職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

112号2015

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  112号 15.9.17
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.特別投稿 アルコール・インターロック No.4
    5.山さんコラム No.110
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *つぶやき*

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     ん? 「アルコールの1単位カード」ってなに?
     http://c.bme.jp/13/297/977/1916 


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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ◆怒涛のスクーリング開始!
 
 秋です。講師・山さんの全国行脚がスタートです。
 今月から12月まで、全国各地でスクーリングを実施します。

 【スクーリング】
 スクーリングでは、DVDの視聴や焼酎党の実験、グループワークなど様々な
 プログラムで、丸1日かけて飲酒運転防止研修のやり方を学びます。
 9・10月の日程は以下です(12月まで続きます)。 

 9/10東京、9/11府中、9/25三島、9/29横浜
 10/1大宮、10/7仙台、10/8福島、10/14神戸、10/15神戸、10/20博多、
 10/28大阪、10/30広島

 【誰でも参加できる無料公開スクーリング】

 アルコール関連問題啓発週間に合わせ、「スクーリング」の一部を、無料で
 一般公開します。養成講座を受講していなくても午前中のみ参加できます。
 開催日の10日前までにFAXでお申し込みください。
 お申込み用紙(PDF)はこちらから。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/978/1916

 10/07 仙台市  仙都会館
 10/14 神戸市  神戸国際会館セミナーハウス
 10/20 福岡市  福岡交通センター
 10/28 大阪市  エル・おおさか
 10/30 広島市  RCC文化センター
 11/06 札幌市  北農健保会館
 11/13 岡山市  第一セントラルビル1号館
 11/17 名古屋市 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
 11/24 新宿区  東京都トラック会館大会議室
 12/03 那覇市  沖縄県警察本部

 プログラム――
 1.これだけは知っておこう! アルコール健康障害対策基本法
 2.飲酒運転防止に必要なアルコールの基礎知識
   ―飲酒運転防止インストラクターの役割とは?
 3.【スクーリング講座1】 アルコールの「1単位」と体質
  (アルコールと体質/体質ごとの注意点/アルコールの1単位と処理時間/
   3単位飲酒のリスク/酒気帯びのケーススタディ/健康日本21)

 【スキルアップ研修】
 継続的な研修の機会がほしいとの要望に応えて、認定インストラクターを
 対象にしたスキルアップ研修を実施します。

 プログラム――
 ●あなたの知識は大丈夫?
    ~検知器/自転車/基本法/0・1・2・3~
  ◇「自転車」に要注意 取り締まりと罰則が強化!
  ◇社会のニーズを受け、「アルコール検知器協議会」が発足
  ◇新入社員の教育に使いたい 警察庁の驚きのデータ! 
  ◇アルコール健康障害対策基本法……最新の動きは?
  ◇わかりやすい啓発標語「0・1・2・3」とは?
    New「アルコールの1単位カード」
  ◇グループワーク
    ・アルコール検知器にかからない工夫
    ・正しいアルコール検知器の使い方
    ・アルコール検知器にかかった人への対処法
    ・新たな「ケーススタディ集」(10 ケース)

 9・10月の日程は以下です(12月まで続きます)。
 9/9東京、9/24三島、9/30大宮、10/6仙台、10/13神戸、10/19博多、10/27大阪
 10/29広島

すでにインストラクターに認定されている方の中で、スキルアップ研修に
 まだ申し込んでいない方は、急いでASKまでご連絡ください。
 受講可能な会場をご案内いたします。電話03-3249-2551


 ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座についてはこちらをどうぞ。
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/979/1916


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  2.ASKからのお知らせ
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 ●第8回アルコール健康障害関係者会議、傍聴受付中です!

 9月25日(金)13:00~16:00

 3つのワーキンググループでの話し合いの結果をもとに、基本計画にまとめ
 ていくプロセスに入ります。

 申し込みは内閣府のサイトから
 http://c.bme.jp/13/297/980/1916


 ●名刺サイズの1単位カード――アルコールの正しい知識を広めてください!

 新しい予防グッズを開発しました。
 ズバリ「アルコールの1単位」カード。
 カードの表には、一目でわかる酒類ごとの1単位と、分解時間の目安。
 裏には、0・1・2・3の飲酒のリスクとガイドラインを記載。

 名刺サイズなので、名刺入れやお財布に入れて携帯できます。
 会った方々に差し上げれば、周囲にアルコールの正しい知識を広げるミニ活動
 になります!
 社員啓発グッズ、イベントやキャンペーンでの配布物としても、ぜひご活用く
 ださい!

 ★アルコールの1単位カード
  すべての人にせめてこれだけは知ってほしい!
   ↓ ↓ ↓  
  http://c.bme.jp/13/297/981/1916


 ●パッチテストを、飲酒習慣を見直すきっかけに!

 ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」を購入された
 製造会社の担当者の方にお話を伺いました。

 ――購入のきっかけを教えてください。
 車の運転にかかわる社員20名ほどを対象に行っている、安全運転講習の際に
 使おうと思い購入しました。

 ――使ってみての感想を教えてください。
 腕に貼って結果が出るまでの間、パンフレットを読んで「俺は飲めない族っ
 てことはないだろう」とか「もしかしたら、危ない族かも」など話が盛り上
 がっていました。
 結果が出たあとは、「ホントは危ない族」だった社員が、「そうか、飲める
 からいいってもんじゃないんだな…少し気をつけよう」と言っていたのが
 印象的でした。
 体質だけでなく、アルコールの知識を学べるのがよかったと思います。
 飲酒習慣を自分で見直すきっかけになりそうです。

 ASKでは、体質判定をして終わりでなく、その結果をどう予防に活かすか
 が大切と考えています。
 そのため、ジェルパッチとセットの「手渡しパンフ」に、体質別アドバイス
 や、アルコールの1単位と分解時間などをイラスト入りで解説しています。

 ★ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
  ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/982/1916


 ★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

 ●DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
  定番中の定番。これを知らないと飲酒運転は防げません!
  http://c.bme.jp/13/297/983/1916

 ●アルコールの1単位カード
  すべての人にこれだけは知ってほしい!
  http://c.bme.jp/13/297/984/1916

 ●トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  マンガで予防知識を!
  http://c.bme.jp/13/297/985/1916
 
 ●トイレットペーパー「危険ドラッグにNO!」
  薬物乱用防止について伝えたい6つのこと!
   http://c.bme.jp/13/297/986/1916

 ●ASKリバーシブル予防パンフ
  知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
  http://c.bme.jp/13/297/987/1916

 ●飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
  「15分で学べる必須のアルコール知識」
  ※カスタマイズ版がANAに採用されています
  http://c.bme.jp/13/297/988/1916

 ●ASKアルコール通信講座
  依存症への対応が学べます
  http://c.bme.jp/13/297/989/1916


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  3.ニュースCLIP!
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 この1ヵ月に、台風、豪雨、洪水、土砂災害、噴火と、災害が次々日本列島
 を襲いました。 
 被災された方々は突然の事態に、呆然とされていることと思います。
 心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
 
 このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも、日々、ニュース
 のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/990/1916

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 1)葉山の暴走は酒気帯びの疑い
 2)若者による無免許、逃走、否認、嘘の通報
 3)海上自衛隊の艦長が自転車で
 4)女性たちが各地で
 5)だから、飲みすぎなんです!

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 1)葉山の暴走は酒気帯びの疑い

 8月23日午後5時頃、神奈川県葉山町で、海水浴帰りの男女12人が路側帯を
 1列で歩いていたところに、後方から車が突っ込み、1人が死亡、2人が重傷
 を負う痛ましい事故が起きました。

 事故を起こした車は逃走。
 約1時間後の午後6時頃、20歳の男性会社員が「自分がはねた」と出頭しました。

 ◎葉山ひき逃げ:危険運転致死傷で20歳男起訴(9月14日 毎日新聞)

 逮捕時に、呼気から0.3mg/lのアルコールが検出。
 会社員は「自宅に戻ってから怖くなり酒を飲んだ」と説明しました。
 しかし県警は、目撃情報などから、「現場近くの海の家で飲酒していた疑いが
 強まった」として、9月14日、道交法違反(酒気帯び)容疑で追送検しました。
 一方地検は、飲酒の影響の有無は別として、「制限速度時速40キロの県道の
 カーブを、時速約78キロと制御困難な速度でカーブを走行していた」として、
 同日、危険運転致死傷に切り替えて起訴しました。

 車には、一緒に飲酒した友人3人が乗っていたようです。
 仲間と飲酒して暴走、まさに若者による飲酒事故の典型例です。

 埼玉県でも昨年10月、高校生ら16~18歳の男女4人が乗った乗用車が対向車線
 に飛び出し、トラックにぶつかって大破した事故がありました。

 ◎運転中も飲酒 危険運転致死傷の疑いで逮捕(9月7日 NHK)

 車内から高校2年の女子生徒2人が投げ出され、1人が死亡、1人が意識不明の
 重体となりました。4人は交流サイトで知り合ったといいます。
 こちらも、運転していた当時高2の男性が、「ファミレスで飲んだ後、運転中
 にもビールを飲みながら、100キロを超えるスピードを出していた」として、
 危険運転致死傷などの疑いで逮捕となりました。
 
 若者の飲酒運転事故は、死亡事故につながるケースが非常に多いのが特徴。
 警察庁のデータによると、飲酒運転の事故件数は「40代」が一番多いのです
 が、死亡事故数は「20代」の若者が群を抜いて多く、年齢を経るにしたがっ
 て下がっています。
 20歳未満は数こそ少ないけれど、死亡事故率は最も高く9%を超えます。
 つまり未成年による飲酒事故は、ほぼ10件に1件が死亡事故なのです。

 ★警察庁交通局配布資料(飲酒運転事故関連統計資料)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/991/1916

 いま、自民党では飲酒年齢を18歳に引き下げることが議論されていますが、
 飲運運転防止の観点からも、飲酒年齢引き下げはとんでもない話です。


 2)若者による無免許、逃走、否認、嘘の通報

 悪質なケースが目立つのも、若者の飲酒運転の特徴です。
 今回もひき逃げ、無免許、逃走、否認、嘘の通報などがありました。

 ●無免許・ひき逃げ 少年(17)愛知(8月27日 メ~テレ)
 8月1日午後9時頃、酒を飲んだ上、無免許で原付バイクを運転し、歩行者に
 けがをさせ、逃げようとして逮捕。

 ●否認 型枠大工男性(22)茨城(8月30日 常陽新聞)
 8月30日午前4時45分頃、つくば市で酒気帯び運転により、交差点に設置され
 た反射板と衝突する物損事故を起こした。調べに対して「覚えていない」と
 容疑を否認している。

 ●逃走・うその通報 会社員男性(21)福岡(9月2日 YTV)
 9月1日0時45分頃、職務質問をしようとしたところ車が逃走。1キロ余り離れ
 た交差点で信号に衝突して大破した。その5分後に「車を盗まれた」という
 110番通報があり、会社員は当初「自分は運転していない」と主張していたが、
 呼気から基準値の3倍超のアルコールが検出。「飲酒運転がばれないように
 職務質問から逃げ、うその通報をした」と容疑を認めた。

 ●ひき逃げ 建築作業員男性(21)大阪(9月8日 毎日新聞)
 9月6日午前3時15分頃、堺市の交差点で女子高校生をはねて重傷を負わせたが、
 そのまま逃走。「飲酒運転で捕まるかもしれないと思って逃げた」と容疑を
 認めている。

 ★若者の飲酒運転事例の分析(ASK)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/992/1916


 3)海上自衛隊の艦長が自転車で

 9月2日未明、尾道市で、海上自衛隊の支援艦の艦長(48)が、自転車の運転中
 に側溝に転落して死亡する事故が起きました。血液からはアルコール反応が
 あったということです。

 ◎海自の艦長が死亡 誤って側溝に転落か(9 月2日 NHK)

 アルコールは脳を麻痺させ、運転に必要な感覚を失わせるため、自転車であ
 っても大変危険です。

 道路交通法第65条第1項には「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはなら
 ない」と明記されています。この「車両」には「自転車」も含まれています。
 酒酔い運転については、自動車と同じ罰則が適用されます。
 自動車に運転免許をもっている場合には免停にもつながります。
 自転車を甘く見てはいけません。


 4)女性たちが各地で

 宮城で、茨城で、新潟で……逮捕されています。

 ●町職員(44)宮城(9月5日 産経新聞)
 9月5日午前5時10分頃、宮城県仙台市を走行していた乗用車が路外に逸脱。
 民家の外壁や駐車中の車へ衝突、車を置いて徒歩で帰宅した。
 住民から通報を受けた警察官が、自宅に戻った容疑者の呼気を調べたところ、
 アルコールが検出されたため逮捕。

 ●無職(71)茨城(8月28日 常陽新聞)
 8月27日午後 7時55 分頃、土浦市で酒気帯び運転し、信号待ちの車に追突。
 呼気から基準値を上回るアルコールを検出した。

 ●市教育委員職員(47)新潟(8月25日 時事通信社)
 8月25日午後0時50分頃、見附市の市道で、パトロール中の署員が不審な動き
 をする容疑者の車を発見。停止させ呼気検査を行ったところ、基準値を超え
 るアルコールが検出された。
 この日は普段通り出勤。午前の仕事を終えて昼休みで自宅に帰り、500mlの
 缶ビールを1本以上飲んだ後、再び車を運転して職場に戻るところだった。

 この新潟の女性は、依存症の疑いが濃厚。
 治療の必要性を感じます。

 ★女性の飲酒運転事例の分析(ASK)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/993/1916


 5)だから、飲みすぎなんです!

 前夜のお酒が残ったケースを、毎月のように取り上げていますが、
 ……要するに、飲みすぎなんです!

 ●市職員(50代)愛媛(8月29日 産経新聞)
 8月25日午後2時過ぎ、パトカーに止められ呼気検査の結果、酒気帯び検挙。
 職員は休暇中の8月24日夕方から自宅で缶ビール1本、日本酒4合、焼酎1合を
 飲み、午後11時に就寝。翌25日の午前8時に軽トラックで自宅近くの自動販
 売機でたばこを購入し帰宅しようとしたが、疲れが出たため道路脇で仮眠を
 取ったという。
 職員は10年前にも飲酒運転で物損事故を起こし、減給処分を受けている。

 ●新聞社支局長(58)福島(9月7日 福島民友新聞)
 9月5日午前7時10分頃、追突事故を起こし自ら通報。自宅で5日午前2時頃まで、
 缶酎ハイ500mlと焼酎200mlを飲み就寝。同7時頃、買い物のため乗用車を運転
 したという。

 ●中学校講師(32)佐賀(9月15日 佐賀新聞)
 9月14日午前11時40分頃、自宅近くで、道路を歩いて渡っていた近所の80代
 の女性をはね、けがをさせた。呼気0.15mg/lのアルコールが検出された。
 「前日夜に自宅で酒を飲んだ」と供述している。

 アルコールが体から抜ける目安は、ビール中瓶1本(あるいは日本酒1合、
 焼酎100ml)につき、男性でおよそ4時間、女性では5時間かかります。
 さらに分解時間は、飲んだ量に比例して長くなります。
 この目安を知ることで、防げる飲酒運転がたくさんあります。
 それでも、飲みすぎるようなら、依存症を疑ってください。

 ★アルコールの1単位カード
  すべての人にせめてこれだけは知ってほしい!
   ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/994/1916


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  4.特別投稿 アルコール・インターロック No.4
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 一般社団法人日本自動車工業会 飲酒運転防止技術分科会

 飲酒運転事故防止のための代表的なクルマの技術的対策=アルコール・イン
 ターロックについて、3回にわたり紹介してきました。
No.1 アルコール・インターロックのしくみ
No.2 諸外国におけるアルコール・インターロック装置の活用状況と課題
 No.3 日本で活用する場合の課題

 最終回の今回は、研究開発中の新しい飲酒運転検知技術について紹介します。

 【No.4 研究開発中の新しい飲酒運転検知技術】

 1)飲酒運転検知の原理と技術課題

 飲酒運転を検知する原理は、大きく分けて2通りに分類できます。
 1つ目は飲酒の根本に関わる血液中のアルコール濃度を直接測定する方法、
 またはこれと相関の高い呼気中のアルコール濃度を測定する方法です。
 2つ目は代替え指標として、飲酒による運転操作や車両の動きの変化、さら
 にはドライバーの表情や心拍などの生理状態の変化を計測する方法です。

 呼気中のアルコール濃度を検査する方式としては、この連載の第1回「アル
 コール・インターロックのしくみ」のなかで紹介しました、呼気吹きかけ、
 マウスピースによる吹き込み、マウスピースとバッグを利用する方式などが
 あります。これらの中で精度が高い方式は、インターロック装置で用いられ
 ている方式ですが、「マウスピースに口を付けて、呼気を強く5秒程度吹き
 込むことが必要」で、測定は容易ではありません。
 ましてや「血液を少量採取する方法」はむずかしく、血液中濃度を外から
 精度よく測定できる手法も実用化されていません。

 一方、車両挙動やドライバーの生理情報の変化を計測する試みは、研究段階
 として多くの取り組みがあります。前を走行しているクルマがフラフラして
 いれば、見た目にも飲酒運転か居眠りをしているのではないかと思われ、
 感覚的に可能性が高いと考えられますが、実際には個人差が大きいこと、
 特に低濃度での変化が微妙なこと、飲酒を伴う走行実験が難しいことなど
 から、まだまだ精度的に実用化されていません。
 このように手軽に精度よく飲酒運転を検知する技術には、検出原理によって
 以下の課題があるのです。

 [1] 血液中または呼気中アルコール濃度:煩わしくない簡単な計測手法の確立
 [2] 車両挙動や生理情報:個人差の少ない高精度の計測指標を見つけること

 2)課題解決を狙った、研究開発中の新技術

  [1] 血液中または呼気中アルコール濃度を簡便に計測する方法

 この課題解決のため、多くの研究機関などが継続的な研究を行なっています。
 なかでもNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が主導しているDADSS(Driver
 Alcohol Detecting System for Safety)と呼ばれている大がかりな新技術開
 発の共同研究には、日本を含む各国の自動車メーカーが参加しており、近年
 大きな注目を集めています。この活動では、世界中の研究機関の有望な新技
 術のなかから、高精度・簡便・安価な新技術開発として2種類を選び、実用化
 のための研究を2008年より開始しています。
 研究室内での試作評価によるレベルアップが繰り返されており、先日その
 最新試作器が公開され、同時に今後の車載での使用イメージの動画も公開
 されました。※1
 
 注目の2種類の新技術とは――
 ●皮下の体液中アルコール濃度を計測するシステム
 ●離れたところから呼気を吹きかけるシステム

 皮下のアルコール濃度を計測するシステムは、プッシュ・エンジン・スター
 ト・ボタンに組み込み、操作時の指先から、皮下の毛細血管や体液中のアル
 コール濃度を計測する構造をイメージして開発されています。元来血液中ア
 ルコール濃度に近い、皮下アルコール濃度を複数波長の赤外線で測定する
 原理であるため、高精度が期待できます。机上での高精度作動は実現され
 ましたが、車載のための小型化や低コスト化に今後取り組んでいきます。

 一方、離れたところから呼気を吹きかけるタイプは、非分散分光光度計(赤
 外光)を用いて、ドライバーの呼気中のアルコール粒子を検出するように
 なっています。分光光度計法も呼気中のアルコール濃度計測精度は原理上高
 いことがわかっており、有望な手段といえます。とくに離れているところ
 から吹きかけることによる希釈率を、同時計測する呼気中の二酸化炭素濃度
 で補正する技術が特徴です。

 いずれの技術も、原理上は高精度が確認できていますが、実際に車載するた
 めの小型軽量かつ安価を実現するためには、さらに多くの年月が必要と報告
 されています。

  [2] 車両挙動や生理情報から高精度の計測指標を見つけること

 飲酒運転の危険性を評価するために、古くから飲酒による運転操作への影響
 に関する研究は行われており、ハンドルやペダル操作が雑になったり、車両
 のふらつき幅が大きくなることはよく知られています。しかしこれらの従来
 研究は、多くの人の平均的な傾向を求めたり、実験が終わった後の解析で
 影響を測るものであったため、個人が運転している瞬間に飲酒しているか
 どうかを判定する研究は多くありませんでした(飲酒運転が危険であること
 を証明するにはこれで十分でした)。 

 このため、近年の飲酒運転根絶の動きを受け、さまざまな研究機関で車両挙
 動や生理情報から飲酒運転をリアルタイムに判定する研究が始まっています。
 日本では、自工会と日本自動車研究所の共同研究により、ドライビングシ
 ミュレータを使って安全に飲酒状態での実験を継続的に行っています。
 この実験結果からは、独特な車両の動きやドライバーの状態(心拍数、目、
 頭の動き等)が計測されつつありますが、高精度の計測指標とするためには
 さらに継続的な研究が必要です。

 3)まとめ

 アルコール・インターロックは、飲酒しているとエンジンがかからないため、
 「万能の最終兵器」と受け取られがちですが、実は幅広く普及させるに、
 まだまだ多くの課題があります。このため、インターロック装置とは異なる
 計測原理の新しい飲酒運転検知技術の研究も精力的に行われています。

 しかし、将来これらの新しい検知技術の実用化が可能となったとしても、
 何がしかのコストや手間が掛かる装置を、大多数の飲酒運転をしない善良
 ドライバーを含む社会全体でどのように適用・負担していくべきかを皆で
 議論し、飲酒運転撲滅の道を探らねばなりません。装置の開発もさること
 ながら、こちらの社会的コンセンサスを醸成することも大きな課題と感じて
 います。

 これらの課題解決に向け、クルマを生産しているわれわれ自工会とメーカー
 各社は、今後も関係機関と連携し、啓発活動等人的対応を含めた継続的な
 努力を続けながら、新技術に関する議論を深め、 飲酒運転ゼロに向けた
 活動を続けていきます。

 参考
 ※1 Driver Alcohol Detection System for Safety ? Technology Overview
 http://c.bme.jp/13/297/995/1916
 ↑研究の最新状況が動画で見られます。


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   5.山さんコラム No.110
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆ジョギングと酒

 スポーツの秋だ。
 山さんは、32歳から42歳まで毎朝、ジョギングを30~40分やっていた。
 出張先、旅行先でも、雨さえ降らなければ、欠かさず走った。
 きっかけは、当時の国鉄金沢鉄道管理局のレクリエーション係長が、職員の
 健康増進のためにジョギングをすすめ始めたことだ。彼はていねいな解説
 パンフレットを作って金沢局員全員に配布した。
 山さんは本社で全国の厚生施策を取りまとめ、予算要求する立場だったので、
 この施策に注目した。従来、肉体労働が主体だった国鉄現場も、昭和50年
 (1975年)頃には機械操作や監視作業が中心になり、運動不足による成人病
 が目立ちはじめていたからである。
 本当に効果があるなら全国展開したい。そこで実体験が肝心と、パンフレッ
 トのおすすめどおりジョギングを始めた。

 初めは社宅の近くの公園で。それから徐々に、牛込神楽坂近くの町、矢来町、
 横寺町、弁天町など古い地名の残る閑静な住宅地を走った。都心ながら、
 春は梅・桜、やがてつつじ・さつき、梅雨時になればアジサイ、真夏の夾竹
 桃・百日紅・・・と季節の花を楽しんでジョギングした。
 それ以前には、スポーツジムに通ったこともあったが、長続きしなかった。
 一方、大気の清浄な朝、自然に触れて、ジョギングするのは実に気持がよい。
 すっかりとりこになった。

 泊まりの出張には、必ずジョギングシューズと短いパンツ・靴下をカバンに
 入れて出かけ、朝飯前に1時間ほど、ゆっくり街を眺めながら走った。
 北は、霧の中、釧路の幣舞橋を渡った。
 南は、桜島の降灰の中、西郷隆盛の自刃した城山へ駆けのぼった。
 お城があるところでは、宿から城・城跡を目指した。
 仙台、大きな青葉川をわたって青葉城へ。松本では、アルプスが遠望できる
 国宝松本城。流石に大きな大阪城、後楽園から目立つ真っ黒な岡山城、思っ
 たより地味な広島城、四国は多種多様、海の高松城、高い山のうえまで登ら
 される松山城、盛り場をぬけた先にそびえる高知城。九州では壮大な天下の
 名城・熊本城。
 みな出張で朝駆けした所である。公費で名所探訪、なんとも幸せな経験。

 ところが実は、このころの山さん、一升酒をやる大酒飲みだった。二日酔い
 にもなった。
 「前の晩、あんなに飲んで、よく走れますね」と後輩に言われたものだ。
 朝、目覚めて頭がボーとしていたり、少し頭痛がしたりすることもあった。
 しかし、その不具合が、ゆっくりジョギングしていると消える。汗をかき、
 風呂に入ったりシャワーを浴びたりすれば、気分がさっぱりする。
 ・・・今となっては、これが間違いだったとわかる。
 頭痛が解消されたのは血液の循環がよくなるせいだろうが、それでアルコー
 ルの分解が促進されるわけではない。アセトアルデヒドが排泄されるわけで
 もない。「気分が良い」と自覚されるだけなのだ。
 むしろ体内にアルコールが残った状態での運動は、内臓、特に心臓に負担を
 かける。
 山さんが現在、やや拡張型の心臓になっているのは、このころの無茶のツケ
 だろうと、反省しきりである。
 酒気帯びのジョギングは、認知力低下や運動能力低下により、怪我の危険も
 高まる。
 札幌では道路の段差で捻挫した。今もその右足首は、ひねりやすく、寒さに
 向かう季節や梅雨時に痛む。
 盛岡の冬の朝にはこんなことがあった。雪をキュキュと鳴らし、岩手山を眺め
 ながら夕顔瀬橋を渡っていたら、橋のなかほどで、足を滑らした。ガンガン
 に凍った橋に恐怖感がなかったから、多分、前夜の酒が残っていたのだろう。
 ふんばって転ばずにすんだが、膝の内側に痛みがはしった。今でも、ときど
 き痛むことがある。これも、また酒気帯びジョギング後遺症。

 あのころは体重が77kgまで増加していた。
 鉄道病院院長から、「その体重でジョギングは危険。ウォーキングに変更を」
 とのアドバイスをうけた。以来、ジョギング派から、ウォーキングへ転向。
 米国でも、ジョギングで足や膝を痛めたり、そもそもジョギングの推奨者で
 あったクーパーが心臓病で亡くなったことから、ウォーキング派になる人が
 多いらしい。

 飲酒する人にとって、朝の運動は自己チェックの機会になる。体に少し負荷
 をかけると、酒の影響がよくわかる。飲みすぎれば、てきめんだ。足が重く
 なり、息は上がりやすい。
 アルコールが「0」なら足が軽い。息も楽だ。
 ストレス解消を酒に頼る代わりに、健康増進に最適な、ジョギング・ウォー
 キングを習慣にしてはどうだろうか。
 仕事・家族・その他もろもろの悩みを、走りながら思い返し、目につく木々
 の枝に、そうした悩みをひっかけて置いてくるのもよい。
 散歩しながら、繰り返し思い悩むのもよい。
 スポーツはぜひ、アルコール抜きの健全な体で行ないたい。


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  6.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
 コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
 法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
 ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
 見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
 2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
 族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
 飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
  教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
  内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
 ・ASKリバーシブル予防パンフを製作
 ・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化についての
  要望書」を提出
 ・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
 ・自動車工業会のシンポジウムで、今成が飲酒運転防止インストラクター
  養成講座について報告
 ・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
 ・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~)

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html


=====================編集後記 *つぶやき*========================

 アルコールの1単位カード、好評です。
 会議でさしあげた方が、次にお会いしたときには、名刺入れに入れて持って
 いてくださったり。うれしいです。
 
 いよいよ、来月から全国10ヵ所での無料公開スクーリングが始まります。
 先着順です。周囲にもお声かけください。
 お申込み用紙(PDF)はこちらから。
    ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/996/1916

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】112号 15.9.17
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 =================== このメールマガジンは ====================
  特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
  設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
  ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
  録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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