
普通、老師は座禅の仕方を教えるが、座禅中の自己体験は、語らない。各人
が、直接、自己体験すべきことを、知識として頭で理解してしまい、修行の
妨げになる恐れがあるからだ。
だからこそ、気楽な茶飲み話の中で、ふと語ったこの言葉は貴重で、山さん
の記憶にいつまでも残ったのだろう。

山さんは、残念ながら、学生時代も、その後も時々参加した座禅会でも、
そのような「パッと開ける」体験はしていない。
ただ、大失敗や大不運に遭って、目の前が真っ暗になった時、この言葉が支
えになり、逃げずにすすむことができた。
苦境を人のせいにしたり、運が悪いとあきらめたり、酒や薬などでごまかし
たり、ギャンブルにおぼれたりせず、まず事態を直視する。
その状況を受け入れ、暗闇の中を、そのままつきすすむ。
なにもかも失ったのは、俺のせいだ。何故、こんなことになったのだろう、
と考える。
すると、今まで正しいと確信していたことは一面の真実にすぎないことに気
づく。
間違いをしっかりみつめ、「間違っていた」と心から受け入れる。
その瞬間、あるがままの本来の自己が現れる。未熟な、不完全な自分がはっ
きりと見える。
そして、学び直そうと素直な気持ちが起こる。しかも不思議なことに、今、
学び、なすべき道だと確信できる手段・方法が、目の前に現れるのだ。
そこへ思い切って飛び込んで行くと、さーっと目の前が明るくなり、目標が
明確に見え、手段が次々に見いだされる。
このとき、頭は冴え、学習能力が高まり、新たな知識がどんどん頭に入る。
その知識に、心から納得して、確信になる。そして、学び、きづき、確信し
た内容を、まだ知らない人へ伝えたくなるのである。

山さんには、そんなことが今までに何度かあった。
国鉄生活での「ある人事異動」。
国鉄民営化の決定。
そして、現役生活の「上がり」ともいえるJRバス関東の会長を務めていた
時期に、運転手が東名高速道を走行中に飲酒運転で現行犯逮捕された事件。
まさに、今まで積み上げてきた努力も実績も、すべてなくしたように思えた。

バス業界の中で私ほどの「飲酒運転対策のベテランはいない」と思っていた。
大学で心理学を学び、鉄道労働科学研究所のスタッフとして採用され、以来、
厚生課、総務部などを通じて飲酒運転対策は重要な仕事の一つだった。
健康診断にいち早くγ-GTPを導入し、アルコールのスクリーニングテスト
も行ない、バス運転手に関しても打てる手はすべて打っていると思っていた。
しかも当時、JR東海バスの酒酔い運転をはじめ、飲酒運転が相次いで、
業界全体で対策を強化していた最中だった。
そこへ、あの事件である。

事故後に、ASKからの申し入れ書が送られてきた。
そこには「依存症という病気への介入」という視点が明確に書かれており、
足りなかったのはこれだったのかと気づいた。そこで翌週、ASKに出向き、
よくよく話を聞いた。
その場で「ASKアルコール通信講座」に申し込み、2つの講座を修了後は
幹部社員にも受講してもらい、社員と介入のセミナーに参加し、断酒会や
AAのオープンミーティングにも何度も足を運んだ。引責辞任をするまでの
間、陣頭指揮をとって社内の対策づくりをすすめた。

このときゼロから学び直したことが、その後の飲酒運転防止活動へとつなが
った。
苦境と思われたものが、職業人生の集大成ともいうべき経験となったのであ
る。

目下、山さんは飲酒運転防止インストラクター養成講座のスクーリングで、
各地を回っている最中だ。
過去の経験、良いこと、悪いことのすべてが、飲酒運転防止の講演、各種
研修、このコラムに至るまで、役立っている。
今、つくづく「人生に無駄はない」と実感している。人生の最終章に入って、
過去のすべての体験を悔やむことなく、今の活動の役にたっていると言い切
れる山さんは幸せ者である。


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  5.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html


=================編集後記 *つぶやき*=================

今成です。
「山さんコラム」を読んで当時を思い出し、じーんとしました。

前年のJR東海バスに引き続いたJRバス関東での飲酒運転は、どちらも
アルコール依存症が背景にあると思われる事例でした。
そのことを指摘し、踏み込んだ対策を求めた書面を送った数日後、JRバス
関東の会長秘書から、突然電話がきたのです。
「会長が、ぜひそちらに伺ってお話を聞きたいと言っています」と。
翌日、事務所に現れたのは、小さなリュックを背負った山さんでした。

それが今につながる出会いだったのです。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】137号 17.10.13
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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