職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

114号2015

★__________________________
 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  114号 15.11.17
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.112
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


       ~アルコール関連問題啓発週間~
        全国のイベントまだ続きます

     http://c.bme.jp/13/297/1074/1916


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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ◆誰でも参加できる無料公開スクーリング

 アルコール関連問題啓発週間に合わせて行なっている無料公開スクーリング、
 残り2ヵ所となりました。
 養成講座を受講していなくても午前中のみ参加できます。
 お申込み用紙(PDF)はこちらから。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1075/1916

 11/24 新宿区 東京都トラック会館大会議室
 12/03 那覇市 沖縄県警察本部

 プログラム――
 1.これだけは知っておこう! アルコール健康障害対策基本法
 2.飲酒運転防止に必要なアルコールの基礎知識
   ――飲酒運転防止インストラクターの役割とは?
 3.【スクーリング講座1】 アルコールの「1単位」と体質
  (アルコールと体質/体質ごとの注意点/アルコールの1単位と処理時間/
   3単位飲酒のリスク/酒気帯びのケーススタディ/健康日本21)

 参加者のアンケートからご紹介します。

 ・質問もさせていただきよく理解できました。企業の方の取り組みがわかりま
  した。

 ・死亡率との関係や健康日本21のことを知ることができ、またその説明の仕方
  までわかったのでよかった。

 ・みなさんの質問で学ぶことが多くありました。

 ・肝臓での処理が思っていたよりも長時間かかることを知ってよかった。

 ・これまでも飲酒直後の運転については啓発を行なっているが、リスクの少な
  い飲酒量や分解にかかる時間についての重要性も理解することができました。

 
 ◆実践報告シートにワクワク

 スクーリングを終えた受講者から、実践報告シートが続々と届いています。
 今期の認定者は約30名に。

 提出された報告書や、添付の写真を見ると、会議室、研修室だけでなく、応接
 室、乗務員の休憩室など、さまざまな場所で飲酒運転防止の活動が広がってい
 るようすが伝わってきて、ワクワクします。

 報告書の一部をご紹介します。

 ・普段から運行管理者として乗務員に接していない本社の事務員に、改めて、
  アルコールの含有と単位数、分解時間を知ってもらえてよかったです。
  法律穴埋めクイズは実際の量刑に驚きを覚える参加者もいました。
  また、スクーリングで先生や皆さんからいただいた節酒のための工夫は
  今回のグループ討議で盛り上がりました。(バス)

 ・そんなに飲んでいないと思っていても、ダラダラと飲んでいると3単位くら
  いは簡単に飲んでしまうが、肝臓の分解能力には限界があること、また眠り
  の質が悪くなり、翌日の業務に差支えがあることを理解させることができた。
  (行政)

 ・アルコールの種類と単位について理解してもらえたし、参加者にも関係する
  法律は興味深く聞いてもらえた。また、普段の生活状況を思い起こさせるこ
  とで参加者の飲酒習慣の振り返りができた。(トラック)

 ・漠然と「飲酒してはダメ」とか「飲みすぎるな」という言い方ではなく、
  「単位」という数値で教えることにより、相手が理解しやすかったようだ。
  (バス)

 ・飲酒運転を切り口に開催したので協力的だった。健康のためという話では
  実施できなかったと思う。(企業)


 「ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座」についてはこちらをどうぞ。
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1076/1916


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  2.ASKからのお知らせ
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 ●内閣府のラジオ番組 なるほど!!ニッポン情報局
 「知っていますか?アルコール依存症」

 ASK代表の今成が出演しました。

 放送はもう終わりましたが、こちらで録音を聴けます。18分47秒
 http://c.bme.jp/13/297/1077/1916

 アルコール関連問題啓発週間――
 全国で実施の、官民さまざまな啓発イベントの一覧サイトはこちら。
 まだイベントは続きます!
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1078/1916


 ●「アルコールの1単位カード」を減酒指導に活用!

 沖縄協同病院の精神科医、小松知己先生にお話を伺いました。
 先生は「アルコールの1単位カード」を購入され、診察室で患者さんやご家族
 の方への減酒指導に活用されているとのこと。

 ――反応はいかがですか?
 「あ! これはいいですね!」と言ってくれる方が結構多いです。
 カードのサイズや厚みが絶妙なので、お財布や名刺入れなどに入れて手軽に持
 ち運べるのがいいようです。

 ――飲酒運転防止にも活用されているとか?

 10月に行なわれた「飲酒運転根絶県民大会」のブースで配布しました。
 「ほう!」と足を止めて感心しながら、複数枚持っていく方がいました。
 文字の大きさや情報量がちょうどよくて、ちょっとしたタイミングで啓発活動
 を行なうことができるので、便利なんですよね。

 ――次々アイデアがわいてきそう。

 今計画しているのは、県精神保健福祉協会が年1回発行する雑誌に1枚ずつ挟み
 込んで、精神科病院協会加盟病院・精神科クリニックや県下の保健所など関係
 機関に配布すること!

 ――さまざまな場でご活用いただいて、うれしいです。
   企画した甲斐がありました。


 ★アルコールの1単位カード 
 すべての人に、せめてこの目安だけは知ってほしい!
 「アルコールの1単位」がイラストで表示された名刺サイズのカードです。
  ↓ ↓ ↓  
  http://c.bme.jp/13/297/1079/1916

 ★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

 ●DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
  定番中の定番。これを知らないと飲酒運転は防げません!
  http://c.bme.jp/13/297/1080/1916

 ●トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  マンガで予防知識を!
  http://c.bme.jp/13/297/1081/1916
 
 ●トイレットペーパー「危険ドラッグにNO!」
  薬物乱用防止について伝えたい6つのこと!
  http://c.bme.jp/13/297/1082/1916

 ●ASKリバーシブル予防パンフ
  知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
  http://c.bme.jp/13/297/1083/1916

 ●ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
  http://c.bme.jp/13/297/1084/1916

 ●飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
  「15分で学べる必須のアルコール知識」
  ※カスタマイズ版がANAに採用されています
  http://c.bme.jp/13/297/1085/1916 

 ●ASKアルコール通信講座
  依存症への対応が学べます
  http://c.bme.jp/13/297/1086/1916


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  3.ニュースCLIP!
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 アルコール関連問題啓発ポスター、配送が遅れたようで、ちらほらと、
 各地のコンビニやスーパー、酒販店にポスターが貼られ始めました。
 警察、保健所、小学校・中学校・高校・大学にも送られています。

 目にしたら、ぜひ写真を撮って右記にお送りください。ask-ddd@a-h-c.jp
 どんな場所かわかるように撮って、店の名前なども書いていただけると
 助かります。
 
 さて、このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
 のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1087/1916

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 1)悲惨な事故が起きた砂川市で、警官が!
 2)0.39mg/lで無罪???
 3)アルコール依存症の疑い
 4)発覚を恐れてのひき逃げ・当て逃げ
 5)北海道の動きに注目!

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 1)悲惨な事故が起きた砂川市で、警官が!

 6月に悲惨な飲酒運転事故が起きた北海道の砂川で、11月1日、50代の男性巡査
 部長が二日酔いの状態で乗用車を運転して出勤し、道交法違反(酒気帯び運転)
 の疑いで取り調べを受けていることがわかりました。

 ◎砂川署員、酒気帯び運転認める 容疑で書類送検へ 未明まで飲酒
 (11月10日 北海道新聞)

 巡査部長は、10月31日午後6時頃から同僚署員ら数人と居酒屋で飲酒、さらに
 その後、砂川市内の道警宿舎に移り、1日午前2時近くまでウイスキーなどを
 飲んだといいます。
 翌朝、出勤時間になっても姿を見せず、職場からの連絡を受けて、午前9時半
 頃にマイカーで出勤しました。その際、同僚が酒臭いことに気づき、呼気検
 査で基準値を上回るアルコールが検出されました。

 アルコールの分解には時間がかかります。
 飲んだ量によっては、翌日までしっかり残ります。
 翌日が勤務で、しかもマイカー出勤するのに、外で飲んだうえ、帰宅後に深夜
 まで飲むのは、警察官としてあまりにもアルコールの認識がなさすぎます。

 砂川市では、市議会が「飲酒運転等の交通死亡事故を撲滅する決議」を全会一
 致で可決してすぐ、市議が飲酒運転で検挙。これを受けて、10月15日、市議会
 が飲酒運転撲滅条例を議員提案で制定すると発表したばかりでした。

 アルコールの基礎知識を広めることも、対策に加えていただきたいです。


 ★アルコールの1単位カード 
 上記の「アルコールの1単位」がイラストで表示された名刺サイズのカード。
 すべての人に、せめてこの目安だけは知ってほしいです。
  ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/1088/1916

 ★DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
  定番中の定番。社内研修に!
  ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/1089/1916


 2)0.39mg/lで無罪???

 11月5日、前夜に飲酒し酒気帯び運転をしたとして道路交通法違反(酒気帯び
 運転)の罪に問われた沖縄県内の20代男性に、那覇地裁が無罪判決を言い渡し
 ました。

 ◎飲酒は前夜、酒気帯び運転に無罪判決 地裁が故意認めず
 (11月10日 朝日新聞)
 ◎無罪判決:飲酒運転の男性 那覇地裁「故意と認めず」
 (11月10日 毎日新聞)
 
 事実関係はこうです。
 ・昨年10月、午後7~10時に友人宅で缶ビール4本と泡盛の水割り1杯を飲んだ。
 ・翌日の午前9時20分頃、軽自動車を運転中に追突事故を起こし、呼気0.39mg/l
  (基準値の2.6倍)のアルコールが検出された。
 ・飲酒から事故発生までに11時間半が経過し、睡眠も約6時間とっていた。

 酒気帯び運転は「故意」でなければ罪に問われないため、裁判では「酒気帯び
 の認識が本人にあったかどうか」が争われました。

 結局、裁判官は「アルコールが残っているとは思わなかった」との被告の主張
 を受け入れ、「酒気帯びの認識があったとする事実は乏しい」と判断。

 ですが、事故後の呼気濃度は、0.39mg/lだったのです。
 この濃度でアルコールが残っている感覚がないとしたら、アルコールに対して
 かなりの耐性ができている証拠、もしかしたらアルコール依存症の兆候がある
 ということなのではありませんか?

 そもそも裁判官には、「一晩寝ればアルコールは抜ける」という重大な認識不
 足があるようです。
 これをベースに判断したら、前夜の飲みすぎが原因の翌日の飲酒運転の多くが
 罪に問われないことになってしまいます。
 それでは、飲酒運転防止などできません。

 那覇地検は控訴するかどうか「検討中」とのこと。
 ぜひ、控訴していただきたい。
 そして――

 ・11時間経過しようが、飲んだ量が多ければアルコールは残る
 ・睡眠中はアルコールの分解が遅れる

 飲酒運転をなくすために、この事実をもっと広めていきましょう。
 

 3)アルコール依存症の疑い

 これらのケース、アルコール依存症がかなり進行している状況と思われます。

 ●会社員(42)北海道<酒気帯びで逮捕→釈放の日にまた酒気帯びで追突>
 (10月18日 読売新聞)
 10月18日、酒気帯び運転で現行犯逮捕。前日の17日にも酒気帯び運転容疑で
 現行犯逮捕され、18日に釈放されたばかりだった。

 ●県職員(30)群馬<病休中→飲酒し産業医の面談→帰路に酒気帯びで追突>
 (10月29日 読売新聞)
 10月28日、酒気帯び運転で罰金刑を受けた職員が懲戒免職処分になった。
 9月30日午前11時から自宅で、缶酎ハイ2本と焼酎のスポーツドリンク割りを
 コップ3杯飲み、産業医の面談(7月下旬から病休中だったため)を受けるため
 自宅から県庁に向かった。その帰路、午後4時35分頃、交差点で信号待ちをし
 ていた乗用車に追突し、酒気帯びが発覚した。「県庁へ行くのに不安があった
 ため飲酒した」と供述。

 2つ目のケース、産業医は、面談で酒臭に気づかなかったのでしょうか?

 ASKで、各地の断酒会にかつて飲んでいた頃の運転状況についてアンケー
 トを依頼したことがあります。
 その中に、依存症者の飲酒運転を端的に表わす言葉がありました。

 「飲酒運転をしようと思って飲んだことは一度もない。
  まず先に酒ありきで、結果的に飲酒運転になってしまった」

 依存症の場合、治療が必要です。


 ★<断酒会アンケート>アルコール依存症と飲酒運転
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1090/1916


 4)発覚を恐れてのひき逃げ・当て逃げ

 先月も紹介しましたが、ひき逃げや重ね飲みによる「逃げ得」を生じさせない
 よう、2013年、自動車運転処罰法に「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免
 脱」(12年以下の懲役)という罪が新設されました。

 しかし未だに、罪を逃れようとする悪質なケースが後を絶ちません。
 酔った頭で、とっさに最悪の判断をしてしまうのでしょうか。

 ●当て逃げ/浜松市職員(41)静岡(10月19日 中日新聞)
 10月10日夜、乗用車を運転中、信号待ちをしていた軽乗用車に追突、そのまま
 逃げた。当初「気が動転して立ち去った」と言っていたが、のちに「飲酒の発
 覚が怖くて逃げた」と供述。

 ●ひき逃げ/自称運転手(43)千葉(10月26日 NHK)
 10月26日午前0時半すぎ、車で女性をはねて死亡させ、そのまま走り去ったとし
 て逮捕。「気が動転し、すぐに車を止めることができず、Uターンする場所を
 探していた」と、供述。

 ●事故後に飲酒/居酒屋チェーン店社員(32)愛知(10月30日 中日新聞)
 10月29日午前1時20分頃、信号待ちのタクシーに追突して逃走。約15分後に現場
 に未開封の缶酎ハイをもって戻り、事故現場で飲酒し、飲酒運転をしていた。
 自動車運転処罰法違反(発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕
 された。

 ●ひき逃げ/アルバイト店員(25)大阪(10月31日 産経新聞)
 10月31日午前10時20分頃、ワゴン車を運転中に、自転車に乗って通行していた
 男性をはね、死亡させた。そのまま逃走しようとしたが、前方のトラックが事
 故に気づき、急停車して進路を塞いだ。「朝まで酒を飲んでおり、怖くなって
 逃げた」と供述。

 ●当て逃げ/新聞社社員女性(39)秋田(11月5日 日本テレビ)
 11月3日午前3時頃、軽乗用車でコンビニに立ち寄った際、駐車場に止まってい
 た車に接触、そのまま逃走した。2日の午後8時頃から午前1時頃まで友人と酒
 を飲み、自分の車で2時間ほど休憩した後、車で帰宅する途中だった。

 ●当て逃げ/自営業(28)埼玉(11月16日 埼玉新聞)
 11月14日午後6時20分頃、赤信号で停止していた乗用車に追突し、約1.2キロ
 逃走。追突された男性が追跡し110番した。呼気0.2mg/lのアルコールが検出。
 都内で開かれた結婚式で酒を飲んで、帰宅する途中だったという。


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   4.山さんコラム No.112
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆本物を教えてくれた人

 山さんが長年の多量飲酒を脱し「節度ある適度な飲酒」ができるのは、多くの
 方々の「お蔭」である。
 アルコールの専門家、産業医、研究者の方々。
 それに飲酒がらみの事故や不祥事を起こした人々も、反面教師として、大事な
 恩人である。
 他にも大切な恩人がいる。それは、本物の酒、ウイスキー、ワインとは、いか
 なるもので、どういう付き合い方が良いかを教えてくれた人たちだ。
 今回はその3人のことを振り返ってみたい。「山さんの酒人生」通算10回目と
 なる。

 本当の日本酒を教えてくれた人は、山さんより25歳も年上の大先輩。
 能登出身の、魚とそばが大好きな、食通だった。
 日本酒には、原材料の構成に違いがあることや、普通の醸造法のほか低温発酵
 の吟醸作りなど醸造法の違いについても教わった。
 「本当の日本酒は、米、麹、それに良い水だけで作られる」
 大衆酒場で飲む普通の酒はアルコールが添加され、さらに醸造用糖類が添加さ
 れて味が調整されている。純米酒にくらべて3倍に増やした酒もある。「味は、
 似せてあるものの、ただ酔う目的の酒だ、日本酒を冒涜した酒」と先輩は手厳
 しく批判した。
 だが、当時は20代前半だった山さんは、添加した酒は値段を安くする知恵で、
 ある程度、味がよければ、それもあり、と考えた。先輩の嫁さんは酒造家の娘
 だし、本人はいいとこのお坊ちゃん、ちょっと貴族好みとの反発も感じていた。
 今、節酒を続けてみると、良い酒をうまい料理とともにじっくり味わうには、
 先輩から教わった知識が欠かせないと痛感する。先輩は、もつ焼きでも、ウナ
 ギのかぶとでも、本当においしい店へ連れて行ってくれた。本物の酒、本物の
 つまみ、本物の肴、それと、フトコロとの兼ね合い、本当に大切なことを教え
 てくれた。本物を味わえば多量は必要としない。

 ウイスキーは、義父の影響が大きい。
 結婚前に、初めて家へ食事に招かれた際は、ジョニーウォーカーの赤ラベル。
 昭和32年にロンドンで買ったものを、開封してくれた。昭和48年のことだ。
 その当時はジョニーウォーカーの黒ラベルが最高級で、海外土産といえばジョ
 ニ黒と人気が高かった。
 義父は、人気がでてジョニ黒の味は大分堕落したと批判し、「どうだ、昔は、
 赤だけだったが、こんなにうまいぞ」と、一口飲んだあと自慢した。
 さらに「良いウイスキーは水で割ってガブガブやるものではない。大事に味、
 香りを楽しむものだ」と語った。そして、いとおしそうに飲んだ。
 トリスバーでハイボールを飲むのがウイスキーと思っていた山さん、本物に触
 れて愕然とした。全く違う。確かに香りが高く、味はまろやかだ。
 でも、デパートの値段を見て驚愕。現地値段と日本での値段の差がひどく大き
 い。飲むのが嫌になった。それでも良いウイスキーは、大切に、チビチビ飲む
 ものだというのは、頭にしっかり染み付いた。
 今、節度ある適度な飲酒1単位、「ウイスキーならダブル1杯」と教える時、
 心の底から確信をもって告げられるのは、本物を教えてもらっているからだ。

 ワインの先生は、旧国鉄時代にパリ事務所へ勤務した先輩だ。
 「ボジョレヌーボーなぞ高い金を出して飲むな」の一言が山さんには効いた。
 その先輩いわく
 「ヌーボーは、新酒のフレッシュ感を楽しむ安い酒。日本では高すぎる。あの
 値段を出すなら、もっとうまいワインがたくさんある。自分の舌でよく味わっ
 て探すべきだ」
 「レストランでは、ウエイターがお客の飲み方をみながら注ぐもの。ワインの
 注ぎあいなど言語道断」
 「ワインは料理を引き立て、会話をはずませるもの。酔うものではない」
 1杯のワインをゆっくり飲みながら、いやみにならない程度でうんちくを語る。
 ディナーでも白・赤1杯づつの「1単位」で十分楽しめることに納得だ。

 3人の達人に共通するのは、酒類の知識が深く、強く愛しており、がぶ飲みを
 せず、酒を味わっていたことだ。それに、酔っ払いをきらった。酒類の個性、
 違いや特徴を語り、楽しそうに、うれしそうに、おいしそうに飲んだ。

 酒類1単位が「節度ある適度な飲酒」であると、今、自信をもって提唱できる
 のは、「本物の酒の味」を教えてくれた達人たちのお蔭である。


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  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
 コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
 法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
 ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
 見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
 2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
 族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
 飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
  教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
  内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
 ・ASKリバーシブル予防パンフを製作
 ・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化についての
  要望書」を提出
 ・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
 ・自動車工業会のシンポジウムで、今成が飲酒運転防止インストラクター
  養成講座について報告
 ・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
 ・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~)
  教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ座長(2015.3~8)
 ・アルコールの1単位カード、啓発用バナーやパネルを製作(2015.9)

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/1091/1916


=====================編集後記 *つぶやき*========================

 2年目の「アルコール関連問題啓発週間」。
 各地でイベントが開催されています。
 中でも異色だったのは、東中野のポレポレ坐で行なわれた「アルコールの夜」。
 内閣府主催、アルコール依存症の当事者で詩人の月乃光司さんがプロデュー
 スした啓発トークショーです。
 お父様がアルコール依存症だった女優の東ちづるさんも友情出演。
 精神科医の香山リカさん、ジャーナリストで青森大学副学長の見城美枝子さん、
 漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんも出演。

 日曜の大河ドラマ直後のNHKニュースでも取り上げられました。
 近いうちに、YoutubeにUPされるようなので、またお知らせします。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】114号 15.11.17
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 =================== このメールマガジンは ====================
  特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
  設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
  ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
  録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
 ===========================================================
プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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