職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

123号2016

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  123号 16.8.22
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.121
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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  9月~11月、全国で公開スクーリング開催!
   ぜひ、お近くの会場にお越しください!
      ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 
 
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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◆来月からスクーリングが始まります

第9期養成講座は、現在、【ステップ1】通信スクールが追い込み。
事務局は、【ステップ2】スクーリングの準備の真っ最中です。
 ↓  ↓  ↓
http://c.bme.jp/13/297/1623/1916

来月から、講師・山さんこと、ASK飲酒運転対策委員会委員長の山村陽一
による全国行脚がスタートします。
今年はスクーリングを全国で23回、認定インストラクター対象のスキルアッ
プ研修もあわせると、38回に及ぶ講習を行ないます。

スクーリングのご案内を送付した翌日、FAXが届き始めました。
みなさん、やる気です。
スクーリングの申し込みがまだの方、急いでください!!

★なお、損保協会の助成により、うち11ヵ所は公開スクーリングです。
養成講座を受講していなくても午前中だけ無料で参加できます。
公開スクーリングの日程は下記のとおりです。

09/21 福島市  コラッセふくしま
09/29 静岡市  ふしみや貸会議室
10/18 大阪市  エル・おおさか
10/20 神戸市  神戸国際会館セミナーハウス
10/25 名古屋市 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
11/01 札幌市  北海道立道民活動センター
11/09 福岡市  カンファレンスASC
11/11 広島市  RCC文化センター
11/15 新宿区  東京都トラック会館
11/22 高松市  サンポートホール高松
11/30 那覇市  沖縄県警察本部

お申込みはホームページからどうぞ。
http://c.bme.jp/13/297/1624/1916


◆スキルアップ研修
認定インストラクター向けのスキルアップ研修のお申し込み受付中です。
今年のプログラムをご紹介すると――

★節酒の実践指導を実際にやってみよう!
 ◇アルコール健康障害対策推進基本計画…その中身は?
 ◇アルコール検知器使用の落とし穴とその対策
   ・次々起こる不祥事の原因と効果的な対策は?
 ◇効果が上がる節酒支援 
 ◇グループワーク
   ・節酒と断酒の実践プランの実際(演技と合評)
    ~面接と目標設定→宣言→実行の記録と確認→支援~
   ・事例討議

1~8期の認定インストラクターの方々、お見逃しなく。

…………………………………………
上級インストラクターのお申込みも受付中です。
認定インストラクターの方、どうぞ挑戦してください。
詳しくは以下のサイトを。
 ↓   ↓   ↓
http://c.bme.jp/13/297/1625/1916

 
飲酒運転防止インストラクター養成講座についてはこちらを。
 ↓   ↓   ↓
http://c.bme.jp/13/297/1626/1916

お問い合わせは、事務局へどうぞ。(電話03-3249-2551)


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  2.ASKからのお知らせ
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●「ムジコロジー・スマイル基金」から寄付

三井ダイレクト損害保険株式会社「ムジコロジー・スマイル基金」から寄付
をいただきました。
「ムジコロジー・スマイル基金」は、三井ダイレクト損保に加入している
方々が、月例で自分の応援したい社会活動団体にクリック投票。年間に溜
まったポイントに応じた寄付金を団体に贈呈する仕組みです。
2014年7月に始まり、対象団体の1つにASKを入れていただいています。

ASKではこのご寄付を使って、「若者の飲酒運転防止」に取り組んでいます。
飲酒も運転も「初心者」の若者による飲酒運転は、死亡事故につながる率が
高いためです。
昨年度は、全国10ヵ所の自動車教習所とタイアップ。
アルコールの分解時間などの知識が身につくASKオリジナルの飲酒運転防止
グッズを送り、教習所内での展示や、教習の中での活用、配布を進めてもら
いました。
今年は、昨年度の活動をモデルにして、より多くの教習所にご協力いただき、
啓発の場を増やして行こうと考えています。

三井ダイレクト損害保険株式会社
http://c.bme.jp/13/297/1627/1916

ムジコロジー・スマイル基金
http://c.bme.jp/13/297/1628/1916

贈呈式の様子はこちらから
http://c.bme.jp/13/297/1629/1916


●社用車を使う社員を対象に……

今回は、アルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」と1単位カード
を購入された製造業の方にお話を伺いました。

――どんなふうに活用されたのですか?
社用車を使う社員を対象にした安全運転講習で使いました。

――参加者の反応は?
「俺は飲めるほうだと思ってたけど、ホントは飲めない体質だったのか……
どうりで顔に出ると思った」と言っていた社員がいたのですが、あとで聞い
た話では、その日の夜の飲み会でウーロン茶を飲んでいたそうです。
また、1単位カードをまじまじと見ながら「え? これで4時間? ってことは、
いつもの量だと翌日も酒気帯びになるのか……」とうなっていた社員も。
酒気帯び運転になっては大変だし、また健康面でも気をつけてほしいので、
「アルコールの1単位」を知らせることができて、よかったと思っています。

★ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
 自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1630/1916

★アルコールの1単位カード
 すべての人にこれだけは知ってほしい!
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1631/1916


★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

◆DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
 定番中の定番。これを知らないと飲酒運転は防げません!
 http://c.bme.jp/13/297/1632/1916

◆ASKリバーシブル予防パンフ
 知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
 http://c.bme.jp/13/297/1633/1916

◆飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
 「15分で学べる必須のアルコール知識」
  *ANAとJTに採用されています!*
 http://c.bme.jp/13/297/1634/1916

◆ASKアルコール通信講座
  依存症への対応が学べます
 http://c.bme.jp/13/297/1635/1916

◆トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
 マンガで予防知識を! 話題づくりにも!
 http://c.bme.jp/13/297/1636/1916

◆トイレットペーパー「危険ドラッグにNO!」
 薬物乱用防止について伝えたい6つのこと!
 http://www.ask.or.jp/yakubutsu_paper.html


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  3.ニュースCLIP!
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あろうことか、台風が三つどもえで日本列島に押し寄せました。
各地のみなさま、どうぞお気をつけて。

このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
お時間の許すかぎり、おつきあいください。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)路線バスの運転手が
 2)タクシーの運転手も
 3)今月も公務員による飲酒運転が多発
 4)酒気帯び→物損事故→引きずり→ごまかすために重ね飲み
 5)夫の飲酒運転を止めようとして

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1)路線バスの運転手が

7月19日、長崎の路線バス運転手(44)が、乗務前の呼気検査で0.113mg/lの
アルコールが検出されたにも関わらず、約5分後の再検査の際、自分の代わり
に同僚の男性(29)に受けさせ検査をパス。その後、路線バスを運転。乗客
約50人が利用した路線と回送区間の計約15kmを走行しました。
運転手が出発した後、検査の様子を写した画像を見た運行管理者が不正に気
づいたということです。

◎長崎バス運転手 アルコール検出も、かまわず客乗せ運転
 (7月23日 毎日新聞)

さらに、この事件をうけて、同社が内部調査を行なったところ、7月17日に、
別の運転手(52)が乗務前の呼気検査の際に基準値を超えたため、家族を呼
び、代わりに再検査をうけさせてチェックを潜り抜けて、約30人の客を乗せ
約1時間、路線バスを運転していたことが判明しました。
運行管理補助者(68)が立ち会っていたのに、黙認したとのことです。

◎長崎バス 酒気帯び状態なのに…52歳男性が路線バス運転
 (8月5日 毎日新聞)

こうなると、飲酒チェックの意味をなしません。
報告を受けた九州運輸局は「内容を精査し対応を検討する」と言っています。

バス業界、とくに路線バスは、どの運輸業界よりも厳しい飲酒チェック体制
を敷いています。
それなのに、不正なすり抜けが起きます。
その原因はたぶん、こういうことだと思います。

・現場が、運行に支障をきたさないことを最優先してしまうこと。
・チェックする側、される側とも、日々の惰性に流され、飲酒チェック本来の
 意味を見失うこと。
・背景に多量飲酒の習慣があること。

報道によると、前述の52歳の運転手は「前夜に350ml入り缶ビールを11本飲ん
だ」と話しているそうです。

ビール500mlで1単位ですから、350ml入り缶ビールを11本といえば3850mlで、
7.7単位。とんでもない量です。
体内から消えるのに、1単位=4時間と見積もって、30時間以上かかります。

一方、北九州では、バス会社の男性社員が帰宅途中に飲酒運転で捕まる、と
いう事件もありました。
車で帰宅中にコンビニで500mlの缶ビール1本を購入して車内で飲み、そのま
ま車を運転。スピード違反で停車を求められ、発覚したのです。

◎西鉄バス運転指導役が帰宅途中に飲酒運転(8月10日 西日本新聞)

この社員は運転手の飲酒チェックをしている、運行管理者でした。

「コンビニで缶ビールを購入して車内で飲み」となると、アルコール依存症
を疑う必要があります。


☆DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
http://c.bme.jp/13/297/1637/1916


2)タクシーの運転手も

熊本で、乗客から「酒臭い」という苦情があり、運輸局が調べたところ、ア
ルコールが検知されたにも関わらず、乗務させていた履歴が確認されました。
この会社は、車両5台の4日間使用停止の行政処分になりました。

◎乗客から「酒臭い」…熊本のタクシー会社処分 アルコール検査不備
(8月8日 産経新聞)

バス会社もタクシー会社もトラック会社も、乗務の開始前・終了後等の点呼
時に、アルコール検知器を使用することが義務づけられています。
運用方法はこちら。
 ↓ ↓ ↓
点呼の際のアルコール検知器の使用等が義務化されました(国土交通省)
http://c.bme.jp/13/297/1638/1916

けれども、日々の管理は形骸化との闘いです。
それを防ぐためには、正しいアルコールの知識を伝え、日頃の飲酒習慣の見
直しを促す人材が、社内に必要です。


☆飲酒運転防止インストラクター養成講座
 http://c.bme.jp/13/297/1639/1916


3)今月も公務員による飲酒運転が多発

公務員ゆえに報道されるということはあるのでしょうが、それにしても……。
年齢も20代から50代までさまざまです。

●高校講師(28)追突事故 佐賀(8月14日 佐賀新聞)
7月13日午前1時頃、酒気帯び運転で、交差点で信号停止しようとしたタクシー
に追突。

●機動隊員(22)居眠り 千葉(8月13日 千葉日報)
7月16日午前3時45分頃、青信号でも発信しない車を不審に思った目撃者から
110通報があり、職務質問したところ車内で寝ていた男性巡査を発見、酒気帯
びが発覚。

●市職員(40)物損事故 岐阜(8月10日 毎日新聞)
8月6日午前0時頃、酒気帯び運転で、電柱に衝突する物損事故を起こす。市内
の飲食店でビールを4~5杯飲んだ。「タクシーか代行運転で帰ろうと思って
いたが、車に戻ってそのまま運転してしまった」と上司に報告。

●村職員(36)検問 青森(7月28日 毎日新聞)
7月16日午前2時50分頃、検問で酒気帯び運転が発覚し現行犯逮捕。27日に懲戒
免職処分に。

●技師(53)当て逃げ 広島(7月15日 産経新聞)
7月15日午前7時20分頃、酒気帯び運転で、車2台と衝突し逃走。道路脇の雑木
林に転落して停車。


4)酒気帯び→物損事故→引きずり→ごまかすために重ね飲み

7月22日夜、福岡市で、店の看板に車がぶつかるのを見た従業員が、車を停止
させようとしたところ、そのまま走り出してけがを負う事件がありました。
車を運転していた47歳の男性は、警察が現場に到着するまでの間に、焼酎を
飲み、飲酒運転の発覚を逃れようとしました。

◎アルコールの影響発覚を免れようと事故直後に飲酒 男を容疑で逮捕 
 (7月28日 西日本新聞)

飲酒運転の発覚を免れるためのひき逃げや重ね飲みなど「逃げ得」を生じさ
せないために、2013年に「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱」が新
設されました。
12年以下の懲役。道路交通法の「救護義務違反」との併合罪だと、18年以下
の懲役となります。

いまどき、「事故の後に飲んだ」は通用しません!


☆自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
 http://c.bme.jp/13/297/1640/1916


5)夫の飲酒運転を止めようとして

8月1日午後11時半過ぎ、岐阜県大垣市の路上で、「女性が倒れている」と
いう通報が、近くに住む人からありました。
倒れていたのは41歳の女性。夫が酒を飲んだあと車で外出しようとしたため、
やめさせようと、2歳の息子を抱いて道路に横たわったところ、夫が運転する
車にひかれたというのです。
妻は腰に軽いけがをし、息子は無事でした。

◎飲酒運転制止の妻を車でひいた疑い 夫を逮捕(8月2日 NHK)

警察は、車のそばに立っていた、設備業の夫(38)を殺人未遂の疑いで逮捕。
かなり酒に酔った状態で「何も覚えていない」と供述しているとのことです。

幼児を抱いて体を張った妻は、よほど追い詰められていたのでしょう。
飲酒運転の常習者はアルコール依存症であることも多く、家族の悩みは深刻
です。
2006年に、福島でも同様の事件が起きています。

◎「酔って車で外出」の夫、止める妻はね死なす…福島
 (2006年11月24日 読売新聞)

悩んでいる家族が相談できる場所が必要です。
精神保健福祉センターや保健所は、「アルコール相談」の広報をもっとして
ほしいと思います。


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   4.山さんコラム No.121
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆山さんのビールが奪われた!?

7月中旬、蒸暑い東京を脱出し、フィンランドへ行った。
日の入り22時過ぎ、日の出が4時過ぎと夜が短い土地である。お日様が沈んで
から酒を飲むという良き習慣が崩れるのではないか、と心配しながら旅立っ
た。

フィンランド航空で、雨のヘルシンキへ到着。タクシーでホテルへ。こうい
う贅沢はめったにしないのだが、妻が、肩が痛むというので利用した。
車窓から見えるフィンランドの初風景。針葉樹と白樺、それに滑らかな巨岩
が雨に煙る。幸いホテル到着時には、雨がやむ。ヤッパリ、山さんは晴れ男。
ちなみにタクシー運賃は40ユーロ。バス2人分の倍とみればよい。
ヘルシンキの宵。ホテル周辺からトラムの走る石畳の大通りを散策。歩道と
車道を赤御影石で区切ってあるのにビックリ。よほど御影石に不自由しない
のだろう。

翌日は、ヘルシンキ港入り口のスオメンリンナ島へ。港を守る要塞跡(現在
は公園)がある。島は、氷河でけずられた岩を樹木や芝生が覆い、一部岩が
露出し、ところどころに教会、旧軍事施設(現在博物館)などが点在する。
島の南端には10ヵ所以上の砲台跡。大口径の大砲が圧巻だ。青い空の下、波
静かな海が広がる。砲台のまわりは小さなマーガレットが咲き乱れ、海風が
気持よい。

夕食は、駅近くのフィンランド料理店へ行く。明るく現代風の店だ。前菜は、
ニシンの酢漬とタラの燻製を美しく盛り合わせた一皿。当然、白ワイン。
メインは、山さんがすずきの塩焼きバタークリーム、妻がここの名物、肉
ボール。で、赤ワインをグラスで一杯ずつ頼む。白・赤1杯ずつだから本来
なら100ml×2杯でアルコールは1単位のはずだが、なんと1杯が160mlあった。
あわせて1.5単位をこえることになる。
初め、グラスの量を多くしているのは、酒に強い人たちだからと考えた。
しかし、旅行中に考えが変わった。
どのレストランでも、ほとんどの人は前菜なしでメインのみだ。メインの一皿
には野菜がたっぷり添えられていて、前菜を必要としない。このメインにあ
わせ、1杯のワインで十分なのである。
ただ、量が100mlではボリュームのある料理に不足。それで多めになっている
のだろう。1杯で終わらせれば、1単位以内。合理的だ。

フィンランド古都、トウルク。古城から大聖堂まで4キロ、ヨットを係留して
いる河岸を歩く。途中、船上カフェに寄り、ハーブ茶とケーキを食べた。
岸辺のテラスはビールを飲む人たちでいっぱいだが、歩くのにビールは厳禁。
駅への帰り道、町中央のデパートで、ベルギー麦を使ったリトアニア産の
ビールとピーナッツを買い、列車で飲むことにした。発車40分前、駅に着く。
帰りの列車はホームに入っている。座席につき、ビールを飲む。軽く、さわ
やかなバルト海の空を思わせる味だ……。
そこへ巡回してきた車内販売の女性が、飲みかけのビール缶をつかみ、早口
に何か言って、さっさと立ち去った。
山さん、アッケにとられた。
早く飲んでおけばよかったと悔やむ。続いて、列車内でビールを飲むのが禁止
なら、検札に来た車掌が黙っているはずはないのにと思う。
最後に思い至った。
飲酒の取り締まりは車掌の仕事ではなく、たぶん、この国では酒類提供者の
義務なのだ。

ちょっと説明しておこう。
10年くらい前に、ノルウェーのベルゲンでビールを買った際、酒販店の店員
が親切にも「ホテルの部屋で飲むこと。公園や海岸で飲むと、罰金をとられ
ます」と注意してくれた。あとから、違法飲酒を注意することが販売者に義務
づけられていると知った。
同じ北欧の福祉国家フィンランドも、許可された店舗や場所以外での飲酒は
禁止されている。考えてみれば列車内も、食堂車のみ許可されているのだろ
う。実際、駅の売店に酒類は売っていない。
今回、ビールを買ったのはデパートの食品売り場の共通レジ。これが盲点で、
飲む場所についての注意がなかったのだろう。

販売者こそが、違法な飲酒を水際で注意し防止できる。
違反者を警察が取り締まるのでなく、まずは酒を多く売りたい販売者が規制
の順守を徹底せよ、という社会の考え方が立派だ。それに応え、積極的に
実践する販売者の使命感もうらやましい。

一方、日本ではスーパーやコンビニ、量販店と、小売酒類販売の免許はほぼ
自由化された。飲食店はもともと免許なしで酒類を提供でき、「飲み放題」
が横行している。
海外から見ると、日本の飲酒問題対策は「貧しい」。
山さんの心も貧しい。未だ列車内で酒やビールを飲んでしまうのだから、飲
んではいけない人への配慮を欠く「心の貧しさ」から抜け出ていない。

真の豊かさとは、弱者を思いやり、行動できる余裕があること。
豊かな国とは、国民の多数がそうできる国である。
自由に、気ままに、いつでも、どこでも飲める自由は、弱者を配慮しない強者
の論理。弱者を思いやれぬ日本は、なんと貧しい国だろう。

そんなことを思いながら、帰国して数日後。
世の中の役に立たぬ重度障害者を刺殺するのが世のため、という、「心の貧
しさ」を象徴するような事件が発生した。


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  5.ASKの活動ご紹介
===================================================

特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

これまでに行なってきた活動は……

・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
・NASVAの運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
 教育プログラムを実施
・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
 日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
・アメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
 内閣府主催シンポジウムで報告
・国土交通省主催のシンポジウムで発表
・オーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で海外視察報告
・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
・警察庁主催シンポジウムで報告
・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで報告
・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
・厚生労働省シンポジウムで報告
・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
・ASKリバーシブル予防パンフを製作
・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化について
 の要望書」を提出
・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
・自動車工業会のシンポジウムで、飲酒運転防止インストラクター養成講座
 について報告
・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~2016.10)
 教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ座長を務める(2015.3~8)
・アルコールの1単位カード、啓発用バナーやパネルを製作(2015.9)

↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html


=================編集後記 *つぶやき*=================
 
地球の反対側で開催のリオ五輪。
連日の観戦で、寝不足ぎみです。

さて、通算28個のメダルを獲得した競泳のフェルプス選手について、以下の
インタビュー記事を読んで、驚きました。
なんと、2年前の飲酒運転逮捕後、アルコール依存症の治療を経て、リオに
臨んでいたのです!

◎荒れた生活から復活した水の怪物
 フェルプスが乗り越えた苦難の年月(8月10日 Number Web)
 http://c.bme.jp/13/297/1641/1916

北京五輪で史上初の8冠を達成、一度引退宣言し競技を離れたフェルプスは、
ロンドン五輪に出たものの不完全燃焼でした。
努力しなかった自分を恥じ、飲酒、カジノ通いなど荒れた生活を送ります。
2014年には飲酒運転で逮捕。アルコール依存を治療する施設に入り、そこで
受けたセラピーで、これまでの荒れた生活の原因の1つが幼い頃に別れた父親
との確執にあることに気づきます。
セラピー後、父親と再会。今年5月には息子が生まれました。
今大会、フェルプスは、チームメイト達の投票によって、水泳チームのキャ
プテン、開会式の旗手にも選ばれました。
リオのフェルプスは、回復の中で人間的に成長し、仲間の信頼を勝ち得た彼
だったのですね。
回復を応援するアメリカ社会も、いいなあと思いました。

さあ、9月7日~18日は、いよいよパラリンピックです。
車いすマラソンに、福岡の山本浩之選手が出場します。
息子の寛太さんを飲酒運転の車に奪われ、ご夫婦で啓発活動をしており、
山本選手はステッカーを車いすに貼って、走ります。
応援よろしくお願いします。

◎寛大メダル取るよ リオ車いすマラソン父浩之さん出場 
 「撲滅ステッカー」と共に(7月9日 西日本新聞)
 http://c.bme.jp/13/297/1642/1916


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 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

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