職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

132号2017

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  132号 17.5.16
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.130
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *つぶやき*

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 飲酒運転防止インストラクター養成講座、〆切間近です!
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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第1~9期に認定されたインストラクターの総数が3192名になりました!
地区別にみると――
北海道(170)/東北(262)/関東(1173)/信越・北陸(130)/東海(346)/
近畿(513)/中国(149)/四国(93)/九州(239)/沖縄(117)

認定者からはこんな感想が寄せられています。

●実際にお酒好きな人が多かったので、日頃の自分自身の摂取しているア
 ルコールの単位に驚き、多すぎると気づいてくれました。(企業)
●飲酒してから分解するまでの時間について、学生たちの体験をふまえつつ
 正しい知識を説明すると、そのたびに驚きの声があがっていた。(大学)
●普段飲んでいる量を1単位減らしてみようという人が出てうれしかった。
 (バス)
●職員に研修しました。アルコールの1単位の量を伝えたところ、飲み会
 の席でも「今、○単位くらいかなー」と会話に出るようになり、現在自分
 がどのくらい飲んでいるかを認識するようになりました。(刑務所)

上級インストラクターも51名になっています。
上級インストラクターはアルコール依存症への介入についての研鑽も深めま
す。将来のスクーリング講師候補、地域啓発の担い手でもあります。
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上級インストラクターのお申込みも受付中です。
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  2.ニュースCLIP!
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ゴールデンウィーク、飲酒運転ニュースが相次ぎました。
そして、休み明けには芸人のガリガリガリクソンさんの検挙。
「高濃度者」が目立ちます。

このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
お時間の許すかぎり、おつきあいください。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/2042/1916

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 1)高濃度者が目立ちました
 2)ブラックアウト
 3)前日の酒が…
 4)若者のひき逃げ・当て逃げ
 5)ノンアルコールビールを飲んだのに酒気帯び運転?

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1)高濃度者が目立ちました

警察庁は、呼気0.25mg/l以上、もしくは呼気濃度はそれ以下でも酒酔い運
転で検挙された者を、統計上「高濃度者」と分類しています。
飲酒運転での検挙者数は、2015年までの10年間で5分の1に減った一方で、
「高濃度者」の占める割合は増えていると注意喚起しています。
「高濃度者」が飲酒全事故に占める割合は66%、飲酒死亡事故では73%に
ものぼります。
その実態をご覧ください。

●1mg/l超 酒酔い運転――会社員(52)福島(5月11日 福島民友新聞)
5月10日午後2時55分頃、酒に酔った状態で乗用車を運転。車内には酒類が
あり、飲酒を繰り返しながら運転していたとみられる。逮捕現場は小学校
近くで、逮捕当時は児童の下校時間だった。

●1mg/l 接触・衝突事故――自称建設業(62)福岡(5月8日 テレビ朝日)
5月7日午後8時15分頃、軽貨物車を運転、対向車線にはみ出して車と接触。
再び走りだし、道路沿いの看板やバイクをなぎ倒して、ラーメン店に突っ
込んで停車した。
接触された車の男性:「ドアを開けて自分で転がり出てきて、足がもつれ
て、ろれつも回っていない状態。完全に飲んでいるな(と思った)」

●0.45mg/l 飲酒検問検挙――会社員(52)兵庫(5月7日 産経新聞)
5月6日午後10時20分頃、酒に酔った状態で軽乗用車を運転。高速道路を利
用して80キロ以上離れた明石市へ戻る途中だった。「和泉市内の焼き肉店
で家族と食事をし、ビールや酎ハイなどを飲んだ」と供述。

●0.75mg/l超 職質検挙――公務員(42)沖縄(5月6日 沖縄タイムス)
5月3日午前2時15分頃、巡回中のパトカーが速度を出してふらつく車を見つ
け職務質問。

●0.43mg/l 職質検挙――バス運転手(46)福岡(5月4日 毎日新聞)
5月1日、パトカーに停止を命じられ検挙。勤務を終えた午後6時半から、
友人宅で3時間半の間にビール中ジョッキ2杯、焼酎の水割り5、6杯を飲酒。
近くの駐車場に止めた車内で約1時間半仮眠した後、運転して帰宅中だった。

●酒酔い運転 追突事故――トラック運転手(34)埼玉(5月1日 埼玉新聞)
4月30日午後11時頃、交差点で赤信号で停車していた乗用車に追突。
「酒を飲んで運転したことは間違いない」と容疑を認めている。

●0.55mg/l 通報検挙――新聞販売店バイト(69)兵庫(5月1日 毎日新聞)
4月30日午前3時頃、「飲酒運転をしている人がいる」との通報があった。
逮捕時は新聞配達中で、酒気帯び状態で原付バイクを運転していた。

●0.55mg/l 衝突事故――僧侶(32)佐賀県(4月26日 佐賀新聞)
4月25日午後10時40分頃、交差点で乗用車と衝突し、助手席の男性がけが。

●0.7mg/l 追突事故――会社員(47)佐賀県(4月23日 佐賀新聞)
4月22日午後9時10分頃、信号で停車中の軽乗用車に追突。

●0.6mg/l 死亡事故――建設業(32)熊本県(4月17日 朝日新聞)
4月16日午後10時30分頃、熊本市内の国道を歩いていた男女を乗用車ではね
死亡させる。

●酒酔い運転 追突事故――職業不詳(22)埼玉県(4月15日 埼玉新聞)
4月15日午前6時頃、交差点で駐車し、車内で寝ている男がいるという通報
があり、警官が声をかけるとそのまま車を走行させて、中央分離帯をはみ出
し対向車に衝突した。

●0.72mg/l 玉突き事故――会社員(34)佐賀県(4月15日 佐賀新聞)
4月13日午後10時15分頃、赤信号で停車しようとした乗用車に追突し、前方
の軽自動車も巻き込む玉突き事故を起こした。

お気づきでしょうが、「高濃度者」は、アルコール依存症の割合が高いと
思われます。


2)ブラックアウト

吉本芸人のガリガリガリクソンさん(31)が、酒気帯び運転の疑いで聴取
を受けています。経緯はこうです。

・5月12日午前7時頃、大阪市中央区の堺筋沿いで、後輪がパンクした乗用
 車が止まっているのを通行人が発見。通報で署員が駆けつけると、車内
 で1人寝ていた。呼気からは基準値以上のアルコールが検出された。
・「夜に酒を飲んだ。運転したことは覚えていない」と説明したが、直前
 に車が現場に停車する様子が付近の防犯カメラなどで確認された。

◎吉本芸人ガリガリガリクソンさん、酒気帯び運転疑いで聴取 大阪、
 パンク車の中で居眠り、検査で発覚(5月12日 産経新聞)

13日午後、釈放され謝罪したガリクソンさんは、飲酒運転については「状
況的に判断して、私が運転したであろうとしか考えられません」と認めた
ものの、「どうやって店を出たのか。駐車場から警察の方に保護されると
いうか、このような状況になってしまったかは本当に覚えていません」と
話し、「今後、お酒を飲むつもりはない」と断酒を誓いました。

◎ガリガリガリクソン 断酒を宣言 飲酒運転逮捕から釈放、当面自宅謹慎
 (5月14日 スポニチ)
◎ガリクソンと同席タレント「量すごすぎて」詳細語る
 (5月15日 日刊スポーツ)

深酒をして記憶が途切れることを、「ブラックアウト」と呼びます。
いったい、どんな飲み方をしたのでしょう?
本人は、「濃いめのハイボールを5、6杯飲んだところまでは覚えています」
と話しています。
報道によると、店内にいたほかの客も参加して10人ほどで飲酒、「罰ゲー
ムのようなノリになってガリクソンさんがハイボールを飲むことになった」
「ハイボールやテキーラを飲んでましたが、量がすごすぎて『大丈夫?』
って感じでした」

午前6時頃、店を出るときは、両脇を支えないと歩けないような泥酔状態。
同席者はタクシーに乗せようとしたが「自分の車で寝てから帰る」と言った
ため、運転しないよう念押しして駐車場まで連れて行き、水を渡して別れ
たとのこと。

このパターンで、多くの飲酒運転事故が起きています。
酔っぱらっている人の言うことを信用してはいけません。

☆深酒すると、記憶がなくなる(からだエイジング)
http://c.bme.jp/13/297/2043/1916


3)前日の酒が…

「きのうの夜、ビールと焼酎を少し飲んだだけ…」
「午後10時頃から自宅で焼酎を3合…」

こう言ったのは、飲んだ翌朝、検挙された教師と新聞社社員です。

●前日夜にビールと焼酎、翌朝8時に検挙――小学校教師(59)滋賀
 (5月9日 テレビ朝日)
5月9日午前8時過ぎ、勤務先の小学校へ出勤する際に、基準値を大幅に超え
る酒気帯びの状態で車を運転。
「きのうの夜、ビールと焼酎を少し飲んだだけです」と容疑を否認。

●焼酎を3合、翌朝6時に追突事故――新聞社社員(56)宮城
 (4月20日 朝日新聞)
4月20日午前6時35分頃、仙台市内で、前方を走る乗用車に追突。「前日午
後10時頃から自宅で焼酎を3合飲んだ」と供述。当日は休日だったため、
午前6時頃に自宅を出てドライブ中だった。

たとえばビールなら中瓶1本、25度の焼酎なら100mlを分解するのに、男性
でおよそ4時間、女性では5時間かかります。
もし焼酎3合飲んだら……答えは編集後記をご覧ください。

飲んだ量によっては、アルコールは翌日も残ります。
飲酒運転防止には、アルコールの知識が欠かせません。

★DVD「知って得する! アルコールの基礎知識」
http://c.bme.jp/13/297/2044/1916

★ハンドブック「知って得する! アルコールの基礎知識」
http://c.bme.jp/13/297/2045/1916

★飲酒運転防止研修eラーニング「15分で学べる必須のアルコール知識」
http://c.bme.jp/13/297/2046/1916


4)若者のひき逃げ・当て逃げ

若者によるひき逃げ・当て逃げ事件が多くありました。
若者は運転技術も判断力もまだまだ未熟。
さらにそこにアルコールが入っていることで、とっさに逃走する、という
最悪の判断に至ることが多いのです。

●「酒を飲んでいたので逃げた」30歳男性 愛知(5月8日 RESPONSE)
5月6日午前2時頃、愛知県でパトカーの追跡を受けていた軽乗用車が民家敷
地内の駐車場に突っ込む事故が発生。「酒を飲んでいたので逃げた」と供
述したが、呼気からは酒気帯び相当量に満たないアルコール分しか検出さ
れなかった。警察では男が飲酒した場所や量の特定を急ぐとともに、事故
発生の経緯を詳しく調べている。

●「お酒を飲んでいたので逃げた」27歳男性 大阪(5月5日 産経新聞)
5月4日午後10時15分頃、速度超過で走行しているのを巡回中のパトカーが
発見、停止を求められたが逃走。約1キロ先の交差点でオートバイと衝突
し、運転していた男性に軽傷を負わせたにもかかわらずさらに逃走した。
「お酒を飲んでいたので逃げた」と話しており、同署は飲酒運転の可能性
もあったとみて調べている。

●「酒を飲んでいたので逃げた」21歳男性 埼玉(5月4日 TBS)
5月3日午後5時前、草加市で、前を走っていた自転車の男性をはねてけがを
させ、そのまま逃走。「酒を飲んでいたので逃げた」と容疑を認めている。

●「人をはねたが、眠かったので」30歳男性 東京(4月26日 スポニチ)
4月23日午後11時55分頃、八王子市の歩道を歩いてた夫婦を車ではねて逃走。
近くの住宅に突っ込み、運転していた男は車を降りて逃走した。
現場にとどまった同乗の30代男性の供述などから容疑者が浮上。「人をは
ねたが、眠かったので家に帰った」と供述している。

☆若者の飲酒運転事例の分析(ASK)
http://c.bme.jp/13/297/2047/1916


5)ノンアルコールビールを飲んだのに酒気帯び運転?

福岡県で起きた衝突事故の容疑者から基準値の4倍近いアルコールが検出
されました。ここまではよくある酒気帯び運転のニュースなのですが、
この容疑者が「店で友人とノンアルコールビールを15本飲んだ」と供述、
酒気帯び運転の容疑を否認しています。

◎「ノンアル15本飲んだ」女が“酒気帯び”で車に衝突
 (5月10日 テレビ朝日)

日本でノンアルコールビールといえば、アルコール度数は0.00%。
何本飲んでも呼気からアルコールが検出されることはないはず。
仮に輸入物で1%未満のアルコールが含まれていたとしても、基準値の4倍
にはとうていならないでしょう。
容疑者がうその供述をしているのか…、現時点では詳しい状況はわかって
いません。


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   3.山さんコラム No.130
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆酒に弱いと損をするか

会費制の飲み会でコース料理を頼み、飲み放題となれば、酒に弱い人は
損だ。
だが、一緒に楽しめるから、あまり気にならないという人もいる。
立食パーティのように自由に食べられるなら、飲むかわりに好きな物を
しっかり食べ、得をする場合もある。
飲み放題ゆえに、たくさん酒を飲み、体をこわしたら大損である。
酒場での損得は、一概に、「酒に弱いと損」と決めつけられない。

仕事の場では、どうだろう。
「国鉄では、酒に弱いと仕事にならない」
山さんは入社前に先輩から忠告された。
新人研修期間にも同僚や上司から同じ言葉を聞いた。
当初は、そんな馬鹿な話があるものかとタカをくくっていたが、やがて、
真実だと思い知らされた。
永い職業人生の中で、以下のような発言に度々出会っている。
「会議のあとの懇親会は本音を出し合う場だから、昼の会議より重要だ」
「組合との交渉では、妥結条件について互いの腹をあわせる事前根回し
が欠かせない」
「部外者とは、日頃のつきあいが大事。気持が通じあわねばうまくいか
ない」
この発言中の懇談会、事前根回し、日頃のつきあいは、いずれも酒が入っ
た会合のことである。

これらの会合では、心を開くために適度の酔いは必要だ。
しかし、話がくどくなったり、いい加減だったり、酔っ払ってはいけない。
酒を注ぎ合い、飲みながら話をすすめ、判断をするのだから、酒が強く
ないと務まらない。
50代まで山さんは「酒が弱くては仕事にならない」と固く信じていた。
しかし、酒害を知って節酒、時に禁酒するようになってから、人を見る
目が変わった。
酒に弱い人が会合をうまくこなす姿や、酒に強い人の欠点が眼につくよ
うになった。

酒に弱い人のケース。
酒席で場もちのよい人がいる。話の聞き方がうまく、上手にあいづちを
うち、タイミングよく酒を注ぐ。相手は注がれては飲み、話を続け、また
、注がれ、飲み、話す。
こうすれば、相手から注がれることなく、相手を満足させ、相手の考え
や気持をしっかりつかめる。会合の目的が十分達せられる。

酒に強い人の弱点がでたケース。
通常、お互いに、注いだり、注がれたりしながら、会話をすすめる。
このペースが合うと気持がよい。だから酒に強い人同士は長談義になる。
だが、相手が酒に弱い人だと、自分だけ飲み、自分だけ話すことになる。
話を引き出そうと無理に酒をすすめれば相手は、ていよく避けるか、逃げ
出して話はできない。
つまり酒に強い人の落とし穴は、話し相手が酒に強い人ばかりになること
だ。

山さんが、この事実を思い知らされたのは、断酒をした時である。
この日、立食パーティで、「今日から酒を飲まない」と宣言した。
いつもなら「一杯いかがですか」と注いで、すぐ姿を消す現場長が、ウー
ロン茶を片手に山さんの所へ親しげにやってきた。
「実は私は全然飲めないのです」という。そして、同じウーロン茶片手の
山さんに安心したように、次々と話をくりだす。仕事上の疑問も率直に
出し、日頃の考えも積極的に述べた。
今まで彼のことを消極的な人間だとみなしていたから、まさに、眼から
ウロコ、である。
「断酒宣言」が「酒に強い山さんとのバリア」を取り払い、彼は本来の
姿を出して山さんの前に立てたのだ。

「酒に弱いと仕事にならない」といわれた当時の国鉄を、現在の立場から
振り返ってみると、酒に弱く、ほとんど飲まなかった上司が、数多くいた
ことを見いだすことができる。
50年前の酒に寛容な風土の国鉄でも「仕事にならない」ことなど、決して
なかった。
札幌時代の上司であった旅客課長、酒は一滴も飲まなかったが自宅へ招き、
奥様から酒を注いでもらう山さんをニコニコ笑顔で見ていた。おだやかだ
が仕事は厳しく信頼されていた。
研究所の大先輩も、酒が飲めない体質だった。非社交的人物とみられてい
たが、40代で国立大学へ転じ、学部長までやった。
本社の酒を飲まない上司。時々「お茶を飲みに行こう」と甘味店へ誘われ
た。彼は、ぜんざい、当時甘いものが苦手だった山さんはトコロテンで付
き合った。彼も重要ポストを歴任し、本社局長になった。
本社課長。いつもウーロン茶。現場の実情に詳しく、後輩を厳しく指導した。
管理局長を立派に務めた。
組合の幹部でも酒に弱い人がいた。概して、ダイヤや現場の実務に詳しく、
原則論を持ち出し、酒による腹合わせができず。やりにくかった、だが、
理屈さえわかると、無茶な要求はしない。じっくり事情を聴く機会を設け
れば、交渉がうまく行くこともあった。

部外者との懇談は、酒好きの山さんに合わせてくれることが多かった。
「飲まないことにした」と言った日、ある社長さんは、びっくりした顔を
してこう言った。
「早く言ってくださいよ。私は3日前から強肝剤を飲み今日に備えたので
すよ」
彼とは5年間も春と秋に酒席を設けていた。
下戸の彼には辛い会合だったのだ。

酒に強いと、こういう罪作りをする。
一見、得に見えても、永い目で見れば大損だ。
思えば、勤務したどの職場にも酒に弱い人がいた。仕事ができるから登用
された人々だ。
そして、酒飲みの弱点を補い、飲酒問題の絶えない旧国鉄を支えていた。
だから、ちゃんと評価され、しかるべく処遇され、退職までにはしかるべ
き役職についた。
退職後もOBとして活躍し、一般に長生きだ。
さて、結論。
酒に弱いと、損をするだろうか?
「損する場面はあるかもしれないが、長い目で見れば絶対に得」
である。


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  4.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/2048/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================

友井です。
まずは、ニュースクリップ3)の解答から。

焼酎3合は、180ml×3=540ml 
25度の焼酎100mlを分解する目安が、男性4時間、女性5時間なので、
男性…4時間×5.4=21.6時間 女性…5時間×5.4=27時間
8時間ぐらいでは全然足りません!

さて、社内で定期的に行っている安全運転講習で使用するために何かいい
教材はないか、と探していらした運送会社の方がいました。

DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」を購入した理由は、講座4つ
を合わせて40分という長さがちょうどよかったからだそうです。
社員の感想をお聞きしたところ――

「アルコールの1単位」にぐっと引きつけられていた。
「寝酒の落とし穴」で「自分がまさにそれだ」と思い当たったようだった。
「節酒しなきゃ」とアンケートに書いていた。

「プライベートなことなので、飲酒についてはなかなか言い出しにくかっ
たけれど、飲酒運転防止を切り口にして、飲酒習慣の見直しのきっかけを
つくることができたのは嬉しい誤算でした」とのことでした。

★職場で役立つDVDや予防グッズはこちら
http://c.bme.jp/13/297/2049/1916

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】132号 17.5.16
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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131号2017

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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.129
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *つぶやき*

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 飲酒運転防止インストラクター養成講座、お急ぎください!
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★第10期飲酒運転防止インストラクター養成講座、受付中です。

詳しくは、ホームページを。お申し込みもこちらから。
  ↓ ↓ ↓ 
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日々、続々と申し込みが届き、すでに150名を超えています。
どうぞお急ぎください。

今期申し込まれた方たちの、受講動機をご紹介します。

・研修所に配属になり、運輸業の社員教育を行うにあたって、飲酒運転防
 止は外せないもので、自分自身がよく理解したうえで、教育に取り組み
 たいため。(鉄道)

・飲酒運転の危険性を社員の方々や地域など、できるだけ多くの人たちに
 伝えていきたいと思い応募させていただきました。(トラック)

・アルコールに対してより深い知識を身につけて、乗務員教育に役立てた
 いと思います。(バス)

・企業向けの交通事故防止活動の提案、講習を行っています。飲酒運転に
 ついての理解を深め、事故防止活動に役立てたいと思います。(企業)

・職場内から絶対に不祥事を根絶するため。特に、確信犯である飲酒、酒
 気帯び運転については言語道断。強い決意で根絶運動を展開したいため。
 (消防)

・健康教室などでアルコールに関する指導をする場面で活用したい。飲酒
 の問題は健康問題だけでなく飲酒運転などの社会的問題も切り離せない
 ので、勉強したいと思いました。(医療)

・現在、アルコール依存症の治療病棟に勤務して治療と回復に携わってい
 る。予防に興味があり、地域へ啓蒙活動を行ないたいと思い応募した。
 (医療)


■受講料(自己負担分)18,500円 ■定員300名

上記の受講料には、通信講座(教材と添削3回含)・スクーリング参加費・
研修に使えるDVD・認定等の費用すべてが含まれます。
日本損害保険協会の助成と、検知器メーカーの企業協賛があるため割安な
のです。

 ★上級インストラクターについてはこちらへ
 http://c.bme.jp/13/297/2006/1916

 これまでに認定された上級インストラクターの紹介ページはこちらです。  
 http://c.bme.jp/13/297/2007/1916


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  2.ニュースCLIP!
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寒波で、桜は冷蔵保存。
そのせいか、急性アルコール中毒のニュースは聞きません。

今日から気温上昇とか。
都内でもまだ見頃のところはあります。
うかれて羽目をはずさないよう、桜は事故なく愛でましょう。

さて、このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
お時間の許すかぎり、おつきあいください。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/2008/1916

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 1)またも飲酒検知で身代わり
 2)知識があれば防げたのに…
 3)アルコール等影響発覚免脱罪!
 4)スマホと店の防犯カメラから

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1)またも飲酒検知で身代わり

バスの運転手が、前夜に飲酒したアルコールが残っていたことを隠すため
に、乗務前のアルコール検知で身代わりを依頼し、その結果を運行管理者
に示してバスを運行していたことが発覚しました。

◎バス運転手、飲酒検知で身代わり依頼 岐阜の事業者処分
 (4月7日 朝日新聞)

会社は、再発防止策としてカメラ付きの検知器を導入するとのことです
が、機器だけでなく、乗務員にアルコールの教育をすることが肝要です。


 ★飲酒運転防止インストラクター養成講座
  http://c.bme.jp/13/297/2009/1916


2)知識があれば防げたのに…

アルコールの知識があれば……という事故が数多くありました。
「お酒が残っていると思わなかった」
「目が覚めた際に酔った感覚がなかったので運転した」
「体内に残っているとは思わなかった」
これらは最近、飲酒運転で検挙された人たちの発言です。

飲んだ量によっては、アルコールは翌日も残ります。
たとえばビールなら中瓶1本、焼酎ならば100mlが分解されて体から消える
のに、男性でおよそ4時間、女性では5時間かかります。
もしビール中瓶を3本飲んだとしたら、翌朝に残るのです。

また睡眠をとることで「アルコールが抜けた」と思う人がいますが、睡眠
中は逆に分解速度は低下します。

●国交省職員(38)男性 北海道(4月5日 北海道文化放送)
4月5日午前10時前、釧路市内の大型商業施設に買い物に向かう途中に信号
待ちの車に追突、男性の首に軽いけがを負わせ、0.35mg/lのアルコールが
検出。
「前日の夜、ビールと焼酎を飲んだ。お酒が残っていると思わなかった」

●教諭(35)男性 千葉(4月6日 千葉日報)
3月25日午前0時半頃、船橋市内で追突事故を起こした。前日の午後6時45
分~午前0時頃に市内の飲食店での懇親会で、ビール約1リットルやテキー
ラを飲酒。近くの駐車場に止めていた自分の車で30分ほど仮眠をとった。
「目が覚めた際に酔った感覚がなかったので運転した」

●アメリカ陸軍伍長(21)男性 沖縄(4月2日 沖縄タイムズ)
4月2日午前6時10分頃、北谷町で不自然な運転をしていた車を止め、呼気
検査をした結果、基準値の約2倍のアルコールが検出された。
「酒は飲んだが、体内に残っているとは思わなかった」

●警部補(59)男性 茨城(4月8日 産経新聞)
3月20日午前8時頃、日立市内の自宅から車で署に出勤。勤務開始前の点検
で呼気からアルコール反応があり、さらに飲酒検知機器で詳しく検査した
ところ、基準を超えるアルコールが検出された。前夜、自宅で焼酎を飲ん
だ後、午後11時頃就寝。当日午前6時50分頃に起床。
「酒が(体内に)残っているかもしれないと思ったが、急に(勤務を)
交代すると迷惑になると思った」

最後の警部補は、普段から飲酒習慣で個別指導を受けていたとのこと。
もしかしたら依存症の治療が必要だったのかもしれません。
来年の春には定年を迎える予定で、「警察官として恥ずかしく思う」と述
べているそうです。


 ★職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール
  アスク・ヒューマン・ケアのサイトで、まとめて見られます。
  http://c.bme.jp/13/297/2010/1916

 ★ASKアルコール通信講座
  飲酒運転の背景となる「依存症」への対応が学べます。
  http://c.bme.jp/13/297/2011/1916


3)アルコール等影響発覚免脱罪!

飲酒運転の発覚を恐れて、重ね飲みで発覚を逃れようとする事件が岡山で
ありました。

◎飲酒運転発覚逃れで焼酎飲む 津山署、容疑の男送検
 (3月30日 山陽新聞)

3月12日午後3時40分頃、無職男性(46)が交差点で乗用車と衝突。駆けつ
けた署員の前で、車内にあった焼酎約200mlを飲んだのです。

重ね飲みは、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱」という罪に問
われます。
これは、2013年に、飲酒運転の発覚を免れるためのひき逃げや重ね飲みな
ど「逃げ得」を生じさせないために、新設されたもの。12年以下の懲役と
いう重い刑です。
道交法の「救護義務違反」との併合罪だと、18年以下の懲役となります。


 ★自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
  http://c.bme.jp/13/297/2012/1916


4)スマホと店の防犯カメラから

防犯カメラに飲酒している姿が映っていたことから、呼気検査を経ずして
酒酔い運転で検挙されたケースがありました。

◎防犯カメラに飲酒姿 アルコール検知経ず酒酔い運転容疑
 (3月16日 朝日新聞)

3月8日未明、「タイヤがバーストした車が道路に止まっている」と通行人
から通報がありました。警察官が駆けつけると車内には誰もおらず、残さ
れた免許証やスマートフォンから北九州市の会社員(45)が浮上。
事情を聴くと「居眠り運転をして事故を起こした」。

飲酒運転だったのではないか。
警察は、スマホの通信履歴を調べました。
そこから、証言や証拠が続々出てきたのです。

・焼き肉店で一緒に酒を飲んだという知人女性の証言
・ふらふらと歩いて店を出る容疑者に運転代行を勧めたという店長の証言
・店の防犯カメラに映っていたビールを7杯ほど飲むようす
・店を出て車を運転するようす

こうして福岡県警は、3月16日、会社員を酒酔い運転容疑で逮捕しました。


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   3.山さんコラム No.129
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆花見の思い出

山さんが社会人になってからの「お花見」体験1号は、札幌郊外、茨戸公園
だった。
この日、滝川市に本店を構える「松尾ジンギスカン」の羊肉を、札幌駅の
ホーム端で、こっそり受け取った。職場の先輩が注文し、知り合いの専務
車掌に頼んで運んでもらった大事な一品だ。
当時は宅配便という便利なシステムはなかった。少量物品の運送は郵便小
包か鉄道小荷物に限られていたが、どちらも生の羊肉を運ぶのには不適だ
った。
それで、車掌に運んでもらうという非常手段を使ったのだ。
バレたら懲戒ものだ。

山さんは、当時、札幌へ赴任したばかり。駅の誰もが顔を知らない。
それに、仮にバレたとしても、大学を出たばかりの新米課員なら大目にみ
られるという計算が先輩にはあったのだろう。
50余年前は、こんなに不便、かつ、ある意味でおおらかな時代でもあった。

山さんと若手課員は、ジンキスカンの肉を受け取るとすぐ茨戸公園へ出か
けた。桜の木を選び、その下に会場を設営した。炭をおこし、ジンギスカ
ン鍋を温め、ヤカンで酒をわかす。
桜が満開の季節でも札幌はまだ山に雪が残り、夕方になれば冷える。だか
ら土曜日の、陽の高い時間から始めたと記憶する。それでも風は冷たい。
で、熱燗の乾杯となり、熱々のジンギスカンをほおばる花見という趣向だ。

この「お花見」の段取りは、山さんの適性にぴったりだったらしく、自分
も大いに楽しみ、上司から評価もされた。
以後、一年間、引っ越し手伝いとそのあとの宴会、各種歓送迎会の買い出
しや会場設営の担当となった。
転勤送別会で課長が、他の人へは「輸送係としてダイヤ改正で活躍され…」
など仕事ぶりを誉めたのに、山さんの番になると「山村さんには、わが課
で…」しばらく絶句。そして、やや言いにくそうに「宴会準備の面で大い
に活躍され…」。みんなが大爆笑。
たいていの人はここで恥を知りメゲるだろうが、山さんは内心、うれしか
った。
仕事で大小のミスを重ねていた山さんにとって、活躍できる場が見つかり、
職場にうまく溶け込む機会となってくれた、価値ある「お花見」だった。

しかし、同じ「お花見」の準備でも、悲劇がある。
平成に入ってすぐ、4月の初めである。所は、墨田堤。
山さんの指示で、新入社員3名と若手社員2名が、花見の先遣隊として、昼
すぎから場所取りと宴会準備をしていた。
山さんは夕方、残りの社員とともに貸し切りバスで出かけた。
車内へはビールや酒がもちこまれ、会場へ着くまでの時間、大いに盛りあ
がった。
ボンボリの点いた墨田堤へ到着し、いざ会場へとバスを降りようとしたら、
外が騒がしい。

新入社員のS君が倒れたという。
バスへ運び込み介抱する。
先遣隊は準備ができた後、練習乾杯と称し飲み始めたが、残り一同のバス
到着が予定時刻より遅れたため、つい飲み過ぎたのだという。
みんな心配そうな顔をして、すっかり酔いが醒めた表情だ。
花見は中止、そのままバスを走らせ帰途につくことに決定した。

翌朝、S君を呼んで事情を聞いた。
山さん「酒を飲んで倒れたことがあるのか」
S君 「大学時代、一度だけありました。しかし、その後は注意していま
した」
山さん「今回は、注意していなかったのかい」
S君 「はじめは慎重にやっていました。でもチビチビ飲むのは格好が悪
いので、グイグイやってみると、いい飲みっぷりだ、とほめられました。
それで、つい…」
山さん「チビチビ飲むのは格好が悪い、と誰が言ったんだ」
S君 「父が、酒に弱くて職場で損をしている、とよくこぼしていました。
それで、社会人になったら酒に強い態度をとろうと思っていました」

今だったら、まさにその考えこそ危険だとわかるが、山さんは当時、アル
コールの知識が十分でなかったから、酒宴準備係としての心構えを説いた。
「準備完了後、明るく本隊を迎えるために飲むのはいいんだよ。しかし、
ほろ酔い程度にするのが肝心だ。花見では、酒をすすめて補充する、つま
みの配布と追加、後片付けなど、仕事がたくさんある。世話役はみんなが
帰って、片付け終了後、しっかり飲め」

S君「はい、わかりました。以後、注意します」と元気よく帰った。
しかし、5月になって、司法試験を受験したいからとの理由で退職した。
「総務部長から、直々、お説教をくったから将来はない」と同期生には漏
らしていたと、3ヵ月後に山さんは聞いた。

新入社員に勤務時間中にもかかわらず「花見」の準備を命じたのは、山さ
んが若い時にやった「花見準備」が職業人生上、おおいに役立ったからだ。
しかしS君にとっては、一生を左右する「つまずき」になった。司法試験
に失敗、その後、公務員になったが、短期間で退職したと伝え聞いた。
「お花見」の季節のほろ苦い思い出だ。


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  4.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/2013/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================


友井です。
トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を購入した製造
業の担当者の方にお話を伺ったら、購入動機がこれでした。

「社内で行なう安全運転講習会に、何か“面白いこと”を盛り込もうと…」

――「面白いこと」ですか?(笑)

はい。
DVDの上映と1単位カードの配布は決めていたのですが、面白い要素を取り
入れることで、より印象づけることができればと。

――反応はいかがでしたか?

会場に積んでおいたら、多くの社員が集まって「これはなんだ?」と話題
になっていました。
内容も知識として新鮮だったようで、切り取ったトイレットペーパーを
スマホで撮影してる社員もいました。(笑)

まじめな講習会でしたが、トイレットペーパーのおかげで楽しみながらで
きたと思います。

トイレットペーパーって何? という方はこちらをどうぞ。
http://c.bme.jp/13/297/2014/1916

その他、職場で役立つDVDや予防グッズもあります。
http://c.bme.jp/13/297/2015/1916

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】131号 17.4.12
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
===========================================================

130号2017

★__________________________
 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  130号 17.3.15
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.128
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *つぶやき*

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 飲酒運転防止インストラクター養成講座、受付開始!
          ↓ ↓ ↓
   
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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★第10期飲酒運転防止インストラクター養成講座
 3月15日、本日から受付開始です!

■受講料(自己負担分)18,500円 ■定員300名
※受講料には通信講座(添削3回含)・スクーリング・教材用DVD・認定等
の費用すべてが含まれます。

くわしい内容はホームページで。申し込みもできます。  
http://c.bme.jp/13/297/1922/1916

チラシをお持ちの方は、FAX・郵送でもOKです。

――迷っていらっしゃる方へ
【政府インターネットテレビ】で、講師・山村のインタビューと、当養成
講座のスクーリングのようす(3分40秒から8分くらいまで)が見られます。
 ↓ ↓ ↓
「その先の悲劇 絶対にしない・させない!飲酒運転」
http://c.bme.jp/13/297/1923/1916


★上級インストラクターに挑戦する方も募集しています!

認定インストラクターとしての経験をもとに、アルコール問題についての
研鑽をさらに積み、実技審査に合格すると上級インストラクターとして
認定されます。

くわしくはこちらをどうぞ。
http://c.bme.jp/13/297/1924/1916

なお、これまでに認定された上級インストラクターの紹介ページはこちら。
http://c.bme.jp/13/297/1925/1916


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  2.ニュースCLIP!
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三寒四温と言いますが、なかなか春になりませんねぇ。
とはいえ、3月25日あたりには、各地で桜の開花が予想されています。
歓送迎シーズンの始まりです。
幹事の方は、当日だけでなく、翌朝の飲酒運転防止にもぜひ配慮を。

さて、このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
お時間の許すかぎり、おつきあいください。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1926/1916

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 1)小6、中3が飲酒運転
 2)20歳そこそこの若者も
 3)貸切バスの運転手が、休憩時間中に…
 4)警察庁の分析データから見えるもの

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1)小6、中3が飲酒運転

沖縄、京都、千葉で、未成年による飲酒運転事故が相次ぎました。
うち沖縄は、なんと小6と中3。
同乗者の死者が出ています。

●小学6年男子(12)沖縄(2月24日 琉球新報)
2月12日未明、恩納村で、小中学生3人の乗ったスクーターが転倒。中学3年
男子が死亡、小学6年男子と中学2年女子が重軽傷を負った。運転していた
のは小学6年男子で、血液から基準を超えるアルコールが検出。

●アルバイトの少年(19)京都(2月25日 京都新聞)
2月25日午前2時15分頃、舞鶴市でアルバイトの少年が運転する軽乗用車が
電柱に衝突。同乗していた中学3年女子(14)が頭などを強く打ち死亡。
少年の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出された。

●中学3年女子(15)沖縄(3月6日 琉球新報)
3月5日午前10時頃、那覇市で酒を飲んで125ccのオートバイを運転。「2人
乗りの不審なバイクが徘徊している」との通報を受け、警察官がパトカー
で駆けつけたところ、逃走するためUターンを試みて転倒。2人に怪我は
なかった。

●自称会社員の少年(18)千葉(3月8日 千葉日報)
3月9日午前2時10分頃、千葉県大網白里市の市道十字路で、左から右折して
きた軽トラックと衝突、軽トラックの男性が腹などを打ち死亡した。乗用
車を運転していた少年は「酒を飲んで車を運転したことは間違いない」と
容疑を認めている。

沖縄では、2016年中に県内で発生した飲酒絡みの交通死亡事故13件のうち、
未成年による事故がほぼ半数の6件に上るという数字も出ています。すべ
てバイクによる事故とのこと。

そもそも未成年なので、飲酒そのものが大問題です。
中高の保健体育でアルコール・薬物・タバコについて教えることになって
いますが、学校では薬物・タバコを優先してアルコールはおざなりになり
がち。家庭でも、保護者が気軽に飲ませてしまう傾向があります。
飲酒運転防止のためにも、彼ら自身の健康や将来のためにも、しっかりし
たアルコール予防教育が必須です。


2)20歳そこそこの若者も

飲酒開始年齢を過ぎたばかりの若者による事故も。

●建設作業員(20)埼玉(3月3日 埼玉新聞)
3月3日午前0時35分頃、行田市で道路脇の信号柱に衝突する事故を起こし、
呼気0.2mg/lのアルコールが検出された。「熊谷市内の居酒屋で焼酎を飲
んだ」と容疑を認めている。

●大学生(20)兵庫(3月5日 産経新聞)
3月4日午前1時45分頃、姫路市の国道の交差点で大型トラックと衝突。同乗
していた同じ大学に通う19~20歳の男女4人に頭蓋骨骨折などの重軽傷を
負わせた。大学生は飲食店でビールを数杯飲んだ後、いったん寮に帰宅。
その後、同じ寮に住む4人とともに再び出かけたという。

●会社員(22)埼玉(3月5日 テレビ朝日)
3月5日午前6時過ぎ、さいたま市浦和区で交差点の信号機の支柱に衝突。
信号機は歩道側になぎ倒された。呼気0.3mg/lのアルコールが検出。「ド
ライブの帰りだった」「車の中で焼酎を飲んだ」と容疑を認めている。

●海上自衛官(21)長崎(3月9日 毎日新聞)
3月7日午前6時35分頃、大村市で、酒気帯び状態で軽乗用車を運転し、街路
樹に衝突。その後、信号待ちをしていた軽乗用車にもぶつかった。

若者は運転技術も判断力もまだまだ未熟。
そこにアルコールが入ったら……このような大事故に発展します。

20歳の大学生の事例は、典型的な若者の「コンパ乗り」です。
22歳の会社員は「車の中で焼酎を飲んだ」と供述しています。 
車中で飲むとなると、依存症が強く疑われます。

☆若者の飲酒運転事例の分析(ASK)
http://c.bme.jp/13/297/1927/1916


3)貸切バスの運転手が、休憩時間中に…

徳島の男性運転手(49)が、貸切バスを運転して到着したホテルで、休憩
中に500mlの瓶ビール1本を飲んでいたことが、ホテル従業員の指摘で判明。
バス会社は別の運転手を手配したとのことです。

◎徳島バス阿南の49歳運転手、貸し切り運転の休憩中(3月8日 毎日新聞)

運転手は、待機用の部屋で休憩していたときに、備え付けの冷蔵庫にあっ
たビールを正午頃に飲んだとのこと。午後3時頃、社名を名乗ってビール
の代金を精算しようとして、ホテル従業員に運転手だと気づかれ、ホテル
から旅行会社を通じてバス会社に連絡がいきました。
運転手は「夜には酔いがさめるだろうと思った」と話しています。

飲んではいけない規定を破っての飲酒。
ここにも、飲酒習慣の問題がありそうです。


★職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール
 アスク・ヒューマン・ケアのサイトで、まとめて見られます。
 http://c.bme.jp/13/297/1928/1916

★ASKアルコール通信講座
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 http://c.bme.jp/13/297/1929/1916


4)警察庁の分析データから見えるもの

警察庁が、昨年1年間に全国で起きた飲酒運転を分析した、詳細なデータを
発表しました。

見えてきたのは――
1.厳罰化により、飲酒死亡事故は20年前と比較して大幅に減ったものの、
  下げ止まり状態が続いており、平成28年は微増した
2.飲酒事故の死亡事故率は5%を超えており、飲酒事故以外の死亡事故率
  の約8.4倍
3.運転者は男性が95%、10代も含め、押しなべてすべての年齢層で発生
  している
4.発生時間は、22時から6時に集中
5.車両単独事故が5割超で、ガードレールや電柱への衝突が多い
6.運転者の死亡が67%、同乗者が7%、25%は第三者を死亡させている
7.酒酔いと高濃度の酒気帯び(呼気0.25mg以上)が、飲酒死亡事故の
  73%、飲酒全事故では66%にのぼる
8.アルコールの影響が大きいほど、車両単独による死亡事故が多い
9.飲酒場所は、居酒屋・スナック・レストラン等が56%、自宅が21%、
  その他(知人宅・勤務先・ホテル・コンビニ等)23%
10.飲酒終了から死亡事故発生までの経過時間は、1時間未満が58%、1~2
  時間未満14%、2~3時間未満10%未満、3~5時間10%、5時間以上8%

☆平成28年における交通死亡事故について(平成29年2月23日 交通企画課)
 ※飲酒死亡事故はp31~41 
 http://c.bme.jp/13/297/1930/1916

飲酒死亡事故がなぜ下げ止まっているのか?

「酩酊度が高い状態での運転が7割を超えている」
という数字が、事態を物語っているような気がします。

彼らの多くは、その日にたまたま多量に飲んだというより、日頃から多量
に飲む人々だった可能性が高いのではないでしょうか。


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   3.山さんコラム No.128
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆いいとこ取り

1年ぶりに会った後輩と、下町の天ぷら屋で夕食を共にしたときの話だ。
アルコールの分解時間について知っていてよかった、と後輩が言う。
「この間、ゴルフへ行ったとき、車で来ていた仲間が昼飯に生ビールを飲
むと言うんです。酒気帯び運転になるぞと注意したら、1杯なら2~3時間で
抜けるから大丈夫と、強情なんですよ」
彼が、その確信のもとをただすと、ある警察署の講習会で聞いたとのこと。
逆に「どんな根拠で、生ビール中ジョッキ1杯程度で酒気帯びになるんだ?」
と問い詰める勢いだったという。
そこで後輩は、山さんから以前聞いたことを説明した。
アルコールの分解には個人差があるが、およそ1単位で4時間かかること。
ゴルフや風呂で汗をかいてもアルコールはほとんど抜けないこと。
少しのアルコールでも認知力、判断力、操作力が落ちミスが多くなること。

それでしぶしぶ、飲むのをやめたという。
「よかったですよ。今どき飲酒運転で捕まったら、本人だけでなく我々も
同罪ですから」

ここでの問題は、分解時間だ。
山さんの講演や研修でも、1単位4時間と話すと、質問が出ることが多い。
「もっと短い時間で説明された」という。
この手のことは、とかく諸説ありがちだが、それにしても「1単位2~3時間」
の説明は短すぎる。
たとえば、こんな話し方をする人はいるかもしれない。
「お酒に強い人の中には、ビール中ジョッキ1杯が3時間弱で抜ける人もい
ます。でも多くの人が4時間、それ以上かかる人もいます。また、酒に強い
人でも体調が悪いと、ふだんよりも時間がかかります」
それを聞いて、冒頭の「3時間弱で抜ける」に飛びつき、「自分は酒に強い
から3時間あれば大丈夫」と納得。あとは酒に弱い奴らの話と聞き流す……
酒飲みにありがちだ。
これを「いいとこ取り」という。

心の中で求めているものと一致した情報は、耳にも目にも入りやすい。
記憶にもとどまりやすい。
こうした心地よい情報を積極的に集めようという努力も生まれる。

本来「いいとこ取り」は、人類の生存にとって必要な能力だったのだろう。
例えば、飲食欲求を満たす植物や動物のありかを素早く見つけ、存在時期
や場所をしっかり記憶にとどめる能力は、生存にとって有利である。
だから探索行動では、認知の対象範囲をしぼり、目的のものを素早く探し
だすために、特定の情報が際立つように脳は準備をする。

「いいとこ取り」は、自分の立場を守る際にも発揮される。
有利な情報は素早く取り入れ、よけいな情報は排除する。
そうやって理論武装するのだ。

バス会社などで検知器が導入されて以来、自宅でも検知器を購入して、
休みの日に飲んだ後、検知器が0になるまでの時間を調べたという酒飲み
はけっこういる。
そして、次の勤務までの時間を逆算し、検知器にかからないようにギリ
ギリの量まで飲もうというのである。
理論としては合っている。
しかし現実は、計算通りにはいかない。
その日の体調、肝臓の疲れ具合、加齢などによって分解時間は違ってくる
し、睡眠中は分解が遅れる。
さらに、安価な検知器は精度が落ちる。

本来、検知器は、万一アルコールが残っていた場合、水際で飲酒運転を
防止するための補助装置である。
どれだけ飲めるか計算するために使うのは、本末転倒。
こと安全にかかわる分野では、「いいとこ取り」はあってはならない。

自分の信条とは食い違う事態に出会ったら、今まで都合よく「いいとこ
取り」をしていなかったか、落ち着いて考えてみたい。


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  4.ASKの活動ご紹介
===================================================

特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/1931/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================

メルマガの文章量がいつしか膨大になっていたので、今号は、ぐっとスリ
ム化を図りました。

ということで、ASKからのお知らせはここで。
 
「イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン2017」が始まりました。
今年のテーマは、#こわい飲み会。
ポスター・チラシはかなりインパクトのあるデザインになっています。
ぜひご覧ください。

サイトはこちらです。
 ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1932/1916

第2期「アルコール健康障害対策関係者会議」も3月8日に開始。
4月に内閣府から厚労省に事務局が移管になるので、内閣府で開催される
最後の会議でした。
会長は久里浜医療センター院長・樋口進先生。
今成が、会長代理の指名を受けました。
委員には、女優の東ちづるさんも入っています。
会議のようすは、ASKのフェイスブックでどうぞ。
 ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1933/1916

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】130号 17.3.15
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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129号2017

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  129号 17.2.14
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
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   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.127
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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    酒量を減らすと、こんなにいいことが!
          ↓ ↓ ↓
   
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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第9期インストラクター養成講座、実践報告シートが続々と届いています。
認定者の数を第1期から合計すると、全国で3076人になりました。

インストラクターになった人たちが口々に言うのは、 「この養成講座を受
けたことで、自分自身の飲酒習慣を見直すことができた」という言葉です。

第9期のアンケートから、生の言葉をどうぞ聞いてください。

・4単位から2単位に減らした。翌朝、体の調子がとてもよく、ジョギング
 も始められた。その後の朝食もうまいし、よいことが起こり始めた気が
 します。(トラック)
・休日前夜に深酒しなくなったので休日は朝早くから活動することができ、
 ダラダラしていた休日もテキパキ動けるようになりました。(バス)
・休肝日を二日にし酒量も1単位に減らしたことで、体が健康であると実感
 する。(企業)
・酒量を減らしたところ、翌日すっきりと目覚めることができる。(バス)
・食事時間に飲むことを控えることで、1日の酒量が減った。(刑務所教官)
・正しい知識を得ると多量飲酒が怖くなり、5単位から2単位に減らした。
 (行政)
・もともと飲み会の席でしか飲まなかったが、それも2単位に減らすと翌日
 が楽になった。(バス)
・飲み会の時に飲みすぎていたのを1単位に減らしました。(教習所)
・自分が実践することが一番説得力があると思い、節酒に取りくみました。
 (バス)
・休肝日を作ったら体調もよくなり量も減りました。(バス)

飲酒運転防止インストラクター養成講座の公式サイトです。
認定者の人数など、随時更新しています。
  ↓   ↓   ↓
http://c.bme.jp/13/297/1849/1916


★第10期飲酒運転防止インストラクター養成講座、来月募集開始!
募集が決まりしだい、当メルマガの号外でお知らせいたします。
ホームページでもお知らせします。もう少しお待ちください。


★当講座が、毎日新聞に紹介されました!

◎<飲酒事故>知って根絶 運輸業などへ、講師3000人養成 NPO
 「厳罰だけでは減らぬ」(2月13日 毎日新聞)
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1850/1916

とてもいい記事なのですが、1ヵ所、誤解を受けそうな記述が。
スクーリングで「1単位」を理解するため焼酎の水割りを作ったり――
「焼酎の水割り」は作りません。あくまで水を使って、日頃注いでいる
焼酎の量を測るだけです。念のため。


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  2.ASKからのお知らせ
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●Be!126号予約開始してます!
 特集/人間関係のドツボ「嫌われてるかも」と思ったとき、できること
 基本法NOW
 *アルコール・薬物・ギャンブル――国の依存症対策 どうなる?
 *推進計画にみる、自治体ごとの工夫
  【三重/愛知/京都/山口/福岡/広島】 ほか
 くわしくは↓
 http://c.bme.jp/13/297/1851/1916

 3/20までのキャンペーンも↓
 http://c.bme.jp/13/297/1852/1916


●体質を知ることで、自分に引き付けた知識を

今回は、「かんたんジェルパッチ」を購入された運送業の担当者の方に
お話を伺いました。

――購入の目的は?

毎年、新入社員を対象にして安全運転の講習会を行なっているのですが、
今年は飲酒運転だけでなく、体質を知ることで、アルコールの知識を自分
のこととして考えてほしいと思い購入しました。

――研修を受けた方の反応はいかがでしたか?

「飲めば飲むほど飲めるようになる」と思って飲んでいた社員が、「体質
的に無理なのか…」と言っていたのが印象的でした。
アルコールの分解時間に驚いている社員も多くいました。
お酒との接し方を見直すいい機会になったようです。

――まさに狙い通りの反応だったのですね。
 
★かんたんジェルパッチ
 自分の体質と、体質ごとのアドバイスを知ろう!
 http://c.bme.jp/13/297/1853/1916

★職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール
 アスク・ヒューマン・ケアのサイトで、まとめて見られます。
    ↓ ↓ ↓
 http://c.bme.jp/13/297/1854/1916

★ASKアルコール通信講座
 飲酒運転の背景となる「依存症」への対応が学べます。
 http://c.bme.jp/13/297/1855/1916


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  3.ニュースCLIP!
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各地が大雪で、交通機関大混乱。
春が待ち遠しいです。

さて、このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
お時間の許すかぎり、おつきあいください。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1856/1916

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 1)飲酒運転のトラックから男子児童をかばい…
 2)「大丈夫だろう」「抜けていると思った」
 3)乗車前検査で身代わりを頼み
 4)寝酒で寝坊、車の中で飲酒(?)
 5)免許取消の半数以上が飲酒運転――静岡県警
 6)水上バイク、半数が飲酒!

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1)飲酒運転のトラックから男子児童をかばい…

たまらない事件です。
島根県で集団登校していた9名の児童の列に、飲酒運転の軽トラックが突っ
込み、ボランティアで通学を見守っていた三原董充さん(73)が全身を強
く打って、翌日、病院で亡くなりました。
事故を起こした会社員(62)からは、基準値を超えるアルコールが。

◎男性死亡 飲酒トラックから男児かばう 娘失い登校見守り
 (1月31日 毎日新聞)

三原さんは、33年前に当時小学2年だった次女を交通事故で亡くし、それ
以降ずっと、子どもたちを事故から守る活動を続けていました。
事故の際、助けるために男児を突き飛ばして代わりに事故に巻き込まれま
した。自分が瀕死の中で、男児生徒に「大丈夫か」と声をかけていたそう
です。


2)「大丈夫だろう」「抜けていると思った」

正しい知識を持てば、このような発言はできません。

●消防士(35)茨城県「長い時間休んだので大丈夫だろう」
(1月23日 産経新聞)
1月20日午後6時頃から土浦市の飲食店で飲酒し、午後10時頃、駐車場に止
めた車の中で就寝。翌午前5時頃、帰宅途中に職務質問を受けて、基準を
超えるアルコールが検出された。
「長い時間休んだので大丈夫だろうという思いがあった」と供述。

●副町長(31)福岡県「アルコールは抜けていると思った」
(1月25日 朝日新聞)
1月24日、県幹部を含む総務省からの出向者の新年会に参加。出席者の1人
の家に泊まったが、翌午前4時頃、福岡市で乗用車を運転、県警の交通機動
隊の職務質問を受け、呼気0.18mg/lのアルコールが検出された。
「前夜に飲酒をしたのは間違いないが、アルコールは抜けていると思った」
と供述。

飲んだ量によっては、アルコールは翌日も残ります。
たとえばビールなら中瓶1本、焼酎ならば100mlが分解されて体から消える
のに、男性でおよそ4時間、女性では5時間かかります。
もしビール中瓶を3本飲んだら? 
翌日までアルコールは体内に残るのです。
飲酒運転防止には、アルコールの知識が欠かせません。


3)乗車前検査で身代わりを頼み

岐阜市のコミュニティバスの男性運転手(54)が、乗務前のアルコール
検知の身代わりを同僚に頼んでいたことがわかりました。

◎飲酒検知身代わり依頼 コミバス運転(1月25日 岐阜新聞)

運転手は1月21日午前7時頃、私物の検知器で社内規定が乗務を禁じる数値
が出たため、同僚に身代わりを依頼。飲酒検知を受けずにバス5便に乗務
しました。
運転手は会社の調査に、「前日午後7時頃から焼酎を2合ほど飲んだ。業務
に穴をあけると迷惑がかかると思った」と説明しています。

連続する検知器逃れ。
124号のメルマガ内「山さんコラム」で、対策を紹介しています。
まだお読みでない人はぜひご覧ください。
http://c.bme.jp/13/297/1857/1916


4)寝酒で寝坊、車の中で飲酒(?)

警察官の話です。

●警部補(45)岐阜県「自宅で寝酒をした」(1月31日 読売新聞)
1月31日午前9時20分頃、下呂市で、対向の軽トラックに衝突。寝坊で遅刻
をして署に出勤する途中だったとのこと。
「自宅で寝酒をした」「酒が残っているとわかっていたが、運転してしま
った」と容疑を認めている。

●巡査長(51)長崎県「車の中で飲んだ」(1月26日 朝日新聞)
1月25日午後6時15分頃、長崎市内で酒に酔って車を運転した疑いで現行犯
逮捕。呼気0.25mg/l以上のアルコール分が検出。
飲酒運転情報の110番通報があり、発覚した。この日は非番だった。
「車を止めた後に、車の中で酒を飲んだ」と容疑を否認しているという。

飲酒運転を免れようという魂胆の嘘なら、アルコール等影響発覚免脱罪。
本当に車の中で飲んだのなら、アルコール依存症の疑いが濃厚です。


5)免許取消の半数以上が飲酒運転――静岡県警

静岡県警がまとめた2016年の運転免許行政処分状況によると――
免許取消処分は1174人。うち53.1%に当たる624人が飲酒運転でした。

◎免許取り消し、飲酒運転が53% 静岡県警まとめ(1月27日 静岡新聞)

飲酒運転による取消処分の内訳では、一発で免許取消になる「呼気アルコー
ル濃度0.25mg/l以上」が85.4%と、大きな割合を占めています。

この全国データが知りたいです。


6)水上バイク、半数が飲酒!

水上バイク、警視庁が実施した昨年4~8月の実態調査で、なんと、操縦者
の47%が飲酒後に操船していたことが判明しました。観光船や漁業関係者
からは「集団でスピードを出して航行するので危険」との声も。

◎水上バイクやボート、速度・飲酒運転規制へ (1月31日 日本経済新聞)
 
五輪・パラリンピックで水上の往来増加が見込まれると、警視庁の有識者
懇談会は、水上バイクやプレジャーボートについて、速度や飲酒運転、
騒音を規制するよう求める提言をまとめました。
警視庁は「東京都水上取締条例」の改正案を、2017年中に都議会に提出す
る方針です。


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  4.山さんコラム No.127
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一


◆記事の「見出し」に隠された心理?

「禁断の一杯 法をおかしても」 
1月5日の朝日新聞の記事の見出しだ。
内容は次のように展開する。
「戒律の厳しいパキスタンでは、イスラム教徒(人口の96%)の飲酒は固
く禁じられている」
「法令は『飲酒ムチ打ち80回』『密造・密売 ムチ打ち最大30回と5年以下
の懲役』と容赦ない。国民の大半は酒を遠ざける」
このように禁酒の制度やコーランによる根拠を説明したあと、悲惨な実態
のリポートへ。
密造酒による中毒死や失明、密造・密売業者の実態などだ。
山さんはこれを読みながら、見出しに違和感を持った。
「禁断の一杯」に続けて「法をおかしても」では、禁止されていても飲み
たい人がいるよ、という軽い記事と誤解される。
たとえば「禁断の一杯 密造酒中毒事件あとを断たず」としたい。

日本でも、第2次大戦敗戦直後は、酒類が高価なうえに不足していたから、
密造酒が闇市などで大量に売られた。メチルアルコール入りの燃料用アル
コールから作られた密造酒で失明した人が多かった。
山さんの隣家のご主人も闇市のバクダン焼酎で失明、失職した。かわりに
奥さんが働き、戦後の混乱時期に子供5人を苦労して育てた。4番目の男の
子は2歳年上だったが、よく一緒に遊んだ。彼は貧しさを気にもとめず、
粗末な食事内容など赤裸々に語った。
ビキニ環礁水爆実験の放射能飛散事件でマグロが暴落した際に、その彼が
「初めてマグロの刺身を食べたが、すごく美味しかった」と嬉しそうに言
ったことが思い出される。戦後日本、昭和30年代初めまではこんな状況だ
ったのだ。
パキスタンでは、今も密造酒による悲劇が続いている。

さて新聞記事に戻ろう。
続いて、こんな小見出しがついていた。
「弱い自分『酒は許してくれる』」
原始的な密造焼酎の製造過程を詳しくリポートし、作り手の身の上話を記
している。
彼は家畜の運搬業をやっているが、仕事がない日がある。
「手ぶらで帰る日は情けなくなる。そんな時は十分がんばっているじゃな
いかと自分を認めてやりたくなる。それを許してくれるのが酒と友達だけ
だ」
ここで記事が終われば、この見出しは適切だ。しかし、記事はさらに続く。
酒盛りは人目を避けて草むらでひらく。特に子どもには知られたくない、
と付け加えた言葉が書かれ、次の文章が記事の最後に置かれる。
「酒がなくても自信が持てる人間に育ってほしい。だから『酒は悪い』と
教えるつもりだ。矛盾してるって? 自分は破るけど子どもには守ってほ
しいもの。それをタブーって呼ぶんだろ」
記事の眼目は最後の部分ではないか。
だから小見出しは「弱い自分 でも子どもは酒なしで自信の持てる人間に」
でありたい。

この記事は、時間をかけ足で歩いた内容豊かな良いリポートだ。
禁を犯して飲む実情の報告だけでなく、密造酒常用者の健康への警告、
貧しさから密造酒に慰めをもとめる庶民の姿も記し、禁酒徹底の難しさが
述べられている。そして子どもは健全に育ってほしいとの万国共通の願い
も明白だ。それなのに、新聞の見出しは、大事な部分を反映していない。

おそらく、記事を書いた人間と見出しをつけた人間は違うのだろう。
2つの見出しに共通するのは、酒飲みの中にある「酒を受け入れたい」心理
だ。
つまり見出しをつけた人には、酒の悪い側面をできるだけ見たくないとい
う潜在意識がありそうだ。
読者は、見出しで先入観をもち誤読するおそれがある。たとえば「禁酒の
制度を作っても、飲みたい人は飲むのだ」という趣旨だと読み違えるかも
しれない。
せっかくこれだけ広範囲にかつ具体的に取材した、酒害の実態を知らせ、
それを防ぎたいという思いのこもった記事の効果がなくなってしまう。

この記事に限らず、最近、見出しと内容のズレが気になる。
何かをおもんぱかったり、逆に煽ったり、しているかのように感じる。
まさかこの記事にしても、酒類製造者、販売者を気にしているのではない
だろうが…。
視力が衰え、見出しだけで記事の中身まで読まないことも多くなった。
それ故、特別、気になる今日此頃である。老人の疑心暗鬼ならよいのだ
が…。


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  5.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

これまでに行なってきた活動は……

・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
・NASVA運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
 教育プログラムを実施
・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
 日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
・アメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
 内閣府主催シンポジウムで報告
・国土交通省主催のシンポジウムで発表
・オーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で海外視察報告
・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
・日本損害保険協会助成〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
・警察庁主催シンポジウムで報告
・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで報告
・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
・厚生労働省シンポジウムで報告
・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
・ASKリバーシブル予防パンフを製作
・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化について
 の要望書」を提出
・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
・自動車工業会シンポジウムで、飲酒運転防止インストラクター養成講座
 について報告
・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
・今成がアルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~2016.10)
 教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ座長を務める(2015.3~8)
・アルコールの1単位カード、啓発用バナーやパネルを製作(2015.9)

↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/1858/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================
 
厚労省と文科省がそれぞれ、依存症をテーマに無料シンポジウムを開催
します。
どちらも、参加募集中です!

☆厚労省「依存症への理解を深めるためのシンポジウム」
 貴闘力や小田嶋隆さん(コラムニスト)も出演
 3月11日(土)14:00~16:00 中央区立月島社会教育会館ホール(東京)
 http://c.bme.jp/13/297/1859/1916

☆文科省「依存症予防教育推進シンポジウム」
 講演は久里浜医療センターの樋口院長、今成も出演します
 3月16日(木)14:00~17:15 文部科学省講堂(東京)
 http://c.bme.jp/13/297/1860/1916

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】129号 17.2.14
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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128号2017

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  128号 17.1.18
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.126
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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    泡盛を10杯飲んで、「酒は抜けていると思った」
   「カラオケで汗を流して酔いからさめたと思った」
            ↓ ↓ ↓
         ニュースクリップをどうぞ!
 
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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第9期インストラクター養成講座は、スクーリングまでの全日程が終了。
現在、認定の最後のプロセスである実践報告シートが続々と届いています。

認定者数は、第1期以降すべてを合わせ、全国で2999人になっています。
あと1人で3000人です。

初めて研修を実施したインストラクターたちの声をご紹介します。

・少人数で実施したため参加者が集中して取り組めた。確認シートをDVD
 視聴後に配布し記入してもらうことで、DVDを集中して視聴してもらえ
 た。(刑務所)

・実際に講習をやってみると意外と自分の体質を知らない人が多く、とても
 関心を持ってもらえました。また、1単位が実際にどのくらいの量なのか
 知らない人も多かったので、興味深く聞いてもらえました。休みの前日く
 らいゆっくり飲みたい気持ちがあるようですが、どうして飲みすぎると
 ダメなのかということを、もう少し自分なりにうまく説明できるように
 していきたいです。(バス)
 
・医療スタッフに対して実施した。参加者の協力もあってスムーズに進行で
 き、進むにつれ関心が高まっていくのを感じた。そのため、1単位と処理
 時間の関係の理解はけっこう深まったと思う。「日頃患者さんにいろいろ
 説明しているが、まず自分のこととして考えるのが大事」という感想を
 もらった。(医療)

・アルコール体質判定の意味や各自の体質を再確認できたこと、アルコール
 の処理時間や飲酒のリスクについて学生が自分に照らし合わせて学べたこ
 とがよかった。DVDの視聴覚教材を用いての講座は、理解を深めるため
 にも集中力を維持するためにも効果的であったと思う。(学校)

・体質判定、焼酎党の実験はすぐ目に見える結果が出るため、参加者全員が
 興味を持ってくれた。また、以前から使用していた資料や通信教育のテキ
 ストの内容を用意していたためスムーズに実施できた。(企業)

・確認シートは記入する欄も多くわかりやすいので、学ぶ方も教える方も
 使いやすかった。1単位というものを知り、これから考えて飲酒すること
 で、点呼時の心配がなくなるとの意見をもらった。(バス)

・パワーポイントを使いDVDとアルコール体質判定の時間配分がうまくい
 きました。参加型の研修がよかったという感想をもらいました。(教習所)


★飲酒運転防止インストラクターについてはこちらを。
 http://c.bme.jp/13/297/1822/9091


飲酒運転防止インストラクターは、アルコールの基礎知識を職場や地域に
広め、飲酒運転の背景にある「多量飲酒」の見直しを促進しています。

来期の募集について、すでに、お問い合わせを多数いただいています。
3月の当メルマガで募集開始のお知らせします。


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  2.ASKからのお知らせ
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●厚労省が「依存症啓発キャンペーン」

「つい○○しちゃってない? ~それって依存症かも~」という啓発キャ
ンペーンが始まりました。
アルコール・薬物・ギャンブルの3つをテーマにした特設サイトも、3月末
まで開いています。
 ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1823/9091

また、昨年12月27日に、厚労省に厚労大臣を長にした「依存症対策推進本部」
が設置されました。アルコール健康障害対策・薬物依存症対策・ギャンブル
依存症対策の3つのチームが発足。
アルコールについては、アルコール健康障害対策推進基本計画を実行して
いくことになります。

●冷蔵庫に1単位カードを貼っている社員も!

飲酒運転防止を含む安全運転講習で、DVD「知って得する!アルコールの基
礎知識」と「アルコールの1単位カード」をセットで活用された運送会社の
担当者にお話を聞きました。

――DVDとカード、2つを組み合せた理由を教えてください。

今までもDVDの上映は行なっていたのですが、今回はより深く意識を持って
もらうために、「1単位カード」も配布することにしました。

――反響はいかがでしたか?

ほとんどの社員が、カードを財布に入れて持ち帰っていました。
また、後日聞いた話ですが、自宅の冷蔵庫にカードを貼り、飲酒量に気を
使っている社員もいるとのことです。
DVDを観た社員は、「翌朝の酒気帯び運転」という予期せぬ事実に驚きます。
そこに、1単位カードを配ったことで、「アルコールの分解時間」がより
身近なものとなり、行動に反映されたのだと思います。

――飲酒運転防止だけでなく、お酒とのつきあい方を見直す機会になった
ようで、とてもうれしいです。
 
◆DVD&ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
 定番中の定番。これを知らないと飲酒運転は防げません!
 http://c.bme.jp/13/297/1824/9091

◆アルコールの1単位カード
 これだけは知ってほしい情報を、名刺サイズで!
 http://c.bme.jp/13/297/1825/9091

★職場の飲酒運転対策に最適の教材・予防ツール
アスク・ヒューマン・ケアのサイトで、まとめて見られます。
    ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1826/9091

★ASKアルコール通信講座
飲酒運転の背景となる「依存症」への対応が学べます。
http://c.bme.jp/13/297/1827/9091


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  3.ニュースCLIP!
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穏やかなお正月でしたが、その後の寒波到来に震えています。
大雪に見舞われた各地、さぞ大変な思いをされていることと思います。

大きな災害がない1年であることを祈ります。
本年も、よろしくお願いいたします。

さて、このコーナーは、友井と今成の共同作業でお届けしています。
お時間の許すかぎり、おつきあいください。

Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/1828/9091

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 1)アルコール検知器の動作確認をせず
 2)運運転代行業者が「酒は抜けていると思った」
 3)教師が北で南で飲酒運転
 4)警察・消防・自衛隊も
 5)「ハイネケンを断る」飲酒運転防止CМ

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1)アルコール検知器の動作確認をせず

静岡県のバス会社が、アルコール検知器の不具合に気づかないまま乗務前
の検査を行ない、男性運転手(58)が酒気帯び状態で路線バスを運転して
いたことが判明しました。

◎酒気帯びで路線バスを運行 検知器不具合に気付かず
 (1月14日 サンスポ)

本来は週に一度、検査機器の動作確認を行なう決まりなのですが、昨年11月
以降検査をしていなかったとのこと。
運転手は、午前7時頃、出社した際の検査ではアルコールは検出されません
でしたが、二便運航後の検査で酒気帯びが発覚しました。
運転手は、前日午後8時頃までに、ワイン720mlを飲んでいたとのこと。
ワインは200mlで1単位なので、約3.6単位。14時間以上分解にかかる計算に
なります。

アルコール検知器は、定期的なメンテナンスや検査が必須です。
それを怠ると、こういうことになります。

☆アルコール検知器の保守について(国土交通省)
http://c.bme.jp/13/297/1829/9091


2)運転代行業者が「酒は抜けていると思った」

沖縄県の運転代行の従業員が、酒気帯び運転で現行犯逮捕されました。

◎運転代行が酒気帯び運転 沖縄で男逮捕「抜けていると思った」
(12月20日 沖縄タイムス)

「酒は抜けていると思った」と容疑を否認していますが、「約10時間前に
泡盛の水割りを10杯飲んだ」と供述しています。
10杯って! 
泡盛の度数とどのくらいの水で割ったのかによりますが、逮捕時に呼気0.19
mg/l検出されたことから、分解できる量をはるかに超えていたことは疑い
ようがありません。

運転代行が飲酒運転をしては、本末転倒。
乗務前の飲酒検知とアルコールの基礎知識の研修が必要です。


3)教師が北で南で飲酒運転

教師による飲酒運転が4件ありました。

うち1件は、部活の顧問をやっている先生による飲酒運転で、運転中に居眠
りし、ガードレールに衝突。部員を乗せたバスが河川敷に転落するという
事故でした。
前夜から未明にかけて、はしご酒をしていました。

また2件は忘年会の帰りでした。
年が明け、新年会などお酒に接する機会が多いと思います。みなさん注意
喚起をしてください。

●男性高校講師(24)岩手県 転落事故(12月25日 日刊スポーツ)
12月25日午前7時頃、盛岡市で、アイスホッケー部の生徒を乗せたバスが河
川敷に転落し生徒3人が軽いけがをした。運転していた部活の顧問からアル
コールが検出。前日夜から未明にかけて、盛岡市内の複数の飲食店で飲酒し
たと供述している。

●男性高校講師(26)佐賀県 物損事故(12月27日 佐賀新聞)
12月23日午前2時頃、農道のガードレールに衝突する物損事故を起こした。
通報で駆けつけた警察官が検査したところ、基準値を超えるアルコールを
検出。22日夜に佐賀市内で開かれた学校の忘年会で飲酒した。県教委の聞き
取りに対し講師は「カラオケで汗を流して酔いからさめたと思った」と話し
ている。

●女性小学校教諭(28)新潟県 追突事故(12月13日 BSN新潟放送)
12月12日午後6時半頃、新潟市内で赤信号で停車していた車2台を巻き込む
玉突き事故を起こし、現行犯逮捕された。基準を超えるアルコールが検出
されている。

●男性高校教諭(57)熊本県 追突事故(12月10日 産経新聞)
12月10日午前1時35分頃、熊本市の国道で、信号待ちしていた乗用車に追突。
基準値の約2倍のアルコールが検出された。熊本市中心部での忘年会で飲酒
したと供述している。


4)警察・消防・自衛隊も

警察・消防・自衛隊など「体育会系の男性職場」には、とかく飲酒がつき
もの。シフト勤務の寝酒も相まって、多量飲酒の習慣を身につけてしまう
人がいます。それが飲酒運転の背景にあるような気がします。
アルコールの正しい知識が必要です。

●3等海佐(51)神奈川県 追突事故(1月14日 テレビ朝日)
1月14日午前8時頃、横浜市青葉区で、信号待ちで停止していた車に追突。
前日の午後11時頃まで飲食店で同僚と酒を飲んで官舎に戻り、14日朝、官舎
から自宅に向かう際に事故をおこした。

●2等空曹(41)京都府 衝突事故(1月14日 産経新聞)
1月14日午前10時5分頃、丹後市で乗用車を運転し、対向車線を走っていた車
と正面衝突した。「(飲酒後に)休んだので大丈夫だと思った」と供述。

●消防士(23)埼玉県 衝突事故(12月30日 産経新聞)
12月28日午後10時10分頃、三郷市の市道交差点で、左から右折してきた軽乗
用車に衝突し、男性会社員にけがを負わせた。飲酒後に車を運転して「友
だちと酒を飲みに行くところだった」と供述している。車には知人の男性
2人が同乗していた。

●消防士(25)岐阜県 ひき逃げ(12月24日 朝日新聞)
12月24日午前4時頃、岐阜市で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転し、会社
員男性の軽乗用車に衝突しけがをさせたうえで、救護などの措置をしない
まま車を放置し、逃走した。

●消防局職員(26)熊本県 蛇行運転(12月18日 産経新聞)
12月17日午前4時20分頃、福岡県の国道で軽乗用車を蛇行運転しているとこ
ろを警察により停止させられ、呼気検査の結果、基準値を超えるアルコール
が検出された。

●巡査部長(30代)福岡県 信号無視・逃走(12月19日 産経新聞)
休日だった12月中旬の夜間、福岡市で乗用車を運転中に信号無視。巡回中の
パトカーに現認され、追尾を受け逃走し、途中で車止めなどにぶつけた疑い
が持たれている。県警はその後、ナンバープレートなどから巡査部長を割り
出し、任意で事情を聴取したところ、容疑をおおむね認めた。


5)「ハイネケンを断る」飲酒運転防止CМ

元F1レーサーのジャッキー・スチュワートさんが出ている飲酒運転防止CM。
まず登場するのは現役当時の映像です。レース直後にハイネケンをすすめら
れ、「車で来ているから」と断るシーンが流れます。
そして77歳になった現在の映像。パーティー会場にやってきた彼は、昔と
同じようにハイネケンをすすめられて……

続きはぜひ動画で見てみて下さい。
http://c.bme.jp/13/297/1830/9091


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   4.山さんコラム No.126
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆注ぎ魔のそばに座らない

「宴会で、つい飲みすぎるのを防止するには、どうしたら良いでしょう」
山さんがある会社での飲酒運転防止講演で、こう質問したところ、若い
女性が答えた。
「注ぎ魔のそばに座らない」
たしかにもっともだ。

酒席には必ず「注ぎ上手」「すすめ上手」がいる。
これには2つのタイプがあって、まずひとつには「酒が弱い人(下戸)」。
自分が酒を飲まされないように、積極的に注ぐ側に回る。この人たちは、
飲み過ぎの苦しさを知っているから、きちんと断われば、「注ぎ魔」には
ならない。
やっかいなのは、もうひとつのタイプ「酒に強くたくさん飲みたい人」。
手酌でどんどん飲めばよさそうなものだが、内心「はしたない」との気持
ちもあり、「注いでもらいたい」のである。続けて、自分だけ「注いでも
らう」のは「はしたない」との気持ちが生じ、隣の人にすすめる。お互い
が注ぎ合えば、酒飲みはご満足。
酒が安く手に入り、十分飲める現代なのに、未だに酒が貴重品だった時代
の「酒を遠慮する風習」が残っている。これは一見不思議だが、酒飲みに
都合の良い慣習として温存されているのだ。
ここで「もう結構です」などと断われば、酒飲みは「いやな顔」をする。
自分の欲望が露わになるからだ。
職場などで上下関係があれば、不機嫌な上司や先輩の顔を見たくないの
で、「無理して飲む」ことになる。そうすることで「場の雰囲気を感じと
れる人」と評価されるのだ。
先の若い女性は、この伝統的な飲酒の風習の被害にあって無理に飲んだ
経験が多いため、「注ぎ魔」のそばに座らない、と発言したのだろう。

山さんの若い頃は、杯のやりとりが必ずあった。宴席では、立って行って
主客の前に伺い、所属・氏名を名のり、丁寧にお辞儀をして、「お流れ
ちょうだいいたします」と杯を受ける。
質問や会話がはずめば何回か杯のやりとりをする。この杯は絶対に断われ
ない。
だから酒の弱い人は、一杯飲んでさっと自分の席に戻る。上司の印象は薄
くなる。「酒に弱いのは損だ」と内心思うことだろう。
しかし下戸の中には口が達者なすすめ上手がいる。返杯をうまくかわしつ
つ、相手にはすすめる。場を上手に保つのである。「酒に弱くても宴席は
好きです」などと調子がいい。
情報をとり、伝えるのにはもってこいだ。それに勘定、酔っ払いの始末、
主役の送りなどきちんと始末できる人が酒席には欠かせない。酒飲みの
多い大組織には、すすめ上手の下戸が必ずいて重宝される。損ばかりでは
ない。

山さんは、ひそかに、豊臣秀吉は下戸だったと推定している。
少しの酒で真っ赤になり、あのご面相。「サル」のあだながつくわけだ。
酔った席では誰もが、本音や隠し事をしゃべりやすい。下戸なればこそ、
宴席でしっかり情報をとり、忘れずに報告したのではないか。信長に可愛
がられた秀吉、すすめ上手、聞き上手の英雄というわけだ。

さて、宴もたけなわになると座が乱れ、主客や上司が、もてなし側や部下に
注いで回ることがよくある。そんな時、下戸が「もう十分いただきました」
などと断わると、一昔前には「俺の酒が飲めないのか」などと怒鳴られた。
典型的なアルハラである。
日本酒に代わってビールや焼酎が主流になった現代、こうした風習は一部
の職場に限られるようになった。瓶ビールをもって注ぎあうことも、焼酎
を注ぐこともあるにはあるが、やや様子が異なる。マイペースで飲むこと
が許されたのには、女性の酒席参加が多くなったことも寄与しているかも
しれない。
それに加え飲酒運転防止活動が浸透して、男性でもマイペースが認められ
る職場が増えた。
これでいよいよ古典的な酒席の風景は徐々に減るだろうと、山さんは期待
していた。

ああ、それなのに冒頭の言葉を2016年12月に聞いたのだ。
しかも山さんがこれまで何回か飲酒運転防止講演をし、節度ある飲酒を
すすめてきた会社での発言だ。
しぶとい。多量飲酒をもたらす酒の伝統はしぶとい。
注ぎ魔はまだいる。
おそらくスマートな形で存在する。あからさまなアルハラ型でなく「まあ
少しだけ」「ちょっとは飲んで」のようなソフトでしつこいすすめ、ある
いはもしかすると秀吉型で。

人を指導する立場の方々は、飲酒場面では「注ぎ魔」の撲滅に努めていた
だきたい。
注ぎ合いはなしにして手酌をすすめ、自分は決して「注ぎ魔」にならず、
低リスクの飲酒は1単位までであることを広め、自らも実践し、多く飲む
日があっても2単位でピタリとおさめよう。
まさに、新年を祝うお屠蘇の飲み方で、一年をすごしたい。
お屠蘇の飲み放題などありません。


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  5.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

これまでに行なってきた活動は……

・被害者遺族による厳罰化署名運動や、生命のメッセージ展に協力
・NASVAの運行管理者用テキストに「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」執筆
・アメリカで酒気帯び運転で検挙された日本人に対して米国裁判所指定の
 教育プログラムを実施
・日本損保協会の「飲酒運転防止マニュアル」に執筆協力
 日本損保協会主催のシンポジウムに協賛し、全国各地で講演
・バス会社から運転手向け予防プログラム「セルフケアスクール」を委託
・「飲酒運転防止<通信スクール>」のプログラム開発
・職場の飲酒運転対策メルマガの発行
・啓発パンフ「飲酒運転 あなたは大丈夫?」制作
・アメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止対策の視察、
 内閣府主催シンポジウムで報告
・国土交通省主催のシンポジウムで発表
・オーストラリア・ニューサウスウェルズ州の対策を視察
・国の「常習飲酒運転対策推進会議」で海外視察報告
・「飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・4・10」をまとめる
・研修用DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」製作
・日本損害保険協会助成で〔飲酒運転防止インストラクター養成講座〕開始
・「飲酒運転 運転代行の落とし穴06・9~08・4」をまとめる
・「教職員の飲酒運転 懲戒処分事例の分析07・10~08・9」をまとめる
・警察庁主催シンポジウムで報告
・内閣府、常習飲酒運転者対策についてのヒアリングで報告
・特設サイト「職場の飲酒運転対策チェック!」を製作
・DVD「知って得する!アルコールの基礎知識」冊子化
・厚生労働省シンポジウムで報告
・トイレットペーパー「飲酒運転防止(7つの落とし穴)」を製作
・「警察職員による飲酒運転事例の分析07~11」をまとめる
・<e-ラーニング>「15分で学べる必須のアルコール知識」を製作
・ASKリバーシブル予防パンフを製作
・警察庁に「普通免許学科教習における飲酒運転防止教育の強化について
 の要望書」を提出
・「若者と女性の飲酒運転事例分析 12・4~13・3」をまとめる
・自動車工業会のシンポジウムで、飲酒運転防止インストラクター養成講座
 について報告
・アルコール健康障害対策基本法が成立(2013.12.7)、施行(2014.6.1)
・今成が、アルコール健康障害対策関係者会議の委員に(2014.10~2016.10)
 教育・誘引防止・飲酒運転等ワーキンググループ座長を務める(2015.3~8)
・アルコールの1単位カード、啓発用バナーやパネルを製作(2015.9)

↓詳しくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/1831/9091


=================編集後記 *つぶやき*=================
 
「泡盛を10杯飲んで、酒は抜けていると思ったって、飲みすぎでしょう」
「カラオケで汗を流して酔いからさめたって、それはありませんよ」

ニュースクリップのデータを編集しているときの、友井のつぶやきです。
次はなに? と、オフィス中の耳がダンボになります。
彼が選んだデータが送られてきて、ああこういうことか、と意味がわかり
ます。
そして、私もまた、心の中でツッコミを入れています。
「カラオケで汗を流して、酔いがさめるって、それはない」と。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】128号 17.1.18
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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