職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

110号2015

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  110号 15.7.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.特別投稿 アルコール・インターロック No.2
    5.山さんコラム No.108
    6.ASKの活動ご紹介
    7.編集後記 *つぶやき*

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     第8期飲酒運転防止インストラクター養成講座   
        10ヵ所で実施の「公開スクーリング」

        午前中は、無料で一般参加できます! 

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ◆第8期飲酒運転防止インストラクター養成講座

 (一社)日本自動車工業会が、当養成講座を後援してくださる運びになり、
 ホームページにお名前を掲載いたしました。
   ↓   ↓   ↓
  http://c.bme.jp/13/297/805/1916


 さて、第8期の進捗状況です。
 助成枠でのお申込み受付は終了しました。
 お問い合わせは事務局へ(電話03-3249-2551)

 【ステップ1】の通信スクール(添削3回)を、すでに44名の方が修了。
 締め切りは9月末です。(間際は混み合いますので、早めに提出を)
 
 通信スクールの内容はこちら
  ↓   ↓   ↓
 http://c.bme.jp/13/297/806/1916

 【ステップ2】
 9月から12月にかけて、全国17ヵ所でスクーリングを行ないます。 
 8月中には、受講者の皆様に、案内を郵送します。
 スクーリングに出席しないと、インストラクターとして認定できませんので、
 必ずご参加ください。

 ★なお、うち10ヵ所は公開スクーリングです。養成講座を受講していなくても
 午前中だけは無料で参加できます。
 公開スクーリングの日程は下記のとおり。ふるってご参加ください。
 10/7 仙台市、10/14 神戸市、10/20 福岡市、10/28 大阪市、10/30 広島市、
 11/6 札幌市、11/13 岡山市、11/17 名古屋市、11/24 新宿区、12/3 那覇市

 詳細とお申込み方法は次回お知らせします。

【認定インストラクター向けスキルアップ研修】 
 スクーリングに併せて、全国12ヵ所で、認定インストラクター向けのスキル
 アップ研修を実施します。
 1期~7期の認定インストラクターには、8月中にご案内をお送りします。 
 新たな情報を得たり、インストラクター同士の交流の場にもなりますので
 ぜひご参加ください。

 …………………………………………
 上級インストラクターのお申込みも受付中です。
 認定インストラクターの方、どうぞ挑戦してください。
 詳しくは以下のサイトを。
  ↓   ↓   ↓
 http://c.bme.jp/13/297/807/1916


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  2.ASKからのお知らせ
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 ●アルコール健康障害対策関係者会議
  ワーキンググループ2つが傍聴募集中!
  申込みの締切りは7月17日(金)17時必着です。

 第3回【相談支援・社会復帰・民間団体ワーキンググループ】
 7月24日(金)10:00~12:30
 http://c.bme.jp/13/297/808/1916

 第4回【健診・医療ワーキンググループ】
 7月24日(金)14:00~16:00 
 http://c.bme.jp/13/297/809/1916


 ●自分の体質を知るところから始める

 「かんたんジェルパッチ」を購入された、運送会社の担当者にお話をうかがい
 ました。

 ――どんなふうに活用されたのですか?
 会社の従業員30名に対して、社員研修の一環として実施しました。

 ――効果はいかがでしたか?
 とても好評でした。
 お酒の問題は頭ごなしに言っても「個人のことだから」と、反発も多いのです
 が、まずは自分の体質を知るところから始めることで反発が少なく、アルコー
 ル問題を知ってもらうきっかけ作りができました。
 「アルコールの1単位のことなど知らなかったので、今後お酒を飲むときに、
 意識してみる」といった声もありました。

 
 ASKでは、体質判定の結果を、予防にどう活かすかが肝心と考えています。
 そこで、ジェルパッチとセットになった「手渡しパンフ」に、体質別アドバ
 イスや、アルコールの単位と分解時間などをイラスト入りで解説。
 ご自分の飲酒を振り返るきっかけとなるように工夫してあります。

 ★ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
    ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/810/1916

 ★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

 ●DVD&ハンドブック
  「知って得する!アルコールの基礎知識」
   アルコールの分解時間、寝酒の危険性、節酒のコツも!
  http://c.bme.jp/13/297/811/1916

 ●トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  マンガで予防知識を! 話題づくりにも!
  http://c.bme.jp/13/297/812/1916

 ●ASKリバーシブル予防パンフ
  知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
  http://c.bme.jp/13/297/813/1916

 ●飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
  「15分で学べる必須のアルコール知識」
  ※カスタマイズ版がANAに採用されています
  http://c.bme.jp/13/297/814/1916 

 ●ASKアルコール通信講座
  依存症への対応が具体的に学べます
  http://c.bme.jp/13/297/815/1916


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  3.ニュースCLIP!
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 またもや、警官の飲酒運転が相次ぎました。
 福岡では中年、千葉では若者です。

 多量飲酒や、飲酒しての入浴など、日頃の飲酒行動も気になります。
 日本社会は、あまりにもアルコールに無防備です。
 とくに、体育会系の男性職場、シフト勤務の職場では、アルコールの落とし穴
 に気をつける必要があります。
 
 このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも、日々、ニュース
 のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/816/1916

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 1)小樽死傷事故、アルコールの影響を裁判所が認定
2)福岡県警に衝撃――警察官2人が検挙
 3)若者の「コンパ乗り」、警視庁の警官も
 4)仮眠でアルコールは抜けません
 5)アルコール検知器協議会 活動開始!

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 1)小樽死傷事故、アルコールの影響を裁判所が認定

 昨年7月、北海道小樽市で海水浴帰りの女性4人がはねられ、3人が死亡した事
 件。元飲食店従業員(32)の裁判員裁判が札幌地裁で行なわれました。

 ◎小樽ひき逃げ事件:32歳被告に求刑と同じ懲役22年判決(7月9日 毎日新聞)

 裁判の焦点は、以下でした。
 ・検察側…「アルコールの影響としか考えられない異常運転」として危険運転
      致死傷罪の適用を求め、道交法違反(ひき逃げ)と併せて22年を
      求刑。
 ・弁護側…「(原因は)スマートフォンの操作による脇見運転で、飲酒してい
      なくても起きていた」と過失致死傷罪を主張し、量刑は「懲役9年
      が相当」と訴えた。

 7月9日の判決公判で、裁判長は求刑通り懲役22年を言い渡しました。

 判決要旨から状況を抜粋してみると――
 ・被告は、午前4時半ごろから正午過ぎまでの7時間半近く、わかっているだけ
  でも、生ビール中ジョッキ4杯、缶酎ハイ4、5缶、焼酎のお茶割1杯を断続的
  に飲み続け、完全に酔いつぶれた。
 ・2時間程度寝込んだあとの運転開始直前、「まだ二日酔いのような状態で体
  がだるく、目もしょぼしょぼしていた」と述べている。
 ・事故から44分後に、呼気0.55mg/lのアルコールが検出されている。
 ・時速50~60キロで走行しながら、スマホの画面を15~20秒も見続けていた。

 裁判長は、これを、「『よそ見』というレベルをはるかに超える危険極まりな
 い行動」と断じ、「被告は『酒が残っていなくても今回の事故を起こしていた』
 と述べるが、あれだけの運転をしながら、何の根拠で酒の影響が全くないと
 言い切れるのか理解に苦しむ」と弁護側の主張を退けました。

 運転しながら、スマホの画面を15~20秒見続けられたことこそが、アルコール
 の影響ということです。

 福岡の3児死亡事故の裁判では、一審は「わき見運転」、二審でようやくアル
 コールの影響が認められ、危険運転致死傷罪が適用された経緯がありました。
 あれから8年。
 一審でこの判決が下ったことは、ご遺族にとって、せめてもの救いだったの
 ではと思いました。


 2)福岡県警に衝撃――警察官2人が検挙

 夏の交通安全県民運動(10~19日)を控え、福岡県警が、県内全域で飲酒運転
 の摘発強化をしようとしていた最中の出来事でした。

 ●警部補(49)(7月4日 西日本新聞)
 7月4日午前0時半頃、交差点で突然後進するなどした車に停止を求めたところ、
 呼気0.59mg/lのアルコールが検出。職務質問中に車をバックさせて捜査車両に
 ぶつけ、逃走を図ろうとしたとみられる。
 勤務後に知人の女性とJR博多駅構内の飲食店でビール5~6杯と焼酎の水割り
 を飲み、「女性を送っているところだった」と供述。

 ●警部補(58)(7月6日 西日本新聞)
 7月5日午後7時15分頃、大型量販店駐車場でパトカーを見て発進しようとした
 不審な車を発見。職務質問したところ、呼気から基準値以下の0.13mg/lのアル
 コール分が検出。
 この日は非番で、「午後4時ごろから量販店近くの温泉施設で約1時間ウォーキ
 ングした後、缶ビールを飲んで入浴した」と供述。

 多量飲酒、入浴前の飲酒など、飲酒行動で気になる点があります。
 2009年の警察官検挙では、県警は、アルコール依存症に絞った再発防止策を
 とりました。
 今回は、もっと幅広いアルコールの知識の研修や飲酒行動是正が必要だと思い
 ます。


 ★警察職員による飲酒運転 事例の分析(ASK)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/817/1916


 3)若者の「コンパ乗り」、警視庁の警官も

 福岡県警だけではありません。
 警視庁の21歳の巡査も、千葉で逮捕されました。
 こちらは、典型的な若者の飲酒運転。
 一緒に飲んだ仲間を同乗させた、若者によくある「コンパ乗り」です。
 しかも、身代わりを頼み、虚偽申告まで……。

 ●巡査(21)千葉 (7月2日 毎日新聞)
 6月10日夜、鎌ケ谷市の居酒屋であった中学時代の同級生の誕生会で友人6人と
 酒を飲み、うち5人を乗せて千葉市の海岸に花火をしに行く途中、11日午前1時
 頃、追突事故を起こした。飲酒運転が発覚しないよう、同乗していた保育士の
 女性(22)に身代わりを頼み、警察官に虚偽の申告をさせていた。
 7月2日に、自動車運転処罰法違反(過失致傷)と犯人隠避教唆の容疑で逮捕。
 「当日は、ビールを瓶1本とサワー数杯を飲んだ」と供述しているとのこと。

 他にも、若者による悪質な飲酒運転が目立ちました。
 自動車教習所、高校、大学、専門学校、職場での対策が必要です。

 ●3人死傷 派遣社員(22)沖縄 (6月22日 朝日新聞) 
 6月21日午前6時10分頃、酒を飲んで軽乗用車を運転、男女3人をはね、うち1人
 を死なせ、男女2人にも骨折の重傷を負わせた。呼気からは基準値の3倍を超え
 るアルコールが検出。

 ●ひき逃げ 大学3年生(20)京都 (6月28日 産経WEST)
 酒に酔ってオートバイを運転、交差点で横断中の男児をはね、男児は顔を打つ
 軽傷を負った。
 そのまま走り去るのを、近くの店の男性従業員が約250m追いかけ、身柄を確保。
 酒の臭いがし、歩行でふらついた。

 ●無免許・ひき逃げ 少年(19)三重 (7月2日 レスポンス)
 6月27日午後10時30分頃、徒歩で横断歩道を渡っていた男性をはね、逃走。
 市内の駐車場で目撃情報に酷似した車を発見。運転していた少年に任意で事情
 を聞いたところ、無免許と酒気帯び状態が発覚。自動車運転死傷行為処罰法違
 反(無免許運転過失傷害)と道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転、酒気帯
 び運転)の容疑で逮捕。少年の免許は6月に違反累積で取消処分となっていた。

 ★若者の飲酒運転事例の分析 2012年度まとめ(ASK)
  対策の提言もあります
   ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/818/1916

 ★警察庁交通局配布資料(飲酒運転事故関連統計資料)
  若者の飲酒事故は死亡事故率が高い(3~4ページのグラフを参照)
   ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/819/1916


 4)仮眠でアルコールは抜けません

 「飲酒後に車中で休んだので大丈夫だと思った」⇒これは間違いです。

 ビール中瓶1本(あるいは焼酎100ml)が分解されて体から消えるのに、
 男性でおよそ4時間、女性では5時間かかります。

 仮眠でアルコールは抜けません。

 ――車内で1時間半仮眠 
 ●土浦市職員(50)(7月7日 常陽新聞)
 7月6日午後8時30分頃まで市役所で残業し、午後9時から翌7日の午前0時頃まで、
 飲食店でビール大瓶2本を飲酒。この後、市職員駐車場に止めていた乗用車内
 で約1時間半ほど仮眠を取った。
 午前2時ごろ乗用車を運転して帰宅途中に、巡回中の署員に呼び止められ、基
 準値を超えるアルコールが検出。

 ――車内で6時間仮眠
 ●かすみがうら市職員(39)(7月6日 産経新聞)
 7月3日夜、約3時間、飲食店で1人でビールなどを飲み、4日午前1時頃から自
 家用車で仮眠。帰宅途中の午前6時半頃、警察官に車を止められ、基準値を超
 えるアルコールが検知された。

 ――車内で仮眠
 ●岩国市職員(40)(6月27日 産経新聞)
 6月27日、午前5時40分頃、対向車線にはみ出して大型トラックと衝突する事故
 を起こした。基準値を上回るアルコールを検出。
 「飲酒後に車中で休んだので大丈夫だと思った」と話している。

 自分はアルコールの分解が早いから大丈夫? 
 いいえ、睡眠中は、アルコールの分解速度が遅くなるんです。
 飲んだ量によっては、通常の睡眠でも抜けないおそれがあります。

 身近なアルコールだからこそ、正しい知識を持つことが大切です。

 ★DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
    ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/820/1916

 ★eラーニング「15分で学べる必須のアルコール知識」
    ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/821/1916

 ★ASKアルコール通信講座
    ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/822/1916


 5)アルコール検知器協議会 活動開始!

 日本には、アルコール検知器の精度基準がありません。

 安価な検知器をメンテナンスせずに使い、
 「どれだけ飲んでも、翌朝、検知器には引っかからない。自分は分解が早いん
 だ」と豪語する人もいます。
 これでは、飲酒運転防止の機器が、飲酒運転促進の機器になりかねません。

 今年2月、国民生活センターも、市販されている簡易型アルコールチェッカー
 6銘柄についてテストを行ない、以下の呼びかけをしていました。

 過信は禁物!息を吹きかけて呼気中のアルコール濃度を調べる測定器
 ―運転の可否の判断には使用しないで!―
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/823/1916

 「アルコール検知器」の名のもと、さまざまなレベルの機器が売られている
 日本の現状。
 精度基準を求める声を受けて、4月に「アルコール検知器協議会」が発足、
 6月に活動を開始しました。

 ◎アルコール検知器協議会/17社加盟し、活動を開始(6月24日 LNEWS)

 発起人は、検知器メーカー4社(サンコーテクノ、タニタ、東海電子、フィガロ
 技研)。その後、加盟は17社になり、活動開始にあたり2つのワーキンググルー
 プを立ち上げたとのことです。

 ●検定化ワーキンググループ
 一定の品質基準を満たしていることを認定する検定制度導入に向けて、評価基
 準や品質保証ガイドラインを策定。

 ●普及啓発ワーキンググループ
 各種団体や企業と連携しながら、飲酒運転防止やアルコール検知器の正しい使
 い方に関する情報発信、シンポジウムの開催などを予定。

 ■団体概要
 団体名:アルコール検知器協議会
 事務局:東京都品川区西五反田8-1-2(東海電子 東京営業所内)
 代 表:会長 谷田 千里(タニタ 代表取締役社長)
     副会長 山本 篤(東洋マーク製作所 代表取締役社長)
 加盟企業:17社
 (エフアイエス、光明理化学工業、サンコーテクノ、篠原計器製作所、タニタ、
 中央自動車工業、データ・テック、テレニシ、東海電子、東洋マーク製作所、
 ドコモ・システムズ、ドレーゲル・セイフティージャパン、パーマンコーポ
 レーション、パイ・アール、フィガロ技研、前野技研工業、メイエレック)
 

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  4.特別投稿 アルコール・インターロック No.2
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 一般社団法人日本自動車工業会 飲酒運転防止技術分科会

 飲酒運転事故は、日本だけでなく諸外国においても大きな社会問題となってい
ます。当分科会の主な活動のひとつに、諸外国のアルコール・インターロック
 装置を含む飲酒運転防止活動の調査と、国内関係機関への情報展開があります。
 今回は、この調査で入手した米国、欧州の情報を中心に紹介します。

 【No.2 諸外国におけるアルコール・インターロック装置の活用状況と課題】

 1.米国の状況

 1)米国の飲酒運転事故状況
 全米では交通事故による年間死亡者の約30%に当たる10,076人(2013年)※1
 が飲酒運転事故により死亡しており、件数・率とも日本よりかなり多くの死亡
 事故が発生しています。

 2)飲酒運転違反者へのアルコール・インターロックの適用
 大半の州では10年以上前から飲酒運転再犯者(2回以上の飲酒運転違反)を対象
 に、一定期間アルコール・インターロック装置(以下AILS)を装着させる取り
 組みが始まり、近年ではすべての州でこの違反者への装着制度が行われるよう
 になっています。
 対象となる違反回数・装着期間などは州により異なりますが,裁判所の指示で
 半年から数年間程度装着され、その使用状況は定期的に報告される仕組みにな
 っています。これらの多くは、カウンセリング等のリハビリテーション・プロ
 グラムの一部として行われています。
 装置は原則レンタルで、現在では30万台以上が全米で装着されている模様です。
 また米国では、現状のAILSは高価で使いにくい点があるため、違反者への装着
 に限って運用されています。

 3)AILSの装着方法
 裁判所の指示を受けた違反者は、各州で認可を受けた登録装着業者に出向き、
 AILSを自家用車に装着してもらう。さらに、定期的なデータ吸い上げ(州の管
 理機関へ送付される)と、AILSの精度確認・メンテナンスをすべて同様な業者
 に出向いて行うことになっています。なお、装着やメンテナンス費用はすべて
 違反者の負担が原則であり、年間に数百ドルの経費がかかります。

 4)違反者へのAILS装着の効果と課題
 米国では公共交通機関がない地域が多く、車両の運転が生活上不可欠のため、
 違反者へのAILS装着制度は、免許証を取り上げることができない場合の救済措
 置の意味もあります。
 装着期間中は飲酒運転をかなり防止できますが,該当者が装着されていない知
 人の車両を運転したりするため、装着しても効果は60~70%程度に留まるとの
 報告がされています。また、免許を返上してAILSを装着しなかった違反者が、
 無免許運転をしてしまう事例も有るようで、この制度であっても、完全に飲酒
 運転を防ぐことは困難なようです。※2
 さらに、装着期間終了によりAILSを外した後には、かなりの高い割合で飲酒運
 転を繰り返してしまうとの報告もあり、飲酒運転の根深さが窺われます。※2

 2.欧州の状況

 1)欧州の飲酒運転事故状況
 欧州の飲酒運転事故は、もちろん国ごとに大きな違いがありますが、EU全体
 (28ヵ国)では年間に7,700名程度の飲酒事故死亡者が発生し、全死亡事故に
 占める飲酒運転事故の割合は、おおむね25%程度と報告されています。※3

 2)違反者へのAILSの適用と課題
 欧州では各国ごとの実験・判断・法律化により、飲酒運転違反者へのAILS装着
 制度が2010年前後から開始されつつあります(フィンランド、スウェーデン、
 フランス、ベルギー、ポーランド、オランダ、デンマークなど)。また、これ
 らはカウンセリングなどとのリハビリテーション・プログラムの一環として実
 施されています。
 ドイツ、イギリス、イタリア、スペインなどでは試行実験などの検討はされま
 したが、違反者装着の制度化はまだされていません。免許取り消し制度などと
 の整合性や、AILS装着効果の限界、運用と教育との連携などの課題解決が難し
 いとの指摘もあります。※2
 また、国境を跨いだ走行が多い欧州特有の課題として、AILS装着が必要な免許
 証の記載方法が各国で異なるとか、そもそも飲酒運転取り締まりのアルコール
 レベルが各国で異なり、各国が連携した取締りや対策が行いにくいとの指摘が
 あります。※3

 3)違反者以外へのAILSの装着
 欧州は米国と異なり、違反者以外へのAILS装着にも積極的です。最も積極的な
 のがスウェーデンで、1999年にはトラック・バスなどの事業者が自主的に装着
 を開始しました。これは、自社がいかに安全に対して気を遣っている会社であ
 るかをアピールする意味が大きく、その他、スクールバスへの取り付けに関す
 る法制化もスウェーデン、フランスなどで進んでおり、違反者以外でのAILS
 装着台数は数万台以上に上ると推定されます。
 但しこれらも、雇い主や事業主が取り付けと使用を決めており、ドライバー自
 身が進んで装着しているわけではありません。

 【まとめ】
 日本の飲酒死亡事故件数は、ここ数年大きく減少しており、欧米に比較すると
 件数・率ともに大幅に少なくなっています。
 また、バス・トラック・タクシーなどの運送事業者に対しては、国土交通省が
 点呼時のアルコール検知器の使用を義務づけています。
 今後、飲酒運転事故根絶をめざした活動において、欧米の取り組みをそのまま
 導入することが効果的かどうかは、慎重に検討することが必要です。

 次回のテーマは、「日本で活用する場合の課題」。
 ご質問、ご意見などありましたら、
 編集部 email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp まで
 お寄せください。可能な範囲でお答えしたいと思っています。

 参考
 ※1:NHTSA、Fatality Analysis Reporting System 2013 Annual Report
 ※2:International Alcohol Interlock Symposium (2013, 2014)
 ※3:ETSC、Drink Driving: Towards Zero Tolerance (2012)


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   5.山さんコラム No.108
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆「趣味」に紛れこむ酒の危険

 夏、レジャーシーズンに合わせて、今回は大自然の中で話を始めよう。
 「山さんの酒人生・その6」である。
 
 昭和38年11月3日、従兄にさそわれ、某大学サークルが主催した一般募集ハイ
 キングに参加した。
 文化の日といえば全国的に晴れる特異日、奥信濃の山麓は晴天だった。
 ところが山頂は曇り、渋峠へくだる稜線に出た途端、みぞれが降り出した。
 高地のみぞれは始末が悪い。
 雪なら雨具を滑って内部に入らない。雨なら温度が高い。しかしみぞれは表面
 に貼りつき、隙間から冷たいしずくが入り込む。凍って肩にはりつく。
 みぞれに濡れながら、滑る笹原の山道を急ぐ。集団は段々長くなり、いくつか
 に分断。
 一行の中には山に慣れない娘さんが何人もいて、悲鳴まじりに「もう歩けない」
 とベソをかく。一人が弱音を吐くと連鎖反応。座り込む者も出る。山さんは、
 近くにいた2人を両手に抱え、励ましながら、トボトボ歩いた。二人の足取りが
 重く、こちらへ寄りかかるので、とても歩きづらい。へたり込みそうになるの
 を堪えた。
 山さんは、渋峠に避難小屋があるのを知っていたので、なんとか小屋までと、
 がんばった。女性と腕を組むのは、60年安保反対デモ以来3年ぶり。命がけの
 両手に花。
 ようやく着いた小屋。
 女性たちは、スッカリおびえ震えていた。「山に完全にのまれている」と山さ
 んは感じた。そこで、ウイスキーの小瓶を取り出し、非常用の薬と称し一口ず
 つ飲ませた。すると、皆、顔色がよくなり、不安を口に出した。山さんは、
 それを聞いてから、ゆっくり説明した。

 ――これから上りはない。道は平ら、1時間も歩けばロープウエイがある。
 うまく行けば、草津―志賀高原道路の建設工事をしているトラックへザックを
 頼めるかもしれない。
 希望が持てる話をした上で、こう続けた。

 ――ここで歩き出さずにいたら、一晩、この寒さの中、避難小屋に泊まること
 になる。
 おびえていた女性たちは、アルコールの作用で、少し気が大きくなり、元気回
 復。山さんも飲んで調子をつけ、冗談も出る。それがまた、皆に伝染し、よれ
 よれ集団が、すっかり元気になった。
 みぞれの中をロープウエイへ向かう。
 運の良いことに、20分もたたないうちに工事用トラックとめぐりあった。女性
 をトラックへ乗せてもらい、ザックを預け、男性はロープウエイへ急いだ。
 こうして無事に下山できたが、正直言って遭難寸前の事態だった。

 山さんがこの体験から学んだことが2つある。
 1.初冬の山は怖い。以来、高山での山歩きは10月までと決め、現在まで守って
   いる。
 2.アルコールは役に立つ。山行には、ウイスキーかブランデーを必ず持参する
   習慣ができた。やがて小瓶でなく、750ml一瓶担ぎ上げることになった。

 たとえば早池峰登山。沢筋を上る。最後の水場で、清冽な水を水筒にたっぷり
 補給する。頂上ではサンドウィッチの昼食とともに、清冽な沢水で割ったウイ
 スキーをグイとやる。実にうまい。
 山頂を極めた達成感、見渡す北上山地の壮大な風景。美しい高山植物。水割り
 の軽い酔い心地。
 下山は酔いにまかせ、岩から岩へ跳びおりる。
 しらふだったら、岩が滑ることや角に足をとられること、裂け目が危ないこと
 への恐怖感がある。それが、酔いのせいでまったく感じない。ピョンピョン
 跳ねながら下る。こんなに楽しいことはない。
 ……ところが、45歳をすぎて中央線大月駅から登った扇山でのこと。
 軽い酔い心地で下っていたら、赤土で足をとられ、大転倒。3回転はしただろ
 う。
 骨折? と、おそる恐る立ち上がる。アチコチ痛むが、幸い足のほうは無事。
 以後、山頂の水割りはやめた。

 かつてはスキーと酒も、山さんの中で結びついていた。
 札幌勤務の時代に、ニセコでの「スキーと食べ放題・飲み放題」ツアーに参加
 したことがある。
 宿で、どれだけ飲んだかわからない。
 翌朝は二日酔いでフラフラだ。その状態で、よく滑った。恐怖感がないから、
 深い雪の中に突っ込んだり、大転倒は数知れず。
 幸いにもスキー場がすいていたこともあり、他人にけがをさせることもなく、
 山さんも無事、札幌に戻ることができた。
 しかし後年、スキー場でビールを飲み、足首をネンザしたり、手首を骨折した
 こともある。

 健康的な趣味はいろいろある。
 釣り、山登り、旅行、あるいはテニス・ジョギング。
 しかしそうした趣味の中に、酒が紛れ込んでいないか注意が必要だ。
 酒と結びつくと、上達の妨げになるだけではない。ケガの原因になる。他人を
 巻きこんだ事故の危険もある。
 山さんの経験から、くれぐれも警告しておきたい。


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  6.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
 コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
 法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
 ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
 見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
 2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
 族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
 飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
  教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
  内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
 ・ASKリバーシブル予防パンフを製作
 ・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化についての
  要望書」を提出
 ・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
 ・自動車工業会のシンポジウムで、今成が飲酒運転防止インストラクター
  養成講座について報告
 ・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
 ・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~)

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html


=====================編集後記 *つぶやき*========================

 梅雨空が一転、夏日になりました。
 急激に気温が上がると、体が慣れておらず、大量に汗をかいて脱水症状に陥り
 やすいのだそうです。
 日本における熱中症の発生ピークは、梅雨明け直後と、梅雨明け前の連続した
 晴天の時期だとか。
 まさに、今ですね。こまめな水分補給を心がけましょう。

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】110号 15.7.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 =================== このメールマガジンは ====================
  特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
  設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
  ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
  録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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