職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

89号2013

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  89号 13.10.11
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 さまざまな職場で、今、積極的な取組みが模索されています。
 このメルマガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えして
 いきたいと思っています。

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。
 ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登録いただいた
 方に、月1回、無料で配信します。
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━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.87
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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 「昼間に眠れず、日本酒を1合飲んだ」
 「昼ごろ自宅でビールなどを飲み、仮眠」
 「仮眠のための寝酒」が当直中の飲酒の理由――

      アルコールを睡眠薬として使うとしっぺ返しが!

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  1.インストラクター養成講座NOW!
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 ★スクーリング、折り返し地点!
 スクーリングもいよいよ後半戦に突入です。
 受講者から、実践報告も届きはじめています。
 取材のご依頼はASKまでどうぞ。電話03-3249-2551

 10月17日 高松
 10月30日 札幌
 11月6日 仙台
 11月7日 盛岡
 11月12日 神戸
 11月13日 大阪
 11月19日 広島
 11月21日 福岡
 11月28日 沖縄
 12月3日 埼玉
 12月11日 東京
 12月12日 東京
 
 ★スクーリング受講者からはこんな声が!

 ・実際に受講者の立場として、講義を受けることができたので、大変参考に
  なりました。まずは、今回の講義をうまく真似してやってみようと思いま
  す。(学校・教育関係)
 ・研修をするポイントをわかりやすく話していただいてよかった。(企業)
 ・テキストの話と実践とを取り入れて話していただき、とても良くわかりま
  した。(バス)
 ・どのように教育してよいか不安はあったが、基礎から学び自信ができた。
  (バス)
 ・自分の健康が保たれなければインストラクターとしてはダメ。まず自分が
  実践し伝達したい。(バス)

 ★スキルアップ研修も好評開催中!

 10月16日 高松
 10月29日 札幌
 11月5日 仙台
 11月11日 神戸
 11月14日 大阪
 11月20日 福岡
 11月27日 沖縄
 12月5日 東京
 12月10日 東京
 
 インストラクターに認定されている方で、スキルアップ研修に参加を
 ご希望の方は、ASK(03-3249-2551)までお問い合わせください。


 ASK飲酒運転防止インストラクター養成講座についてはこちらをどうぞ。
   ↓ ↓ ↓
 http://www.ask.or.jp/ddd_instructor.html

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  2.ASKからのお知らせ
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 ASKの設立30周年にあわせて、12月25日までオンラインショップでキャン
 ペーンを実施しています。
 この間にオンラインショップからクレジット決済・代金引換でご注文の方全員
 に「ミニBe!お役立ち用語集」をプレゼントします。
 その他、10月31日までは、Be!増刊号のバックナンバーを割引。
 11月1日からはASK選書とミニガイドの割引です。
 どうぞ、ご利用ください。
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 さて秋の交通安全週間では、例のトイレットペーパーが各所で活躍しました。

 ★山形県の団体の方のお話――

 秋の交通安全週間に合わせて、200個購入し、9月末頃、駅周辺にある60軒く
 らいの飲み屋さんに、3個ずつ配布して回りました。
 お店も「いただけるのは嬉しい」と実際にお店のトイレに設置して使って
 くださっています。
 お客さんから「変わったのがついたね」という反応もあるとか。
 飲酒運転防止の意識向上に繋がると嬉しいです。

 トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」
 マンガ入りの啓発グッズ。つい読みふけってしまうと評判です。
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 ★その他、職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール

 ●飲酒運転防止研修<e-ラーニング>
 「15分で学べる必須のアルコール知識」
  http://goo.gl/6dWpA 

 ●DVD&ハンドブック
 「知って得する!アルコールの基礎知識」
  http://goo.gl/yKAqH

 ●ASKリバーシブル予防パンフ
  知恵と工夫が詰まったカラフルなパンフ、4種類
  http://goo.gl/NLjZ6F

 ●ASKアルコール体質判定セット「かんたんジェルパッチ」
  http://goo.gl/7Xu8M

 ●ASKアルコール通信講座
  ――依存症への対応が学べます
  http://goo.gl/gYL1L

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  3.ニュースCLIP!
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 今回は大きなニュースが目白押しで、まとめが大変でした。
 注目していただきたいのは、シフト勤務職場での「寝酒」と「昼酒」。
 あちこちに、この問題が見え隠れしています。

 ニュースクリップ、記事集めは金田、執筆は今成でお届けします。
 お時間の許すかぎり、おつきあいください。

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 1)高速道路の料金所員が勤務中に酒盛り
 2)広島市の個別面談
 3)依存症の受診が進まない、福岡条例
 4)懲戒免職 厳しすぎ?
 5)乗務前のアルコール検査をめぐって
 6)昼酒を飲んで……

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 1)高速道路の料金所員が勤務中に酒盛り

 あまりにもずさんな話です。
 北九州都市高速道路の料金所運営を委託されている名古屋ハイウエイの従業
 員4人が、今年7月、夜間当直勤務中に事務所内で飲酒していたのです。

 飲酒したのは62~65歳の当直3人と料金窓口担当者1人。料金所を巡回したり、
 急病の場合などに窓口業務を交代したりするのが仕事で、午前8時過ぎから、
 休憩や仮眠を取りながら、翌朝まで業務にあたっているとのこと。

 当然ながら勤務中の飲酒は禁止。ところが当直中の寝酒が公然の秘密になり、
 問題飲酒の温床になっていたようです。
 この事態は、翌日に1人が報告して発覚……ということは、問題意識を持って
 いた従業員がいたということです。

 ――9月19日から10月9日までの報道を総合して、詳細をまとめました。

 ●誕生祝いの酒盛り
 7月8日午後6時頃、北九州市小倉北区の紫川料金精算事務所で、1人の誕生日
 祝いという名目で2人が焼酎を飲み始め、その後別の2人が加わった。
 非番だった従業員が180ml入り焼酎2本を購入して事務所に届け、6時半頃、
 近くに住む非番の従業員に焼酎500mlを追加で持ち寄らせた。
 4人で飲んだ焼酎の総量は約860ml。1人は当初は酒を拒み、その後断わり切れ
 ずに一口飲んだだけで、残る3人が約540ml、約180ml、約135mlを飲んだ。
 午後9時過ぎまで飲んでいた人もいたという。

 ●酒盛り後、1人は車で巡回
 うち1人は、午後6時から約2時間、約180mlを飲んで4時間仮眠した後、翌9日
 午前2時から約2時間、料金を回収するため都市高速を車で巡回した。料金所
 13か所を巡回し、約80キロを走行。乗務前に飲酒検査はしていなかった。
 名古屋ハイウエイは記者会見で、「飲酒から巡回まで十分に時間を取っており
 飲酒運転には当たらないと思うが、呼気を調べていないので証明しようがな
 い」と述べたが、焼酎のアルコール度数などの詳細は調査していなかった。
 業務を委託する福岡北九州高速道路公社も「酒量も多くなく、6時間経過して
 おり、飲酒運転ではないと判断した」と述べた。

 ●4人を懲戒処分、アルコール検知を強化
 名古屋ハイウエイは、勤務中の飲酒は社内規則に違反しているとして、4人を
 出勤停止10日間などの懲戒処分にした。
 出社時のみだったアルコール検知を乗車前にも実施し、複数の職員で確認する
 ことに。公社は、データの残るプリンター付き検知器を導入するよう指示。

 ●名古屋ハイウエイが従業員に無記名アンケート
 料金所で現金収受をしている従業員と、料金所を車で巡回している従業員203
 人を対象に、7~8月に無記名方式でアンケートを実施。その結果、社内規定
 で勤務時間中の飲酒は禁止されているにもかかわらず、16人が「勤務中に飲
 酒したことがある」と回答したほか、20人が「職場に酒類を持参したことが
 ある」、31人が「勤務中の飲酒を見たことがある」と回答。(公社が発表)

 ●公社が料金所員500名に聞き取り調査
 福岡北九州高速道路公社は、料金所業務を委託している3社の全500人に聞き
 取り調査を実施。22人が「勤務中に飲酒したことがある」と回答し、うち9人
 は飲酒後に車を運転していた。
 今年度に飲酒したと答えたのは7人で、いずれも紫川料金精算事務所の従業員。
 7月に「誕生日祝い」の酒盛りをした4人が含まれている。同事務所では昨年度
 以前にも10人が飲酒、「ひんぱんに飲んでいた」と証言する人もいた。理由は
 「仮眠のための寝酒」がほとんど。当直中の飲酒が常態化していた可能性が。
 飲酒後に車を運転した9人のうち、業務で車に乗ったのは「誕生日祝い」の酒
 盛りの1人。他の8人は、勤務を終えて帰宅する際に自家用車を運転。飲酒から
 運転までの時間は6~14時間だった。

 ●第三者会議の設置と公社理事長辞任
 国土交通省OBである公社の理事長は、一連の飲酒問題の責任を取って辞任。
 公社はこうした行為の検証や再発防止策を練るため、医師や弁護士らによる
 第三者委員会を設置。

 ●その後も、名古屋ハイウエイの従業員の酒気帯び出勤が続々
 〇10月6日 男性従業員(70)小倉北区の料金所 0.16mg/l 
  自宅から車で出勤しており、「前夜に約2時間半、お湯割りの焼酎を約4合
  飲んだ」と説明。約40分後の再検査でも0.10mg/lのアルコール分が検出さ
  れていたが、事務所の副所長が、車を運転して帰宅することを許可。午前
  8時半ごろ帰宅したという。副所長は「基準値以下なので問題ないと思った」
  と語った。
  公社の副理事長は「アルコール分検知後に車で帰らせたのは間違った判断。
  調査し、厳正に対処したい」と述べた。公社は飲酒運転の疑いがあると、
  警察に通報したという。公社の聞き取り調査で、この従業員は過去にも勤務
  中に飲酒し、その後帰宅のため車を運転していた。
 〇9月29日 男性従業員(61)福岡市内の料金精算事務所 0.13mg/l 
  公社が追加発表。
 〇10月7日 男性従業員(62)紫川料金精算事務所 0.09mg/l 
  再び紫川料金精算事務所で、車で出勤した従業員からアルコール分が検出。
  前日午前11時から、缶チューハイ(350ml)、ビール(計850ml)、焼酎の
  お湯割りと日本酒を湯飲み各1杯ずつ飲み、就寝前の午後7時半に再び缶ビー
  ル200mlを飲んでいた。

 ●契約解除へ
 10月8日、飲酒を巡る相次ぐ不祥事に、福岡北九州高速道路公社は、名古屋ハ
 イウエイとの契約解除を進める考えを明らかにした。


 2)広島市の個別面談

 広島市で、また職員の飲酒運転摘発がありました。
 9月18日午前0時半頃、水道局の50代の男性係長が巡回中のパトカーに停止を求
 められ、酒気帯びが発覚したのです。数時間前に飲んだ酒が体に残っていたと
 のこと。

 広島市では、相次ぐ職員の飲酒運転を防止するため、今年7月から1ヵ月かけ、
 全職員2万1817人に対して、処分しないことを前提に上司が個別面談を行なう
 という対策をとっていました。

 ◎広島市職員、1769人が飲酒運転経験 全職員を調査(10月4日 朝日新聞)

 その結果、「過去に飲酒運転をしたことがある」と答えたのは、教職員194人、
 市職員1575人で、全職員の8.1%に当たることがわかりました。
 飲酒運転の理由は、「酒が少量で大丈夫だと思った」が50.7%で最多。「行き
 先が近かった」が20.5%、「事故を起こさなければいいと考えた」が13.8%と
 続いています。飲酒運転をした時期は「10年以上前」が1247人で79.2%でした
 が、「2年以内」も56人いました。

 9月に摘発された水道局職員は「過去2年間で5回ほど飲酒運転をしたことがあ
 る」と回答し、飲酒運転防止に向け所属長と話し合っていたところでした。

 ――飲酒習慣の見直しが必要だった、でもそれができなかった。
 依存症に踏み込んでいたのかもしれません。


 3)依存症の受診が進まない、福岡条例

 飲酒運転検挙者に対してアルコール依存症の受診義務を設けた、日本初の条例
 が福岡県で全面施行されてから、1年が経ちました。
 その実効性はどうなっているのでしょうか?

 ◎依存症検診率は0%台 福岡県飲酒運転撲滅条例1年
 (9月22日 日本経済新聞)

 条例では、検挙1回目は受診を努力義務、2回以上は義務としています。
 県によると、努力義務を課された475人(4月末時点)のうち、実際に受診した
 のは3人(5月時点)。受診を義務付けられた5人(8月末時点)のうち2人は、
 60日の期限を過ぎても受診しておらず、受診した3人のうち2人は期限を守って
 いませんでした。
 正当な理由なく期限までに受けなければ県が受診を命じることができますが、
 これまでに命令例はなく、罰則も適用例もありません。

 ある意味、これは、想定された事態。理由はいろいろ考えられます。
 ・強制力のなさ(例えばアメリカでは、裁判所命令です)
 ・アルコール依存症特有の「否認」の心理
 ・アルコール依存症への社会的な偏見
 ・高額の費用(条例に基づく検診は医療保険が使えず、費用は数万円に)

 救いは、とにかく5人中3人が受診したこと。

 詳しくは福岡県庁のホームページをご覧ください。
 担当課:保健医療介護部健康増進課こころの健康づくり推進室
 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/f17/jusinhoukokugimu.html


 4)懲戒免職 厳しすぎ?

 秋田県議会では、こんな議論がありました。

 ◎酒気帯びで懲戒免「厳しい?」、秋田県議会で議論(9月13日 読売新聞)

 県が男性職員(47)を酒気帯び運転で懲戒免職処分にしたと報告したところ、
 県議会の総務企画委員会で、「厳しすぎるのではないか」といった声が上がっ
 たのです。

 ――それは、とても不思議な事例です。
 職員は6月、飲酒して帰宅。自宅の室内が暑かったため、夜中にエアコンをつ
 けた自家用車内で眠っていたところ、突然、車の盗難防止装置が作動。職員は
 近所迷惑になると考え、住宅街から離れようと約800メートル運転し、空き地
 に停車。その後、署員の呼気検査を受け、呼気0.45mg/lのアルコールが検出。

 大音響の警報に動転したんでしょうね。
 エアコンのために車内で寝ていたというけど……エンジンつけて?
 その状態で、どうして盗難防止装置が誤作動したんでしょう?

 いずれにしろ、県は「飲酒運転は原則、懲戒免職」との方針を維持しつつ、
 他県の例を参考に、例外的な対応が可能かどうか検討するとのことです。


 5)乗務前のアルコール検査をめぐって

 1つ目は、大分県の観光バス。
 酒を飲んだ状態で出勤した運転手に対し、社内規定に反して貸切バスの業務
 に就かせていたことが判明しました。
 会社は「代わりの運転手が見付からず、苦渋の決断だった。乗務時にはアル
 コールは検知されておらず、問題はなかったと思っている」と言っています。

 ◎大分交通:飲酒運転手を未検知となるまで検査、乗務させる
 (9月18日 毎日新聞)

 7月25日夜、運転手から飲酒検査で、呼気0.105mg/lのアルコール分を検知。
 社内規定では、アルコールが検知されたら乗務を見合わせることになってい
 たにもかかわらず、会社は運転手に飲酒検査を5回繰り返し、40分後にアルコ
 ールが検知されなかった時点で別の運転手と2人でバスに乗務するよう指示し
 ました。
 バスはその後、山口県内の小学生40人を乗せて国東市内から鹿児島市内まで向
 かい、男性運転手は翌日午前4時から乗務したということです。
 運転手は昼ごろ、自宅で酒を飲み、午後8時半過ぎに出社していました。
 「昼間に眠れず、日本酒を1合飲んだ」と説明しています。

 ――寝酒の習慣を変える手助けをしないかぎり、根本的な解決はできません。

 2つ目は、鉄道のJR北海道。
 「体質的に飲めない」と自主申告すれば、乗務前のアルコール検知を免除して
 いたことが判明、批判を受けています。

 ◎JR北、「飲めない」申告でアルコール検査免除(10月8日 読売新聞)

 免除されていたのは乗務員11人。運転士らのアルコール検査は法律上の義務で
 はありませんが、国土交通省令は飲酒などで正常な運転ができない場合、乗務
 を禁じています。
 JR北海道では昨年7月、社内の通達で、運転士と車掌に対する乗務前のアル
 コール検査を義務化。呼気0.1mg以上のアルコールが検出された場合、乗務を
 認めていません。ところがこの通達には、乗務員が「体質的に酒が飲めない」
 と上司に申告し、上司が認めた場合は検査を免除すると書かれていました。
 JR他社は、このような例外を認めていないとのことです。


 ★<手記>始まりは寝酒だったー依存症から回復した運転手の手記
 http://www.ask.or.jp/ddd_note2.html


 6)昼酒を飲んで……

 次の3つの事例、依存症が進む段階を見るようです。
 昼に飲酒して仮眠⇒休日に朝から夕方まで飲酒⇒毎日のように昼間から飲酒

 アルコール依存症とは、飲酒のコントロール障害。
 昼酒を飲むようになったら、依存症への赤信号です。
 飲酒運転につながる確率も当然増えます。
 
 ●警部補(43)熊本(9月29日 熊本日日新聞)
 9月28日午後6時半頃、交差点を右折中、横断歩道を歩いて渡っていた60歳代の
 女性と接触、頭などに軽いけがをさせた。呼気0.37mg/lのアルコールが検出。
 この日は休みで、「午前中に時間外勤務をした後、帰宅した。昼ごろ自宅で
 ビールなどを飲み、午後5時頃まで仮眠してから運転した」と供述。

 ●保健福祉事務所の職員(30代)福島(9月25日 毎日新聞)
 9月23日午前8時~午後4時頃、自宅で発泡酒500ml缶6本を飲んだ。午後8時45分
 頃、近くのコンビニエンスストアにワゴン車で夕食を買いに出かけた途中、
 道路側溝に右前輪が脱輪し、脱出する際に民家のフェンスを破損させたのに、
 そのまま買い物をして帰宅した。民家の住民が110番。「麦茶を飲んだりして
 酔いをさましたので大丈夫と思った」と供述。
 
 ●大工(59)京都(10月4日 NHK)
 10月2日、軽トラックで2台の自転車をはねて逃走し、小学生の男の子を死亡さ
 せた。軽トラックから酒の空き瓶4本が発見。「事故当日はコンビニやディス
 カウントストアでカップ酒を買って、朝2本、昼2本を車内で飲んだ」「毎日の
 ように昼間から酒を飲み、ふだんから飲酒運転を繰り返していた」と供述。


 ★背景にある「アルコール依存症」という病気
 http://www.ask.or.jp/ddd_alcoholism.html

 ★<断酒会アンケート>アルコール依存症と飲酒運転
 http://www.ask.or.jp/ddd_enquete.html

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   4.山さんコラム No.87
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

 ◆しあわせな男

 中学卒業以来、山さんが地方にいた時を除き、1年に2~3回会ってきた友人
 がいる。
 酒は弱いが、「飲む雰囲気は好きだ」と言って、酒好きの山さんに付き合い、
 夏なら生ビール1杯、冬ならば、お銚子1~2本をゆっくり飲んだ。
 本来、スポーツマンで、少年時代は野球、青年時代は山さんと共に山歩き、
 サラリーマンになってからは美しい奥さんと可愛い2人のお嬢さんを連れて
 ドライブやピクニックを楽しんだ。
 近年は、卓球と、スクーターによる遠出のドライブを好み、生活を充実させ
 ていた。

 9年前、山さんは彼をふくむ6人の友人達と、スイスへ行き、5日間、連日、
 4~5時間のトレッキングをした。標高差1200mもある登山道を下ったり、
 あるいは1時間で400m登り、帰りは800m下る、かなりハードなコースもあった
 が、彼はなんなくこなし、仲間で一番元気だった。足が痛むと言って3日目に
 ベルン観光へ逃げ出した仲間もいたが、彼は山さんに付き合い急峻な山道も
 楽しげに歩いた。
 「空気が爽やかだ。黒い岩山、アルプの緑、真っ白な氷河、そしてあの蒼い
  空、いいな」
 と何度も言いながら歩いた。山さんが急な登りで息を整えるため少し立ち止
 まると、彼は、早く歩き出そうと催促するほど元気だった。

 5年くらい前、歩くのが遅いのに気づいた。理由を聞くと、心臓の冠動脈の
 血流が少し悪く、薬を飲んでいるとのこと。煙草はやめていたし、酒は少な
 い。毎日、卓球を2~3時間もやってきたのに・・・。
 鎌倉の建長寺の裏山を歩いた時、「陽ちゃん、もっとゆっくり歩いてくれ」と
 言った。
 半世紀の間、付き合ってきて、初めて聞いた彼の弱音である。少し気になった
 が、出会えば、そのたびにスクータードライブの喜びを語り、「家から直接、
 山や川に行かれる。乗り換えも階段もなく、年寄りにはもってこいの乗り物
 だ。燃料費もかからない」と山さんにすすめた。
 毎日通っていた卓球も「動きは少なくなったが、うまくなった」とうれしそう
 だった。

 4年前、元気に同期会へ出席。その直後、胃がん手術。回復後に2度ほど会っ
 たが、胃を半分とったから、食欲がもとにもどらないと言い、半分、食事を
 残した。とても痛ましかった。

 昨年12月、体力があるうちにと心臓のカテーテル手術をした。
 「手術が成功した。元にもどるには時間がかかりそうだがゆっくりやるよ」と
 うれしそうな電話。
 春の暖かい日に会う約束をした。
 1月4日、奥様から電話。
 「何かあったら、陽ちゃんに相談をと言われていました」と葬儀の相談。

 8月15日 旧盆。
 線香を手向けに彼の家を訪ねた。
 「肝臓がんでしたが、最後まで痛みもなく、意識もはっきりしていたんです」
 「娘2人と手をつなぎ『ありがとう、ありがとう』と、息を引き取る10分前ま
 で言っていました」
 奥様は、この言葉を何度も繰り返し、彼の最後の言葉に、家族全員が安堵した
 様子を語った。
 実に「しあわせな男」だと思った。
 「確か奥様は教会に通っていらしたようですが」
 と山さんが問うと、奥様からは
 「行く道が違って、会えないと困りますので、教会へ退会届を出しました」
 との返事。
 「あの世」でも添い遂げたいというのだから、彼は「しあわせな男」である。
 ちなみに山さんも「しあわせな男」だ。
 奥様へ「何かあったら陽ちゃんへ相談を」と言い残しておいてくれたこと。
 それほどまで信頼されていたのかと感無量。
 みんなが、しあわせな気持をもてるような行動や言葉を残した彼の他界は、
 見事であった。

 唯一、悔やまれるのが、長年、彼に酒を飲ませてきたこと。
 酒好きの山さんに付き合うため、無理して飲んでいたのではないだろうか。
 酒に弱い体質だったのに。
 ビールコップ1杯で頬を染めていた彼。代謝酵素がわずかしか働かず、内臓な
 どに害を受けやすい体質だろう。
 飲酒とがんの関係、アルコールの正しい知識を得て初めて知った。
 後悔、先に立たず。
 飲酒運転防止インストラクターの山さんとしては、大失敗。
 人へ酒をすすめる場合は、慎重に。

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  5.ASKの活動ご紹介
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 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、ア
 ルコール問題の予防に取り組む任意団体として1983年に設立、2000年に
 NPO法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)
 アスク・ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進
 しています。

 ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期
 発見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識の
 もと、2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
 山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者
 遺族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格
 的な飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

 これまでに行なってきた活動は……

 ・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
 ・運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
 ・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定
  の教育プログラムを実施
 ・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
  日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
 ・バス会社から運転手向けの予防プログラム「セルフケアスクール」を
  委託され、プログラムを開発
 ・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
 ・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
 ・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
 ・代表今成がアメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
  内閣府主催シンポジウムで報告
 ・国土交通省主催のシンポジウムで、山村、今成が発表
 ・今成がオーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
 ・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で今成が海外視察報告
 ・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
 ・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
 ・〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕を開始
  日本損害保険協会の助成で3年間に1000人の養成を目指す
 ・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
 ・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
 ・山村が警察庁主催シンポジウムで報告
 ・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで今成が報告
 ・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
 ・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
 ・厚生労働省シンポジウムで今成が報告
 ・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
 ・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
 ・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
 ・ASKリバーシブル予防パンフを製作
 ・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化について
  の要望書」を提出

 ↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://www.ask.or.jp/dontdrivedrunk.html

=====================編集後記 *つぶやき*========================

 ぐぐっと秋になったと思ったら、また夏がぶり返しています。
 それでも空にはすっかり秋の雲。
 
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】89号 13.10.11
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
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