職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

111号2015

★__________________________
 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  111号 15.8.20
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.特別投稿 アルコール・インターロック No.3
    5.山さんコラム No.109
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *つぶやき*

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        仙台・神戸・福岡・大阪・広島
        札幌・岡山・名古屋・新宿・那覇
 
  無料公開スクーリングにぜひご参加ください!
         ↓  ↓  ↓ 

==============================================================★
  1.インストラクター養成講座NOW!
===============================================================

 ◆来月からスクーリングが始まります

 第8期養成講座は、現在、【ステップ1】通信スクールが追い込み。
 事務局は、【ステップ2】スクーリングの準備の真っ最中です。
  ↓  ↓  ↓
 http://c.bme.jp/13/297/858/1916

 来月から、講師・山さんの全国行脚がスタートします。
 今年はスクーリングを全国で19回、認定インストラクター対象のスキルアッ
 プ研修もあわせると、32回に及ぶ講習を行ないます。

 スクーリングのご案内を送付した翌日、FAXが届き始めました。
 みなさん、やる気です。
 ということで、スクーリングの申し込みがまだの方、急いでください!!

 ★なお、損保協会の助成により、うち10ヵ所は公開スクーリングです。
 養成講座を受講していなくても午前中だけ無料で参加できます。
 公開スクーリングの日程は下記のとおりです。

 10/07 仙台市  仙都会館
 10/14 神戸市  神戸国際会館セミナーハウス
 10/20 福岡市  福岡交通センター
 10/28 大阪市  エル・おおさか
 10/30 広島市  RCC文化センター
 11/06 札幌市  北農健保会館
 11/13 岡山市  第一セントラルビル1号館
 11/17 名古屋市 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
 11/24 新宿区  東京都トラック会館大会議室
 12/03 那覇市  沖縄県警察本部

 お申込みはホームページからどうぞ。
 http://c.bme.jp/13/297/859/1916


 ◆スキルアップ研修
 認定インストラクター向けのスキルアップ研修のお申し込み受付中です。
 今年のプログラムをご紹介すると――

 ★あなたの知識は大丈夫?
    ~検知器/自転車/基本法/0・1・2・3~
  ◇「自転車」に要注意 取り締まりと罰則が強化!
  ◇社会のニーズを受け、「アルコール検知器協議会」が発足
  ◇新入社員の教育に使いたい 警察庁の驚きのデータ! 
  ◇アルコール健康障害対策基本法……最新の動きは?
  ◇わかりやすい啓発標語「0・1・2・3」とは?
    New「アルコール1単位カード」
  ◇グループワーク
    ・アルコール検知器にかからない工夫
    ・正しいアルコール検知器の使い方
    ・アルコール検知器にかかった人への対処法
    ・新たな「ケーススタディ集」(10 ケース)

 1~7期の認定インストラクターの方々、お見逃しなく。

 …………………………………………
 上級インストラクターのお申込みも受付中です。
 認定インストラクターの方、どうぞ挑戦してください。
 詳しくは以下のサイトを。
  ↓   ↓   ↓
 http://c.bme.jp/13/297/860/1916

 
 飲酒運転防止インストラクター養成講座についてはこちらを。
  ↓   ↓   ↓
 http://c.bme.jp/13/297/861/1916

 お問い合わせは、事務局へどうぞ。(電話03-3249-2551)


==============================================================★
  2.ASKからのお知らせ
=============================================================== 

 ●「ムジコロジー・スマイル基金」から寄付をいただきました!

 7月23日、三井ダイレクト損害保険株式会社「ムジコロジー・スマイル基金」
 から約60万円の寄付をいただきました。

 この基金は三井ダイレクト損保が選定した社会活動団体に対して、保険加入
 者が月に1回、自分の応援したい団体に投票。そのポイント数に応じて寄付金
 が贈呈される仕組みになっています。

 ASKではこの寄付金を、若者向けの飲酒運転防止活動に使わせていただく
 予定です。詳しくは、次回のメルマガで。

 今年度も引き続き、ASKは「ムジコロジー・スマイル基金」に、交通事故防
 止(飲酒運転防止プロジェクト)として、選定されています。
 三井ダイレクト損保に加入されている方、ぜひ投票をお願いいたします。

 ムジコロジー・スマイル基金
 http://c.bme.jp/13/297/862/1916

 寄付金贈呈式
 http://c.bme.jp/13/297/863/1916


 ●アルコール健康障害対策関係者会議、傍聴受付中です!

 8月28日(金)第7回関係者会議
  ⇒3つのワーキンググループで検討してきた施策が、この日に報告されます。
  http://c.bme.jp/13/297/864/1916

 8月31日(月)第4回教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ
  ⇒酒類業界の自主基準等の検討結果が、この日に報告されます!
  http://c.bme.jp/13/297/865/1916


 ●「社用車利用の社員」と「マイカー通勤の社員」を対象に

 DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」を購入された、千葉県の製造業
 担当者にお聞きしました。

 ――活用方法を教えてください。
 社用車利用の社員とマイカー通勤の社員、計80名の研修目的で購入しました。
 まずは第1回の研修で、約20名に視聴させました。

 ――反響はいかがでしたか?
 研修後に簡単なアンケートを取ったのですが、
 「普段飲んでいるアルコールだが、知らないことが多かった」
 「寝酒が翌朝まで残るとは思ってもいなかった」
 「節酒しなければと思った」
 などの反応がありました。
 本来の「飲酒運転の防止」目的以外にも、節酒の大切さを感じた社員が多かっ
 たようです。

 ――DVDが、飲酒習慣を変えるきっかけになりそうですね。


 DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」は、10分弱の4つの講座に分か
 れています。そのため、複数回に分けて視聴することも可能で、社内の研修で
 使う場合もとても便利です。

 ★DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
  ――定番中の定番。これを知らないと飲酒運転は防げません!
   ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/866/1916


 ★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

 ●トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  マンガで予防知識を!
  http://c.bme.jp/13/297/867/1916
 
 ●トイレットペーパー「危険ドラッグにNO!」
  薬物乱用防止について伝えたい6つのこと!
  http://c.bme.jp/13/297/868/1916

 ●ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
  http://c.bme.jp/13/297/869/1916

 ●ASKリバーシブル予防パンフ
  知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
  http://c.bme.jp/13/297/870/1916

 ●飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
  「15分で学べる必須のアルコール知識」
  ※カスタマイズ版がANAに採用されています
  http://c.bme.jp/13/297/871/1916 

 ●ASKアルコール通信講座
  依存症への対応が学べます
  http://c.bme.jp/13/297/872/1916


==============================================================★
  3.ニュースCLIP!
===============================================================  
 
 35度以上の猛暑日が、各地で記録を更新したこの夏。
 一時よりは下がったとはいえ、まだまだ残暑が続いています。

 帰省や、海水浴・バーベキューなど、なにかと飲酒機会が多い夏。
 炎天下の浜辺では、飲酒運転防止を呼びかけるキャンペーンも行なわれている
 ようです。
 
 さあ、夏後半、気を緩めず無事故で乗り切りましょう。
 
 このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも、日々、ニュース
 のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/873/1916

--------------------------------------------------------------

 1)海水浴場で呼びかけや検問
 2)一晩寝てもアルコールが抜けるとは限りません
 3)未成年者による飲酒運転
 4)福岡の女性、依存症の診断を受けず過料
 5)同乗も罪に問われます

--------------------------------------------------------------

 1)海水浴場で呼びかけや検問

 浜辺で飲んで、車を運転――
 そんな飲酒運転を防ぐため、各地で取り組みが行なわれています。

 ◎海水浴場で飲酒運転根絶呼びかけ(8月6日 秋田放送)

 長距離のドライブで県外からも多くの人が訪れる秋田市の下浜海水浴場で、
 キャンペーンを実施したのは、秋田中央警察署や地元の交通安全協会など。 
 海水浴場を訪れたドライバーや海の家の従業員などに、飲酒運転根絶のチラシ
 を配り、呼びかけました。
 警察署では飲酒運転を根絶するため、今後も地元の海水浴場組合と連携して
 パトロールを行なうとのことです。

 ◎海水浴場周辺で飲酒検問~大阪・貝塚市(8月2日 毎日放送)

 昨年、飲酒運転による事故の件数がもっとも多かった大阪。
 夏休みに入り、バーベキューなどで酒を飲む機会が増える海水浴場の近くで
 飲酒検問を実施しました。


 2)一晩寝てもアルコールが抜けるとは限りません

 「前夜に自宅で酒を飲んだ」
 「ブランデーを飲んだのは24時間前だ」
 「こんなに残っているとは…」

 酒気帯び運転で逮捕された人たちのセリフです。
 アルコールが体から抜ける目安は、たとえばビール中瓶1本で、男性でおよそ
 4時間、女性では5時間かかります。
 そして分解時間は、飲んだ量に比例して長くなります。

 この人たちはおそらく、この目安を知らなかったのでしょう。

 ●農業(63)愛知 (7月22日 レスポンス)
 7月19日午前6時15分頃、トラックが路外に逸脱し道路右側の歩道に乗り上げ。
 歩いていた13歳の女子中学生に衝突する事故が起きた。中学生は重傷。
 現行犯逮捕された男性からは酒気帯び相当量のアルコールが検出。
 「前夜に自宅で酒を飲んだ」と供述している。

 ●自営業(45)福岡 (8月4日 日本テレビ)
 8月4日午前2時40分頃、パトロール中の警察官が、前を走る車との間が狭い乗
 用車を発見。基準値を上回るアルコールが検出したため、逮捕した。
 「ブランデーを飲んだのは24時間前だ」などと話している。

 ●私立高校教員(52)宮城 (8月15日産経新聞)
 8月15日、交通機動隊がシートベルトをせずに運転していた容疑者を発見し、
 停車させたところ、酒の臭いがし、現行犯逮捕した。
 「昨夜のうちに飲み終わっていて、こんなに残っているとは思わなかった」と
 話している。

 アルコールの分解時間の目安は、以下のサイトの画像をご覧ください。

 ★フェイスブックページ「ASK 飲酒運転防止プロジェクト」
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/874/1916


 3)未成年者による飲酒運転

 福岡県と埼玉県で、未成年者による無免許の飲酒運転がありました。
 無免許で飲酒運転とは言語道断ですが、そもそも未成年ですから、飲酒の時点
 で大きな問題なのです。
 飲酒運転防止のためにも、またなにより彼らの自身のためにも、しっかりとし
 たアルコール予防教育が必要です。

 ●中学3年男子生徒(14)福岡(7月25日 サンスポ)
 7月25日、午前0時55分頃、酒気を帯びた状態でミニバイクを無免許運転。
 「酒を飲みたかった。自宅で茶色の酒をコップ2杯飲んだ」と話している。

 ●解体工の少年(16)埼玉(7月27日 埼玉新聞)
 6月20日午前2時20分頃、無免許でワゴン車を運転し、友人の高校2年男子生徒
 (16)をひいて左脚骨折のけがを負わせた上、救護せずに逃走した。
 同5時35分頃、近くの駐車場で少年が乗る車を警察が発見。その時点で、呼気
 からアルコールは検知されなかったが、その後の調べで少年が酒を飲んでいた
 ことがわかり、自動車運転処罰法違反(無免許、過失傷害、発覚免脱)の疑い
 での逮捕となった。

 2つ目の事例、少年は中学校の同級生4人と、車の前部にしがみつかせるなどし
 てふざけていたとのこと。少年が車を発進させたところ、男子生徒が落下し、
 車の下敷きになったようです。


 4)福岡の女性、依存症の診断を受けず過料

 福岡県は、7月30日、飲酒運転を繰り返したのにアルコール依存症の診断を受
 けなかった女性に、県飲酒運転撲滅運動推進条例に違反したとして、5万円の
 過料の支払いを命じました。
 2012年の条例施行後、罰則が適用されたのは初めてです。

 ◎アルコール依存症、受診従わず過料…飲酒運転撲滅条例を初適用
  (8月4日 読売新聞)

 過料処分になったのは、飲酒運転で2度検挙された北九州市の40歳代の女性。
 県は2013年10月~今年2月、女性に電話で28回、文書で9回指導しました。
 女性は当初、「今度行きます」などと受診に応じる姿勢を示していましたが、
 次第に電話にも応じなくなり、結局、受診しなかったといいます。

 県内では7月末現在で受診義務がある40人のうち、12人が60日を過ぎても報告
 しておらず、県健康増進課は「指導を強化したい」と述べています。

 
 飲酒運転の半分近くに、アルコール依存症などのコントロールが利かない飲酒
 の問題があるといわれています。
 しかし、治療を受けているのはアルコール依存症全体の5%前後というのが、
 日本の現状。
 そこで期待されているのが、飲酒運転を契機に治療につなげる試みですが、ど
 う強制力を持たせるかが課題です。

 依存症は「否認の病気」。
 これだけ受診を避けるということは……、かえって依存症が疑われますね。


 さて、大事故が相次いでいる北海道でも、福岡や三重のような条例の制定が
 検討されています。

 ◎飲酒運転根絶へ素案 北海道議会自民、HP上で意見公募
  (8月12日 朝日新聞)

 自民党・道民会議が17条の素案を発表。
 他会派との調整の上、共同での議員提案を行い、道議会での年内制定をめざす
 とのことです。内容は――

 ・飲酒運転をした人に、アルコール健康障害に関する指導を受けるように促す 
 ・飲酒運転しようとしている人への「制止」、警察への「通報」の努力義務
 ・小樽市で4人が死傷した飲酒ひき逃げ事件が起きた7月13日を「飲酒運転根絶
  の日」とする、など


 5)同乗も罪に問われます

 道路交通法では、お酒を飲んで運転することに対して厳しい罰則が設けられて
 いるのはもちろんですが、周辺者にも、厳しい罰則が設けられています。
 同乗も罪に問われます。

 ◎飲酒運転の車に甲府市職員同乗(7月12日 山梨日日新聞)

 甲府市の非常勤嘱託職員が酒気帯び運転をして逮捕された件で、市職員1人が
 同乗していたことが明らかになりました。
 署は、この市職員について、酒気帯び運転の同乗容疑で調べています。

 【周辺者への罰則】
 *車両の提供
    運転者が酒酔い…5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
    運転者が酒気帯び…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 *酒類の提供/同乗
    運転者が酒酔い…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
    運転者が酒気帯び…2年以下の懲役又は30万円以下の罰金


==============================================================★
  4.特別投稿 アルコール・インターロック No.3
===============================================================

 一般社団法人日本自動車工業会 飲酒運転防止技術分科会

 前回、諸外国における活用状況と課題を紹介しましたが、日本でもその活用が
 検討されてきました。
 今回は、自工会も検討に参画した内閣府、警察庁、国交省の検討結果について
 紹介します。

 【No.3 日本で活用する場合の課題】

 1. アルコール・インターロック装置の効果――内閣府の取り組み
  罰則が強化されて以降、いまだに飲酒運転を行う運転者は、アルコール依存
  症あるいは、飲酒行動に問題を有している可能性が高い。このため、これら
  の運転者に対しては、厳罰化による飲酒運転抑止効果は限定的であると推測
  され、飲酒行動自体の改善が必要と考えられます。また、飲酒運転を常習的
  に繰り返す常習飲酒運転者の存在も指摘されています。
  このような状況において、2008年度から2ヵ年にわたり、内閣府が「常習飲酒
  運転者の飲酒運転行動抑止に関する調査研究委員会」を設置して、アルコー
  ル・インターロック装置及びブリーフ・インターベンション(飲酒行動の変
  容をめざす短時間のカウンセリング:簡易介入、以降BIと記述)を用いたプ
  ログラムについて、その効果を検証する実験を行いました。※1
  この実験は、アルコール・インターロック装置の使用効果を科学的に比較評
  価できる実験として、世界的にも注目されました。

  1)実験結果概要
  BIは、実施後1年以上、飲酒日数、飲酒量、多量飲酒日数を、安定して減少
  させる効果がありました。
  一方、アルコール・インターロック装置については、装着時には飲酒量を
  低減する傾向が見られましたが、装着終了後に元に戻る傾向が現れました。
  多量飲酒日数を減少させる傾向は、継続して見られました。

  2)効果まとめ
  実験結果から、飲酒行動の改善にはBIが効果的と思われます。
  一方、アルコール・インターロック装置は装着時には効果が見られますが、
  継続的な効果は限定的と考えられます。

 2. AILSの制度検討と運用上の課題――警察庁の取り組み
  警察庁は2010年度に「飲酒運転対策の充実に関する調査研究委員会」を開催
  し、アルコール・インターロック装置の装着を制度的に導入しようとする場
  合の、共通で検討しなければいけない課題について整理しました。※2

  1)課題整理結果
  アルコール・インターロック装置は飲酒運転対策として一定の有効性がある
  と認めながらも、その制度化に当たっては、以下の課題解決・検討が必要と
  されています。
   ・効果の検証
   ・不正回避対策の確立
   ・装着義務者以外の者への対応
   ・管理態勢の構築
   ・導入に係るコストへの対応
   ・損害に対する責任分担の明確化
   ・信頼性の高い装着方法
   ・正確な知識の普及等
  これらの結果から、「アルコール・インターロック装置の制度化の判断に当
  たっては、飲酒運転に係る情勢等も踏まえつつ、引き続き検討が必要である」
  と結論づけています。

  2)違反者への新しい講習
  このように、アルコール・インターロックを制度として導入するには検討課
  題が多いこと、前項の内閣府の検討ではカウンセリングの効果が大きかった
  ことなどから、警察庁では飲酒運転違反による取り消し処分者講習を大きく
  見直し、カウンセリングなどを加えた新しい講習を、試行を行った後2013年
  度から全国に展開しました。※3

 3. 事業者を対象とした取り組み――国土交通省
  国土交通省安全政策課は2009年度に「事業用自動車に係る総合的安全対策
  検討委員会」を開催し、「事業用自動車総合安全プラン2009」を取りまと
  めました。このなかで事業用自動車の飲酒運転根絶への強い決意と、防止
  への取り組みの必要性が述べられています。

  1)制度概要
  これを受け、2011年5月1日より、「旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自
  動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令」の施行に伴い、事業用自
  動車を対象に、運行の前・後等に従来から行われていた、点呼時における
  運転者の疾病、疲労等の状態等の確認に加え、アルコール検知器を使用した
  酒気帯びの有無の確認等が義務化されています。さらに、宿泊運行などの場
  合は、アルコール検知器を携行し、測定結果を記録することも義務づけられ
  ています。

  2)用いられている計測機器
  このアルコール検知器を使用した酒気帯びの有無の確認には、アルコール・
  インターロック装置を含むすべてのアルコール検知器の使用が認められてお
  り、事務所設置型の検知器から、携行型の検知器まで幅広い検知器が使用さ
  れています。このようなすべての事業用自動車を対象とした制度は画期的
  なものと言えます。

 4. まとめ
  呼気吹き込み式のアルコール・インターロック装置は、飲酒しているとエン
  ジンがかからないため、「万能の最終兵器」と受け取られがちですが、今回
  紹介しましたように、幅広く普及させるには多くの課題があります。
  このため日本では、免許取り消し処分者講習の充実や、運送事業者へのアル
  コール検査制度の導入を進め、飲酒運転事故の継続的な減少に効果を上げて
  います。
  しかし、アルコール・インターロックは欧米で飲酒運転の再発防止に一定の
  効果を上げていることも事実で、状況に応じて適切な運用の可能性を探るこ
  とも必要です。
  自工会としても、世界と連携して研究を継続しており、次回は、「研究開発
  中の新しい飲酒運転検知技術」についてご報告します。

 参考
 ※1:内閣府、常習飲酒運転者の飲酒行動抑止に関する調査研究報告書(2010)
 ※2:警察庁、飲酒運転対策の充実に関する調査研究報告書(2011)
 ※3:警察庁、酒気帯び運転等違反者に対する新しい取り消し処分者講習
 http://c.bme.jp/13/297/875/1916


=============================================================★
   5.山さんコラム No.109
==============================================================

 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆飲み方を変えたら

 前回は大自然の中で、多量飲酒による失敗を報告した。
 そこで今回は、飲み方を変えたことについて述べたい。
 「山さんの酒人生・その7」である。

 山さんの趣味のうち、いちばんの贅沢は、スイスの山歩き。
 同じ国へ行き、同じ町の同じ宿に泊まり、何度も歩いたコースをたどり、変ら
 ぬ山や渓谷を見て楽しむ。今年は8回目である。
 他人から見れば、物好きにもほどがあると言われるだろうが・・・。

 スイスの代表的なトレッキングコースを歩けば、見晴らしの良い場所に赤地に
 白十字のスイス国旗が翻っている。これが食事を提供する場所、レストランや
 山小屋だ。
 本格的な料理を出すところから、自家製チーズ・ソーセージ、それに「本日の
 スープ」とパンだけという簡素な小屋もある。
 飲み物は、コーヒー、紅茶、ミルク、ミネラルウオーター。酒類は、ビール、
 ワインだ。大きなレストランなら各種スピリッツも用意されている。
 特筆すべきは、ビールの値段が町の中のレストランと同じで、「山岳割り増し」
 はないことだ。だから、かつての山さんは、昼食時に、水がわりにビールを飲
 んだ。
 思い返せば、待ち構えていたアイガーの大岸壁を目の前に仲間と歓声を上げ、
 1リッターの大ジョッキを飲み干したこともある。氷河の先端が崩れる大音響を
 聞きながら、ジョッキを傾けたこともある。
 午後もしっかり山を歩くというのに、昼食時に2単位も飲んでいたのである。
 だが、5年ぶりに再訪した2009年からは行動を変えた。その間に、飲酒運転防
 止活動に関わり、自ら「上手な酒とのつきあい方」を語る立場になったからだ。
 昼食時には、「本日のスープ」とパンだけを頼む。ドリンクなしだから、けげ
 んな顔をされることもあるが、山小屋なら普通に対応してくれる。

 日頃、アルコールが認知力、注意力、集中力、判断力を低下させ、反応を遅ら
 せ、操作ミスを起こす危険を説いている。
 山岳、しかも海外で、山さんは絶対に、危険な「酒気帯び山歩き」はできない。
 同行の仲間一同へも事前に、「目の前のテーブルにジョッキが並んでいても、
 無視し、注文しないこと」を申し合わせている。
 そのかわり、無事に下山して、帰りの列車やバスを待つ時間を利用して乾杯す
 る。

 たとえばグリンデルヴァルトへ戻るバスを待つ間、ブスアルプのレストランへ
 立ち寄る。ベンチにゆったりと座り、一日中眺めながら歩いたアイガーの大岩
 壁を、あらためて正面からじっくり眺めなおす。素晴らしい姿に感激を新たに
 し、感想を述べながら、一口ひとくち、ビールをいただく。
 ツェルマットならば、結婚式の披露宴がよく行われるこの町一番のホテルの前
 庭がおすすめだ。緑の芝生に広げられたパラソルの下で、ビールを頼む。待つ
 間に、マッターホルンがいかに近く美しく見えたか、名も知らぬ無数の高山植
 物群落がどんなに素晴らしいか、などを語り合う。
 運ばれてきたビールは、ホテルらしい上品なグラスに入り、一気に飲む雰囲気
 ではない。ゆったりといただき、花が飾られた店々を眺めながら、駅までゆっ
 くりと歩く。この余韻が大切だ。

 しかし今回、ここで大失敗。
 電車の時間までわずか30分しかないのに、ビール大ジョッキを頼んでしまった。
 イライラしながら待ち、来たら乾杯、すぐに勘定だ。
 このあわてぶりを見ていたウェイター、山さんがとりあえずテーブルの上にお
 いた札と小銭を、仲間が勘定する間もなく全部とって、「サンキュウ」と言っ
 て去った。勘定は22.5フラン。仲間いわく、「10フランは多かったぞ」。
 スイスでは通常、チップはいらない。しかし時間がなく、盗られたとわかりな
 がらも、駅に急いだ。
 5つ星のホテルでこんな事件が起きたのは残念。
 しかし自ら反省すべきは、あわてて意地汚くビールを飲んだこと。これがそも
 そもの原因であることを忘れてはいけないと肝に銘じた。

 定宿のホテルのレストランでは、いつもヴァリス州の赤ワイン「ドール」を1本
 注文する。
 このワインの産地は、マッター渓谷入り口にある天まで届くかのようなみごと
 なブドウの段々畑である。狭くて急な斜面だから、当然、手で摘むしかない。
 透明な大気、輝く太陽に育まれたブドウは、重労働のすえ摘み取られ、醸され、
 貴重なワインとなるのだ。
 さてこのワインを毎日変わるメニューの食事とともに味わう。どこのワインも、
 産地でいただくのが一番だが、スイスワインは、特に、その傾向が強い。
 ちなみに、飲む量は、一人100mlくらい。少し口が軽くなる程度。

 ところで最後に、少々筆が滑っているのを覚悟で書いてみたい。
 現地の老人が、キルシュ(さくらんぼから造る蒸留酒)を一口飲んでは、ビー
 ルを飲んでいる光景を目撃した。
 キルシュの香りを楽しむなら、チェイサーに水を使えばよいのに……と思った
 瞬間、思い出したことがある。40年も昔、やはりスイスで軍服姿の若者が、
 ビールにアクアビット(スピリッツ)を入れ飲んでいた。
 スイスは国民皆兵。兵役義務がある。こんな飲み方は、早く酔うための手段。
 軍隊で教えられたに違いない。当時は同情的に見ていたし、今回改めて、軍隊
 の悪慣行が若者から老人にまで及んでいることや、徴兵制は悪い飲酒習慣を広
 めることを考えさせられた。


=============================================================★
  6.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
 コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
 法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
 ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
 見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
 2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
 族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
 飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
  教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
  内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
 ・ASKリバーシブル予防パンフを製作
 ・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化についての
  要望書」を提出
 ・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
 ・自動車工業会のシンポジウムで、今成が飲酒運転防止インストラクター
  養成講座について報告
 ・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
 ・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~)

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/876/1916

=====================編集後記 *つぶやき*========================

 全国でのスクーリングの準備で、事務所はあわただしい忙しさです。
 昨日は、夏休みの旅行から戻った山さんと打ち合わせでした。

 実は、山さんは、携帯電話を持たない主義です。
 そのため、全国行脚がはじまると、急な連絡はもうたいへん!
 会場にいる別なインストラクターの携帯に電話して、山さんをつかまえて
 もらう。ホテルにFAXするなど……。

 担当スタッフ、ハラハラの4ヵ月、もうすぐ始まります。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】111号 15.8.20
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 =================== このメールマガジンは ====================
  特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
  設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
  ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
  録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
 ===========================================================
プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

最近の記事
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
リンク