職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

108号2015

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  108号 15.5.19
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.106
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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  自転車の違反者カリキュラムが発表に!

        ――ニュースクリップをどうぞ
   

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ★第8期飲酒運転防止インストラクター養成講座、受付中です!

 刻々と定員に近づいています。
 お早めに、ホームページからお申し込みください。
   ↓   ↓   ↓
 http://c.bme.jp/13/297/682/1916

 第1~7期に認定されたインストラクターの総数が2469名に!
 地区別には――
 北海道(132)/東北(197)/関東(904)/信越・北陸(110)/東海(251)
 /近畿(401)/中国(116)/四国(71)/九州(201)/沖縄(86)

 認定者からはこんな感想が寄せられています。

 ●今までと違った指導、教育方法を学ぶことができた。(自動車教習所)

 ●毎日飲酒していたが、1週間に2日、休肝日をつくれるようになった。(バス)

 ●これまでは主にアルコール依存症やアルコール精神病など、病気になった人
  への介入がほとんどであったが、この講座のおかげで病気の発生予防にまで
  視野が広がったようでありがたいと思う。(医療)


上級インストラクターも41名に。
 上級インストラクターはアルコール依存症についての研鑽も深めます。
 将来のスクーリング講師候補でもあります。
 …………………………………………
 上級インストラクターのお申込みも受付中です。
 認定インストラクターの方、挑戦しませんか?
 詳しくは以下のサイトをご覧ください。
   ↓   ↓   ↓
 http://c.bme.jp/13/297/683/1916


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  2.ASKからのお知らせ
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 ●ASK第32回総会
 6月13日(土)13:00~16:00 入場無料
 東京・日本橋浜町の事務所セミナールームで開催します。
 総会のあと、14:30から以下のプログラムを予定しています。
会員以外の方もぜひおいでください。(電話かメールでご連絡ください)

 ◇「いまこそ知りたい基本法! 関係者会議の焦点はここだ!」
  ――毎回、傍聴の抽選にはずれる人が続出の注目の会議で
    何が話し合われている? 現状報告と質疑応答(今成知美)
 
 ◇広げよう「ハルくん全国プロジェクト」
  ASK会員で飲酒運転防止上級インストラクターでもある八重樫正美さんが
  岩手弁で朗読
 

 ●関係者会議、3つのワーキンググループが傍聴募集!

 アルコール健康障害対策関係者会議が佳境に入っています。
 現在、3つのワーキンググループが稼働していて、5月はその3つがそれぞれ
 施策検討の会議を開きます。
 傍聴のお申し込みはそれぞれのサイトから。

 【教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ】はいよいよ、飲酒運転
 違反者への対策がテーマに。座長はASK代表の今成です。

 ■第2回【教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ】
 5月22日(金) 10:00~12:00
 (1)飲酒運転等をした者に対する指導等について
 (2)その他
 http://c.bme.jp/13/297/684/1916

 ■第2回【健診・医療ワーキンググループ】
 5月22日(金) 14:30~17:00
 (1)関係者ヒアリング
 (2)健康診断及び保健指導について
 (3)その他
 http://c.bme.jp/13/297/685/1916

 ■第1回【相談支援・社会復帰・民間団体ワーキンググループ】
 5月25日(月) 16:00~18:00
 (1)関係団体からのヒアリング
  ・アルコール関連問題ソーシャルワーカー協会
  ・全国マック協議会
  ・NPO法人 いちごの会
 (2)その他
 http://c.bme.jp/13/297/686/1916

 なお、本会議は6月12日(金)16:00-18:00の予定ですが、まだ傍聴の募集は行
 なわれていません。
 5月中には募集されると思いますので、以下のサイトをご確認ください。
 これまでの会議の議事録や資料も公開されています。
 http://www8.cao.go.jp/alcohol/kenko_shougai_kaigi/index.html


 ●トイレで仕掛ける、啓発活動!

 今回は、トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」100個パック
 を購入されたバス会社にお聞きしました。
 飲酒運転防止インストラクターの養成にも取り組んでいらっしゃる会社です。

 ――購入の動機、活用方法、反響を教えてください。

 従業員190名に対して、従来とは異なるアプローチで飲酒運転防止の啓発活動
 を行なおうと思って購入し、事業所のトイレに設置しました。
 まさに狙い通りで、「まさかこんなところで!」ととても驚いて、興味深そう
 に見ていました。

 ――トイレという日常空間の中での啓発は意外性があるため、
   話題になって口コミで広がる効果も見込めますね。 

 ★トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
  マンガで予防知識を! 話題づくりにも!
   ↓ ↓ ↓
  http://c.bme.jp/13/297/687/1916


 ★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

 ●DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
  定番中の定番。これを知らないと飲酒運転は防げません!
  http://c.bme.jp/13/297/688/1916

 ●ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
  http://c.bme.jp/13/297/689/1916

 ●ASKリバーシブル予防パンフ
  知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
  http://c.bme.jp/13/297/690/1916

 ●飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
  「15分で学べる必須のアルコール知識」
  ※カスタマイズ版がANAに採用されています
  http://c.bme.jp/13/297/691/1916 

 ●ASKアルコール通信講座
  依存症への対応が具体的に学べます
  http://c.bme.jp/13/297/692/1916


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  3.ニュースCLIP!
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 日本列島に、台風が到来する季節になりました。
 箱根山の火山活動や東北での地震など、心配の種は尽きません。
 どうぞ被害が出ませんように。
 
 このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けします。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

 なお、Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも、日々、
 ニュースのシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/693/1916

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 1)福岡で飲酒運転検挙が続々!
 2)前夜のお酒が翌日に残って……
 3)女性の飲酒事故――暴走や死傷も
 4)フォークリフトで駐車中の車7台損傷!?
 5)自転車の違反者講習カリキュラム

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 1)福岡で飲酒運転検挙が続々!

 官民一体で防止に取り組んでいる福岡で、飲酒運転検挙が相次ぎました。
 検挙者の職業は、会社経営者、会社員、トラック運転手、農業従事者、未成年
 者(しかも無免許)、自営業、建設業、教諭と多岐にわたっています。
 パトカーから停止を求められ、猛スピードで逃げて、車4台を巻き込み、5人を
 負傷させた29歳の会社員も……。

 市立中学教諭の逮捕を受け、福岡市立校では、飲酒を伴う懇親会などの開催を
 自粛する動きが出ています。

 ◎教諭酒気帯び運転、福岡市また宴会自粛 キャンセル多発、店は「泣き寝入り」
  (5月11日 西日本新聞)

 あおりを受けているのが、新学期の歓迎会を当てにしていた地元飲食店。
 飲酒不祥事のたびに繰り返される宴会自粛に、識者は「世間にとりあえず反省
 のポーズを示すだけなら意味がない」と疑問を投げ掛けています。

 飲酒運転は、日頃の飲酒習慣と深く関わっています。
 職場にぜひ、アルコールの正しい知識を!


 ★eラーニング「15分で学べる必須のアルコール知識」
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/694/1916

 ★DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/695/1916


 2)前夜のお酒が翌日に残って……

 飲んだ量によっては、アルコールは翌日も残ります。
 ビール中瓶1本(あるいは焼酎100ml)が分解されて体から消えるのに、男性で
 およそ4時間、女性では5時間。
 3本飲んだら、翌日までアルコールは体内に残るのです。

 ●バス運転士(30)長崎(5 月14日読売新聞) 
 長崎県交通局は、5月4日朝の乗務前検査で0.19mg/lのアルコール分が検出され
 たとして、嘱託のバス運転士を停職2ヵ月の懲戒処分にした。
 前日午後4時~9時頃、親族の結婚式で「ビールをワイングラスで12杯飲んだ」
 と説明。「お酒は残っている感じはしたが、検査で反応しない程度の残り方だ
 と思った」と述べている。

 ●消防司令補(45)高知(5 月6日 産経新聞)
 5月6日午前5時40分頃、市道交差点を軽貨物車で強引に右折したとして、巡回
 中のパトカーに停車させられ、呼気から基準値を超えるアルコールが検出。
 午前2時頃まで飲酒し、車内で休んだ後、帰る途中だったという。

 ●JA職員(49)徳島(5 月5日 読売新聞)
 5月4日午前5時50分頃、パトロール中の署員が声を掛けたところ、酒の臭いが
 し、基準値を超えるアルコール分が検出された。
 「二日酔いだ」と述べている。


 「お酒は残っている感じはしたが、検査で反応しない程度の残り方だと思った」
 正しい知識を持てば、このような発言はできません。
 飲酒運転防止には、アルコールの知識が欠かせないのです。


 ★ 飲酒運転防止インストラクター養成講座
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/696/1916


 3)女性の飲酒事故――暴走や死傷も

 女性ドライバーによる、大きな事故が各地で起きています。
 アクセルとブレーキを踏み間違え、歩道への乗り上げ……。
 典型的な飲酒事故、脳のマヒによるものです。

 ●職業不明(44)佐賀(5月14日 佐賀新聞)
 →縁石に乗り上げ横転!
 5月13日午前2時半頃、縁石に乗り上げ横転する事故を起こし、呼気0.3mg/lの
 アルコールを検出した。

 ●美容師(25)大阪(5月11日 産経新聞)
 →アクセルとブレーキを踏み間違え、2人死傷!
 5月11日午前3時45分頃、酒を飲んで車を運転し、駐車場から出庫。西心斎橋の
 アメリカ村の一角で、自転車2台をはね、1人を外傷性くも膜下出血で死なせた
 ほか、もう1人に左腕骨折の重傷を負わせた。
 「自転車に気付くのが遅れ、アクセルとブレーキも踏み間違えた」と話してい
 るという。

 ●美容師(47)兵庫(5月8日 MBSニュース)
 →コンビニに突っ込む!
 5月8日午前0時過ぎ、乗用車がコンビニ店内に約5mほど突っ込み、店にいた客
 が手に軽いけがをした。「お酒を飲んで運転したことに間違いありません」と
 容疑を認めている。

 ●職業不明(33)千葉(4月24日 レスポンス)
 →歩道に乗り上げ、死傷事故を起こして逃走!
 4月19日午後10時頃、乗用車が路外に逸脱、歩行者をはねて逃走した。被害者は
 収容先の病院で死亡。警察が約2キロ先に放置された衝突痕のある車を発見。
 車に戻ってきた女性が事故への関与を認めたため、逮捕した。酒に酔った状態
 で、「何かに当たったが、小動物だと思った」と供述。


 ★女性の飲酒運転事例の分析(ASK)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/697/1916


 4)フォークリフトで駐車中の車7台損傷!?

 依存症のおそれが濃厚なケースです。
 この状況では、日頃の仕事にも支障が出ていたでしょう。

 ◎酒気帯びフォークリフト運転で解雇(5月2日 読売新聞)

 4月29日午前7時頃、事務所に出勤した50代の職員は、あろうことか、ロッカー
 に入れてあった日本酒約400mlを飲みました。
 そして、駐車場に車が7台止めてあるのを見て無断駐車だと思い込んでしまい、
 これ以上車を入れまいと駐車場の出入り口を2トントラックで塞ごうとして、
 道路の側溝に脱輪。
 あくまで7台を敷地外へ出そうと、フォークリフトで持ち上げようとして、
 へこませたりパンクさせたりして損傷させたといいます。

 かなり酔っていたんですね。

 飲酒運転で逮捕された翌々日に、再度やって検挙された人もいます。
 こうなると、モラルで飲酒運転は止まりません。専門治療が必要です。

 ●会社員(47)鹿児島(4 月16日 読売新聞)
 4月14日午後9時半頃、酒気を帯びた状態で軽乗用車を運転、信号待ちの車に
 追突する事故を起こした。近くのコンビニ店の駐車場で飲酒し、帰宅途中だっ
 た。会社員は12日にも同容疑で現行犯逮捕され、13日に釈放されていた。


 ★背景にある「アルコール依存症」という病気(ASKのサイト)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/698/1916

 ★アルコール依存症の進行プロセスと予防(ASKのサイト)
   ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/699/1916


 5)自転車の違反者講習カリキュラム

 自転車で危険な違反を繰り返した人に安全講習を義務付ける制度が、6月から
 導入されます。

 ◎テスト2回、疑似体験も=自転車の違反者講習-カリキュラム作成・警察庁
 (5月18日 時事通信)

 警察庁が作成したカリキュラムの中身は――?

 ・オリエンテーション
 ・小テスト
 ・被害者と遺族の体験談
 ・事故の事例紹介や疑似体験
 ・事故に伴う社会的責任と加害者の体験談
 ・自転車ルール
 ・危険予測学習・討議
 ・小テスト
 ・感想文や総括

 危険予測学習では、実際に起きた事故をドライブレコーダーで録画した映像
 などを視聴して危険性を疑似体験するそうです。
 その後に、討議する時間がついているのがいいですね。

 受講義務が生じるのは、信号無視や酒酔いなど14項目の違反で、3年以内に2回
 以上摘発された運転者。
 都道府県公安委員会の命令により、警察本部や運転免許センターなど指定され
 た場所で受講します。
 手数料は標準で5700円。
 受講しないと5万円以下の罰金が科されるとのことです。


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   4.山さんコラム No.106
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 ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
 元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆ノミニケーションの反省

 今回は「山さんの酒人生・その4」として、いわゆる「仕事上の酒」について
 振り返ってみたい。
 ノミニケーションは本当に必要なのか、という検証である。

 先輩からどんな飲み方を指導されるかは、組織や地域によっていろいろだろう。
 山さんの経験を述べてみよう。
 まず最初に教えられたのは、部外者や上司と、公式な会合で飲む場面の流儀だ。
 乾杯をして、暫く酒を飲んでから、頃合いを見計らって、会の主役たる人々の
 もとへあいさつにいく。
 この頃合いが大切だ。早すぎてはいけないが、遅いと他の人に先をこされる。
 主役の前へ行ったら、威儀をただし、所属・姓名を名乗り、「よろしくお願い
 します」と頭を下げる。
 すると主役も名乗ったあと、時にはねぎらいの言葉や教訓を付け加え、自分の
 杯を飲みほし、その杯をくれる。こちらは恭しく杯を受けてささげ、酒を注い
 でもらう。「いただきます」と言い、一気に飲み干し「ありがとうございまし
 た」と、一礼、杯を返す。
 これで、あいさつが終る。「お流れ頂戴」型だ。
 全国的に行われる代表的なノミニケーションの儀式である。
 さてここからが、大事な本番。
 相手の様子をうかがい、関心がなさそうなら、そのまま、席へ戻る。
 ご機嫌が良さそうなら、たとえば昼間の会議で質問したかったことや、言いた
 かったことなどを、恐るおそる小出しにする。「まあ、一杯、いこう」と、
 また杯が出されれば、話を継続する。
 背後に人が来る気配がしたら、さっさと話を切り上げ、自席へ戻る。いなけれ
 ば、話を続けるが、長くならないように注意を払い、適当に切り上げる。

 お互いが、「酒に酔って本音を出している」との了解のもとに、実際は「理性
 的に話をすすめる」ことが肝心なのだ。本当に酔っぱらって、感情的になった
 り、話がくどくなったりしたら、悲劇である。
 杯のやりとりと会話がうまくいけば、公式な会議では回答できない例外的措置、
 暗黙のルールなどが漏らされることもある。ノミニケーションが大事と強調さ
 れる所以だ。

 山さんの、地方の人事課長時代の体験。
 昼間の会議で、本社の課長補佐が「全国的に職員が余っているから、新規採用
 は一切認めない」と発言した。
 夜の懇談会で、山さんは酒の勢いを借りて、要員不足に悩む苦しい現場の実態
 を、愚痴にならぬように注意しつつ正直に語った。黙って聞いていた補佐は、
 やりとりしていた杯を「グイ」と飲み干し、「山ちゃん、時には泣いてもいい
 んだよ」と言った。
 山さんは、コレでピンと来た。
 翌週、単身で本社へ出かけ、担当者へ現場配置要員の不足を訴え、新規採用の
 許可を求めた。
 本社は、原則を確認した上で、事情を斟酌し特別に許可を出してくれた。

 こういうエピソードがいくらもあるから、山さんは60歳で禁酒するまで「ノ
 ミニケーションの効用は大きい」と確信していた。
 しかし、今、振り返って、真に恥ずかしい。この考えは間違いだ。
 山さんが酒の場で話したのは、国鉄にそういう慣習があったためだが、内心で
 は、たとえ断わられても酒の上で言ったことだから恥ずかしくないとの「逃げ」
 の気持ちが働いていた。
 そもそも要員不足に陥ったのは、人事課長としての自分の仕事がうまくいかな
 かったということ。恥ずべき事態だ。だが、新幹線開業が迫っており、窮状を
 脱するために新規採用は欠かせない。
 この葛藤を酒の力でごまかし、懇親会で発言した。
 例外的措置が必要なら、正面から、堂々と担当部署へ説明すべきである。
 自分の無力さをみとめ、本社に頭を下げ、きちんと折衝するのが、責任者の務
 めである。
 ノミニケーションで解決すべきことがらではない。

 さて、酒席での流儀に戻ろう。
 主役のほうから「杯をもって回る」こともある。
 正面に座ったまま聞き置くという態度では、本音が出にくい。そこで主役自ら
 出かけていき、一人一人にねぎらいの言葉をかけて、杯をさずけ、話を引き出
 す、というやり方だ。
 例えば、山さんの経験。
 20名以上の現場助役へ杯をもって回ることがあった。1人1人に、まず1杯
 さして「この間は、大変でしたね」「もう、夏季輸送の山場はすみましたか」
 などと話しかける。
 酒の強い人とは、話しながら、やったり取ったり数杯くりかえす。
 相手が新任だったら、他の人と間違えないように、「どこどこの、何さんでし
 たね」と、勤務地、名前の再確認をしたあと、経歴や趣味などの話を用心深く
 聞く。名簿の名前と人物をしっかり頭に刻む良い機会だ。
 どちらにしても、一人につき何杯も飲むことになり、どうしても多量飲酒とな
 る。

 こうして「酒を飲むことが仕事」と誤解してしまう。
 アルコールで脳がマヒしているにもかかわらず、できるだけ「しゃん」として、
 理性的に振舞う訓練を積む。山さんの経験では、この訓練がうまくできた酒飲
 みは生き残り、酔っぱらってクセが悪い者は淘汰された。
 一方、酒が弱い人でも、多量飲酒をうまく避けながら酒席で上手に振舞った者
 が出世した。

 飲酒運転がこれほど社会問題化しているのに、飲酒運転防止インストラクター
 の養成に反対する幹部がいる。訓練して乱れず飲んできた大酒家も、酒席を上手
 にこなしてきた下戸も、「わざわざ酒の飲み方まで研修するのは甘やかしだ」
 と考える。実際は酒で失敗する人がたくさんいること、自助努力では片付け
 られない場合が多いことに、取り返しのつかない事件が起きるまで気づかない。

 建前と本音を使いわけ、面子や恥を重要視し、義理と人情がまかり通る、40
 年前の典型的な男社会では、酒を介在させ、潤滑油として使った。
 今では時代が変わったはずだが、公務員などの飲酒運転事故をみている限り、
 実は未だに、酒の力で意見を吐き、くみ上げるという伝統が残っていることが
 推定される。
 飲酒運転の根絶には、組織をあげて「ノミニケーションに頼る伝統」の反省が
 大切だ。


=============================================================★
  5.ASKの活動ご紹介
==============================================================

 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アルコー
 ル問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO法人に
 なりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・ヒューマン
 ・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発見・
 介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、2005年
 に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺族・
 専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な飲酒運転
 防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の教育
  プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
  され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
  内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
 ・ASKリバーシブル予防パンフを製作
 ・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化についての
  要望書」を提出
 ・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
 ・自動車工業会のシンポジウムで、今成が飲酒運転防止インストラクター
  養成講座について報告
 ・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
 ・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~)

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html


=====================編集後記 *つぶやき*========================

 新スタッフ・友井担当のFacebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」
 が好評です。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/700/1916

 一方、金田が担当するFacebookページ「イッキ飲み防止連絡協議会」も、
 刺激を受けてがんばっています。
  ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/701/1916

 彼らに会いたい方は、ASKの総会にぜひどうぞ。
 会員以外の方も歓迎です。
 参加されるときは、お電話かメールでご一報ください。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】108号 15.5.19
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

 =================== このメールマガジンは ====================
  特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
  設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
  ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
  録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
 ===========================================================
プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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