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職場の飲酒運転対策メルマガ      バックナンバー

ASK飲酒運転対策特別委員会が無料配信している「職場の飲酒運転対策メルマガ」のバックナンバーです。

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146号2018

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 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  146号 18.7.11
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.144
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *つぶやき*

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      調味料のせいで飲酒運転に?
      ニュースCLIPをどうぞ
  
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  1.インストラクター養成講座NOW!
====================================================

◆第11期飲酒運転防止インストラクター養成講座

応募多数のため、受付を終了しました。
https://ddd.ask.or.jp/

当養成講座についてのお問い合わせはASKへどうぞ。
(TEL03-3249-2551)


【ステップ1】の通信スクール(添削3回)を、すでに47名の方が修了。
締め切りは9月末です。(間際は混み合いますので、早めに提出を)

通信スクールの内容はこちらです。
http://c.bme.jp/13/297/2669/1916

【ステップ2】
9月から12月にかけて、全国13ヵ所22回スクーリングを行ないます。 
受講者の皆様には、案内を郵送しています。
スクーリングに出席しないと、インストラクターとして認定できませんの
で、必ずご参加ください。

★なお、うち10ヵ所は公開スクーリングです。養成講座を受講していなく
ても午前中だけは無料で参加できます。
公開スクーリングの日程は下記のとおり。ふるってご参加ください。

9/12 福島市、10/4 大阪市、10/17 神戸市、10/25 名古屋市、10/31 札幌市、
11/7 高松市、11/14 広島市、11/22 福岡市、11/28 那覇市、12/12 千代田区

お申込みはホームページからどうぞ。
https://peraichi.com/landing_pages/view/askddd


【認定インストラクター向けアップデート研修】 
スクーリングに併せて、全国で16回、認定インストラクター向けのアップ
デート研修を実施します。
1期~10期の認定インストラクターには、8月中にご案内をお送りします。 
新たな情報を得たり、インストラクター同士の交流の場にもなりますので、
ぜひご参加ください。

…………………………………………
上級インストラクターのお申込みも受付中です。
認定インストラクターの方、どうぞ挑戦してください。
詳しくは以下のサイトを。
http://c.bme.jp/13/297/2671/1916


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  2.ニュースCLIP!
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この1ヵ月に、
大阪北部を震源にした地震がありました。
沖縄・九州を襲った台風……
西日本をはじめ広範囲の集中豪雨と増水……

被害にあわれた地域のみなさまに、心よりお見舞い申しあげます。

さて、今回も、友井・今成の共同作業でお届けします。
Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)アルコールの分解スピードの罠
 2)依存症を疑ってみること
 3)水上でも飲酒運転防止
 4)調味料のせい?
 5)客室乗務員にもアルコール検査

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1)アルコールの分解スピードの罠

前夜の酒、昼食時の酒、夜早い時間帯の酒の「落とし穴」です。

●「昨夜自宅でチューハイを飲んだ」県立養護学校教諭(48)鹿児島
(7月2日 南日本放送)
7月2日午前8時すぎ鹿児島市で、「酒気帯び運転の車がいる」との匿名の
通報を受けて警察が捜査していたところ、運転中の教諭を発見し、呼気か
ら基準値を超えるアルコールが検出された。
「昨夜、自宅でチューハイを飲んだ」と供述。

●「昼、カクテル数杯飲んだ」女性幼稚園教諭(43)茨城
(6月26日 茨城新聞)
6月24日、帰宅するため駅から自家用車を運転。午後10時50分頃、守谷市
内で摘発された。「昼、都内でカクテルなどを数杯飲んだ」という。

●「前の晩に焼酎をロックで飲んだ」市スクールバス運転手(63)千葉
(6月23日 千葉日報)
6月19日午後2時半頃、下校する生徒を送るためスクールバスを車庫から出
して運転し、近くの市道でガードレールに接触する事故を起こした。
その後、中学校で生徒14人を乗せて送る際に市教委に連絡。生徒を送り終
えてバスを車庫に戻してから軽トラックに乗り換え、事故現場で警察署に
通報し、アルコール検査で酒気帯び運転が発覚した。
「前の晩に焼酎をロックで飲んだ」という。
当然ながら、生徒を乗せていたときにも酒気帯び運転だったと思われる。
市教委は生徒の保護者へ説明会を開き謝罪。再発防止のため、バス運行前
に運転手へのアルコール検査を徹底するとのこと。

●「飲酒したのは早い時間帯、抜けていると思った」市職員(44)京都
(6月27日 京都新聞)
5月26日午前1時頃、京都市でオートバイを運転中、乗用車に追突された。
そのときに基準値を超えるアルコールが検出されていたことが判明。
前夜に飲食店でビールを3杯程度飲み、市役所に止めていたオートバイで
大津市の自宅に帰る途中だった。「飲酒したのは早い時間帯で、アルコー
ルが抜けていると思った」と話している。

⇒生中を3杯飲んだとして、分解にかかる時間は?
 答えは編集後記に。


2)依存症を疑ってみること

7月2日午後3時頃、浜松市で軽乗用車を酒気帯び運転した疑いで、47歳の中
学校教諭の男が現行犯逮捕されました。
浜松市教育委員会によると、教諭は2017年の12月から休職中でした。

◎中学教諭を逮捕 警察官に注意された後に運転か(7月3日 静岡放送)

教諭は、逮捕される3時間ほど前に近くの駐車場で停車中に、警察官から職
務質問を受け、酒のにおいがするので運転しないよう警告を受けていたそ
うです。
3時間経って、アルコールが抜けたと思ったのでしょうか?
そもそもなぜ、昼間から酒のにおいをさせて車内にいたのでしょうか?

日中の飲酒運転、しかも休職中。
このパターン、わりとよく見かけます。
休職の理由がわからないので、まったくの推測ですが、うつをやわらげよう
と飲酒して依存に陥るケースはめずらしくありません。あるいは、アルコー
ル依存が背景にあるうつも。
関心のある方は、以下のサイトをご覧ください。

☆うつ・自殺とアルコール(ASKのサイト)
http://c.bme.jp/13/297/2673/1916

7日午前9時半頃、熊本県大津町で酒に酔って追突事故を起こした55歳の
無職男性が現行犯逮捕されました。呼気から、なんと摘発基準の7倍を超
えるアルコール分が検出!

◎基準値の7倍超を検出 酒酔い運転の男 現行犯逮捕
(6月7日 熊本放送)

通報で駆けつけた警察官が、酒の臭いをさせながら、ふらついている男性
に気づき検査したところ、呼気1.1mg/lのアルコールが検出。
「6日夕方から深夜まで焼酎をお湯割で5合以上飲んだ」と容疑を認めてい
ます。

⇒焼酎5合(900ml)の分解にかかる時間は?
 答えは編集後記に。

尋常ではない呼気濃度、大量飲酒……
このケースも、依存症を疑う要素があります。

アルコール依存症は、飲酒のコントロール障害です。
そのため、この病気が背景にある場合、そのままにしておくと、また飲酒
運転を繰り返すことになります。診断を受け、病気の治療をすることが必
要です。

☆背景にある「アルコール依存症」という病気(ASKのサイト)
http://c.bme.jp/13/297/2674/1916


3)水上でも飲酒運転防止

水上バイクを酒気帯びの状態で操縦するなど危険な行為を取り締まる「東
京都水上安全条例」が7月1日から施行され、警視庁の警備艇が東京湾でパ
トロールにあたりました。

◎水上の“酒気帯び”にも目を光らせるパトロール
(7月1日 テレビ朝日)

水上バイクなどの小型船舶による飲酒後の操縦や蛇行などの危険な行為が、
都内の海や河川で問題になっていて、去年1年間で衝突や転覆など4件の事
故が発生しています。
施行された条例では、全国で初めて酒気帯びの状態での小型船舶の操縦を
禁止。
条例に違反した場合、3カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せら
れます。

☆「東京都水上安全条例」の制定(警視庁のサイト)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/anzen/anshin/water_safety.html


4)調味料のせい?

沖縄県警名護署は、酒気を帯びて対向車線の車に衝突し、けがを負わせた
として、32歳の教員を逮捕しました。
教諭は、酒気帯び運転については否認しています。曰く、
「コーレーグース(島唐辛子を泡盛に漬け込んだ調味料)は飲んだが、
酒は飲んでいない」

◎酒気帯びはコーレーグース(調味料)のせい? 逮捕の教員一部否認
 沖縄で3人けがの事故(6月16日 沖縄タイムス)

事故は6月14日午後11時20分ごろ発生、対向車の男性運転手と同乗してい
た女性2人が頸椎捻挫や頭部打撲などの軽傷を負いました。
教諭の呼気から検出されたアルコールは、基準値の約2.5倍。

たしかに、泡盛に唐辛子を漬けた調味料なので、たくさん入れれば酒気帯
びレベルになる可能性はあります。ですが、激辛なので、基準値の2.5倍に
なるほどの量を摂れるはずはなく、無理がある主張のような気がします。

コーレーグースについて検索したら、こんなサイトを見つけました。
まさに実験しています。

☆コーレーグスをどれくらい飲むと酔うのか(DEEokinawaのサイト)
https://www.dee-okinawa.com/topics/2013/05/kore-gusu.html


5)客室乗務員にもアルコール検査

前号のメルマガでご紹介しましたが、
ホノルル発関西行きのJAL機内で、20代の男性客室乗務員(CA)が離
陸約3時間後、ビール1缶をトイレに持ち込んで飲んだという問題が発生し
ました。

◎JAL客室乗務員へのアルコール検査導入へ(7月4日 毎日新聞)

これまでJALでのアルコール検査は、運航乗務員だけが対象でしたが、
7月4日、CAもアルコール検査の対象とする方針を固めました。研修も実
施するとのこと。
研修では、アルコールの基礎知識と節酒の方法、アルコールなしの仮眠の
取り方についても、ぜひ加えていただきたいと思います。

★DVDから冊子・カード、eラーニングまで
 <飲酒運転防止>に役立つASKの予防教育ツール
 http://www.a-h-c.jp/items/noddd

★飲酒運転防止インストラクター養成講座
 https://ddd.ask.or.jp/


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   3.山さんコラム No.144
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆孔子さま、困ります

今年になってからずっと、「飲み放題」の問題について、考え続けている。
それというのも昨年の忘年会で、飲み放題をやめさせようとしたら、多く
の反論があったからだ。山さんはそれに対して、コラムの場で再反論を企
てた。
健康面から始め、人類史、近代思想まで動員し、先月のコラムのような小
難しい小論文もでっちあげた。
飲み放題ならぬ「書き放題」だ。自制心がマヒしていた。

さて今回は、山さんの思考にはブレーキをかけて、先人の言葉をひきなが
ら「飲み放題」について考えたい。
(反論はまだ終わっていない。あしからず)

孔子は、食生活についての注意を述べる中で「酒は量なく乱におよばず」
(論語郷党第十)と言い、日常の行動について「酒の困(みだれ)をなさ
ず」(論語)とも述べた。
量なく、とは、量を決めることはしない、との意味だ。つまり「飲む量を
決めなくても、酔って乱れるような失態はおかさない」ことを重視し、人
にも勧めたのである。
日本の知識人には孔子さまを尊敬する人が多いが、この「量なく乱におよ
ばず」という言葉が、彼らに「飲み放題」を容認させる源泉かもしれない。
さらに孔子さまは70歳になると「心の欲するところを行えども矩をこえず」
という、達人の域に達した。自制などと意識せず、欲望そのままの行動が、
良識の枠内におさめられるのだ。

日本ではせっかく利休居士が「一杯の酒、人、酒を飲む。二杯の酒、酒、
酒を飲む。三杯の酒、酒、人を飲む」と節酒の理を説いたのに、現代のあ
りさまを見れば孔子の「量なく乱におよばず」の言葉に及ばず、である。
もし孔子さまが「酒は量『少』なく乱におよばず」と言ってくれていたら
と、山さんはとても残念に思う。

まず自己を治め、周囲を整え、ついで国を治めるという儒教思想はすばら
しい。だが飲酒について「量なく」は落とし穴であり、その考えは危うい。
量をすごせば、「自己を治める」はずの理性そのものがマヒし、自己を失
うからだ。

西洋思想の源であるギリシャの知者の言葉は、酒との適切な付き合いかた
を示すものだ。
プラトンは次のように詳細に語る。
「18歳未満の子供には……激情的な性情を警戒させ……酒はまったく飲ま
せません」
「30歳までの若者……適度に酒を飲ませるが、酔っ払うことや深酒は、か
たく控えさせます」
「40歳に達したら……老人たちのなぐさみであるディオニソスの秘儀(酒)
に臨ませる……魂の性格は憂いを忘れて頑固から柔軟となり……」
(以上、法律666C)
現代は高齢者の飲酒問題がいよいよ拡大していることや、40歳が老人かどう
かはさておき、若者への配慮は理にかなっている。
人々の行動をしっかり観察し、一般化し、対処するギリシャの哲学者らしい。
しかも法律として定めることを提起していたのである。
ちなみに今でも、飲酒についての社会規制は日本より厳しいが、18歳から
飲酒を認めるヨーロッパの国々がある。18歳というラインが医学的根拠を
持つとは思えない。プラトン思想に影響されているのかもしれない。

では古代日本をみてみよう。
「古事記」には、スサノオノミコトが腹立ちまぎれに、田の畦を壊したり、
糞をまきちらすなどの乱暴を働いたのを、アマテラスオオミカミが「酔っ
払ったせい」とかばう記述がある。
神話の語られた時代から、酔っ払いの乱暴狼藉があり、それに対して「酒
の上でのこと」と許容する文化の起源と言えようか。
八岐大蛇の退治にスサノオが強い酒を造らせた話も有名だ。酒の酔いをしっ
かり認識した上で、戦いに利用していたことがうかがわれる。

万葉集には酒がたくさん歌われていて、天皇が酒を節度使へ賜う歌もあれ
ば、貧民が糟湯酒をすする歌まである。
ちなみに、奈良時代の758年に、官吏へ禁酒令がだされている。酒害がすで
に社会問題化していたわけだが、そのあと間もなく例外がもうけられ、禁
酒令は骨抜きになる。いかにも日本らしい姿。「飲み放題」が蔓延する原
点であろうか。

時代は下って、兼好法師は「徒然草」で「下郎に酒飲まする事は、心すべ
きことなり」と、酔っ払った下郎に斬られた法師の悲惨な事件を語り(第
87段)、その後もアルハラや酔っ払いの醜態を詳しく書くが(第175段)、
その後段になると、「かくうとましと思ふものなれど、おのずから捨てが
たき折りもあるべし」と酒酔いの擁護論を展開する。
ここでもまた、議論が骨抜きである。

どうやら、日本には神代の昔から中世を経て現代まで、酔っ払いに寛容な
文化があり、それが「飲み放題」を支えていると考えられる。
とくに徒然草流思考が困る。
悲惨な事故を聞けば大いに同情するし、憤慨もする。そして「確かにひど
い飲み方があるよね」と言いつつ、「たいていの人は自覚して飲む。適量
ならお酒もいいものだよ」と、結局はそこに行きつくのだ。
「適量」を説明しても「人によって違う」とあいまいにかわされ、あとは
聞く耳をもたない。

しかし、山さんは、アキラメない。
「飲み放題はやめよう、飲むなら1単位」と声を大にして、主張し続ける。
かつて山さんの講演を聴いたN社長は、料亭の前で笑いながら「1単位が
適量でしたね」と口にした。酒好きの大先輩は講演の2日後、廊下で出会っ
た際に「酒は一杯、と仲間に言ったよ」と、これまた笑顔で言ってくれた。
それを思い出し、決意を新たにするのである。


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  4.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
http://c.bme.jp/13/297/2679/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================

ニュースクリップの質問の解答です。

Q 生中を3杯飲んだとして、分解にかかる時間は?

 お店によってもちがいますが、一般的な中ジョッキは435mlだそうです。
 泡の量を引くと、ビール自体は350ml缶1本と同じくらいとか。

 そこで、生中3杯を、350ml×3杯=1050mlとし、
 アルコール分5%で計算すると、
 1050ml×5%×比重(0.8)=42g(純アルコール量)
 1単位=20gで換算すると、2.1単位になります。
 1単位の分解の目安を、男性4時間、女性5時間とすると、
 男性は8.4時間、女性は10.5時間かかる計算になります。

Q 焼酎5合(900ml)の分解にかかる時間は?

 25度の焼酎は、100mlが1単位なので、900mlは9単位。大量です。
 1単位の分解の目安を男性4時間、女性5時間とすると、
 男性は36時間、女性は45時間かかる計算になります。

アルコールの分解スピードは非常にゆっくり。
そして、睡眠中は分解が遅れます。

★「アルコールの1単位カード」
 名刺サイズに、1単位と分解時間、飲酒リスクとガイドラインを記載
 職場で配布したり、正しい知識を伝えるミニ活動に最適です!
  ↓ ↓ ↓
 http://www.a-h-c.jp/items/oneunitcard

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】146号 18.7.11
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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145号2018

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     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  145号 18.6.14
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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ニュースCLIP!
    3.山さんコラム No.143
    4.ASKの活動ご紹介
    5.編集後記 *つぶやき*

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   高校生が集団で飲み、原付バイクを運転
      ニュースCLIPをどうぞ
  
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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●第11期飲酒運転防止インストラクター養成講座

応募多数のためお申込み受付を終了しました。
  ↓ ↓ ↓
https://ddd.ask.or.jp/

当養成講座についてのお問い合わせはASKへ(電話03-3249-2551)


さて今回は、一般企業や依存症の医療機関の方々の応募の声をご紹介します。

◎取引法人や学校などで安全運転講習会の講師を行なっています。その対象
 先に飲酒運転防止の知識を広めていきたいです。(企業)

◎交通安全の一環として、飲酒運転防止についても知識を深めるため(企業)

◎精神科病院に勤務しているため、より深く学習しアルコール依存症につい
 て知見を広げたいと考えています。また、アルコール依存症や薬物依存症
 などの多くのアディクション障害を抱える患者への疾病教育及び職員への
 アルコール予防教育を進めていくため希望しました。(医療)

◎アルコール依存症の専門病院に勤めており、より知識を深めるために学習
 したいと思いました。(医療)


全国で開催するスクーリングは、異業種交流でもあります。
お楽しみに!

……………………………………………………
上級インストラクターのお申込み受付中です。
認定インストラクターの方、どうぞ挑戦してください。
詳しくは以下のサイトを。
  ↓ ↓ ↓
http://c.bme.jp/13/297/2642/1916


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  2.ニュースCLIP!
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若者の飲酒運転が非常に目立っています。

昨日、成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる改正民法が可決。
(施行は2022年4月1日です)
飲酒や喫煙、競馬や競輪などは現在の20歳の基準が維持されました。
健康被害や事故、依存症への懸念があるからです。
なぜ20歳未満はダメなのか、しっかり啓発していく必要があります。

さて、今回も、友井・今成の共同作業でお届けします。
Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)高校生が集団で飲み、原付バイクを運転
 2)相次ぐ20代のひき逃げ
 3)酒を買いに行った警察署主任、交差点で寝込んだ巡査長
 4)この状況で飲酒運転!?
 5)国際線乗務員が運航中にトイレで飲酒

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1)高校生が集団で飲み、原付バイクを運転

4月9日夜、鹿児島県立高校に通う3年生の男子生徒8人が公園で缶酎ハイを
飲み、そのうち6人が原付きバイクを飲酒運転して帰宅していたことが判
明しました。

◎飲酒運転 県立高生、バイクで6人 鹿児島・大隅地区
(6月6日 毎日新聞)

この状況がわかったのは、後日のこと。
4月13日夜、同じ公園で、同グループの7人と同じ高校の別の男子生徒、他
校の生徒2人の計10人が飲酒しており、うち6人がバイクで来ていました。
午後9時頃、現場に残っていた6人が警察に補導され、学校が調査した結果、
9日の飲酒運転が発覚したのです。

常態化していたようす。
事故が起きる前に発覚したのは幸いでした。

生徒らは別室で授業を受けるなどの「特別指導」を最大1ヵ月間受け、うち
4人は5月末に通信制の別の高校に転校したとのこと。
鹿児島県教育委員会は「すべての学校に再発防止に取り組むよう要請した」
と話しています。
アルコールのリスクを、しっかり伝えていただきたいです。


2)相次ぐ20代のひき逃げ

若者の飲酒運転は死亡事故に至る確率が高いと言われています。
実際、徳島と埼玉のひき逃げでは、どちらも被害者が亡くなっています。

●自転車に衝突/自営業の男性(25)兵庫(6月10日 ABCテレビ)
6月9日夜、尼崎市で自転車に衝突。自転車に乗っていた親子と孫の3人を負
傷させ、そのまま逃げた。任意同行の際、呼気からアルコールが検出。

●歩行者死亡/会社員(21)徳島(6月12日 徳島新聞)
6月10日午前2時20分頃、石井町で歩行者に背後から衝突して死亡させ、その
まま逃走した。事故から約20分後、現場から約500m西の駐車場で前部が破
損した乗用車と、近くのスーパー駐車場で座っていた容疑者を発見。
「よそ見をしていた。何かに当たったが人とは思わなかった」と話している。
助手席には一緒に飲んだ消防士(22)がおり、消防本部は飲酒運転ほう助で
同乗した消防士を懲戒免職にすることを決めた。

●歩行者2人死亡/男性(24)埼玉(6月4日 テレビ朝日)
6月3日午前1時前、越谷市の県道で、横断歩道を渡っていた2人をはねて死亡
させ、現場から逃げた。約2キロ離れた駐車場でボンネットが壊れた車が見
つかり、所有者から基準を超えるアルコールが検出された。


3)酒を買いに行った警察署主任、交差点で寝込んだ巡査長

毎月、どこかで警察関係者の飲酒運転があります。
5月も2件の報道がありました。

◎酒気帯び運転容疑で津軽地方の警察職員を停職処分/青森県警
(5月22日 デーリー東北新聞)

津軽地方の警察署に勤務する男性主任が、休暇中の5月5日午後5時25分頃、
青森市内の自宅アパートで、乗用車をバックで駐車する際に壁に衝突させて
通報。呼気検査で基準値を超えるアルコールが検出されました。
主任は午後、妻の実家で350mlの缶チューハイを3本飲み、妻の運転で帰宅。
さらに飲酒しようと、コンビニで酒を購入して帰宅した際に車をぶつけたと
いいます。
青森県警は21日、書類送検するとともに、停職6カ月の懲戒処分にし、主任
は同日付で依願退職しました。

飲んで帰ってきて、また酒を買いに行く……よくあるパターンです。
「買い置きがないか。ま、缶チューハイ3本飲んだし、今日は、飲むのはや
めよう」ではなく、わざわざ買いに行くというのは、もしかしたらアルコー
ル依存の傾向があるかもしれません。

ところで、350mlの缶チューハイ3本分のアルコールの分解にかかる時間は?
5%と9%で考えてみてください。
⇒答えは編集後記を

◎酒気帯び巡査長を処分 900メートル運転し交差点で寝込む/群馬
(6月9日 産経新聞)

高崎署の巡査長(25)が5月21日の勤務終了後、22日未明まで高崎市内の2軒
の飲食店で、友人とハイボールやレモンサワー、ワインなどを飲んだ後、乗
用車を約900m運転。交差点で信号待ち中にブレーキペダルを踏んだまま、
少なくとも12分間、寝込んでいたことがわかりました。
同日午前3時5分頃、高崎署に通報があり発覚。「当初は代行運転で帰るつも
りだったが、飲み代で金を使い果たし、運転してしまった」
群馬県警は6月8日、停職6カ月の懲戒処分を発表。巡査長は同日付で依願退
職しました。


4)この状況で飲酒運転!?

免許更新時、警察訪問時、警察が説得後……どれも、あまりな状況での飲酒
運転です。
アルコール依存症の疑いが濃厚です。

◎飲酒運転で免許更新? 容疑の男を逮捕 福岡県警小倉南署
(5月21日 西日本新聞)

5月18日正午頃、自称建設業の男性(50)が現行犯逮捕されました。
北九州自動車運転免許試験場で、免許更新を終えた男性から酒のにおいがす
るという通報があり、駆けつけた白バイが試験場から約1.5キロ離れた国道
で停止を求めたところ、そのまま走行。約750メートル先で停車し、呼気か
ら基準値の2倍を超える、0.37mg/lのアルコール分が検出されたのです。
「昨晩、ビールと焼酎を飲んだ」と説明しているとか。
つまり、行きも酒気帯び、免許更新時も酒気帯びということに。
県警は「手続き中は気づかなかった」と言っています。

◎酒気帯び運転で警察署訪問、酒の臭い…新潟で学校用務員の男逮捕 
(5月30日 産経新聞)

5月29日午後5時頃、酒に酔った状態で乗用車を運転したとして、学校用務員
(45)が逮捕されました。
用務員は、以前に起こした自動車事故をめぐり、車で新潟東署を訪問。酒の
臭いがしたため調べたところ、基準値を超えるアルコールが検出され、その
場で逮捕されました。新潟市で酒を飲んだ後だったとのことです

◎「酒に酔って帰らない」48歳男 警察が説得直後『飲酒運転』で逮捕
基準値9倍超アルコール 福岡県(6月4日 テレビ西日本)

6月4日午前0時50分頃、北九州市で、自称・会社員(48)が酒気帯び運転の
疑いで逮捕されました。警察の説得を受け帰る途中でした。
その1時間ほど前、「酒に酔って家から帰ってくれない」と通報があり、駆け
つけた警察官が帰宅するよう説得。自宅の方向へ歩いて帰るのを見届けてパ
トロールに戻った直後、容疑者が運転する車を発見、停車させました。
呼気から基準値の9倍を超えるアルコールが検出されたということです。


5)国際線乗務員が運航中にトイレで飲酒

日本航空の国際線の男性客室乗務員(20代)が、運航中にトイレで缶ビール
を飲み、国土交通省から厳重注意を受けました。2017年4月入社、乗務歴8ヵ
月の新人でした。
ちなみに、同社では規定により、飲酒は乗務開始12時間前から運航終了まで
禁止です。

◎客室乗務員がトイレで缶ビール、航空会社の飲酒対策はトラック輸送より
 甘い(6月6日 Response)

この問題が起きたのは、5月22日、ホノルルから関空に飛行中の機内です。
約9時間のフライトのため、乗務員にも1時間15分の休憩があり、その時間中
は仮眠室で寝ることができました。乗務員は「仮眠しやすいようにトイレで
缶ビール350ml缶1本を飲んで、休憩に入ろうとした」と言います。

缶ビールを持ってトイレに入るのを見つけたのは、トイレ横の座席にいた乗
客でした。
乗務員はトイレから出てきた時には何も持っておらず、その後にトイレに入
ると、ゴミ箱に空き缶が捨ててあったとか。メールで指摘を受けた同社が乗
務員に事情を聴き、仮眠が理由であったことが判明しました。

シフト勤務の職場では、寝酒の習慣がつくことがよくあります。
睡眠の質が悪くなる上、飲まないと眠れなくなり依存症に直結しますし、
勤務時にアルコールが残るなど、寝酒は大きな問題を引き起こします。
この乗務員は、乗務歴8ヵ月にして、すでにその習慣がついているのかもし
れません。
シフト勤務の職場では、ぜひ、アルコール教育とあわせて、安眠のコツなど
を研修に組み込んでいただきたいのです。
ASKの教材にはここが盛り込まれています。

★DVDから冊子・カード、eラーニングまで
 <飲酒運転防止>に役立つASKの予防教育ツール
  ↓  ↓  ↓
 http://www.a-h-c.jp/items/noddd


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   4.山さんコラム No.143
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆何からの「自由」なのか

おいしい、楽しい、ストレス解消、老化を防ぐ、苦痛を和らげる。
……現代社会は、あおり、そそのかす言葉があふれている。
そのうえ「飲み放題」「食べ放題」「使い放題」と、個人の自由にまかさ
れている。
どんなものを、どれだけ食べ、飲み、使っても、個人の自由である。

「人は、正しく生きるための理性をもっているから、一人前の大人ならば、
適切に使い、適量を守るはずだ」と多くの人が確信している。
これは本当だろうか?
今回は山さん、その問いに答えるべく、「個人主義」を中心にすえた近代
から現在までの歴史を振り返ってみることにした。

近代の歴史は、「個人主義」「自由主義」を確立してきた道のりといえる。
ルネサンスは、神を頂点にした中世階級社会の文芸を改革して、人間に軸
足をおき、人間の精神や肉体の美しさを、人間らしい表現で追求した。
宗教改革は、教会の示す神の戒め、教え、しきたりから人々を解き放ち、
聖書の言葉と祈りにより、「神と我」の直接関係を樹立した。
近代哲学では、デカルトが方法叙説に「我思う、故に我あり」と書き、
「理性」と「我」の再発見を鮮明にした。
個人の自由、平等、博愛を目指す啓蒙思想は、基本的人権の確立とともに
合理主義、個人主義をさらに促進した。
近代的精神には、「人は理性を持っており、自由に理性の声に従えば、誰
もが間違いない行動をし、公正な政治が行われ、暮らしやすい社会が来る」
という人間への全幅的な信頼がある。

ピューリタン革命、フランス革命、アメリカ合衆国の独立は、君主から市
民を解放した。大きな社会変動と近代思想の普及は、人々に封建的な町・
村の伝統からの自由をもたらした。
産業革命は、中世的なギルドなどの職業組織を崩壊させ、市民に職業、商
業の自由を与えた。
「~からの自由」が、近代の一大潮流となり、個人の自由が最大の価値と
なる。

20世紀には、2つの世界大戦、その後の冷戦、その終結を経て、全体主義
が後退し、先進国では、国民に民主主義、自由主義、個人主義が徹底した。
すると、国民の意見、利害が多様化し、まとまりにくい状況も生まれる。
そうなると国家を統合すべく、わかりやすい言葉で大衆に媚びようとする、
独裁的な扇動政治家も現れる。

まさに現在の我々が経験しているこの現象は、すでに2000年以上前、ギリ
シャの民主政治にも、ローマ帝政時代にも存在した。
元来、民主主義は、市民が主権をもつ政治システムである。この市民は、
「自己の欲望を適切にコントロールできる自立した個人」を前提にしてい
る。
もし、個人が欲望をうまくコントロールできないとしたら、そうした人々
の集まりは、自己の欲望を満たしてくれる心地よい言辞を示す者を選び、
したがってしまう。
ギリシャの衆愚政治、帝政ローマの「パンとサーカスの政治」は、その極
であった。
ローマ市民は、豊かな食糧と楽しい娯楽を与えてくれる皇帝を選び、国を
衰退させた。

個人の行動を制限する、伝統的な宗教・階級や制度・文化などが、崩れた
り、価値を失ったりして、「自由主義」「個人主義」の名のもとに個人の
自由にまかされると、多くの人間は欲望のまま振る舞い、社会は混乱する
ことを、残念ながら歴史は示している。

ヒト科ヒト属のホモ・サピエンスは、集団としての知恵の発揮に長けてい
た。指導者による一糸みだれぬ集団行動こそが、生存を高め、生存競争に
勝ってきたのである。
だからこそ現代社会においても、巧みな指導者にだまされ、強権的な指導
者に従うのは、ヒトとして無理のない一面もある。
この危険に警鐘を鳴らしたのが、ギリシャ時代では、ソクラテスだ。耳に
心地よい言葉に惑わされないよう、全てを疑い、自己を確立することを説
いた。
中国では、孔子が「巧言令色少なし仁」と語り、口のうまい政治家に騙さ
れないよう説いた。
これは、政治に限ったことではない。

本能にまかせ、欲望をあおる言葉にしたがってはならない。
手軽に手に入るからといって乱用してはいけない。
宣伝広告を鵜呑みにせず、よく調べ合理的な判断をしたい。

自然のままのモノならば、欲求のおもむくまま食べ、飲み、使っても、害
は少ない。
しかし、ヒトの手によって造られた、飲食物、道具、機械、機器は、欲求
まかせでは危険である。本能には、人工物のコントロールシステムが組み
込まれていない。
だから「食べ放題」「飲み放題」「使い放題」の時代に、本能まかせは危
険なのだ。
いかに合理的な現代人であっても、ヒト科ヒト属としての限界は無視でき
ない。

現代人にとって必要な、「個人の自由」とは――
「あおり、そそのかされる言葉からの自由」である。
「したい放題」から逃れる自由である。
「自らの欲望」にたいして、節度を持てる自由である。


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  5.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
http://c.bme.jp/13/297/2645/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================

ニュースクリップの3)の質問です。

350mlの缶チューハイ3本分のアルコールの分解にかかる時間は?
5%と9%で考えてみてください。

【5%の場合】
飲んだチューハイに含まれる純アルコールを出します。
 350ml×3本(容量)×5%(濃度)×0.8(比重)=42g(純アルコール)
単位に換算すると?
 42g(純アルコール)÷20g(1単位の純アルコール)=2.1単位
男性は1単位におよそ4時間かかるとみて
 2.1単位×4時間=8.4時間
女性は1単位におよそ5時間かかるとみて
 2.1単位×5時間=10.5時間

【9%の場合】
飲んだチューハイに含まれる純アルコールを出します。
 350ml×3本(容量)×9%(濃度)×0.8(比重)=75.6g(純アルコール)
単位に換算すると?
 75.6g(純アルコール)÷20g(1単位の純アルコール)=約3.8単位
男性は1単位におよそ4時間かかるとみて
 3.8単位×4時間=15.2時間
女性は1単位におよそ5時間かかるとみて
 3.8単位×5時間=19時間

たぶん、これほど時間がかかるとは思っていなかったでしょう。
チューハイ、ビールで9%のものが流行っていますので、要注意です。
ほぼ倍のアルコールが含まれていると思いましょう。

★「アルコールの1単位カード」
 名刺サイズに、1単位と分解時間、飲酒リスクとガイドラインを記載
 職場で配布したり、正しい知識を伝えるミニ活動に最適です!
  ↓ ↓ ↓
 http://www.a-h-c.jp/items/oneunitcard

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 【職場の飲酒運転対策メルマガ】145号 18.6.14
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
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144号2018

★__________________________
 ☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【職場の飲酒運転対策メルマガ】  
                  144号 18.5.16
                   ASK飲酒運転対策特別委員会
                   http://www.ask.or.jp/
    ___________________________☆
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄★

 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.142
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   「酒を飲んだ人とキスをしただけ」!?
      ニュースCLIPをどうぞ
  
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  1.インストラクター養成講座NOW!
====================================================

★第11期飲酒運転防止インストラクター養成講座

応募多数のためお申込み受付を終了しました。
   ↓   ↓   ↓
https://ddd.ask.or.jp/

当養成講座についてのお問い合わせはASKへ(電話03-3249-2551)

第1~10期に認定されたインストラクターの総数が3558名になりました!
地区別にみると――
北海道(198)/東北(289)/関東(1315)/信越・北陸(135)/東海(402)/
近畿(570)/中国(166)/四国(102)/九州(255)/沖縄(126)

認定者からはこんな感想が寄せられています。

●アルコール依存症には自分はならないと思っているが、日本はアルコール
 天国な環境が多く、危険は隣り合わせだと思った。(企業)
●DVDを使用することによって、話が下手でも理解してもらえたようです。
 節酒、断酒してみようという気になったと言われうれしかった。(バス)
●かんたんジェルパッチに興味を示してくれた。飲酒習慣について見直す
 よいきっかけになったという感想が多かった。(トラック)
●確認シートを用い、参加型で意見交換をすることにより互いの認識が深ま
 った。(行政)
●DVDが短い時間ながら必要な知識が詰め込まれており、ワンポイント解
 説を挟むことで要点を伝えることができた。(企業)

上級インストラクターも51名になっています。
上級インストラクターはアルコール依存症への介入についての研鑽も深めま
す。将来のスクーリング講師候補、地域啓発の担い手でもあります。
…………………………………………
上級インストラクターのお申込みも受付中です。
認定インストラクターの方、挑戦しませんか?
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
   ↓   ↓   ↓
http://c.bme.jp/13/297/2594/1916


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  2.ASKからのお知らせ
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★Be!131号(6月10日発行) 予約受付中

特集は、家族が使える かんたん「動機づけ面接」
    夫婦・親子のうまくいかない関係が変わる!

アルコール・薬物などの依存症家族を対象に開発された「動機づけ面接を
用いた家族のためのトレーニングプログラム(MIFT)」を試してみま
せんか。 依存症以外の問題で悩む家族や、思春期の子どもを持つ親、部下
とのコミュニケーションに悩む人にとっても、役立つヒントが満載です!

その他の記事、くわしくはこちら。(オンラインショップ)
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アマゾンでも予約できます。
http://c.bme.jp/13/297/2596/1916


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  3.ニュースCLIP!
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今日は、5月とは思えない真夏日。
歓送迎会などが多い4月以降、暑くなってビールが飲みたくなる季節は、
飲酒運転による事故が増えると言います。

以下のニュースを見ていただくと、飲酒翌日の飲酒運転が目立っています。
アルコール1単位(5%のビールで500ml)を分解するのに、男性4時間、
女性は5時間はかかります。
職場からの注意喚起が必要です。

さて、今回も、友井・今成の共同作業でお届けします。
Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)みなさん、正しい知識を学んでください!
 2)20代の若者が各地で、死亡事故も
 3)医師・看護師・介護職員が…

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1)みなさん、正しい知識を学んでください!

6時間経ったから、8時間経ったから、飲んだのは前夜だから、買い物して
コーヒー飲んだから、これくらいならと……。
タイムラグがあると、大丈夫と思ってしまいがち。でも、それは飲んだ量
によります。
学んでください。アルコールの基礎知識。

●福岡市幹部(58)福岡「酒が残っているとは思わなかった」
(5月2日/9日 毎日新聞)
5月2日午前10時40分頃、理髪店の駐車場に車を止めようとした際、駐車し
ていた2台の車に接触。基準値の2倍を超す0.35mg/lのアルコール分が検出さ
れた。前日の1日午後7~10時頃、自宅でビールとハイボールを各500ml、
焼酎の水割りをコップ4杯飲んでいた。
「酒が残っているとは思わなかった」

⇒実際には分解に何時間くらいかかる? 編集後記を!

●職業不詳の男性(28)福岡「6時間が経って残っていないと思っていた」
(5月2日 福岡放送)
5月2日午前3時過ぎ、福岡市の交差点で、停止線を越えて止まった乗用車を
パトカーで警ら中の警察官が発見。信号機が青に変わると走り出したため、
警察官が停止を求めたが、車はふらふらしながら数百メートル走り停車。
基準値を超えるアルコールが検出された。
「6時間前に酒を飲んだ、時間が経って残っていないと思っていた」

●消防士(23)愛知「8時間たったため飲酒運転にならないと判断」
(5月8日 メ~テレ)
4月28日の午前6時半頃、名古屋市内で車を運転中に警察官から職務質問を
受け、呼気から基準を超えるアルコールが検出。同乗していた他の消防士
2人とともに、停職3カ月の懲戒処分を受けた。前日の午後10時半ごろに
ウォッカを炭酸飲料で割ったものを飲んでいた。
「8時間たったため飲酒運転にならないと判断した」

●会社員(68)千葉「前日の午後7時頃から飲み、0時過ぎには寝た」
(4月23日 テレビ朝日)
4月22日午前7時50分頃、鴨川市で通勤途中に衝突事故を起こした。基準値
以上のアルコールが検出。
「前日の午後7時頃からビールと焼酎を飲み、0時すぎには寝た」

●神奈川県警職員(49)神奈川「酔いがさめたような気がした」
(4月21日 毎日新聞)
4月20日夜、横浜市戸塚区の市道で追突事故を起こした。同僚らと飲酒後に
帰宅中で、基準値を超えるアルコールを検出。いつもは電車通勤だったが、
この日は寝坊したため車で通勤していた。
「ビールを中ジョッキで3杯飲んだ。その後、買い物をし、コーヒーを飲ん
だので酔いがさめたような気がした」

●藍住町議長(68)徳島「バスで寝たので酒が抜けたと思った」
(4月25日 産経新聞)
4月15日、京都への日帰りバス旅行に参加。午後4時頃までにバス内で350ml
の缶ビール2本と焼酎を飲酒。午後7時頃、町役場付近の駐車場から自宅へ
乗用車を運転中、県警に停車を求められ、呼気検査で基準値を超えるアル
コールが検出された。
「バスで寝たので酒が抜けたと思った。申し訳ない」

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2)20代の若者が各地で、死亡事故も

21~25歳の若者たちの飲酒運転。痛ましい死亡事故も。
警察官もいます。女性も多いです。
基準値の3倍で「酒を飲んだ人とキスをしただけ」は通りません。

●車線をまたいで走行/巡査(24)宮城
(5月14日 産経新聞)
5月14日午前2時50分頃、仙台市青葉区でパトロール中の警察官が、車線を
またいで走行しているのを見つけ、停車させた。基準値以上のアルコール
が検出。当時は非番だった。
「友人と飲食店で酒を飲んだ」

●「酒を飲んだ人とキスをしただけ」!?/会社員の女性(21)福岡
(5月13日 西日本新聞)
5月12日午前4時半過ぎ、福岡市中央区でパトロール中の警察官が、ウィン
カーを出さずに車線変更した軽乗用車を発見。基準の3倍以上の0.53mg/lの
アルコールが検出されたが、容疑をこう否認している。
「酒の席で何人かの男性とキスはしたが、自分は飲んでいない」

●自転車の女子高生に追突(死亡)/会社員(25)熊本
(5月11日 西日本新聞)
5月11日午前6時50分頃、熊本市西区の県道で、自転車で通学していた高校
3年の女子生徒に後方からワゴン車で追突、死亡させた。呼気0.17mg/lの
アルコール分が検出。
出勤中に忘れ物をしたことに気づき、自宅へ戻る途中だった。

●ふらつく状態で追突/アルバイトの女性(23)埼玉
(5月6日 埼玉新聞)
5月6日午前8時頃、酒に酔った状態で乗用車を運転、越谷市の交差点で、
信号待ちのために停車していた車に追突し、助手席の男性に左足打撲など
の軽傷を負わせた。呼気からは0.2mg/lのアルコールが検出。
「キャバクラで仕事中に酒を飲んだ」

●当て逃げ/アルバイトの女性(25)福岡
(5月6日 テレビ西日本)
5月5日午前4時10分頃、福岡市門司区の交差点で右折待ちをしていた車に
追突して、乗っていた男女2人に軽傷を負わせて逃走。およそ30分後、数
百メートル離れたところで停車しているのを警察が発見。呼気からは基準
値の3倍以上のアルコールが検出された。
「ぶつかったことに気づきませんでした」


3)医師・看護師・介護職員が…

3つ目のケースは、アルコール依存症の疑いが濃厚です。

●ゴルフ帰り/医師(51)千葉(5月5日 千葉日報)
5月3日午後4時5分頃、市原市で、酒気帯びで対向車線にはみ出し、対向車
と衝突、乗っていた男女にけがを負わせた。妻と友人の医師とともにゴル
フ場から帰る途中だった。
――ゴルフ場での飲酒かも。妻と友人も飲酒を知って同乗の可能性大。

●夜勤に向かう途中/看護師の女性(60)秋田(5月1日 秋田魁新報)
4月21日午前0時頃、夜勤のため車を運転して病院に向かう途中、仙北市の
市道でパトロール中の署員に停止を求められた。基準値を0.01mg/l上回る
アルコールが検出。停職6カ月の懲戒処分となった。
――シフト勤務にありがちな寝酒かもしれません。

●送迎車内に日本酒パック/介護職員の女性(46)(4月21日 福島民友)
4月20日午前10時55分頃、いわき市で、介護施設の名称が入った業務用車
両に施設の利用者男性1人を乗せたまま、路上に停車して眠っているのを
通行人が発見。声をかけたところ酒臭があり、直後に車を発進させたため、
通行人は車で後を追い、停車させ通報した。車内から、約200mlの日本酒の
パック容器1本が空になった状態で見つかった。送迎の途中だった。
――仕事中に車内で飲酒となると、依存症以外の理由が見当たりません。


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   4.山さんコラム No.142
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆ヒトの進化をたどる

前回のコラムでは、食糧確保に苦労した先祖に思いをはせつつ、「食べ放
題・飲み放題」のリスクを考えた。
そして今回は風薫る季節、山さんは想像の翼にのって、さらに過去へとさ
かのぼった。少々難解かもしれないが、お付き合い願いたい。

人類の起源を示す直立二足歩行は、前足に自由をもたらし、両手が使える
状態にした。
道具の使用の最初は、両手で石を持ち上げ落とし、固い木の殻を砕いて中
の実を食べたことかもしれない。同じく石で野獣の食べ残した骨を割り、
骨髄を食べたかもしれない。
これらの行動は、両手が自由に使えるだけではできない。
「割る」というイメージをもち、距離と方向を目測し、石を木の実や骨に
的確にぶつけなければならない。脳による判断と指令が行なわれると同時
に、足を構え、腰を安定させ、体全体が、協調して動く必要がある。

山さんは、4歳ごろメンコ遊びを覚えたが、初めてメンコを振りあげ、勢
いよく相手のメンコの脇にうちおろしたとき、指を地面に打ち付けて、ひ
どく痛い思いをした。未だに、はっきり記憶している。こういう動作を何
回か訓練して、やっと楽しく遊べるのだ。
石を振り下ろすのも、かんたんに思えるかもしれないが、実際は練習が必
要な、案外、難しい動作なのである。

人類は、何百万年もかけて、自然石、割れた石片の利用、ついで石を加工
した石器を発明し、屍肉や骨から効率よく栄養豊かな食物が得られるよう
になった。
石器の加工・使用は、最終作品をイメージし予測する能力、手・腕・体の
連携作業能力がないとできない。すなわち脳の発達と、身体の形態変化が
並行した進化があってこそ、実現したのだ。
道具は食糧確保ばかりでなく、野獣から身を守るためにも役立った。牙や
鋭い爪を持たないヒトが、棍棒や槍など肉食獣に抵抗できる手段をもつこ
とになり、安全が強化された。

火の使用は、どうやって始まったのだろう。
山火事などによる熱い屍肉を前に、肉食の鳥獣は口や足で直接つかむしか
ないが、ヒトは棒などを使って有利に得られたはずである。
火を枝などに移し、意識的に使用を始めると、食物の味を高めるだけでな
く、寄生虫の害を防ぐなど衛生面が強化され、ヒトの生存率を高めた。
火を一晩中絶やさないことにより、肉食獣の襲撃もまぬかれ、安全も強化
された。
道具・火の使用は、学習・訓練が不可欠であるから、身体的な生得能力に
加え、経験からの学習能力をも飛躍的に発達させることになった。

言語能力は、大脳新皮質が発達しイメージする能力が高まったことと、口
が食料確保以外にも自由に使えるようになったこと、直立したことによる
口腔運動可動域の広がり、学習能力の向上などによって伸びていったのだ
ろう。言語により、ヒトは伝達、伝承の力がつき、群れの維持、行動の統
一性などが一段とたかまり、さらに生存能力をアップさせた。

アフリカに発生した人類が、道具をもったホモ・ハビリスを経て、火や言
語も活用したホモ・エレクトス(直立原人)へ進化した。何回かの氷河期
を経て、ホモ・エレクトスは絶滅し、ホモ・ネアンデルタールと現生人類
(ホモ・サピエンス)が共生する時代がくる。
寒冷期にはホモ・ネアンデルタールが優勢であり、温暖期にはホモ・サピ
エンスが居住地を拡大したとする考古学者の興味深い説もある。
最後の氷河期が終わり、草原が広がった大地では、肉体的には華奢だが、
言語能力をはじめ知的能力が高く、集団での狩猟が得意なホモ・サピエン
スが、頑丈で強靱な身体能力をもつホモ・ネアンデルタールとの競争に勝
ち、全世界に広がった。
以上が、我々の先祖がたどった大雑把な進化史だ。

進化の過程で、ヒトが獲得した技術とその使用に関して重要なポイントが、
3つある。

一つは、身体活動能力、特に手・指の活用とそれらをコントロールする脳
の発達とが、相互に作用しあい進化してきたこと(活動とコントロールの
相互発達)。

二つ目は、道具、火、言語の使用など、生まれつきもっていない技術は、
適切な使用法を学び訓練しなければならないこと(技術は、教育学習が不
可欠)。

三つ目は、環境が同じならば、環境適応能力の高い者が繁栄する。しかし
気候変動などで環境が変化すれば、周辺部に追われ条件が悪い場所で生存
せざるを得なかった弱者が強者にとって替わること(環境変化による弱者
の強者化)。

集団活動が活発化し、集団が発展し部族社会へ、やがて文明が起こり、そ
して国家が成立した。しかし、現代人であっても、ヒト科ホモ・サピエン
スであり、自然の制約から離れることはできない。生物としての人類進化
の3つのポイントは変わらないのだ。

一つ目。
人類の発明した技術と製品、それをコントロールする能力との相互発達は、
石器時代から現代まで変わらない人類の課題だ。人類が技術発展をコント
ロールできず、自然環境を無視すれば、自然災害、大気汚染、排水汚染、
地球温暖化を招く。我々、ひとり一人も、「食べ放題」「飲み放題」では
病を招く。

二つ目。
アルコール飲料という製品を前に、ただ欲求にまかせるのではなく、上手
な飲み方を学び訓練することが必要だ。

そして三つ目。
先月発表された研究によると、日本人は数千年をかけて「酒に弱い体質」
へと進化してきたことが遺伝子解析からわかったという。アルコールを代
謝する酵素ALDH1とALDH2の遺伝子変異が受け継がれ、蓄積して、
過去100世代ほどをかけて「酒に弱い体質」の人を増やしてきたのだ。

さまざまなアルコール飲料があふれる現代社会は、まさに酒に弱い者が適
者である。
これはヒトの進化の歴史からも言えることである。
飲み放題は決して合理的ではない。
これもヒトの進化の歴史が証明している。


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  5.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
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=================編集後記 *つぶやき*=================

ニュースクリップの1)冒頭のケース。

前夜7~10時頃、ビールとハイボールを各500ml、焼酎の水割りをコップ4杯
飲んでいます。
事故は午前10時40分頃なので、飲み終わって12時間40分後です。

純アルコール20gを1単位とすると
ビール(5%)500ml ⇒ 1単位
ハイボール(7%として)500ml ⇒ 1.4単位
焼酎水割り(9%として)1杯200mlとして×4杯 ⇒ 2.9単位
計 5.3単位

1単位の分解の目安は、男性で4時間とすると……21.2時間。
12時間40分ではムリですね。

★「アルコールの1単位カード」
 名刺サイズに、1単位と分解時間、飲酒リスクとガイドラインを記載
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143号2018

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 飲酒運転防止への社会的意識の高まりを受けて、運輸業界をはじめ、
 多くの職場で、今、積極的な取組みが模索されています。このメル
 マガでは、ヒントになる事柄、役に立つ情報をお伝えしていきます。

━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    1.インストラクター養成講座NOW!
    2.ASKからのお知らせ
    3.ニュースCLIP!
    4.山さんコラム No.141
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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  第11期「飲酒運転防止インストラクター養成講座」
         お急ぎください!
  
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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★第11期飲酒運転防止インストラクター養成講座、受付中です。

詳しくは、ホームページを。お申し込みもこちらから。
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日々、続々と申し込みが届き、すでに300名を超えています。
どうぞお急ぎください。

今期申し込まれた方たちの、受講動機をご紹介します。

・県では飲酒運転の事故率が高く、また、検挙率も高い。悪質な飲酒運転
 も多いが、残り酒などの「大丈夫だろう」の飲酒運転も多いので、広く
 情報を提供して飲酒運転の根絶につなげていきたい。(企業)

・アルコール依存症の専門病院に勤めており、より知識を深めるために、
 学習したいと思いました。(医療)

・部下が飲酒運転による事故を起こし、上司として飲酒問題を解決したく
 応募しました。(消防)

・飲酒運転の背景には、アルコールについての認識の欠如、飲酒習慣など、
 モラルに訴えるだけでは解決できない複雑な要素があると考えておりま
 す。そこで職場環境、地域の対応を心得たうえで、アルコールの基礎知
 識や節酒方法等の知識を取得したいと考えております。(バス)

・正しい“飲酒とアルコールの知識”を習得し、教習生、講習生に教育を
 するため。(自動車教習所)

・運行管理者を指導する立場として重要であるため知識を得たい。
 (トラック)

・乗務員の健康管理を徹底させるため、特に飲酒の管理をさせたい。
 (タクシー)


■受講料(自己負担分)18,500円 ■定員350名

上記の受講料には、通信講座(教材と添削3回含)・スクーリング参加費・
研修に使えるDVD・認定等の費用すべてが含まれます。
日本損害保険協会の助成、検知器メーカーの企業協賛などがあるため割安
で受講できます。

 ★上級インストラクターについてはこちらへ
 http://c.bme.jp/13/297/2552/1916

 これまでに認定された上級インストラクターの紹介ページはこちらです。  
 https://ddd.ask.or.jp/instructors/


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  2.ASKからのお知らせ
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★NHKラジオ深夜便

4月14日、NHKラジオ深夜便が「若者よ! 一気飲み・アルハラで命を落
とさないで」と題して40分番組を組んでくれました。
ASK代表の今成がイッキ飲み防止連絡協議会事務局長として、酔いと脳の
関係から、アルハラと急性アルコール中毒の実態まで、お話しています。

今週いっぱい、ネット視聴できます。
「聴き逃し」の4月14日(土)午前1時台をどうぞ。
https://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/b5.html

レジャーシートも無料プレゼント中。ぜひご応募ください。
(使いやすいサイズでしっかりした素材です)

申し込みは、イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーンサイトからどうぞ。
https://ask.or.jp/ikkialhara_campaign.html


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  3.ニュースCLIP!
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今年の桜は開花が早くて、駅前商店街のさくらまつりの頃は、すっかり
葉桜になっていました。

さて、新年度になりました。
各地で公務員の飲酒が相次いでいます。

今回も、友井・今成の共同作業でお届けします。
Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)「酒は抜けたと思った」
 2)とんでもない事件
 3)新学期早々、教員が…
 4)水上バイクも飲酒運転はNG!

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1)「酒は抜けたと思った」

どれも午前中の飲酒運転です。

●会社員(36)福岡(3月13日 テレビ西日本)
3月13日午前5時前、福岡市・天神で、ライトをつけずに走っている車を
パトロール中の警察官が発見。呼気からアルコール0.27mg/lが検出され、
酒気帯び運転の現行犯で逮捕した。
「酒を飲んでだいぶ時間がたっていた。飲酒運転したつもりはありません」
と容疑を否認。

●巡査長逮捕(32)大阪(3月19日 産経新聞)
3月19日午前4時半頃、自宅から約400mの曳野市内で電柱に衝突する事故を
起こした。基準値の3倍以上のアルコールが検出。
「18日午後9時頃まで、幼なじみの家で焼酎を4杯ほど飲み、眠った後、帰
宅時に運転した。考えが甘かった」と容疑を認めている。
その日は非番だった。

●千葉県職員(64)千葉(3月23日 千葉日報)
3月21日午前3時すぎに当て逃げ事件があり、車のナンバーから署が出頭を
求めた。午前9時40分頃、軽乗用車で署に出頭した職員から酒のにおいが
したため呼気検査。酒気帯び運転で逮捕した。
前夜の飲み会で飲酒したが、「酒は抜けていると思った」と容疑を否認。
参加した飲み会は、勤務先の退職者送別会で、午後5時半から午後11時頃ま
で、3ヵ所で飲酒したという。

しこたま飲んだ前夜の酒。
朝には、まだたっぷり体内に残ったままです。
正しい知識を持ちましょう。

★DVDからeラーニングまで
 <飲酒運転防止>に役立つASKの予防教育グッズ
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2)とんでもない事件

年配の男性の飲酒運転2例。
1つ目は酩酊度が高く、無免許です。
2つ目は真昼間です。
アルコール依存症の可能性もあるように思います。

◎危険運転致傷罪で男起訴 釧路地検 無免許、飲酒ひき逃げ
(4月5日 北海道新聞)
◎<北海道>釧路 暴行の男 無免許の飲酒運転だった
(3月15日 北海道テレビ放送)

北海道、釧路市で起きた暴行事件。
逮捕された漁師(52)は無免許で飲酒運転でした。
3月14日未明、男性が軽トラックを運転し、信号待ちのタクシーに追突。
運転手にけがを負わせて逃走しました。連絡を受けて駆けつけたタクシー
会社の男性が追いかけたところ、胸ぐらを両手でつかんで押すなど暴行。
まともに歩けないほどフラフラだったということです。
無免許だったことも判明。
地検は「アルコールの影響で正確な運転が困難だった」と判断、危険運転致
傷罪で起訴しました。

◎バックギアのまま降車、自分の車にひかれ壁に挟まれ逮捕 その訳は
(4月14日 神戸新聞社)

4月13日午後2時25分頃、古川市で民家の外壁と乗用車の間に男性が挟まれ
ているのに通行人が気づいて、119番しました。
男性(68)は左足打撲などの軽傷を負い、病院に搬送されました。
驚いたのは、民家は男性の自宅で、車も所有車だったこと。
その日、男性は、自宅前に路上駐車していた自家用車を動かそうとして、
壁などにこすったため、バックギアに入れたまま車を降りました。
そして、無人で動いた自分の車にひかれてしまったのです。
病院で呼気から基準値を超えるアルコールが検出されています。


3)新学期早々、教員が…

前号で、「卒業シーズンに教師が続々」という記事を書きましたが、今度
は「新学期早々」の飲酒運転です。

3例とも、教員同士の飲み会後。
けっこう飲んでいて、2人は運転した記憶がありません。
1人はなんと、自分の歓迎会後でした。

いずれの学校も、保護者説明会、保護者向けの謝罪文、始業式での陳謝と
対応に追われました。

●市立小学校教頭(50代)千葉(4月14日 毎日新聞/千葉日報)
4月6日午後6~10時頃、居酒屋で教員約10人と飲酒。帰りは運転代行を利用
する考えだったが、実際には蛇行運転しながら帰宅。11時50分頃、警察官
に職務質問され、呼気0.4mg/lのアルコールが検出された。
教頭は「記憶がない」「気づいたら運転していた」と話している。

●市立中学教諭(29)佐賀(4月12日 毎日新聞)
4月11日午前1時45分頃、小城市で、酒に酔った状態で乗用車を運転。巡回
中の署員が、ふらついて対向車線にはみ出した車を発見。基準値の3倍を超
える呼気0.55mg/lのアルコールを検出した。
10日夜に友人の教員2人と飲酒。「運転したことは覚えていない」と供述。

●町立小学校講師の女性(40)富山(4月4日 チューリップテレビ)
4月3日午後10時50分頃、富山市で車を運転し、ノーブレーキでビルの敷地
内に止まっていた車やビルの壁に衝突。ブロック塀も倒し、駐車してあっ
た別の車2台にも損傷を与えた。通報を受け、駆けつけた警察が調べたと
ころ、基準値を超えるアルコールが検出。
講師は4月から小学校に着任し、3日は市内の飲食店で、学校の教職員が
開いた歓迎会に出席していた。自身の歓迎会とそのあとの二次会でビール
をグラスで5杯とウイスキーなどを飲み、午後10時半頃「代行で帰る」と
同僚に告げ、別れたという。

★飲酒運転防止インストラクター養成講座
 https://ddd.ask.or.jp/


4)水上バイクも飲酒運転はNG!

3月の都議会で、水上バイクなど小型船舶の酒気帯び操縦などを規制する
東京都水上安全条例が成立しました(施行は7月1日)。
小型船舶の酒気帯び操縦を禁止する条例は、全国初とのこと。

◎水上バイクの安全航行啓発 警視庁、目黒川でチラシ
 (4月1日 産経新聞)

警視庁は4月1日、桜の名所、東京・目黒川で、船舶利用者に条例を周知す
るチラシを配布、安全航行やマナーを呼び掛けました。
目黒川では、観光船の周囲を水上バイクが暴走して引き波を立てるなどの
迷惑行為が相次いでいたのだそうです。


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   4.山さんコラム No.141
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆「衣食足りて礼節を知る」の意味

お花見だ。
つい飲みすぎる、食べすぎる。
「飲み放題、食べ放題」困ったものだ。
でも、人間の本能からみれば、ごく自然のことだ、との声もある。
生物には、生きるため、いろいろな本能的欲求があり、飲・食欲は代表的
な欲求だ
欲求の対象を得られれば快感が生じ、快感を求めて行動は激化する。快感
をより多く与える飲料・食物、おいしいものが追い求められ、飲みすぎ、
食べすぎるわけである。

概して、自然環境は食物が不足がちなので、生物は飢餓にうまく適応でき
るよう進化してきた。
人類も、食物不足に対応するメカニズムは発達していて、たまに十分食物
にありついたら、あまった分を体内に蓄えておく機能がある。中でも活動
や体温維持に欠かせない糖分を、飢餓に備えて中性脂肪として蓄積する。

逆に、栄養過剰を防ぐ備えはほとんどない。
農耕を開始した人類は、灌漑などで耕作地を拡大し、穀物を大量に生産、
食料確保に成功した。そのうえ品種改良や精製加工などにより、よりおい
しく、栄養価の高い食物を作りだした。そして栄養の過剰摂取を引き起こ
すまでになった。
食べすぎが継続すれは、脂肪が蓄積されて肥満がすすみ、糖尿病や高脂血
症など健康上の障害が発生する。

糖分摂取について考えてみよう。
米や麦を玄米や麦粒のまま煮たり、焼いたりして食べても糖分の取りすぎ
にはなりにくい。食物繊維などデンプン以外の物質も多いうえに、たくさ
んは食べられないからだ。
米を精米し白米として、おいしく炊けば食べすぎるし、白飯はほとんどデ
ンプンだから糖分過多になる。
麦も同じで、精白製粉しパンとして食べれば、やはり食べすぎ、同じく糖
分過多となる。
野生の果実で腹を満たしても、摂取される果糖の量はしれている。
しかし、栽培されている蜜柑、りんご、ブドウなどは、改良され糖度が著
しく高い。毎日、好きなだけ食べたら、糖分の取りすぎになる。
サトウキビから作られる精白糖を使用した料理や菓子類は、甘くて食べや
すい。毎日たくさん食べれば、やはり糖分の取りすぎになる。
自然界においては、本能にまかせて腹一杯食べても健康を害しないが、現
代社会では、食欲にまかせて食べたら体を壊すのである。

酒類についても同じである。
縄文式土器の中から多量の種子が見つかった。そのまま食べるには大きさ
の足りない実を貯蔵し、果実液を発酵させて利用したと推定されている。
しかし当時、野生果実の量は限られ、糖分の含有も少ないから、発酵させ
てもアルコール度は低く酒と言えるものではなかった。
野生種から糖分豊かなブドウが選択的に栽培されるようになり、壺に貯蔵
されると、初めてワインができた。これが酒類のはじまりだろう。
麦、米などの農耕が開始されて、収穫量が増大し貯蔵される状況になると、
飯やパンが自然発酵してアルコールを含むようになったものが発見され、
酒の醸造法も発明されたと考えられる。
メソポタミアで発見された粘土板には、麦をパン状に焼き、水を加える
ビール醸造法が記されている。
日本酒は、飯を噛んで唾液によってデンプンを糖化し、壺に入れ発酵させ
酒としたもようで、「醸す」の語源にもなっている。

本格的な酒類の醸造と普及は、飲みすぎの害をもたらした。
古事記には、スサノオノミコトが、暴れて、田の畦を壊したり糞をまきち
らしたりしたのを、アマテラスオオミカミは「酔っぱらったせいだ」とか
ばった記述がある。八岐大蛇を退治するため、スサノオが強い酒を造らせ
た話も有名だ。
神話の語られた時代に、すでに酔っぱらいの乱暴狼藉があったこと、それ
に対して身内は寛容だったこと、酒の酔いをしっかり認識した上で戦いに
利用していたことなどがうかがわれる。
ちなみに、奈良時代の758年には、官吏への禁酒令がだされている。酒害
が社会問題化していたのである。
食物が豊かになった状況で、本能のままに欲望を拡大すると、個人的な健
康障害のみならず社会問題も引き起こすのである。

古代中国の有名な逸話「酒池肉林」。
殷の最後の王が「酒の池」を作り、「焼き肉の林」を作り、酒色におぼれ
て国を滅ぼした。
「酒池肉林」は「飲み放題」「食い放題」「したい放題」という欲望の暴
走を戒めた熟語だ。飲食欲・色欲の自由放任は、道徳的退廃を招き国家に
とって危険という警告である。

同じ中国の格言に「衣食足りて礼節を知る」がある。
以前、山さんはこの言葉を「貧しくては礼節どころではない。豊かになっ
て初めて礼節の大切さを知る」という意味にとっていた。これは、山さん
自身の戦後の貧しい暮らしが反映している。
だが、今の山さんはこう解釈する。
「豊かになったときこそ、したい放題でなく行動指針を定め、節度を守る
ことが大切だ」と。

日本は戦後、経済の高度成長をはたし、庶民が「焼き肉、食べ放題」「酒
類、飲み放題」をできる時代になった。
国民が殷の王なみに「酒池肉林」では、国を滅ぼす。
今こそ「衣食足りて礼節を知る」必要がある。

厚生労働省のすすめる「健康日本21」には、メタボ対策や飲酒問題を予
防するための指針が入っている。まさに「酒池肉林」状態の国民を減らす
目標といえる。
世界保健機構(WHO)は、酒類の飲みすぎが健康障害を起こしていると
警告し、各国へ対策を求めている。
山さんは、国の方針だから守ろうとは言いたくない。WHOの警告がある
からやろうと言うのでもない。技術発展に見合った文化を創ろう、と言い
たい。
「飲み放題を止める」 
飲むなら1単位。これが現代飲酒文化の出発点だ。


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=================編集後記 *つぶやき*=================

3月末、都内の某公園でお花見をしました。
シートを敷いてお弁当を食べているたくさんの家族連れ。
その中に、異様な雰囲気の一角が。

木のテーブルとベンチに、1人の年配の男性が座っています。
テーブルにはワインボトルが、ざっと8本は置いてあります。
グラスは4つあるので、友人を待っているのでしょうか。

朝から飲みながら場所取りをしていたのか、もうボトルは1本空いて、
2本目の栓を開けているところです。
手元にあるのは、菓子パン1個。

気になって、帰りに、同じ場所を通りました。
2時間近く経っていたでしょうに、彼はまだ1人です。
ワインは2本目がほとんど空になっているようす。

750mlのボトル2本となると、1500ml。
ワインは200mlが1単位なので、7.5単位です。
分解するのにおよそ30時間、1日を超える量です。
大丈夫だろうか。

後ろ髪を引かれる思いで、公園を後にしました。


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142号2018

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    4.山さんコラム No.140
    5.ASKの活動ご紹介
    6.編集後記 *つぶやき*

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  第11期「飲酒運転防止インストラクター養成講座」
     3月15日、いよいよ受付開始です!
  
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  1.インストラクター養成講座NOW!
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★第11期飲酒運転防止インストラクター養成講座
 3月15日から受付開始です!
 いつも早々に埋まります。お申し込みはお早めに。

■受講料(自己負担分)18,500円 ■定員350名
※受講料には通信講座(添削3回含)・スクーリング・教材用DVD・認定等
の費用すべてが含まれます。

くわしい内容はホームページをご覧ください。  
https://ddd.ask.or.jp/

――迷っていらっしゃる方へ
【政府インターネットテレビ】で、講師・山村のインタビューと、当養成
講座のスクーリングのようす(3分40秒から8分くらいまで)が見られます。
 ↓ ↓ ↓
「その先の悲劇 絶対にしない・させない!飲酒運転」
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg14584.html?t=129&a=1


★上級インストラクターに挑戦する方も募集しています!

認定インストラクターとしての経験をもとに、アルコール問題についての
研鑽をさらに積み、実技審査に合格すると上級インストラクターとして
認定されます。

くわしくはこちらをどうぞ。
http://c.bme.jp/13/297/2516/1916

なお、これまでに認定された上級インストラクターの紹介ページはこちら。
https://ddd.ask.or.jp/instructors/


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  2.ASKからのお知らせ
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★イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン、スタートです!

今年のキャンペーンのキーワードは「2時間」。
なぜ2時間なのでしょうか――
学生たちがよく行く飲み放題は、たいてい「2時間」制。
一方、2時間で酔う量を飲むと、事故につながりやすいとの調査も。
実際、これまでに急性アルコール中毒で亡くなった学生は、イッキ飲ませ、
罰ゲーム、早飲み競争などで、2時間以内に潰されている例が多いのです。

飲み会でいざという時に役立つグッズもつくりました。
90cm四方のレジャーシートで、
「転倒して顔面を強打し鼻を骨折」
「友人宅で飲んでいる時、3階から落下して頭蓋骨骨折」
「トイレで転倒。頭を強打。救急車で搬送」
など、飲酒にまつわるケガの実例と、
「すぐに救急車を呼ぶべき状態」
など、いざという時のための情報を掲載しています。

ポスター、チラシ、レジャーシートの申し込みは、
キャンペーンサイトから。
https://ask.or.jp/ikkialhara_campaign.html


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  3.ニュースCLIP!
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卒業式シーズン。
慰労会、祝賀会後に、教師が飲酒運転で続々検挙されています。

酔いとは脳のマヒ、理性のマヒです。
ふだんはちゃんとした人でも、気がゆるみます。
3~4月は酒席が多い時期、主催者・幹事は飲酒運転対策をどうぞ忘れずに。

今回も、友井・今成の共同作業でお届けします。
Facebookページ「ASK飲酒運転防止プロジェクト」でも日々、ニュース
のシェアを行なっています。どうぞご覧ください。
  ↓ ↓ ↓
 https://www.facebook.com/ASK.dddproject

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 1)卒業シーズンに教師が続々
 2)酒が残って…
 3)20代の公務員の飲酒運転

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1)卒業シーズンに教師が続々

石狩地方の北海道立高校教諭(50代)が、飲酒後の3月3日午前2時20分頃、
自家用車を運転中、雪山に乗り上げて横転しました。
その経緯がなんと……

◎酒代足りず帰宅、支払い戻り飲酒運転…高校教諭(3月5日 読売新聞)

前日に卒業式を終えた後の慰労会名目で同僚6人と札幌市内の居酒屋でビー
ルや日本酒を飲み、2次会でもワインを飲酒。さらに別の店で、1人でビー
ルを飲みました。
ところが、支払うお金が足りず、現金を取りにいったんタクシーで帰宅。
店に戻るために車を運転してしまいました。
教諭は「タクシーがつかまらなかった」と説明しているといいます。

このケース、突っ込みどころが多々あります。
乗ってきたタクシーを待たせておくことはできなかったのか。
現金を取りにもどるくらいなら、翌日、支払いに来ると、店に交渉できな
かったのか。
そもそもクレジットカードやATMカードは持っていなかったのか。
せめて2次会までで帰宅できなかったのか。
(飲み会後に1人ではしごするのは、依存症への危ないパターン)

◎飲酒運転で群馬県立高教諭を逮捕 桐生署(3月4日 産経新聞)

群馬県でも、3月2日午後8時55分頃、県立高校教諭(58)が同僚との祝賀会
後に運転し、縁石に乗り上げました。
近所の男性が通報したところ、アルコールが検出。
「祝賀会で同僚らとビールや日本酒を飲んだ」と話しているそうです。

◎兵庫大附属幼稚園長、飲酒運転で逮捕(3月10日 読売テレビ)

兵庫県では、3月9日午後11時半頃、大学附属幼稚園園長(64)が送別会後
につかまりました。
加古川駅付近で、「コインパークに千鳥足で行き、車を運転した人を見た」
と通報があり、警察が駆けつけたところ、およそ50m離れた場所に車が停止
していたとのこと。呼気から基準値のおよそ3倍にあたるアルコールが検出
されました。
送別会の帰りで、「駐車場代が上がってしまいそうだったのでコインパー
キングから出して代行運転を呼ぶつもりだった」と容疑を認めています。


2)酒が残って…

朝と昼の飲酒運転です。

●酒が残っている感じはした
 県幹部職員(54)福島(2月23日 福島テレビ/3月10日 河北新報)
2月22日の朝、郡山市内で酒気帯び状態で車を運転、追突事故を起こした。
前日に自宅がある福島市で開かれた飲み会に参加。飲食店2軒で日本酒3合
以上を飲み、自身の乗用車内で寝た後、午前6時半頃から職場に戻る途中
だった。調べに対し「夜遅くまで日本酒を中心に飲んでいた。酒が残って
いる感じはした」と供述。3月9日、懲戒免職処分に。

日本酒3合の分解にかかる時間は?
⇒答えは編集後記をどうぞ

●朝の体調はいつも通りだった
 宝塚市議(46)兵庫(2月15日 産経新聞)
2月14日早朝、政党機関紙を車で配達中、電柱に衝突する事故を起こした。
基準値は下回っていた。「(事故前夜の午後)9時頃まで焼酎を1合ほど飲
んだ。朝の体調はいつも通りだったが、今後はアルコールを節制する」と
釈明。

焼酎1合の分解にかかる時間は?
⇒答えは編集後記をどうぞ

●酔いがさめたと思った
 少年鑑別所職員(56)福島(2月14日 福島民友)
休暇だった昨年12月23日午後1時すぎ、酒気帯びのまま同鑑別所に駐車して
いた自分の乗用車に乗り、運転。敷地内の塀に衝突。減給6カ月の懲戒処分
を受け、依願退職した。勤続34年のベテランで、聞き取りに事実を認め、
「朝まで酒を飲んだ。酔いがさめたと思い車を運転した。申し訳ない」と
話した。


3)20代の公務員の飲酒運転

こんなことにならないよう、新人研修で、アルコールの落とし穴について
伝えてください。

●国土交通省職員(21)新潟(3月8日 テレビ朝日)
3月8日午前0時前、車で帰宅途中に新潟市で軽乗用車に追突し、そのまま
逃げたとして逮捕された。「居眠りをした」と供述、呼気からアルコール
が検出された。

●山梨県職員(23)山梨(3月4日 読売新聞)
3月2日午後11時半頃、甲府市で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転、赤信
号で停車中だった軽乗用車に追突した。
午後5時15分頃、勤務先を退庁。飲食店で県職員5人を含む男女10人と集ま
った。同席した職員によると、少なくともビール1杯やワインをグラスで
数杯飲んでいたという。その後向かったラーメン店で、同僚と別れた後に
車に乗ったとみられる。

●福島県消防士(26)山形(3月8日 毎日新聞)
2月27日、米沢市の東北中央自動車道栗子トンネル下り線を逆走し、大型
トレーラーと正面衝突。内臓損傷などの大けがをし、基準を超えるアル
コールが検知された。
「26日夕に専門学校の同期生と飲食する」として、非番と休暇を利用し、
26日夕から27日午後にかけて仙台市に出かけると、上司に届け出ていた。
消防士は6年前の2012年5月、いわき市の飲食店で飲酒後に運転代行を頼む
際、駐車場所から店に移すために自ら車を運転し、検挙されていた。
運転免許も取り消されたが再取得。その後は毎朝実施する呼気検査で違反
はなかったという。


★「アルコールの1単位カード」
 名刺サイズに、1単位と分解時間、飲酒リスクとガイドラインを記載
 職場で配布したり、正しい知識を伝えるミニ活動に最適です!
  ↓ ↓ ↓
 http://www.a-h-c.jp/items/oneunitcard

★ハンドブック「知って得する!アルコールの基礎知識」
 「なんとなく知っている」と思っていたお酒についての知識
 けっこう知らないことが多いはず。内容はDVDにも対応しています。
  ↓ ↓ ↓
 http://www.a-h-c.jp/goods/6108


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   4.山さんコラム No.140
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ASK飲酒運転対策特別委員会委員長
元・JRバス関東株式会社会長     山村陽一

◆「飲み放題」論争

ある酒の席で、いつものように「飲むなら1単位」と説き、飲み放題はよ
くないと話した。講演会や研修では、本当に伝えたい人へ伝わらないので
はと思い、こういう場でこそ話すことにしているのだ。
その日はまさに飲み放題の設定だったが、こう反論された。
「飲み放題は、好きな飲み物を、好きなだけ飲めるのだから、すごく合理
的だと思う」
そこで山さんは、すかさず言った。
「酒を飲み過ぎて、体をこわしたら、合理的でないだろう」

相手は、山さんよりはるか年下だから、そのまま黙ってしまった。
だが、しばらくすると、となりの人へ小声でささやいている。
「いろんな人がいるのだから、飲みものを制限するのは不合理よね。飲む
人は、たくさん飲めばいいし、体を気にする人は控えればいいし、飲めな
い人はウーロン茶があるのだし……」
山さんは、少しカチンときた。
それで、大声で会場全体に響きわたるように言った。
「飲み放題は、飲兵衛の幹事が、たくさん飲みたいから頼むのだ」
ちょっと会場がシラケた。
山さんと同年配の友人が取りなす口調で言った。
「飲み放題なら幹事が楽なんだよ。追加徴収や個人別徴収はたいへんだか
らね」
ここが問題の核心だと、山さん、ますますいきり立った。
「追加したい者はウエイターに直接頼み、その都度個人精算すればよい。
商売だから嫌がらないよ。俺は他の会場で、そうやらせたことが何回もあ
る」
友人は苦笑しながら言う。
「確かにそうすれば、追加する者は少なく、面倒もないだろうが、会の雰
囲気がこわれてしまう。飲み放題で、自分の適量だけ飲む、これが大人と
いうものだ」
ほかにも小さな声がする。
「歓迎会や送別会で制限したら、ケチだと思われる」
「酒がたっぷりというのが、もてなしの原点だよね」
「酒が自由に飲めないなら、参加者は大幅に減るよ」
「大人だから自己責任でいくべきだ」
「頭が固いのだ」
司会が気をきかせて、次の発言者を指名、テーマは思い出話に戻った。

家へ帰ってからも、このやりとりが気になった。
会の参加者ほぼすべてが「飲み放題」に賛成し、山さんの主張は極端だ思
っているのだ。
飲み放題が、これだけ日本社会へ広がったのには、それなりの理由がある
にちがいない。
酒類販売に厳しい北欧、禁酒法があった米国は当然のこと、フランス、ド
イツ、スイス、英国にも「飲み放題」はない。
ということは、この独特のシステムは、日本の「国民性や現代の風潮」と
も関係があるかもしれない。

ずーっと貧しかった日本が、戦後、経済が成長し、金さえ払えば誰もが好
きなものを腹一杯食べて飲める豊かな社会になった。
「飲み放題」「食べ放題」は、自分の好みの物を、好きなだけ、飲んで、
食べられるという点で、確かに、個人の自由を尊重し、価値の多様性が重
視される現代にマッチしている。
さらに現代は、リスキーな冒険、体を酷使するスポーツ、一見破廉恥な雑
誌など、法律に触れなければ、安全・健康・道徳的に問題があっても、認
められる活動はたくさんある。「飲みすぎ」が健康上ハイリスクと指摘さ
れることに反発を感じたり、自分の酒の飲み方を他人から指図されるのに
不快を感じるのも当然かもしれない。
また、会費が平等、ビール・日本酒で一緒に乾杯、心おきなく注ぎあえる、
など飲み放題のシステムは「みんな一緒に」「一体感の醸成が大切」とい
う日本人の国民性にも合致している。
だから「飲み放題」は手ごわい。

山さんの思考は続く。
飲み放題派の言い分はこうだ。
「酒くらい気ままに楽しく飲みたい。制限つきで飲んだらうまくない。心
ゆくまで飲むのが酒のよいところ。メニューには、飲まない人のためのソ
フトドリンクもある。酒の強制はしない」

この言い分への山さんの反論は、この3つ。
1.会費が、飲まない人も同一なら、ソフトドリンクに比べ酒類の単価は
  高く、不公平。その分、料理の質が落ちる。
2.酒類の数は多いが、銘柄は限られ、品質も高くない。本当に好きない
  い酒が選べない。
3.元をとろうと、つい飲みすぎる。健康上悪く、翌日、酒気帯び勤務に
  なりがち。

これに対して、飲み放題派から再反論がある。

1.会費徴収時点で、飲まない人は料理代だけにし、差額を「飲む人で負
  担」「役職者が負担」などにすれば公平感が出る。
(山さんの再反論)
 同一金額にするなら、酒類の量を減らせば、料理の質を向上させられる。

2.少し金額を上積みすれば、質が高い酒類のコースも選べる。だが、そ
  もそも「飲み放題」での会合の目的は、コミュニケーション。品質に
  こだわる場合は、「飲み放題」にはしない。
(山さんの再反論)
 コミュニケーションを高めるためなら、酒類は適切な量に限定すべきだ。
 酔ってしまっては話ができない。

3.大人なら、自分の適量を知り、その範囲で楽しく飲むのが普通。大多
  数の人が、そうしている。新人もそれを見習うべきだ。
  飲みすぎて失敗するのはごくわずか。失敗しながら覚えることもある。
  また、飲みすぎるのを注意したり、介抱したり、送ったりするのも仲
  間の努め、それを学ぶ場でもある。
(山さんの再反論)
 新人が「酔い」の快感をまず覚え、どんな酒類でも「酔えればよい」と
 いう酒の飲み方になる可能性が高い。同じ「酔いの快感」を求めて飲め
 ば、耐性ができ、多量飲酒が習慣となる。多量飲酒は自分や家族だけで
 なく、属する組織・社会にも害を及ぼす危険がある。酒類を飲み始める
 人々や多量飲酒者に、まず酒の適切な飲酒量を教え、量を制限する習慣
 をつけるのは、酒の害を抑え、効用を引き出し尊重するうえで大事なこ
 とである。

この応酬はキリがない。今回はここまでにしておこう。
最後に、山さんの決意表明を。

われわれ日本人が追い求めて手に入れた自由と豊さ。
その象徴が「飲み放題」「食べ放題」だ。
だが皮肉なことに、われわれはこの野放図によって、健康障害と、それに
よって生ずる社会問題に直面している。
先進国ではその対策が急務となった。

厚生労働省「健康日本21」の指針が、まさにこの対策の1つだ。
「食べ放題」による肥満に対して、メタボ対策がとられた。
「飲み放題」による健康障害に対して、「節度ある適度な飲酒」の指標が
示された。
また、「アルコール健康障害対策基本法」が制定された。
不適切な飲酒を止め、酒による健康障害とそれによって生じる社会問題を
なくそうということだ。
「好きなだけ飲む」のは、今や、合理的ではない。

私たちは、ようやく得られた個人の自由と豊かさを真に享受するため、自
分の意志で、適切な飲酒量の会合をもつべきなのである。
「飲み放題の会」でなく「1単位の飲酒の会」を。
山さんは、あらゆる場で説き続ける。


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  5.ASKの活動ご紹介
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特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)は、アル
コール問題の予防に取り組む任意団体として1983年設立、2000年にNPO
法人になりました。1994年には、出版・研修の事業部門が(株)アスク・
ヒューマン・ケアとなり、活動と事業の両面から予防を推進しています。

ASKでは、「飲酒運転を防止するためには、アルコール依存症の早期発
見・介入を視野に入れた総合的な予防対策が欠かせない」との認識のもと、
2005年に飲酒運転対策特別委員会を発足させました。
山村陽一委員長と今成知美ASK代表のリーダーシップのもと、被害者遺
族・専門家・関係機関と連携しつつ、予防と再発防止の両面から本格的な
飲酒運転防止対策に取り組んでいます。

↓くわしくは、ASKのホームページをご覧ください↓
 http://c.bme.jp/13/297/2522/1916


=================編集後記 *つぶやき*=================

ニュースクリップで出題した問題の答えです。

Q 日本酒3合の分解にかかる時間は?
⇒日本酒1合は、アルコール1単位(純アルコール約20gを含む)。
 分解に、飲み終わってから、男性およそ4時間、女性5時間みてください。
 3合だと、男性12時間、女性15時間です。

「夜遅くまで飲んで、朝6時半に運転」は、ないですね。


Q 焼酎1合の分解にかかる時間は?
⇒25度の焼酎だと、1単位は100ml。この分解にかかる時間の目安が、男性
 4時間、女性5時間です。
 1合は180mlですから、男性7.2時間、女性9時間です。

「9時頃まで焼酎1合を飲んで、早朝に運転」は危険なラインです。
実際、基準値以下ではありましたが、ゼロにはなっていませんでした。

アルコールの分解は、睡眠中は遅れます。
加齢とともに遅くなりますし、体調にも左右されます。
余裕をみて時間をあけましょう。
そして、睡眠の質を保つためにも、飲酒は1単位までに。


★飲酒運転防止インストラクター養成講座
 https://ddd.ask.or.jp/

★DVDからeラーニングまで<飲酒運転防止>に役立つASKの予防教育グッズ
 http://www.a-h-c.jp/items/noddd

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 【職場の飲酒運転対策メルマガ】142号 18.3.13
                  
 発行 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
    飲酒運転対策特別委員会
  
       〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-16-7-7F         
       Tel 03-3249-2551 Fax 03-3249-2553             
       URL http://www.ask.or.jp/ email ask-ddd★(★を@に変えてください)a-h-c.jp

=================== このメールマガジンは ====================
 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)内に
 設置された飲酒運転対策特別委員会が、情報提供のために発行する
 ものです。ASKのホームページ http://www.ask.or.jp/ からご登
 録いただいた方に、月1回、無料で配信します。
===========================================================
プロフィール

ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)

Author:ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
http://www.ask.or.jp/

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